インタビュー・with・HAKU様

(拍手用小話7を加筆修正したもの)

 

ガチャ

 

・・・そち、まだいたのか。

千尋は休んでいるゆえ、出直すことだ。

・・・いや、無理などさせてはおらぬ。

くどい!第一そちには関係なかろう。

千尋の代わりに我に続きを答えよ、と。

我に許しもえず千尋に対面したことさえ

許しがたいのに、ずうずうしいやつ。

全く、そなたのような輩がいるゆえ

我は人間など好かぬのだ。

・・・いや、千尋は違う。

人間などという括りにいれるな。

あれは、もはや神人。

我が半身。

手の中の玉。

我の愛しい妻にして、

天地天壌における唯一の恋人。

千尋になにかあったら

我も生きてはいられぬ。

そういう意味では、

我の命を握っている存在だ。

何者にも渡さぬ。

側から離れる事など許さぬ。

たとえ、たとえ、

千尋の魂が輪廻の輪に焦がれ

新たな生を望んだとしても、

決して

手放してなどやらぬ。

まして、我から千尋を奪おうとする

輩などすべて滅ぼしてくれよう。

ああ、しかし、そちのような輩が近付くなど

守りがたりないということか。

どうすれば・・・

上位神と海神の加護に、我の龍玉と結界で

守っているに、まだ足りぬということか。

そうだ、そち、いったいどのようにして

千尋に近付いたのだ?

企業秘密?

ほう、よほど痛い目にあいたいと見える。

!!重ね重ね無礼な。

千尋の前とは違うなどと。

当たり前ではないか。

千尋を守るためには

甘い顔などしていられぬ。

千尋は常に自分のことより、

周囲の事を優先させてしまうゆえ、

利用しようとするものが後をたたぬのだ。

この前も、どこぞの使い魔の

泣き落としに引っかかって、

油屋まで連れて行ってやるなど。

真に、千尋は・・・

いや、昔からだな、ああいうところは。

そうだな、

あの内面の優しさと強さ、

人柄の美しさは、

神々とてくらべられるものはない。

それに、我のためなら、

身を顧みぬような

強さと危うさがあって・・・

やはり目を離さぬのが一番、か・・・

ふむ。

玉!

翁様に使いを。

都合が悪くて行かれぬ、と。

よいのだ。どうせ、あの御仁の用など、

ご自身のお力で解決できる事ばかりなのに、

わざわざ、我を呼び出すなど、

嫌がらせのようなものだから。

 

なんだ、そちまだいたのか。

さっさと、帰れ。

由良、

夕餉は千尋と共に閨でとるゆえ用意を。

 

 

 

バタン

「・・・・・・」

「由良さま、ご苦労なさいますね。」

「いえ、いつものことですから。

それより、あまり煽らないでくださいね。

苦労なさるのはちー様

なのですから。」

「あははは・・・すみません。

ああも、見事に引っかかって

くださると、やりがいがあって。

ではでは、これで失礼いたします。

ちー様にイロイロがんばってくださいませ、

とお伝えくださいね。」

 

 

 

以上、玉砕覚悟の突撃インタビュー

提供は「うみのおとしもの」

実況は友林でした。

 

ちゃんちゃん

 

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