龍神シリーズ第2部 龍神情話 設定紹介及び人物紹介

第1部の補足説明やら、訂正やら 付け加えやらも含みます。

あと、友林が考えた オリジナル設定の言い訳も含むので、良かったらごらんください。

 

第1章 蜜月 始まりは光から

1-1 披露目の宴    神々はお祭り好きだそうです。仏様方と異なり、酒池肉林をこよなく愛するとか。

              というわけで、お祝いの宴となれば そりゃもう、見逃しませんよ。まあ、琥珀も

              言ってますが、いい「だし」にされたと考えてください。

              また、神様に人間の娘を神人にして、妻にしちゃったからよろしく。手を出しちゃダメよ。

              と、宣言する機会でもあるわけです。

1−2 琥珀主の名前 名まえがかわったのは、あらたなお役目をいただいた印です。 

               また、余談ですが 「ニギハヤミ」 というのは、童神のとき翁神様の一族の末席に

               入った折にいただきました。それまで過ごした竜宮では 竜泉と同じく いわゆる『名』 

               である「琥珀」と呼ばれていました。琥珀には「太古を記憶せしもの」 という意味があり

               ます。つけたのは、琥珀の父神さまだとか。もっとも琥珀は興味が無くて知りません。

1−3 上位神の来光 新参の神が上位神の来光を願うというのは、一般人の結婚式に、総理大臣や、天皇

               あるいは、イギリス女王をお招きするくらい、素っ頓狂なことだと考えてください。

               しかも理由が超身勝手。最愛の妻に守護をくださいってなもんだ。

               翁神が気に入ってくれてよかったね。琥珀ってば、ほんと、ずうずうしいったら。

               最も、世間知らずの確信犯的な行動だったのかもしれませんが。

1−4  神の家     人間が作る祠(ほこら)や神社は象徴です。この世界の神様は けっこう好き勝手な

               家に住んでいます。もっとも一般的なのは、いわゆる宮といわれる建物で、神の

               力と威厳を象徴するお城でもあります。

               琥珀が作った家は いわゆる明治時代の日本の貴族のお屋敷を想像してください。

               和洋折衷で、和、洋、ともに、超一流品で形作られています。そこに、2人+

               眷属達で住んでいます。どうやって作ったかは、神様のすることなので友林にも

               わかりません。

1−5  御霊鎮め    みたましずめと読みます。怒れる神さまを まあまあ、そんなに怒らないで

               許してくださいな、と毒気を抜いてしまうような力のことです。

               ちなみに「もののけ姫」では アシタカもサンも たたり神の御霊鎮めに

               失敗していましたね。

1−6  命の力を    1部で翁様が 琥珀の千尋への思いに気づいた時に、極稀(ごくまれ)に相思相愛のものが

     増幅させた事  起こせる現象として、「螺旋(らせん)をえがく光を放ち新たな神の誕生をみる。」と言って

               いましたが、まさにその現象です。残念ながら、新たな神様は生まれませんでしたが

               木霊たちが 十年分ワープしてしまいました。

1−7 琥珀の心配   これは、もうトラウマです。千尋が一度死んでしまったことが すごく深い心の傷になって

               いるようです。本人にもどうしようもありません。まあ、病気ですね。

 

第2章 華燭の宴 本当はみせびらかしたいんです

2−1 不思議の海  これは、友林の捏造なので、ジブリ設定と間違えないように。

2−2 新しい離れ   徳間書店 「ロマンアルバム 千と千尋の神隠し」の中の油屋推定図を参考にしました。

              ちなみに翁神様の注文によって建てられています。

2−3 リンさん     本当の名前は 狐琳「こりん」さんです。お披露目でせんにちょっと失礼だったお稲荷さん

              をぶっ飛ばした事から、鼻面稲荷様に気に入られ、湯屋から引き抜かれました。

              油屋の女達はそういう機会を待っているものも多いのですが、めったにありません

              というか、眷属として引き抜かれたのはりんさんだけです。

2−4 小女たち    2文字の名前ばかりですが、湯婆婆と契約している証拠です。ちなみに なめくじさん

              のお姉さま方は もしかしたら、湯婆婆の魔法が入っているかもしれません。

              一応、より(狐依莉/こより) ちね(叉稚子/さちね) たま(蛇麻奇/たまき)という設定。

              なお、番外1にでてくる白拍子のさくは、紗紅ら(さくら)さんです。どうでもいいけど。

 

第3章 発現 結果的には必要なかったけど必然だったんです

*五柱(いつはしら)の上位神の紹介と、設定

地の神  白神姫の命(しらかみひめのみこと)

      一番若い上位神様。元は木霊でしたが、その宿っていた木があった場所が、まさにパワースポットの上。

      ぐんぐん、地の力を吸収して 長い年月が経つうちに神様に、そして上位神にまでなってしまいました。

      地の持つ力そのものを 具現化したような女神さまです。今は 宿っていた木だけではなく、白神山地一帯

      を、守護するお役目を持っています。

      若いだけあって、柔軟性も抜群。人間界に対する情報収集を怠りません。それだけ、人間を侮っていない

      ということでもありますが、その分影響もされやすいのか、ときにはハリウッド女優の真似なんかして、頭の

      固いお年寄りをからかったりして、遊びます。が、基本的には守護地から出たがりません。 

      白神の地が大好きなのです。なので、たまにお出かけする時は 湯屋にきた時みたいに 

      派手な演出を楽しんだりもします。

      千尋に与えた神気は、地の命を象徴するもの。琥珀は、地の中心に行ってきたばかりで 

      地の力とはどういうものか、理解したばかりだったので 気持ちが高揚していたのでしょう。本来

      なら、上位神の神気に自分の気を混ぜるなんて、とんでもなく失礼なのですが、地の女神様は 

      さすがに懐が深く 許してくれました。

      もっとも、仕返しに 千尋の額にキスするっていう嫌がらせをしてましたね。考えてみれば、

     琥珀以外に千尋に そういう風に触れた唯一の存在かも。

水の神 (通称) 翁神

      第1部設定でも触れているので、それ以外の点で付け加えます。まず、真名ですが、不明です。

      知っている神も、ほとんどいません。翁の面を被るようになったある過去の出来事以来、

      真名を名乗る事をしなくなりました。

      なので、礼儀上 友林も詮索しない事にしています。

      気になるのは、琥珀に竜穴の管理にこい、といった事。鎮守の森の元主、玉響も竜泉の力を借りて、竜穴の

      力を身に受けていました。本来、主が守護地内のパワースポットの管理に手が余る事はないはずなので、

      かなり力が落ちて来ているのかも知れません。玉響の場合は、その当時は戦争の影響もかなり受けていた

      のかもしれません。竜泉に生贄を勧められるくらいでしたから。いったん持ち直したものの、結局は祀る神社を

      失い、竜穴が封印された上、さらに開発の余波をうけて、とうとう力が尽きています。(1部番外2より) 

      翁様も、それを踏襲しないといいのですが。もっとも、上位神までになった神様なので そんなに簡単に

      くたばらないとは思いますが。

      なお、琥珀に渡した水の種は、他の神々でもめったに手に入りません。秋津島の水を勝手に支配されたら

      困りますものね。千尋は かなり特別扱いです。でも、なんとなく 琥珀に恩を売ったという面もちらほら。

      あの条件以外にも なにかやらせるつもりかもね。やっぱり、人がいいだけでは上位神は勤まりません。

火の神 金床耶迦具土彦穂弟命(かなとこやかぐつちひこほでのみこと)

      出自はかなりはっきりしています。お名前に迦具土とはいっていることから、最初の火の神様の血筋

      であることが解かります。(古事記に生まれる時お母さんを焼き殺しちゃってお父さんに殺されてしまった

      神様が出ています。その生まれた子の名まえが迦具土神。なおお父さんとお母さんって伊邪那岐命と

      伊邪那美命ね。)もともと、金属の精錬に火はかかせないもので、迦具土神の死体からは、その関係の

      神様がたくさん生まれてきたとか。この方も、そのうちのお一人でしょう。

      直接3章にでてきたわけでは、ないのですが性格は、その行動からして推し量るべしってところです。

      琥珀を連れて行った場所は 火の神様の守護地、出雲地方のとある場所です。人間界には隠されてい

      ますが、そこにある火の山の中心で 真銀あるいは、神銀(指輪物語ではミスリル)と呼ばれる金属を

      精錬し指輪を打ちました。この金属そのものが、火の神の守りの印となる、珍奇で貴重な存在です。

      ただし、そのままでは手に持つことも、身につけることも出来ません。

      「あの娘に守護が欲しければこれをやる。あとは、自分で何とかしろ。」ってなことを言われちゃったら

      「解かりました。なんとかしましょう。」って受けちゃうのが琥珀君の意地っ張りなところでしょう。

      結果、火の山の中心 緑である地の中心とは、また異なる乾坤の礎の一つである場所で、火の力

      に目覚める事ができました。なんか、上位神って我が子を谷へ突き落として力に目覚めさせることが

      好きな方たちばっかり。

      だって、もし火の属性にめざめなかったら、琥珀は翌朝には 黒焦げになっていたんですもの。

      「ほう、命を懸けてまで、これの守りが欲しいというのか。」

      「火と水では、火のほうが上とはいえ その力は水の方があります。ゆえに 私は負けません。」

      ってなことを言いやがったとか。火の神様も、むっとするわな。

      本気で 琥珀を焼き殺すつもりだったらしいもの。

      水で打ち消すばかりであるうちは 指輪を鍛えるどころではなかったけれど、火を受け入れ、内にある

      熱と炎に目覚めた事で、いわゆる地獄の業火といわれる炎を呼び起こし 無事に指輪を作り出すことが

      できました。

      「できたか。」

      「はい、お世話をおかけしました。」

      「まったくだ。もっとも、我から一晩 離れることができた 眷属どもには 

      いい骨休みになったことだろうがな。」

      はっ!千尋!

      「おいおい、もう少し 休んでいったらって、もう行きやがったか。

      まったく、愚かなのか、優れているのか どう判断したらよいのか わからん若龍だな。」

     ってなことが、あったらしいです。(しまった、番外ひとつ書いちゃった。)

風の神  天馳嵯祁李男命(あまはせさぎりおのみこと)

      雷神、風神の長で 天の気を司る神様です。

      気を循環させ、澱みを浄化する大切なお役目を持っていますが、その分、力に奢る面が無

      きにしも非ず。役目柄、人間の事情だとか、他の神の都合だとかをいちいち考慮して

      いたら、何にも出来なくなっちゃうものね。息子の 風馳(ふうち)君は 末っ子でかなり

      かわいがっているらしいですが、甘やかすことはしません。かなり、厳しいお父さんです。

      なお、風馳君は琥珀が雷火さんの眷属だったころから、その外見は変わっていません。

      つまり、高校生が小学生くらいの子につっかかっていっていたんですね。

      まあ、気に入らないとなれば、とことん嫌うようなお子様は、まだまだ 人の上には立てません。

      ということで琥珀の貫禄勝ちでした。

      天馳嵯祁李男命は、風馳に琥珀みたいになって欲しいのかも。

      千尋がもらった風紋の飾りは、一見すると、黄金色をした固いペンダントに見えますが 

      実は砂粒からできています。長い年月をかけて、固い岩を砕き砂粒にしてしまうことができる

      風のその力を使い 常に砂粒の周りを 回っていることで その形を変えながら、

      千尋の胸に留まりつづけています。形のない力に宿る神の印は、定まった形をもたないものなのでした。

空の神  天津旭高日子旭日昇天空姫の命(あまつひこひこきょくじつののぼろあめのそらいひめのみこと)

      上位神の中で もっとも年が上の女神様です。天津旭高日子とは、天上の尊い神様という意味で 

      天照大神(あまてらすおおみかみ、秋津島の最高神)様のお子様らしいです。この方が、出入りしている

      高天原は、琥珀の親がいる月宮と同じ時系列にあると思ってください。

      その関係は秋津島と崑崙より、密です。

      よって、龍玉を託しちゃう事も出来ちゃったみたいです。

      なお、空の高見まで上ってしまった、御神祖神方や琥珀の親などは、もはや 肉体を持ちません。

      精神?魂?どういったらいいかわかりませんが 力はそのままでも、目で見る事や手で触れる事が

      できる存在では ありません。心をあわせ、力を合わせ、祈りとその言霊で、天道を司っている

      のだそうです。なので、この女神様が高天原で何をどのようにしているのかは 解かりませんが、

      もし神々に要求や御意志があれば それを伝えることを大切なお役目にしていることは、間違いありま

      せん。なお、千尋を連れて行った場所は 秋津島の中にはありません。友林にもよくわかりませんが、

      もしかしたら 空の御方の守護地のような場所だったのかもしれません。

      よって、琥珀に感知する事は 出来なかったのです。

      空は、他の4大元素と違い、支配するところでも 支配できるところでもないのですから。

 

第4章 至純  そして未来へ

4−1 父の病気  ストレスから発症した早期の胃がんでした。若いから進行が早く、ほおっておいたら後1年ほどの

            命だったでしょう。琥珀が、病を払った事で命拾いをしました。千尋を失った代償は命だったわ

            けです。

            高いのか、安いのか 感じ方は これを読んでいる人の生き方によって異なるでしょう。

4−2 琥珀の行動 (上記の続き)ただ、千尋の両親の場合、選択の余地は与えられなかった事は事実です。

            友林にとって、やはり 神は 惜しみなく与え 惜しみなく 奪うもの という感が拭えません。

            神の慈悲深さと残酷さは 一体であるような気がします。琥珀にとって、千尋を娶る事は

            千尋との関係においてのみ重要で、両親の許しなど問題にならなかったと思います。よって、

            千尋に両親に会う許しを与えた時も 自分から挨拶などしませんでした。千尋を帰さない と

            宣言しただけだったのです。千尋の悲しみを取り除き、一応 代償も与えた事により、千尋の

            両親のことは、以後彼の頭の中から解決済みのこととして 消え去るでしょう。

            まあ、千尋の両親も 失った痛みは残るでしょうが、行方さえ知れなかった時よりも、千尋の

            意思が確認できた事で 心のどこかでこの事件を終わらせる事が出来たのではないかと

            思います。自分たちではどうする事も出来ない存在に無理やりにではなく 自ら連れ去られて

            いった娘には もう祈りを与える事しか出来ないと 潜在意識の中で解かったのでしょう。

4−3 千尋の行動 恋する乙女はだれにも止められません。また、止める権利もありません。自分の選択を

            喜ぶも 後悔するも それは、彼女自身が きめることなのですから。

            千尋は 後悔しないと 宣言しました。琥珀とともに 生きていくと。

            彼女も 両親に別れを告げたことで 両親を捨て、自分の行方を心配しているだろうことへの

            罪悪感に 区切りをつけることができ、人間として生きてきた自分にも別れを告げたのでしょう。

            これから、千尋は秋津島で最高の守護を得た、鎮守の森の神の神人として 本格的な道を

            歩いていく事になります。上位神と行き会い、竜王と逢ったことは その覚悟があるのかという

            千尋への試練でもあったのかもしれません。

                     

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と、言ったところでしょうか。なんかごちゃごちゃしてきたぞ。神様の世界ってよくわきゃんないわん。