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天体望遠鏡で天頂(真上)を見ようとしたとき、接眼部は下を向いてしまいます。 そのままのぞくと、非常に苦しい体制になります。 そこで、天頂付近を楽に見るために、天頂プリズムを使います。 楽な姿勢で天頂付近を観察できます。 天頂プリズムは、「使うことが多い」というよりは「普通は付けっぱなし」ですね。 2006/06/04
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接眼レンズを抜いて、天頂プリズムを取り付けます。 もし、延長筒(さきほどの画像で、紫色のリングの間にあった、黒い筒の部分)がある場合は、外しておきます。 接眼レンズを入れて、ピントの合わせなおしをします。 2006/06/04
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そうですね。プリズムは、普通、色を分けるためにあります。 天頂プリズムは、色を分けるのではなく、光を90度曲げる鏡として利用します。だから、天頂プリズムを通しても七色に見えません(^^)。 別に鏡を使っても構わないのですが、鏡を使った場合は表面でいくらか光が吸収されてしまうという欠点があります。 アルミメッキの反射鏡の反射率は92〜98%ですが、天頂プリズムでは全反射という現象を使って反射させるので、反射率は100%になります。 ↓天頂プリズムの中身 ※望遠鏡やアクセサリ類は精密機器ですので、分解しないでください。 もっとも、反射率の差は、たった数%しか違わないので、鏡を使ったからと言って暗く感じることはありません。 そこをあえてプリズムを使うのは、おそらく、太陽観測を行う場合に、鏡の場合だと吸収される数%の光で鏡が加熱され、割れる危険性があるからではないかと思われます。 2インチサイズになると、ガラス塊での光の吸収や、ガラス塊を通ることでの像質低下が無視できなくなるので、反射鏡を使った「天頂鏡」を使います。 2006/06/04
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定義の話をすれば、ガラスでできた三角柱をプリズムと言います。転じて光の進む方向を変えたりするのに使われるガラスをプリズムと呼びます。 これは、双眼鏡に使われている(と思われる)正立プリズム(ダハプリズム)の一種です(4回反射+1回反転の、かなり複雑なタイプ)。 一眼レフのアイレベルファインダーにもペンタプリズム(ペンタは五という意味。つまり、五角柱のプリズムということ)と呼ばれるプリズムが使われています。 プリズムは、光を分けるのに使うと学校では習うのですが、意外と鏡の代わりにプリズムを使う場合が多いのです。 光を七色に分けるために使われるプリズムは、特に分光プリズムと言います。 2005/06/05
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