極軸望遠鏡に頼らない極軸調整(その4)

 現地で三脚を設置する位置を決めます。
 毎回同じ位置に三脚を設置すれば、正確に極軸を再現できます。

 同じ位置に置けば良いという意味では、適当にポンと設置しても良いのですが、追い込んでいくうちに方位調整ネジが回りきってしまうと困るので、なるべく正確に東西南北を調べた上で、その位置に設置すると調整は少しで済みます。

 東西南北は、方位磁石を使えばある程度わかりますが、鉄筋コンクリート造りのマンション等のベランダの場合になると、正確に東西南北が出るとは限りません。
 そこで、天体を使って方向を決めます。


2007/12/19
●準備


 まず、事前に極軸の高度を合わせておき、観測場所に望遠鏡を設置します。


 三脚および赤道儀は、きちんと水平になるよう、水準器で調整して設置します。

 方位調整ネジは、おおむね中央になるように合わせます。


 今回、説明のため、太陽を使って東西を決定しますが、皆さんは夜空の星で行ってください。

 太陽を直接観察できるよう、サンプリズムを付けていますが、くれぐれも太陽を見る事のないよう、ご注意ください。


2007/12/19
●赤緯を合わせる



 導入する天体を事前に決めておき、その星の緯度を調べておきます。
 なるべく東または西に見える天体を選択してください。

 今回は太陽を使うのですが、この日の太陽の緯度はおよそ-22度。赤緯を-22度に合わせます。


2007/12/19
●目的の天体を導入する


 合わせた赤緯を固定したまま、赤経軸の回転だけで導入します。


 もし赤経軸の回転だけで合わない場合は、三脚自体をずらして調整します。三脚設置位置がおよそ1.5cmずれると1度程度ずれたことになります。


2007/12/19
●地面にマーキングする

 最終的に視野の中央に導入できたら、その位置がほぼ東西を示しています。


 三脚の先端の位置をマーキングします。



 自宅の庭なので思い切り削っていますが…。
 借家とかであれば、エンピツなどでマーキングしておきましょう。(×印で充分だと思いますけど。)


2007/12/19
●極軸を精密に合わせる

 今回引いた、このラインに三脚を合わせると、三脚はほぼ正確に東西南北を示します。ただし、今回のマーキング位置は精密に合わせたものではなく、設置するための目安としてのラインです。

 改めて三脚の水平を確認し、赤道儀を載せ、恒星を追尾しながら方位ネジ等を調整して極軸を追い込んでいきます。


2007/12/19

[戻る]