SX赤道儀(SXD赤道儀)使いこなし術

 実際どうなのよ、と言われても一言で言い尽くせない所がありますね、こういうのは。

開封直後

 主観的に良いとか悪いとか評価しても仕方ないんで、定量的に考察してみたいと思います。
 まずは、初期設定から。


2008/01/05
●赤道儀の設置と緯度調整(粗調整)


 まず、赤道儀の組み立てを行います。
 初めて使う場合は、赤道儀の極軸を観測地の緯度に合わせて調整する必要があります。


 東側にある極軸の高度クランプをゆるめ、目盛りを見ながら観測地の緯度におおまかに合わせてクランプを締めます。
 極軸高度目盛り自体、どこを指標にして読めば良いかわかりませんが、アバウトで構いません。正確な調整は後ほど行います。




2008/01/04
●STARBOOKのセットアップ

 赤道儀に電源とSTARBOOKを接続し、赤道儀側の電源スイッチを入れます。
 STARBOOKは、電源を入れると、Vixenのロゴが2-3秒表示された後、初期設定用の画面になります。
 通常は、OKを押して次に進むのですが、最初だけ初期設定メニューを使って、いくつかの項目の設定を行います。




2008/01/04
●観測場所と時刻の設定


 STARBOOKに設定するのは、観測場所(緯度(分単位まで)、経度(分単位まで)、タイムゾーン(1時間刻み))、時刻(設定は分単位)です。

 時刻は数分程度ズレていても問題ないそうですが、より正確に合わせるために、電波時計などは買っておきましょう。
 STARBOOKの時計の誤差は月差1分ぐらいのようです。(1ヶ月間で50秒ほどズレていた)
 時々チェックしておきましょう。

 観測地の経緯度を調べるのは、地図閲覧サービスなんかを使うと良いかもしれません。
http://watchizu.gsi.go.jp/

 設定可能なのは分単位までですから、緯度1分あたり、1.852km。自宅から南北1km以上離れる場合は再設定が必要です。
 経度1分あたりの距離は緯度によって違います。赤道上では緯度と同様、1分で1.852km。

緯度の余弦(コサイン)は、次の通り。
北緯45度で0.7071(北海道)
北緯40度で0.7660(北東北)
北緯35度で0.8191(関東〜九州北部)
北緯30度で0.8660(九州南部)
北緯25度で0.9063(沖縄)

たとえば、北緯35度なら、1.852km×0.8191=1.517km。東西方向に1.5km移動すると1分違ってきます。
 この辺の感覚は、頭の隅に入れておきましょう。

 ちなみに、経度は、時刻の影響を受けます。地球の赤道上の地球の自転による線速度は27.78km/min(0.4630km/s)。1分で27.78km移動します。北緯35度の場合は、27.78km/min×0.8191=22.75km/min。時計の時刻設定が1分違ってしまうと、東西方向に約23kmも移動した事になってしまいます。


2008/01/04
●言語/Languageの設定

 そのまま「日本語」でいいです。


2008/01/03
●設定の保存

 観測場所と言語の設定を行ったら、設定の保存を行います。
 これをやらないと、緯度や経度は保存されません。




2008/01/03
●ホームポジション

 初期設定で、OKを選択し、太陽を見ないようにする警告が表示され、確認すると、ホームポジションにするための待ちの状態になります。


 この画面になったら、クランプをゆるめて西の空の地平線を向くように調整し、クランプをしめます。 SX赤道儀には、指標が付いているので、指標に合わせるようにします。

 ホームポジションにした後、OKを選択します。
 続いて「スコープモードに入りますか」でOKを選択し、スコープモード(通常の観測状態)にします。


【余計な話】
 エンコーダーはモーター側に付いているそうなので、ホームポジションを設定した後は電源を切るまでクランプはゆるめないでください。

 一応、指標に合わせればOKという事になっていますが、どうも違う気がして、水準器で赤緯体の垂直の確認、西向きにした望遠鏡が水平になっているかを確認してみたら、格段に初期導入精度が向上しました。
 ホームポジションの指定は、赤道儀そのものの姿勢のリセットではなく、観測地における水平と垂直に合わせるという意味を持つようです。


2008/01/04
●赤道儀の緯度調整(微調整)

 赤道儀の緯度の微調整は、原則として極軸望遠鏡によって行う事になりますが、赤道儀が到着するのはたいてい昼。しかも、当分の間、曇りが続いて星が見られないというのは「定番のお約束」です。

 おまけにSXC/SXW赤道儀は極軸望遠鏡が標準で付いていません。

 そこで、室内でできる極軸調整法で、正確な極軸設定を行います。

 例によって赤緯目盛りで観測地の緯度に合わせ、水準器を見ながら望遠鏡が垂直になるようにする事で極軸を正確に出す方法です。SX系赤道儀には赤緯目盛りが付いていませんが、STARBOOK側で1分単位まで読めますので、かなり精密な設定ができます。

 まず、せっかく設置したのですが、解体します。

 次に、三脚自体を水準器を使って正確に水平を出します。少なくとも南北方向に水平でないと困るからです。その後、赤道儀を載せ、普段使う機材の状態までセットアップします。

 ホームポジションも、水準器を使って赤緯体が垂直になるのを確認し、西向きにした望遠鏡も水準器で水平を向いていることを確認します。

 続いて、STARBOOKで天頂を検索します。

(1)星図モードに切り替えます。
 画面が青地になります。
(2)RA+(左)ボタンで方位がほぼ0度(南向き。…ってなぜ南向きが0度?)にします。
 (とりあえず、一番粗動でOKです。)
(3)DC+(上)ボタンで、高度が90度に近くなるまで移動します。ここからは左側の十字ボタンのズーム+(上)を押して、微調整を行っていきます。
 このとき、赤緯(Dec)も着目し、観測地の緯度と同じになるようにします。


 ※高度は、85-88度あたりを超えると、(おそらく、arctan関数がオーバーフローするためか)0度になる事があります。また、高度が80度を超えると、方位が急激に変化し始めるので注意してください。

 赤緯を観測地の緯度と同じにし、高度がほぼ90度(表示が0度)になったら、導入を行います。

 すると、望遠鏡が天頂を向き、垂直になります。


 …極軸が正しく設定されていたのであれば垂直になっているはずですが、おそらく垂直になっていません。きちんと望遠鏡が垂直になっているかを水準器で確認します。南北方向に幾分倒れている場合は、極軸の高度調整ネジで調整し、望遠鏡が垂直になるように合わせます。
 ※あくまでも南北方向だけを注目してください。東西方向については、導入直後からすでに自動追尾によって、時間を追って変化したりもしますので、無視してください。

 この方法により、極軸望遠鏡を使わなくても、極軸の高度設定精度は、原理的に±数分程度まで追い込めます。


2008/01/04
●ピリオディックエラーの測定

 2008年2月号の天文ガイドにピリオディックモーションの撮影方法が載っていました。「西か東に極軸を1度ぐらいずらして子午線と赤道の交点近辺の星をウォームギア1〜2周分の時間撮影で撮る」そうです。


 実際に撮影してみると、このような感じです。露出は10分。SXDは180歯なので1サイクル8分。2サイクル分ぐらい追えば良かったのですが、透明度が悪くて10分露出が限度でした。私のSXDではだいたい±15秒程度のようです。


 これはプレアデス星団ですが、メローペ:アルキオーネ間の角度が約19分、原寸大の画像上では約350ピクセル離れているので、1ピクセルが3.25秒となり、30秒の幅は約9ピクセルになります。


 また、導入直後は機械的に不安定らしく、導入後4分程度は撮影しない方が良いようです。
 


 以下つづく


2008/01/07
●ガイドエラー量

 極軸が1度ズレているとき、焦点距離fのレンズで1時間ガイドした場合、最大(赤道と子午線の交点近辺)で
 f×4.5/1000 mm
ほど撮像面で星像がズレるそうです。

APS-Cサイズデジタルカメラの許容ボケ直径が0.018mmだそうなので、
 0.018mm=露出時間[h]×f[mm]×4.5÷1000

という式を解く事になります。


2008/01/06
●PEC機能を使う

 STARBOOKには、PEC(Periodic Error Correction)機能が付いています。
 ちょっと説明書を読んでみると、補正されるのはRA(赤経)方向(プレアデス星団の画像で言えば、左右方向)のみであること、電源を切ると忘れる事が書いてあります。


2008/01/06
●やっぱりオートガイドしないと


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