焦点距離の求め方


 焦点距離とは、厳密には主点から、焦点までの距離のことを示します。
 主点とは主面と光軸が交差する点のことです。
 主面とは、入射する平行光束の延長と、光軸を横切る光の逆延長との交点で形成される面のことです。

 一方、レンズ系最後端から焦点までの距離をバックフォーカスと言いますが、これは焦点距離ではありません。



 どんなに厚い光学系であっても、レンズを何枚も使って複雑に屈折しても、反射面が加わっても、この定義は変わりません。

 主点の位置がわかれば、どんなに複雑な光学系でも焦点距離を定めることができます。
 ただし、主点がどこにあるかを簡単に知る手段はなく、地道に計算するしかありません。

バックフォーカスの計算

 レンズ最後面から焦点までの距離をバックフォーカスと言います。これは焦点距離ではありませんが、そもそも焦点がどこにあるのかがわからないと主点が定まりません。焦点距離は、求められたバックフォーカスの位置から逆算しますので、まずはバックフォーカスを知る必要があります。


 バックフォーカスは、1面での焦点位置の計算式

を使って、s→s'の計算をすべての面で行い、最終的に焦点がどこにあるのかを探します。
 面間隔(レンズの肉厚)を考慮すると、正確に計算できます。

焦点距離の計算

 焦点距離は、バックフォーカスを求める途中で出てきたs,s'を使って次のように計算できます。



 これは、どんなに複雑で、肉厚の厚い光学系でも、この式で求められます。(ただし、空気中にあること。)
【補足】
 焦点距離の基点となる主点は、最終的に焦点に来た光の様子から逆算するしかありません。計算方針は、次の通りです。