KYOEI 120ED-PROインプレッション

●IYAに向けてIYH

 ちなみに
 IYA=International Year of Astronomy。世界天文年。
 IYH=イヤッッホォォォオオォオウ!

ということで、世界天文年に向けて KYOEIオリジナル 120ED PROをIYHしてしまいました。


2009/02/22
●2008/12/19



 えー、なぜこれを選んだかとか、作りがどうこうという話よりも、実際に良く見えるのかどうかという忌憚のないインプレッションの方が気になるでしょうから、そちらから。
 接眼レンズはパンオプティック22mm、ナグラー7mm、ナグラー4.8mm、天頂ミラーはあえてテレビューの天頂ミラーを使って検証しました。安物の接眼レンズを使って「収差の程度は同等ですね」とか、精度不明な天頂ミラーや天頂プリズムを使って「やや甘い像ですね」という墓穴を掘らないためにも精度の高い天頂ミラー+見慣れた高級タイプでじっくり。
 教科書通りにきっちり見えるFL80Sと比較してみます。

 今日は出張で最終列車で帰ってきた事もあって、時間が確保できなかったのですが、良い具合に晴れていて、しかもちょうどしし座が顔を出していたので、窓越しではありますが、土星を見てみました。
 土星の環はかなり薄くなっていて、串焼きの具みたいに非常に細い環が本体に刺さっている感じです。環の影が本体に出ていて黒い筋も見えます。

 とは言え、さすがに気流の状態が悪く、FL80Sとの見え具合の決定的な違いを見いだせないほど条件は良くありません。120EDの方はちょうどFL80Sを1.5倍にしたようなものなので、同じ接眼レンズで見る限り、見え方も像の方もそのまま大きくなった感じ。口径が大きい分、シーイングの出方がモッサリしてきますが、その辺で大味な印象が出ているかもしれません。逆を言えば少なくともFL80S相当の見え方はしていると言えるでしょう。少なくとも大ハズレではなさそうです。
 EDレンズは蛍石よりは残存色収差が多い印象を持っていましたが、120EDではハッキリわかるほどの色収差は出ていないかもしれません。
 ちなみに、VMC200Lも比較してみましたが、VMC200Lは口径が大きい分明るいもののボケまくってまるで相手になりません。像に芯がなく、土星本体にかかる環の影はほとんどわかりません。改めて屈折式の像の良さを確認することに。
 シルクスクリーン用メッシュの切れ端で作った簡易ロンキーテスター(300本/inch相当)でレグルスを見てみるも、面形状を読み取る以前に気流が乱れてさっぱりわかりません。
 そうこうしているうちに下弦の月も出てきたので月を見てみましたが、まるで小川の底に沈む月。やや像が甘い印象が残るものの、決定的にどうこうと言えるほどのシーイングでもなかったため、正確な評価は持ち越しです。


2009/02/22
●2008/12/20


天候が曇り〜雨の予報に反して、なぜか快晴。シーイングも昨日よりは少し改善するものの、ジフラクションリングまではわからないようなシーイング。天候もいきなり曇って雨というのも嫌なので、またもや窓越し。部屋は普段から暖房は入れていないので、外気温との差はほとんどありません。
 まず、トラペジウムを狙ってみました。この程度は分離できて当たり前ですし、実際に余裕で分離しましたが、FL80S比でやや大味な印象。屈折式は1.5倍すると性能も1.5倍なら収差も1.5倍ですからね。
 ちなみにVMC200Lだと、分離はするものの、星像に芯がなく、ギリギリ分離する感じでかなり悪戦苦闘します。最低でも2時間ぐらい、じっくり気温順応させないと芯のある像にならないというのが20cm級反射の基本的な欠点でしょう。
 FL80Sは、教科書通り・理屈通りの分解能を持つので、全く普通に分離しますが、8cm分の分解能しかないとも言えます。

 ベテルギウスを通してのロンキーテストをしてみると、ほんのわずか過修正の傾向が見られました。
 よく考えてみると色収差の補正の都合、d線で球面収差ゼロを狙う都合、赤い色は過修正に、青い色は負修正側に倒れるので、ベテルギウスでの収差判定は適切ではなかったかもしれません。
 シリウスを通してのロンキーテストでは、高度が低い事もあって、シーイングが良くはなく、負修正/過修正の違いはハッキリしませんでした。

 なるべく絶賛しないように慎重に疑いの目を持って見てみましたが、噂されるほど「中国製=粗悪品」というほどでもなく、光学系については心配していたほど劣っている訳ではなさそうです。
 少なくともコストパフォーマンスは非常に良いです。
 今度は外に出して、充分気温順応させた状態でいろいろ見てみたいですね。こうなるとFL80Sとは差が出てくると思います。


2009/02/22
●2008/12/21


さて、今日は曇って何も見えないので、本体について。
 名義上「KYOEI オリジナル」となっていますが、実質的なメーカーはケンコーみたいです。
 企画ネタ的に、SE 120LをED化したというか、SE 80EDを120mmに拡大したというか、そんな位置づけのようです。評判としては良くも悪くも80EDや120Lと同等という所でしょうか。

 付いてきたマニュアルは、表紙こそ「KYOEI 120ED-PRO」と書いてありますが、中身はほぼSKY EXPLORER の SE 120Lのまま。(本体仕様あたりを差し替えてある程度)
 「この望遠鏡にそのまま接眼レンズを取り付けた場合(直視)には合焦しません。必ず天頂ミラーや天頂プリズムを併用してください。」とあって、ビビったのですが、実際はドローチューブは20cmぐらい伸びるし、直接合焦もしました。(全部の接眼レンズでチェックはしてませんが、場合によっては合わないかも。)



 接眼部はクレイフォード式で、アルミパイプにローラーが直接当たる方式。ステンレス製フリクションプレートを持つ高級タイプではありません。フェザータッチフォーカサー風に言えば "暴挙" をやってますが、ローラーが当たる部分のアルマイトはあらかじめ削ってあるので、アルマイトが食い込んで黒ずんでしまう事はないです。そこは地味に改良されている感じですね。
 合焦ハンドルの動きはスムーズですが、アルミパイプを直接転がすタイプのクレイフォード式なので、何年か使い込むとガタガタになる可能性があります。眼視向きと割り切れば何の不都合もありませんが、写真用として使うなら接眼部を変えた方がいいかもしれません。ドローチューブを引き出したままオプションをネジ込んだりしてひねりを加えるのはガタの原因になるので御法度です。

 本体の重量バランスは、さすがにレンズ側が重く、昨日の画像で言えば、対物レンズ側の鏡筒バンド近辺に重心が来ます。ファインダーと重めの接眼レンズを付けてどうにかなる感じですが、まともにバランスを取った状態での見た目は格好悪いかも。


2009/02/22
●2008/12/23

 今回は迷光対策あたりを。鏡筒外径121mmという、有効径ギリギリの太さの鏡筒のため、迷光対策が気になるところ。


 レンズセルは加工精度に頼ってくみ上げた光軸修正を持たないタイプでフード自体も比較的スリム。セルのすぐ後ろ:筒先端あたりに細い遮光リングがあり、迷光対策に一役買ってます。
 スリムであるが故にセル側に懐がないのですが、溝を掘って黒アルマイト処理してあるので、セル自体で迷光を反射しないような工夫があります。レンズのコバは見えません。



 今度は接眼部側から見た図。
 絞り自体は筒内に何枚も入っているのですが、絞りの付け根がスカスカなので、微妙に迷光をカットしきれていない点が少々残念。第一、第二遮光リングあたりは、接眼部中心から見る分には底が見えないから別にいいのですが、ドローチューブ側の絞りの付け根は結構スカスカで目立ちます。
 ま、月さえスッキリ見えれば充分と言えばそこまでですが。月を見ていて気になったら考えるとします。
 遮光絞りも善し悪しで、枚数が多ければ良いという物でもないですからね。

 2枚のレンズ間隔を保つ錫箔は光路上に突出していないので、開口はきれいな円形です。


2009/02/22
●2008/12/27

 さて、大きさとか重さについて。


 FS-102の外径114mmに対して120ED PROが121mm。同じぐらいとは言えないものの、一回り大きいと言うほどでもないです。FS-102が10cmということからすると、120EDは11cmぐらいに見えます。12cmにしてはコンパクトです。
 全体的な重さも比較的軽く、ほとんどアルミ製なので全体が軽い分、レンズ側「だけ」重いという感じ。
 エコガラスを使っているとは一言も言っていないので、おそらく凹レンズは非エコの鉛ガラスではないかと思います。
 レンズ自体をエコにする必要性というのは、本来全くありません。ガラスは放射性廃棄物を最終処分する際に封入するのに使われていたりするほど安定性が高く、高級クリスタルガラスも鉛ガラスですが、それで鉛中毒を起こす事もありません。
 だから、レンズのガラスをエコ化する義務は何もないのですが、どうやらRoHS指令の煽りでガラスもエコ化しているようです。(RoHS指令自体、電子機器向けです。)
 ところで、未だに鉛ガラスが残っているんでしょうか?
 凹レンズのガラス、中国産?


2009/02/22
●2009/01/02



 さて、120EDの色収差状況が露骨にわかる対象:月アンド金星ですが。
 さすがに明るいので見事に色収差がわかります。月のエッジあたりは黄色〜緑色と、青・紫色が分離するという、EDレンズの望遠鏡の典型的なパターンで色が分離。ピントの位置は、互いに1mm近く違う感じです。
 もちろん、アクロマート屈折のような、豪快な色収差ではありませんが、色によってピントの位置が微妙に異なるため、黄色〜緑色でピントを合わせると、青・紫色が淡く広がってコントラストが浅くなるような感じで、8cm蛍石と比べてもリアリティが一歩及ばず。この感じが「大味な感じ」という印象を受けたのかと思います。
 このため、ピントを合わせたとき、良く見えるポイントというのがつかみにくく、もしかしたら見る人の視度によっても印象が変わるかもしれません。
 金星で焦点内外像を見ると、露骨に色が違います。内ピンでは全体的に黄緑色。外ピンでは中央が白く、外に青ハロが出る感じです。

 120EDは、観望会用という趣旨で買ったので、ソコソコ見えればいいというか、あまりカリカリの像は期待していなかったので、素人の目をごまかせる程度という意味で、充分及第点には達していますが、惑星観測用途に「安くて良い12cm屈折」で期待して買うと、ややハズレかもしれません。
 作りとしては教科書通りのような感じですが、12cmともなるとEDレンズとはいえ大口径化に伴う収差増大が無視できなくなるので、究極を狙うならTOA-130とかの方が良いでしょうね。あるいは、口径が小さくなるけれどもTSA-102とか。木星の縞の濃さなんかはだいぶ違うと思います。


2009/02/22
●2009/01/06

 140SSシュミットカメラは、口径もソコソコ大きくて星雲星団観望用としてはお気に入りなのですが、現在はピント合わせの再現性の都合、カメラレンズと化していて眼視用には使えません。また、焦点距離が500mmと短いため、惑星用には使いにくいです。

 VMC200Lは、有効径が200mmもあるのですが、大口径故に太めのスパイダーによる光条も目立ちます。中央遮蔽も大きく、高倍率性能がイマイチ。かといって焦点距離が2000mm近くあるため低倍率も出しにくく、狙い通りに導入できない事も多いという、結構中途半端な仕様。下手にコンパクトなものだから、車での移動もしにくいという欠点もあります。しかも現在、やや光軸がズレているので、いずれ修理に出さないといけません。

 FS-102は、文句のないほどの見え味なのですが、シャープであるが故に高倍率時の集光力不足が問題になるほど。もう少し口径が大きければ、という変な悩みもあります。また、太陽観測専用となっている都合、眼視で使ったらカメラ等の取り付け等の再現性の問題もあります。

 FL80Sも色収差は感じられないほどシャープで、8cmの性能はきっちり出ているのですが、所詮8cmと言えばそこまで。SXD赤道儀には軽すぎる問題も。

 ということで、120ED。140SSの有効径は132mmですが、実効集光力は、有効径換算で121mm。つまり、120EDの集光力は13cm反射とほぼ同等。実際、M42は星雲中心部の複雑な構造がわかるんじゃないかと思えるほどの余裕の明るさです。大きさは140SSより細く、しかも少し軽くて取り回しもFS-102並み。12cmにしてはコンパクトで車での運搬も問題ありません。焦点距離は900mmで、倍率もちょうど良い感じ。蛍石アポと見比べなければ、充分シャープで、屈折特有のクリアで抜けの良い像を楽しめます。

http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/kyoei-120ed-pro-tube.html
現在、歳末(?)特価159,800円で販売中です。(と、勝手に宣伝してみる)


2009/02/22
●2009/01/24

 この辺から、使いこなし編。


 ファインダーです。金色の方が120EDに付属のもの。銀色の方が国際光器の正立・暗視野照明付きのもの。
 120ED付属の方は、ビクセンの6倍30mmをそのまま口径だけ50mmにしたような感じです。ファインダー脚がX-Y式で便利ではありますが、十字線も普通に細い金属線を十字に張っただけ。気持ち正確に視野中央でクロスしていない所がチャイナクオリティ。
 だからと言って不便というほど不満はないのですが、せっかく正立のファインダーがあるので交換しようと思いまして。最初はファインダーだけ交換しようと思ったのですが、120ED付属ファインダー脚の穴のサイズが、正立ファインダーの鏡筒径よりわずかに細いため、取り付けられませんでした。
 仕方なくファインダー脚を購入。X-Y式ではなく、あえて普通の3点支持タイプを選びました。実は台座のサイズも微妙に違っていたのですが、ビクセンの方が小降りだったので問題なく120EDに取り付けられます。
 ビクセンのファインダー脚も白いので、120EDに取り付けた時の配色で不自然に感じない所はポイントが高いです。(厳密には、120EDの白の方がわずかに黒いのですが、良く見ないとわからない程度。)
 ただ、鏡筒が金色(銅色?)でファインダーが銀色という組み合わせは妙に不自然ですが。


2009/02/25
●2009/02/01 やっぱり負修正

 120ED PRO、充分気温になじませておいて、シリウスによるロンキーテストを行ってみたところ、残念ながらわずかに負修正であることが判明。
 ところで、天頂プリズムを通す事でわずかに過修正気味に倒れるので、逆に像が改善されるんじゃないかと思って、天頂プリズムを引っ張り出してみたところ、案の定、若干改善。
 違いは微妙ではあるのですが、「せいぜい100〜120倍止まりかなぁ」という感じの像から、「180倍ぐらいならなんとかなるかな」というレベルまで上がります。
 厳密に言えば、天頂プリズムを通してもまだ若干負修正気味ではありますが、これなら文句なく何でも気持ちよく観察できるんじゃないでしょうか。

 それにしても、天頂ミラーが付属してくるにもかかわらず、天頂プリズムの方が相性が良いという、皮肉な結果に。


2009/02/25
●2009/02/07 天頂プリズム通しでいろいろ見てみる

 何の機種だったか忘れましたが、天頂プリズムを通す事を前提に光学設計されていたのがあったのを思い出しました。
 屈折式すべてがそうだという訳ではないですよ。事実、FL80SとかFS-102は直視あるいは高精度天頂ミラーの方がスッキリした像になりますから。
 120ED PROは、そういう設計ではなくて、単にハズレだった気はしますが。

 それはともかく、120ED PROの場合だと、天頂プリズムの方が相性が良いので、いろいろ高倍率で見てみたくなります。トラペジウム、ポルックス、リゲル、アルギエバ…と、代表的な二重星(多重星)を次々に見ていきましたが、若干締まりがない感じはするものの余裕をもって完璧に分離。さすがにシリウスの伴星は無理っぽいですが。(後で六角マスクで狙ってみようかと考えてみたり。)

 土星は188倍(ナグラー4.8mm)では環のシャープさがあと一歩ぐらいですが、なんとかなるレベル。これならアポダイジングスクリーンを使っても大丈夫かなぁ、という感じです。

 8cmや10cmではアポスクリーンを通すと暗くなって訳がわかりません。VMC200Lでは集光力はあるものの、中央遮蔽が大きすぎて試す気力も出ません。12cm屈折になれば、ある程度光量も確保できてくるし、中央遮蔽もないので、充分な精度があると確認できれば期待は高まります。


2009/02/25
●2009/02/11 アポスクリーン



 120ED-PRO用アポダイジングスクリーンを作りました。

 網戸の網を組み合わせるだけなので、スクリーンの工作そのものは30分コースなのですが、15cmのボイド管をカッターナイフで切断する方が何倍も手間取りました。
 ボイド管を切る作業の時間がもったいないので、その作業をしつつ、穴の直径の最適解を探ってみました。
 12cmED屈折とは言え、所詮12cmの集光力しかないので、なるべく透過率を稼ぎたいところですが、傾向としては透過率を上げるとコントラストが急激に落ちる(=あまり意味がない)という結果になります。
 透過率を40%近くまで落としても驚くほど改善もしないのに、60%台をキープしようとするとコントラストはイマイチ。
 結局、透過率50%(集光力は口径8cm相当)の壁は破る事ができず、40%、60%、80%というオーソドックスな組み合わせに落ち着いてしまいました。

口径12cmに対して
40%→48mm
60%→72mm
80%→96mm
になりますが、工作精度上1mm単位で細かい事を言っても始まらないので、近似して
50mm(41%)
75mm(63%)
100mm(83%)
ということに。

 いよいよ土星が見やすい時期になってきましたが、こういうのを作るとしらばらく晴れないものです。


2009/02/25
●2009/02/17 アポスクリーンを試す

アポダイジングスクリーンのテスト。
 テストと言えるほどのシロモノではないですが、どう見えるか、土星をチェック。

 鏡筒も充分冷えたし、土星の高度も上がってきて見頃。

 ……。


 ( ̄▽ ̄)

 いやぁ、すげー。

 薄くなった環が非常にシャープで、わずかに本体に影が落ちているのもわかります。環が薄いのでA環B環がどうとか、カッシーニの間隙がどうとかは言えないですが、高倍率時のふわっとした印象が無くなります。
 さすがに集光力が落ちるだけあって色が薄いので「もう少し口径があれば」という感じになってきますが、それを言い出すとキリがないですね。

 これで木星を見たらすごいだろうなぁ。

 あと、あまりに見えすぎてくるので、赤道儀のモーターの震動の影響でわずかにブレているのがわかります。SX赤道儀はモーターの一時停止ができないので、どうしようか…。


2009/11/19
●2009/05/17 絞りを入れてみる

 120ED-PRO、若干球面収差があることがわかったので、110mmぐらいに絞ってみる事にしました。元々11cm程度の望遠鏡を買うつもりでもあったので、110mmに絞る事に未練はありません。惑星はシャープさが命。

 ロンキーテストの像をイメージしてもらえばわかるかもしれませんが、球面収差は外周部に近づくほど急激に収差が増えるので、外周部をほんの少し絞るだけで収差をかなり抑える事ができます。「Fの暗さは七難隠す」です。
120mmだとF7.5ですが、口径を110mmに絞るとF8.2。

 110mmでは気流の悪い中、適当な星を見た感じでは少し暗くなった感じはあるものの像の締まりはわずかに良くなった感じです。星雲星団の場合は120mmに戻して集光力を稼ぐ予定。
 気流があまり安定していなかったので、気分的な問題かもしれません。今度土星か木星あたりで確認してみようと思います。


2009/11/19
●2009/08/23 口径を114mmにしてみる

 120ED-PRO、全開口だとやや球面収差が目立つので普段は110mmに絞っているのですが、やはり少し暗い感じは否めませんし、少し分解能が落ちた感じもします。
 ちなみに、アポスクリーンは、110mmの方が効果が上がります。やっぱり元々球面収差があるとコントラストが上がりません。←ここ重要

 ということで、120mmと110mmの間をとって114mmの絞りを作ってみました。
 最近晴れる気配がなかったのですが、今日やっと晴れたので木星をじっくり観望。
 球面収差の影響が少し出ているものの支障のないレベルだし、分解能・明るさともに110mmの時より少し上がった感じです。最終的に双眼装置+アポスクリーンという最強の組み合わせまでやってみましたが、ガリレオ衛星が面積を持った天体だという事がハッキリわかるような見え方もして、充分楽しめました。
 当面114mmに絞った形で行こうと思います。


2009/11/19
●2009/08/24 また木星を狙う



 120ED-PRO(114mmに絞る)、アポスクリーン、タカハシの双眼装置、ボーグヘリコイドSによるIF(左右独立フォーカス)、マスヤマ20mm×2。
 最強w

 今日は大赤斑を今までにないぐらいクッキリ・バッチリ見えました。やっぱり木星は飽きませんね。


2009/11/19
●2009/10/13 SLFにて



 ということで、SLFにはコレで参加。
 口径を114mmにして天頂プリズムで折り返す事で像質を極限まで改良した形だったためか、木星はおおむね好評でした。
 たぶん、タカハシのブースにあったのはTOA130ではなかったかと思うのですが、それには負けますが。>勝てる訳ないって。
 値段を考えれば充分使えるレベルなので「これなら欲しいなぁ」と言っていた人も何人かいました。その後売れたかもしれません。ほどなく、協栄のHPから120ED-PROが完売となっていました。


2009/11/19
●時を経て

2019/9/27に スカイウォッチャー EVOSTAR120ED としてほぼ同じもの(鏡筒の色違い)が発売されたようです。


2019/11/20

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