DSM分類では、人格障害を三つのタイプ(A・B・C群)に分類しています。
人格障害という診断が下されるためには、その人格によって日常生活に著しい支障や
社会的な弊害が起こっていることが条件になります。





 A群・・・競争心が強く攻撃的でイライラしやすい傾向がある 


■妄想性人格障害
・断られたり、遠ざけられたりする事を極端に気にする
・侮辱や軽蔑を受けると忘れられず、恨み続けてしまう
・他人の行為を敵意があるのではないかと懐疑的になる
・猜疑心や嫉妬心が強く、被害妄想の傾向がある

■統合失調質人格障害
・無感動、無感情、無関心
・性的関係を持つことに関心がない
・感情を表す事が殆どない
・孤立した行動をとりたがり、信頼し合える友人を持ちたいと思わない

■統合失調型人格障害
・奇妙な知覚や、妄想傾向を持っている
・ストレスが重大に関係することは少ないが、対人関係のストレスには影響を受ける
・関係のない他人の言動を勝手に自分と関係付け、一方的に反応する



 B群・・・まわりに気を配り、几帳面で、何事にも一生懸命に取り組む傾向がある 


■反社会的人格障害
・他人がどう感じようと無関心
・社会的ルールを無視し、無責任
・欲求が押さえられず暴力を振るいやすい
・罪の意識がなく、他人を非難し自分を正当化する
・崩壊家庭に多い。遺伝子関与の可能性がある。

■境界型人格障害
・情緒不安定で衝動的な行動に出る
・自分のアイデンティティーをつかめず混乱し続ける
・虚無感、他人に対し激しく不安定な関係に入りこむ
・自殺願望があり自傷行為を繰り返したり、自殺企画をする
・軽蔑して自分や他人を傷つけたり、孤独に耐えられない
・衝動的、それでいて愛情欲求が強く、自立心が乏しい

■演技性人格障害
・他人に影響されやすく、芝居がかったオーバーな表現をする
・虚栄心に富み、常に他人から注目を集めるように振る舞い、自分が注目や賞賛を集めていないと気が済まない
・極度に誘惑的な服装をしたり、挑発的な行動をとる
・自分の身体的な魅力に執着し、利用する

■自己愛性人格障害
・極端にプライドが高く自分の利益のために人を平気で利用する
・少しでも自分のプライドが傷つくと落ち込んだり報復に出たりする
・自分は特別だと思い、そのように扱われるべきだと思っている
・共感能力が欠如し、嫉妬深い



 C群・・・自分ですべてを背負い込み、他人に任せることの苦手な傾向がある 


■回避性人格障害
・他人から批判されたり嫌われたりすることを非常に恐れ、極度に引っ込み思案になる
・自分は不十分な人間で劣っていると思い込む
・拒絶を怖がり友人にも遠慮する
・自尊心が傷つきやすい。自分を受け入れてくれるところでないと行かない

■依存性人格障害
・重要な事柄もほんの些細なことでも、決められずに精神的に依存している相手に助けを求めずにはいられない
・見捨てられるのが恐ろしく、依存している相手には要求や反対意見を言えない
・他人に対して極端に従順である
・不安感や無力感に襲われる
・自分に自信がなく信頼できない

■強迫性人格障害
・完璧主義で、強度な几帳面さ、誠実さにより娯楽や対人関係が犠牲になる
・融通が利かず、頑固で強情
・それらの理由で抑うつに陥りやすい
・人に仕事をまかせられず融通がきかない
・細部にこだわる。規則遵守。真面目。




 *** タイプ別なりやすい病気 *** 

A群・・・心筋梗塞や狭心症など循環器系の病気になりやすい
B群・・・胃潰瘍などの消化器系の病気になりやすい
C群・・・ガンとの関連性が指摘されている