通常の食事の何倍もの量を胃に押し込んだ後
過食後の後悔と肥満に対する恐怖から、胃の中のものを強制的に出す為
自己誘発性の嘔吐をしてしまう。
依存性が高く、食べ吐きが習慣化し、更には「吐く為に食べる」ようになる人も現れる。

食欲ではなく、心の葛藤で食べて吐いてしまう。




きっかけ

・無理なダイエットによる飢餓から、必要な栄養摂取として身体からの信号による過食後
「食べた後に吐けば太らない」と云う考えである場合

・社会生活でのストレスである場合
(ex. 我慢し過ぎた、誰かの期待に応えるべく頑張り過ぎた、疎外感を味わったなど)

・自傷感覚である場合
胃袋の限界まで押し込む痛み・苦しみを味わう→吐くことで楽になる


原因は何であれ、「自分の意見を他人に言えない」と云う共通項が多く見られる。
→嘔吐と共に、自分の気持ちを吐き出そうとする。実体化するものに気持ちを投射する。
 食べる行為だけが唯一自由にできることなのである。



 *** 繰り返すメカニズム ***


身体面・・・

・嘔吐後は低血糖の状態となり、身体は血糖値を上げる為に再び食べ物を欲する。
 そして結局食べ、再び吐き、再び食べ…のサイクルに繋がる。

・胃液と共に、唾液に含まれるカリウムなどの電解質も一緒に失ってしまう。
 電解質が欠乏すると、空腹感と過食衝動が非常に強まる。


精神面・・・

・「過食嘔吐はいけないこと」と云う罪の意識を前提とする。
やってはいけない→吐く→またやってしまったことに対する自己嫌悪
→分かっているのにやめられない→自責・葛藤→過食→吐く

・食べることを代償としてストレスの緩和を試みるが
吐くことは食べたことに対する罪悪感の更なる代償でしかないことに気付いている。
そしてまた、食べ物を無駄にしたことや自責・無力感から罪悪感を感じる。
弱い心を埋めるかのように過食する…。


これらのような悪循環が構築され抜け出せなくなる。



 *** 身体面への影響 ***


消化器系の疾患
食道が慢性的に胃液に晒される為、逆流性食道炎などになりやすい。
急性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因にもなり得る。
また、嘔吐時の喉への瞬間的な負担から、胃と食道の結合部裂けて出血し
マロリーワイス症候群を引き起こす事例もある。

低カリウム血症
嘔吐の際、身体に必要な電解質まで吐き出してしまう為
電解質のバランスを崩し、低カリウム血症、低ナトリウム血症を招く。

低血糖発作
血糖値の低下から、けいれんや意識障害(低血糖性昏睡)が引き起こる。

不整脈・心臓麻痺
カリウムは筋肉の収縮に必要、即ち心臓も筋肉の収縮によって働いている為
心臓の筋肉の収縮にまで影響を及ぼす。

顔のむくみ
過食と嘔吐の際、唾液の分泌を過剰に促す為に唾液腺が腫れる。

歯牙損傷
胃液が歯の表面のエナメル質を溶かし、虫歯になりやすい。
また、酸蝕症の原因ともなる。

生理の停止
食べたものをすぐ吐いてしまうことにより、身体に栄養が行き渡らず、低栄養の状態を招く。
それ以外にも、吐くことそのものが身体への負荷となっている。
また、ホルモン分泌をつかさどる視床下部は食欲中枢でもあり
「食べたい」とい視床下部の欲求を抑えつけ過ぎると、視床下部にダメージが生じる。
こうなると視床下部の機能も狂い、女性ホルモンを分泌する命令系統も乱れ、月経が止まる。

吐きだこ
手の甲に歯が当たり、たこや傷ができる。






うさぎちゃんポイント 私たちにできること 


・食べて吐く自分を責めない

・自分の意志で過食嘔吐を行っているのではなく、心の問題がそうさせていることを認める

・抜け出せなくなるほど依存する要因となった精神的ストレスを考え直す