2002年8月、日本精神神経学会が「精神分裂病」と云う病名から「統合失調症」に変更。

陽性症状、陰性症状、認知障害の3種類に分類される。



原因 はっきりした原因は分かっていないが 脳の機能障害・遺伝的要因・性格的要因・環境的要因の相互作用が考えられる。 ・神経伝達物質であるドーパミンの異常分泌による情報伝達の混乱 ・痛みなど身体的刺激や、学校・社会生活から派生するストレス ・統合失調症の親・兄弟姉妹のいる発症確立 ・人間関係のトラブル、失恋、受験などからくる孤立感・絶望感 など…  *** 症状 ***

陽性症状 幻覚や妄想 知覚の歪み 独語・空笑 思考障害(支離滅裂な会話など) 激しい興奮や緊張 など… 実際には存在しないはずのものが見える・聞こえる・におう などの「幻覚」や「幻聴」 自分の思考の中身が周囲に漏れている・他者に身体や思考を操られる・周囲から誹謗中傷される などの強固な信念を伴う「妄想」が代表的な症状。 自分への悪口や噂の幻聴は、直接自分に話しかけてくるものも存在し テレパシーや電波で話しかけてきているように感じられ、その幻聴と会話することも可能。 →突然笑う・誰もいない方向に向かって喋る、独り言など(独語・空笑) 統合失調症の急性期に生じることが多い。 かなり激しく現れる人と、短期間だけしか出ない人に分かれる。 陽性症状の中でも重要なものが「何かをさせられている」という感覚である。 この症状に陥ると、自分で思考し、行動しているはずなのに 全て他人からやらされているような気持ちになったり、自分の考えではないように感じてしまう。 大抵は薬によく反応し、時間の経過により鎮静化する。 陰性症状 社会的なひきこもり 意欲・集中力の低下 異常な疲れやすさ 自然な感情を持てない 会話量の減少 複雑・抽象的な思考ができない 思考や行動がパターン化してしまう など… 他… 不眠や食欲の異常・不安症状・抑うつなどの併発 誰にでもある「生活意欲の減退」が顕著な状態として慢性的に継続する為 周囲の者からは怠けているだけと誤解されやすく、本人には辛辣な症状である。 故に、他者も本人も症状として認知され難いことが多い。 陰性症状の進行 ・自室から殆ど出ない・学校や仕事にも行かない・社会や他者との交流が皆無など  自閉傾向の増強。  一日中寝て過ごしたり、洗顔や歯磨き、入浴も行なえなくなる。  昼夜が逆転して、昼間は眠って夜中になると何かを始める人もいる。 ・感情鈍麻  喜怒哀楽がはっきりせず、自分の感情に無関心  話しかけても反応がなく、言葉を殆ど喋らない  (逆に周囲が気遣うと、急に怒鳴ったり興奮したり、感情のバランスが悪い) 難治性のことが多く、患者の社会復帰を大きく妨げる可能性もある。 認知障害 集中力・記憶力・整理能力・計画能力の著しい低下 (本が読めない・映画やTVのストーリーの理解不能など) 注意力散漫・抽象的に考える能力・問題解決能力の欠如 (意思決定が必要な仕事や指示通りの作業が不可能など) 言語、動作、運動などのあらゆる面において、正確な把握が困難になる など… 陰性症状と酷似した症状であり 陰性症状同様、前頭葉の機能低下であると考えられる。 他者との協調性も取り難くなり 意思の疎通ができない為、会社や学校でも一人だけ浮いてしまう。 問題が起こっても本人は何とも感じなかったり、思考が全く別な方向に向いてしまう人も存在し このような状況が続くと、社会的な責任が十分に果たせなくなり、就業が難しくなる。  *** タイプ(病型) *** ・妄想型 ・解体型(破瓜型) ・緊張型 ・分類不能型・残遺型 ・妄想性障害 ・分裂感情性障害