<補足説明>

まずは、専門家に相談しよう
専門家の方々は、相談の場面で、おそらく、ネガティブな話をずらすら並べたりしないはずです。
そんなことをすれば、勇気を振り絞って新しい事業に乗り出そうとしている経営者の方に失礼ですし、中には、自分の事業案がけなされているように受け止められて、烈火のごとく怒り出す社長さんもいるでしょう。
だから、専門家の方々が短い時間でアドバイスできることは「かなり控えめ」、とご承知おきください。

では、専門家の方々がどんなところを見てくれるかといいますと、申請事業の実現可能性が高めるにはどうしたらいいのか、という点です。
例えば、
(1) 市場ニーズの把握ついて、きちんと考えられているか
(2) 資金調達の可能性については、どのくらい具体性があるか
(3) 提携先は、明示されているか。説明できるか
(4) 必要な許認可申請について、もれはないか
(5) 既存事業との区分けがきちんと整理できているか、あるいは、既存事業とのシナジー(組み合わせ)効果についてきちんと言及しているか
(6) 競合他社に対する優位性はあるか。
(7) 知的財産面での手続(特許・実用新案・意匠など)を知っているか

こういった点について申請書類を修正させることは、事業の成功にも繋がることになります。
一見、書類の書き方への助言のように見えますが、実は、事業そのものの実現可能性への支援ということになります。審査する側がどいったポイントを突いてくるか、ということにも通じます。

さらに、申請書には企業の財務内容などがわかる書類も添付するよう求められます。
事前にこれを見れば、専門家なら、その会社が新規事業に耐えうるかどうかは、おおよそ検討がつくと思います。

ここで気をつけたいのは、「有料」と「無料」の差。
弁護士の場合は、無料で代理人行為はできませんので、その区別は割合とはっきりしていますが、診断士等の場合、どこまでが無料で、どこからが有料なのか、当の診断士さんですら区分するのが難しいところです。

いずれにせよ、無料相談は回数も限られているので、「申請書の見栄えを良くする」レベルに留まるのではないかと、個人的には考えています。

その一方、巷では、高額の費用を取って、申請書を代筆するという商売をやっている人たちがいます。
「不採択となった場合は、費用請求はしません」という、良心的(?)な営業方針を示している場合もありますが、それでは経営者に力が付きませんし、何らかの落とし穴が織り込まれている危険もあります。
あまり、お勧めはいたしません。

さて、あまりストレートに事業を否定しない専門家の皆さんたちですが、時として、明確に「ダメ出し」をするときがあります。
こういう場合は、事業そのものを抜本的に見直す必要があると、素直に受け止めてください。


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