<補足説明>

物流効率化の失敗
実は私、10年近く前に物流効率化担当を拝命しまして、東京都内で共同配送などを行う新規事業の募集を行いました。
ところが、関連業界の重鎮はこう質問します。――「都庁さんは、前にも失敗した事業を、なんでまた、やろうというのかね?」

実は10年ほど前に、同じセクションで同じような物流効率化事業を実施していたのです。
そして、その事業はうまくいかなかった。
ところが、庁内の人事異動が激しく。そんなことを知っている者は、もう一人も残っていませんでした。
「物流が効率化すれば、無駄もなくなるし省エネにも繋がる」――事業趣旨それ自体は、とてもすばらしいものでした。だから、復活してしまったのです。

しかし、上手くいかない理由も同じでした。
東京都内では、もう、宅配業者が高度なシステムを構築してしまっているので、そういった第三者配送(3PL)に太刀打ちするには、町中の中小企業には負担が大きすぎたのです。
しかも、都内で物流基地を作ろうとしても、土地代が高すぎて、だったらマンションでも建てた方がいいということで・・・・。
いやはや、恥ずかしい思い出です。

「大手物流業者が共同して、地域限定の物流企業を作り、その地域については大手は参入しない」という例すら、見られました。その方が効率がいいからです。
今で言う「特区」のようなものです。
当時ですら、そこまで企業連携は進んでいました。


閉じる