しろうと考えではありますが・・・

極超音速巨大旅客機(可変翼付き)に飛んでもらいたい
ジェリー・アンダーソン氏(83歳)が逝去されました。
といっても知らない人も多いでしょうが、「サンダーバードを作った人」と言えば、たいていの日本人は「そうか」と思うでしょう。

思い起こすと、サンダーバードの放送時(1966年、昭和41年)、私は少しばかり年長(10歳)になっていました。
特撮大好きな私ではありますが、「人形劇に夢中になるなんて子供だ」と、あの頃は斜に構えていました。

とはいえ、あのメカにはそそられました。
サンダーバードメカの人気はずんぐりした2号(輸送機)が一番だと言われていますが、ワタシ的には、可変翼の1号機(指令機)や、すらっとしたファイアーフラッシュ号(旅客機)の方が好きです。

当時は超音速旅客機(SST)の開発が着手されていて、それは後のコンコルドに結実するわけですが、科学オタク少年だった私は「スーパーの次に来るのはハイパー。HST(hypersonic transport)だ」と、友達にうんちくをひけらかし、自慢していました。
「科学技術が進めば、世界の人々が幸福になる」と、本当に信じていました。

しかし、残念ながらSST・コンコルドはもう飛びません。
経済性とか騒音とか安全性とか、そんなオトナの事情が、飛ぶのを許しません。
ファイヤーフラッシュ号は原子力で飛びますが、原子力の恐ろしさは、今の私たちにはよくわかります。
科学技術が大量虐殺兵器を生んだり、環境汚染に繋がったりすることも、教えられました。

それに、当時の自分が思っていたほど、科学そのものも進歩していません。
宇宙旅行にも行けなかったし、おそらくリニアモーターカーにも乗れないで、私はジェリーの元に行くことになると思います。

唯一実現したSSTにも、そんなわけで、とうとう乗れずじまいでした。
でも、一度だけ、コンコルドを見たことはあります。
ですが、正直言って、がっかりでした。
ジャンボジェット機の間に駐機されたそれの第一印象は、「うぁっ、小さぁ」だったのです。
自分のイメージとしては、超音速旅客機=巨大、でなくてはならないのです。

だから、一度は見てみたいのです。
お願い、
極超音速巨大旅客機(可変翼付き)に飛んでもらいたい!   
私のイメージしているHSTは、同じ時期に放送されていたアニメーション「サイボーグ009」に由来します。
まだ白黒だったし、絵柄も最近リメイクされた妙にリアルな009と比べると子供じみていましたが、ストーリーはかなりオトナな内容でした。
そのシリーズの中に「天かける巨人」というのがあって、技術競争の影で暗躍する悪者と正義のサイボーグの戦いでした。
そこに登場するHSTが極超音速巨大旅客機(可変翼付き)だったのです。
記憶は定かではありませんが、上のイラストのようなものだったと思います。
「いつかこんなものが飛ぶ日が来る」と、当時の私はかたく信じていました。

夢はえてして実現しませんが、社会を推し進めていくのは「信じる心」ではないかと思います。


どうやら、近いうちに国産ジェット機MRJが運航されるようです。燃費の良さが売り物です。
極超音速でも超音速でもないし、巨大機でもありません。可変翼も付いてません。
でも、信じる心を失わなかった人たちがいるから、こういうものが実現するのだと思います。

「そんなの、アメリカに作らせておけばよい」と言う人もいるかと思いますが、私は“子供の頃の夢を失わなかった人たち”を応援したいと思います。

ちなみに、ボーイング787の部品の35%は日本企業が作っています(出所:国産旅客機MRJ飛翔 大和書房 前間孝則)。


ホームに戻る→