しろうと考えではありますが・・・

旅客用飛行艇(ジェット推進)を作ってほしい

「飛鳥(あすか)」という名前の飛行機を知っていますか?
たった1機だけ作られた実験用のSTOL(Short TakeOff and Landing 短距離離着陸機)です。
しかも、実際に飛びました(1985年、昭和60年初飛行)。


※補:写真は合成です(念のため)

背中に4発のターボファンエンジンを背負い、そのエンジンからの推進ガスは、主翼の縁を通って下に向かいます。その力で、短距離離着陸しようという仕組みです。背中にジェットエンジンを積むところは鉄人28号(© 光プロ) と同じなので、親近感がわきます。
日本は国土が狭い→長い滑走路は作れない、という論理で開発が進められました。
しかし、その後、日本各地の地方空港が整備され、また、操縦上のクセがあり、さらに何よりも開発に金がかかるというので、実験機1機で開発が中止されました。
残念です。

ずいぶん昔になってしまいましたが、小笠原に空港を作ろうという話がありました。

昭和59年だったと思いますが、私は仕事で小笠原に行ったことがあります。当時は船で片道28時間。いや遠い。ここに飛行機が飛んでいればと、つくづく思いましたが、現地の兄島を見たときに実感したのは、「こんなところに空港が作れるわけない」という感想でした。
自然保護云々より前に、技術的に厳しいと思います。採算を考えるなら、とてもとても難しいと言わざるを得ません。

と、そんなとき思いついたのが、飛行艇を飛ばすという案です。
後日、テクノスーパーライナーという高速船を小笠原に運航するという案がポシャったときも、小笠原の人たちは「救急時に来てくれる自衛隊の飛行機が定期便になってくれるだけでも助かるんだけど・・・」と言っていました。
現実に飛行艇の定期運行という案もあったようですが、今のところ実現していません。


後に海外研修員受入の仕事をしていたとき、新明和工業という会社のお世話になったのですが、新明和工業は、大戦中名機と呼ばれた二式大艇を作った川西航空機の流れを汲む会社でした。
その頃もPS-1という飛行艇を作っていて、これがまた名機。荒波でも離着水ができるうえ、水から陸地に自力ではい上がれるという優れものでした。
最新鋭機は、離着陸もできて、与圧キャビンも備わっているとのこと。
もう一歩、もう一歩で、旅客機です。
しかし、それだけではつまらない。
どうせなら、ジェットエンジンを積んで、スピードアップしてもいいのではないでしょうか。
だったら、PS-1の胴体に、飛鳥のエンジンを載せたらどうだろう。
そんなわけで、
旅客用飛行艇(ジェット推進)を作ってほしい!  

※補:エクセルでマウスを使って絵を描くのはたいへん・・・。これ結構力作。(^_^;

と、提案しておいて何ですが、実際、採算や安全性、メンテナンスなどを考えると、結構難しいかもしれません。カモメと衝突しないとも限りませんし・・・。

とはいえ、何か明日につなぐ夢がほしいと思います。
鉄腕アトムに憧れた人たちが、ホンダのアシモを開発したのは有名な話です。
きっと、MRJ(三菱リージョナルジェット)の開発チームには、MJ(マイティジャック)のファンだった人もいるはず。
振り返れば昔、東京と大阪を3時間で結ぶ弾丸列車<夢の超特急ひかり号>が開通したとき、ボクらは、この国の将来に希望を持っていました。

失われた20年、日本社会の閉塞感は何ともぬぐい去ることができません。
それに、科学が発達すれば誰もがみんな幸せになるという、単純なヴィジョンが描ける時代ではありません。
もう、私の存命期間にはスペースシャトルの発射は見られません。リニアモーターカーにも乗れないかもしれません。

でも、何か夢のタネは蒔いておきたいと思う、この頃です。

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