しろうと考えではありますが・・・

防災グッズの留め置きサービス

いちおう前置きとして話しておきますが、
この提案は誰もがすぐに思いつきそうなので、すでに事業化されているかもしれません。
また、中小企業が乗り出しても、大手が出てくると、たぶんかないません(もちろん、その傘下で収益を得る可能性はあります)。

というところですが、提案します。



以前、企業に「お菓子ボックス」を設置して、在庫のお菓子が減ったら補充するというビジネスが話題になったことがありました。富山の薬売りと同じですよね。

私が提案するのは、「防災グッズ」の富山の薬売り版です。

東京都が帰宅困難者対策条例というのを作って、全従業員の3日分の水・食料などの備蓄を、企業に義務づけています(今のところ努力義務)。
この条例の求めるところは間違っていないと、私も思います。でも、狭いオフィスにさらに防災備蓄品を用意するのが難しいこともわかります。
実際、企業は困っています。

東京都内は不動産の費用が高いです。だから、企業はギリギリの狭いオフィスで事業運営をしています。
条例で保管義務をいきなり決められたからといって、そんなものを置く場所がありません。
やれる会社があったとしても、従業員個人個人に段ボールごと手渡して「個人ロッカーに入れておけ」というところが一般的でしょう。でも、その個人ロッカーが、書庫代わりになっていたりするんですよね。
だいたいが、足をデスクの下に入れる空間も確保できないというのが実情ではないでしょうか(私がそうでしたから・・・)。

そこで、いずれにせよ、“防災グッズの保管スペースを節約する”、というビジネスが発生すると思います。
そして、富山の薬売り方式もその一つだと思うんです。



ところで、従業員3日分の備蓄といっても、本当にそれで足りるか不安です。

特に、私は「水」が足りないと思います。水は、「飲み水」に利用されるだけではありません。医療や清拭、トイレやほこり取りなど、消火や風呂は別格としてもいろんなところに必要になってきます。
飲めなくてもいいから、もっとあった方が安心です。
しかし、場所がない。

一方、災害が平日に起きるとは限りませんし、出張中の従業員に帰社を求める方が危険ということもあります。
せっかくの防災グッズなのに、個人ロッカーに鍵かけてしまわれてしまったなら、それは死蔵になります。
ということは、一人ひとりに分散して備蓄品をまとめると、ムダが生ずるのですよね。



そこで、同じく備蓄するにしても、備蓄グッズを一ヵ所にまとめるという方策が採られるようになります。
個人持ちから共有物品にすると、保存のための期間管理が必要になります。

ヘルメットやハンマー・バールのように、何年経っても使えるようなものもあれば、消火器のように5年くらいで交換しなければいけないものもある。水・食料もそのくらいですが、実際、それよりも短いスパンで入れ替えしたいです。医薬品でも、消毒剤や包帯・バンドエイドの類はもっと短い期間で交換したいし、日常的にも利用したいところですね。

こういった問題を総合的に、「おまかせ」されるビジネスが出てくると思うんです。

それに、ビルの空き部屋を利用して、そのビルの入居企業全部の防災倉庫にするようなケースも許されてくるのではないかと思います。
とうぜん費用は発生しますから、そこにビジネスのタネが発芽するということになります。



ついでながら、恨み言をひとつ。

もう20年くらい前になると思いますが、東京都は、職員の災害訓練として、「歩いて出勤する」という試みを実施しました。「そのくらい、職員だったらやれ」という精神論です。
私も何回か参加しましたが、私の家から都庁までは歩いて2時間半。途中、寸断される道路もあるだろうし、火災が発生しそうな木密地帯もある。出勤する方がはるかに危険です。
「そんなところを命がけで出勤させて、ど〜するのか。常識的に考えれば別の方策もあるだろう・・・」と、文句プンプンでした。しかも、その日に限って雪が降ったり、残業があったり、翌日早朝から遠距離出張があったりで、もう、ひどい目にあいました。生涯忘れません。

職員に犠牲を強いるのだったら、公費で備蓄品を用意して自宅に配備させ、いざというときに地域の援助に活用させる方がよっぽど気が利いていると思います。

ついでなから、恨み言をもうひとつ。

都庁移転直前ですから、もう、四半世紀前になります。
職員には統一した防災服が貸与されることになりました。私にも貸与していただきました。
身長やらウエストやらのサイズを調べて、きちんと全職員に配られました。
その後に採用された職員には、あらためて新しい防災服が貸与されています。

そして、防災訓練時には、職員には防災服着用が求められます。
そこで私は、担当に問合せました。
「あの〜、防災服は持っているのですが・・・。ズボンのウエストがはまりません。新しいのをいただけるのでしょうか・・・・?」
「そういう制度には、なっていません」という冷たいご返事でした。
たしかに、悪いのはデブになった私かもしれませんが・・・。

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