しろうと考えではありますが・・・

地道大賞

何の役に立つかわからないようなこのコーナーもずいぶん続けてきた。
誰もほめてくれないから、自分でほめてしまおう。
そして、賞を贈呈。「地道大賞!」
世の中、あまり陽の当たるようなことはないけど、地道にコツコツ頑張っている人がいる。そういう人をほめてあげる制度があってもいいと、前から思ってきた。
もちろん、あっても無くてもいいというものはダメ。だから、このページは選外。
そうではなくて、世の中に無くてはならないものなんだけど、あまり評価してもらえない、そういうものをあえて探し出して評価しようという仕組みが必要なのではないか。


例えば、「前例のない事業アワード!」
役所の仕事というのは、何でも前例重視。前例をちょっとだけ改良して、まったく新しいもののように打ち出す、これがもっとも省エネのやり方になる。
発想が枯渇してしまって、皆、前例踏襲になってしまった。
だから、あえて前例に囚われない事業案を出した人を表彰してあげよう。
例え事業そのものがダメダメでも、それだけでも、立派だ。


「なぜ売れなかったのか あの商品」(ムック本)
あの商品はなぜ売れたのかという本は多い。
作った会社も評価が上がるし、本の出版社も、ひょっとしたら「幾ばくかのPR費用」が懐に入ってくるので、潤う。
だから、逆に「売れなかった商品」の理由分析をした本が欲しい。
失敗学という研究分野があるように、「商品開発に失敗しちゃった」というような事例研究は、これから事業を興そうとしている人にとって、ひじょうに参考になる。
ただし、そういう本を出すと、調査対象となった会社から名誉毀損で訴えられるかもしれない。
でも、出版してほしい。


「ムダだけど必要な作業リスト」
ほかでも書いたが、昔の役所には「根回し」とか「擦り合わせ」「落としどころ」とかいう言葉があった。
何をやるにしても、あちこちにお伺いを立てなければ仕事は進まない。そういう弊害を指す言葉と思われている。
しかし、そういう手順を踏まなければ、いったん決まった事業もうまく進まない。
そういう段取り、とても大事だと思う。
やっぱ、「ターゲットスコープオープン」「電影クロスゲージ明度20」「総員対ショック対閃光防御」と言ってからでないと波動砲を打ってはいけない。アメリカ流に「ファイヤー」のひと言だけで発射するフェーザー砲では味気ない。
会社組織の中にでも、そういう一件ムダに見える段取りって、たくさんあるんじゃないか。
それはそれでリスト化して、申し送りしておかないと、やっぱダメだと思う。


「 のび太君事業を探せ!」
今はなんでも即結果。
しかし、即効性であっても副作用が強い薬も多い。
バラマキの補助金は経済のカンフル剤にはなっても、企業の経営強化という面ではマイナス。やがては国家財政に深刻な影響を与える。
その一方で、すぐに効果が見えないけど、長い目で見ると、会社の大きな柱になってくれる事業もあるかもしれない。
そんな、「1年後はのび太君でも10年経ったらできすぎ君」な事業を、むしろ意識して探す必要があるのではないだろうか。

 
「公私混同ビジネスを応援」
昔に比べると労働時間は短くなった。会社が音頭を取って休暇の消化促進を謳っている(大企業、正社員だけかもしれないけど・・・)。
しかし、仕事人間は余った時間をどう使っていいか、わからない。
だったら、仕事の延長上で個人事業を興すのを奨励したらどうだろうか。
会社を辞めさせて独立させるのではなく、社員としての身分を持ちながら、会社のコントロール下で事業実施するのを認める。
かつてより、大学の先生が本を執筆することはよくあった。サラリーマンだって長年勤めればその道の専門家だろう。そういった人の自己出版を会社が奨励する。そんな、報奨制度があってもいいのではないだろうか。
少なくとも、隠れてやられるよりよっぽどマシだ。

 
ま、いろいろあるんだけど、この世の中「ムダを無くそう」というかけ声で、ずいぶんムダなことが行われているような気がする。
地道に頑張っている人にも目を向けよう。運悪く売れなかった商品があれば同じ間違いを繰り返さないために、他の人たちにも知ってもらおう。それでも、何か新しいことをやろうという人がいれば、その勇気を讃えよう。そんな見方も、ときには必要だ。


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