しろうと考えではありますが・・・

会社行事支援コンサル
もうずいぶん前の話です。
私の知っているある団体が創立20周年を迎えました。企業ではないから、まとまりは緩いです。
そういう団体の役員というのは、いわゆるお世話焼き係で、なかなかやりたがる人がいません。
たまたま、その時は若い人たちが役員になっていました。もちろん、20周年が来ることは知っていましたが、若い人たちはドライで、彼らは「20周年なんてただの通過点」と、イチローみたいな感覚で受け止めていたようです。当然、「周年行事なんてやらなくていいよな」てな、方向で意見がまとまりました。
ところが、年配の大御所連はそれでは納得しません。
「なんでやらないんだ」って、苦情が来たようです。
そんなこんながあって、その団体では、創立21周年目に、20周年行事を行うことになりました。


私もまた、形式的な行事は嫌いな方です。
しかし、いろいろとしがらみがあって、企業はどうしてもそういう行事をやらなくてはならないことがあります。かったるいですけどね。
新社屋の完成とか、新事業のキックオフとかいうのだったら、まだわかるのですが、定例的に来るのって、面倒です。そんなわけで、毎年やっていた創立記念日の集いも、5年ごと、10年ごとと、だんだんインターバルが長くなってきます。
そうなるとですね。前回、どんな風にやったのか、こんどはノウハウの伝承ができなくなってくるのです。

先輩社員は自分がやりたくないものだから、「ここは一つ、若手社員の力を試す場にしたい」」なんてことを言い出します。
頼まれた若手は、「日常業務だけでいっぱいいっぱいなのに、こんな余計な仕事をオンするのかよ」と、むかついてやる気が出ません。
そうすると、とんでもないことになってしまうのですよね。


 仮に私が周年行事を企画するとすれば、
(1)まず第一に、会社幹部の日程を押さえます。
(2)次に、会社として是非ともお招きしたい主賓を確定させます。
(3)そして、開催日を確定させます。社長にお願いして、「全社一丸となって取り組む」という宣言をしてもらいます。
(4)次に、会場を確保します。そして、壇上及びパーティ会場での主賓席をどこに置くかを決め、主賓の方が専用車で来ることを想定して駐車場を確保します。
(5)その上で、他の来賓をリストアップしますが、社内各部門でもどうしても呼びたいという来賓がいるでしょうから、早めに根回しを行います。場合によっては、主賓と仲の悪い人やライバル会社の人も混じってしまうかもしれません。そういった場合の席次などの調整も必要です。みんなの顔が立つようにしなければなりません。

(6)そして、会社の目指す方向を逸脱しない範囲で、来賓の方々にとっても関心のあるお題目を行事のメインテーマに据えます。幹部の了解を取る必要があるので、テーマは二番手、三番手の腹案を考える必要があるでしょう。
(7)記念講演など併設するなら、テーマの決まった時点で、講演者の選定にかかります。テーマ決定の際に、候補者などの想定を幹部に入れておく必要があります。
(8)そして、社長の挨拶文などを考えます。社長の挨拶と講演会の内容が矛盾するとみっともないので、事前に情報交換しておく必要があります。

順番はなぜこうなるかというと、「代替案を作るのが難しいものほど先に決めていく」必要があるからです。ですので、会場の確保が難しいならば、当然、そちらの手配が先になります。
後でひっくり返ると、とんでもなく大変になりますので、「決まったところまでは動かないようにしておく」のが、肝要なんです。


 しかし、今風の若い人たちに企画を任せると、こうなります。

さすがに会社幹部の日程は最初に確保すると思いますが、その日程の前後まで配慮しません。ゴルフコンペの翌日に周年行事を持ってきたりということを平気でやるかもしれません。実行委員会の仲間うちの予定などを優先してしまう可能性もあります。

来賓は「来られなかったらそれは来なかった人の都合だ」ぐらいにしか考えずに、後回しにします。
次に、取りあえず会場を押さえます。そうなるともう、日程は変えられなくなります。

さらに、イベントとして盛り上げるために、できるだけ有名な講演者を呼びたいと思い、いろいろ物色します。これにこだわり、かなりの時間と労力をかけます。
その後で来賓のリストアップ。
会社内への周知。応援要請。

しかし、この時点で、すでにギリギリまで日程が押していて、各部門に当日の応援を頼んでも動員がかけられなかったりというさんざんな状況になります。
来賓に無造作に案内状を出しただけでは、「所用のため」というお断りの返事ばかりになったりして、事業の効果が半減します。来賓が固まらないと、当日の会場の設営などもなかなか決まりません。

会社としては、事業PRの好機にしたいところなのに、単なる消耗で終わってしまいます。
幹部はかんかん、担当社員たちは文句たらたら。


そんなわけで、こういった手はずを指導するコンサルタントが必要になってくるのでは、と思うのです。

会社には、他社に知られたくないことがあります。いろいろとバタバタしている内情も、なかなか外部に漏らしたくありません。そこで、守秘義務をガッチリ守ってくれるコンサル君の登場となります。

それと、いつでも全社員が参照できる「社内サイト」の構築が必要です。
さほど複雑ではないので、パッケージで十分だと思います。社内なら誰もが見られるフォルダーに、進捗状況表をエクセルで作って置いておくだけでも、見える化が図れます。
そういった手ほどきをアドバイスしてくれるだけでも、コンサルが役立ちます。
ただのイベント会社やお安い事務局代行業に頼むだけでは、内容まで踏み込んでくれません。

「社内行事なんだから社内で手作りが前提だ」――そう考える経営者の方も多いかと思います。
昔なら、そういうイベントになると妙に張り切り出す古参の管理職なんかもいたのでしょうけど、催事専任の幹部社員を置く余裕など、今はありません。
トップが先導して外部コンサルを導入しないと、事は先に進まなくなります。

外部の知恵も借り、全社を巻き込んだ行事の実施体制を引いていくことが、肝要かと思うんですが、いかがでしょうか。


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