しろうと考えではありますが・・・

思い出創造写真館

「二人にはパリの思い出がある」と、カサブランカでボギーは言った。
一度でいいから、そんな洒落たセリフを言ってみたかった。
けれど、私はパリなんか行ったことはない。
隣りにイングリッド・バーグマンなんて高望みはしないけど、あ〜ぁ、せめて夏休みの思い出にパリにでも旅行したかったなぁ。

しかし、今は何かと便利なソフトができていて、仮想の写真も作れます。左の写真はライセンスフリーの写真に、フォトショップで画像を組み込んだもの。
こういう風に写真を合成すると、世界各地のどこにでも、お好みの思い出が残せるのです。

だったら、そういった記念写真を作る商売だって、あったっていいのではないでしょうか。

もちろん自分で合成写真を作る方が安上がりなんですが、ちゃんとしたフォトスタジオで自分の写真だけを撮り、それに合う風景を選んで合成し、仮想の思い出を創り上げることだってよろしいのではと思います。ライティングなんかもプロにお願いしておけば、きれいな写真が出来上がりますよ。

だいたい、実際に旅行に行ったとしても、透き通るような青空ではなく、どんよりとした曇り空のことだってあるでしょうし、美しい夕景をバックに撮ったはずの写真がベタで真っ黒だったり、よくよく見ると自分だけピンぼけだったりすることもあります。
だったら、いっそのこと、「思い出の写真は合成で」と割り切ってしまうのも、有りかと。
結婚式だって写真だけですますことが通用する現代なんですから・・・。どうですか?
自分史なんか作るとき、当時の写真に当時の自分を合成することもできます。有名人と握手することだって、仮想だからあり得ます。

って、なんでこんな提案を持ちだしたかといいますと、去年の夏、私はひじょうな違和感を感じることがあったからです。
夏休みなのに、子どもの声が聞こえない。公園で蝉しぐれがド〜っと流れているのに、捕虫網を持った子供たちの姿が見えない。

職場の若いパパに聞いたら、「今の親たちは、子どもにそんな危ない遊びはやらせない」という話でした。
私たちのガキンチョ時代は、一日中、捕虫網を持って、今考えると大声で怒られそうなところに入り込んで、チョウチョやトンボを追いかけていたものです。
親だって、「日が落ちる前に帰ってきなさいよ」ぐらいのことしか、言いませんでした。

今の子どもって、管理されすぎていて、かわいそすぎません?
せめて、夏休みの思い出くらい、仮想でもいいから、思いっきり遊ばせてやりたい。そんな風に考えたわけなんです。
 

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