しろうと考えではありますが・・・

マッカーサーの遺産を狙え
先日、「ツナグ」という映画を見て、感動しました。
その中で、印象的に使われていた詩があります。
「老いの重荷は神の賜物。古びた心に、これで最後のみがきをかける。・・・」
「おのれをこの世につなぐくさりを少しずつはずしていくのは、真にえらい仕事・・・」

上智大学学長も務めたヘルマン・ホイヴェルス神父が友人から贈られた『最上のわざ』という詩で、実は原作にはなく、出演された樹木希林さんの提案で映画に取り入れられたとのことです。
実際に齢を重ねてみて、少しずつ老いを感じていく身になってみると、その言葉の重さがじわりと伝わります。

そんなこともあってか、昔聞いた話を思い出しました。
これも一編の詩にまつわる話です。

サムエル・ウルマンという人の創った「青春」という詩、ご存じの方も多いでしょう。

「青春とは人生の或期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。(Youth is not a time――it is a state of mind)」で始まり、「頭を高く上げ希望の波をとらえる限り、80歳であろうと人は青春にして已む。(as long as your aerials up, to catch the waves of optimism, there is hope you mey die young at eighty.)」
要するに“気持ちを若くもってれば、歳を取っても死ぬまで若くいられる”って内容です。
ひと頃、日本の財界の中でこの詩が流行りました。

ところで、失礼ながら世界的にあまり著名でない人物(※地元バーミンガムでは名士とのことですが)の、たったひとつの、しかもそれほど有名ではない一編の詩が、なぜ、日本の、しかも財界人の中に伝播しているのでしょうか。

実は、戦後、日本に進駐してきたマッカーサー元帥と関係があります。
そのことを調べたのが、1980年代に千代田化工建設株式会社の審議役だった作山宗久氏と日本経営者団体連盟常任理事だった宇野収氏でした。
この両名がきっかけとなって、ウルマンの「青春」の詩が日本国内に広がりました。

マッカーサー元帥は、この詩を愛唱しており、それが書かれた額が自室に掲げられていたというのです。
定かではありませんが、終戦直後に天皇陛下と謁見したお堀端の本部にも、この詩が飾られていたという説もあります。

おそらく戦争に負けた日本の財界人は、占領軍のトップがどんな考え方の持ち主なのかを、必死で探ったはずです。
そうした中で、この詩が伝えられるようになったのかと思っています。

できることならば、何かのストーリーにこの詩を登場させたい。
そこで提案。
マッカーサーの遺産を狙え!   
歴史上の事実を織り交ぜ、巧みに虚の歴史を作り上げてストーリー展開させるとなると・・・・・得意とするのは、やはり「ルパン三世」(⒞モンキーパンチ/TMS・NTV)ってことになります。

実は、ウルマンの「青春」の詩には、異なったバージョンがあります。なぜ、そうなったのかは、よくわかっていません。

とすれば、まだ発見されていない別バージョンだって存在するかもしれないじゃありませんか。

そして、マッカーサーの日本進駐の真の目的は、この詩に隠された財宝の発見だった。
どんな財宝かというと、「青春」の詩に書かれた内容から推せば、“不老長寿の薬”、今風にいえばアンチエイジングの特効薬ということになります。
それが日本の隠れ里に伝えられていた。
峰不二子にそそのかされて、ルパンと次元大介は、この薬の在処が記載された、もうひとつの「青春」の詩を探しに出る、というのがストーリーの始まりです。

次元:「ルパン。てえことは、お宝があるってことか?」
ルパン:「そうさな、探してみなきゃわからないが、好きな女の頼み事は断れないってことよ」
次元:「お前には付き合いきれない。やるなら、勝手にしろ。」
ルパン:「まぁ、待てって。俺には確信があるんだ。マッカーサーは以前、こう言っている。『日本における軍事、政治、社会、経済の諸改革に増して、精神的指導者であったことほど私に個人的満足感をもたらしたものはありません。私はまさにシーザーでありましたが、神のものは神に返すよう努めました(※)』ってね。この“神のものは神に返すよう努めました”って下り、気にならね~か。」(※出所:「青春」という名の詩 幻の詩人サムエル・ウルマン 宇野収・作山宗久 産業能率大学出版部)

そして、いつもながらのドタバタがあり、最後にルパンは薬の処方を手に入れる。
しかし、敵に捕まった峰不二子を救うために、せっかく手にしたお宝を失うことになる。

次元:「裏切り者の女のために、お宝を捨てるなんて、お前、どうかしてるぜ。」
ルパン:「このまま歳を取らずに、永遠に銭形のとっつぁんに追いかけられるなんて、俺はごめんだよ。よぼよぼになったとっつぁんに、若いままの俺を追いかけさせるなんて、もっとごめんだ。」
(遠くから銭形の声)
「お~いルパン、今度こそ逮捕だぁ~」
 

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