しろうと考えではありますが・・・

スマホの使えない喫茶店

その昔、喫茶店ではとても冷房がよく効いていました。
当時のエアコンの性能がイマイチだったこともあります。暑い日、営業中にちょっと一休みするのに、「冷やっ」とするのが好まれたってこともあります。

しかし、もうひとつ大切な意味があったのです。
それは、“お客に長居をさせない”ということでした。寒くすることで、「とてものんびりと時間つぶしをするなんてさせないぞ」という店の方針だったのです。

商業の利益率は、<客単価×回転数>ですから、客の入替頻度を上げるのがとても大切なんです。

ですが、冷房温度低下作戦は、従業員の健康に深刻な影響を与えました。そこで、今の喫茶店はこういう手法を採っていません。
今は、どういうことをやっているかというと、頻繁に空きテーブルを拭いたり、水を替えたり、空いた皿をすぐに下げたり、サービスのお茶を出したりして、「いい加減に席を空けてよね」という意思表示をします。
従業員さんは何も知らずに、マニュアルどおりに行動しているのですが、裏事情を知っている私としては、お店から過剰サービスをされると、内心“ムカッと”してしまいます。

ところがです。
最近の喫茶店に入ると、誰もがスマホに見入っている。
そりゃ、私だってスマホ持ってますよ。便利な機能を否定はしません。

高額なコーヒーを出す雰囲気の良いお店なら、スマホを何時間しようと、充電まで店内サービスで賄おうと、文句ありません。
でも、安月給のサラリーマンが、出勤前のひとときの気分転換でちょっと寄った安手の喫茶店がスマホ族に占領されている。しかも、テレビ鑑賞までしている人もいる。いくらなんでも非常識でしょ。
あの手この手で客の回転率を上げてきた喫茶店が、なんでこんな風潮に迎合してしまうんでしょうね。

だから、「スマホが使えません」を売り物にする喫茶店があってもいいんじゃないか、と思うんです。
「当店は全席禁煙です」っていうところがあるんだったら、「当店は全席禁スマホです」ってお店があってもいいのではないでしょうか。きちんと店の姿勢を表示してあげる方が、お客さんに親切ですしね。

こんな苦言、スマホが自由自在に使いこなせないひがみで言っているわけじゃありませんよ。
たぶん。


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