おれ、楽×天で買い物をしていたらさ、
転移系火葬戦記 『縮地の指輪で・・・』 1000円 作者 X夜X X々X
“行き先1900年 先着一名様でVRMMO。転移魔法使えます。戻れなくなるけど (笑”
ていう商品を見つけた。
あははははは・・・
「縮地の指輪で・・・とか、架空戦記のタイトルじゃねぇよ!」
うんな、わけあるか
ふっ この作家は、相変わらず馬鹿やってるな
いや、信用してないし、でもまぁ 試しに購入のボタンを押し・・・
“おめでとうございます”
“転移系火葬戦記 『縮地の指輪で・・・』 のご案内をさせていただきます”
“縮地の指輪は、向こうで使います”
“縮地の指輪の使用は、24時間内5回以下”
“指輪の紋章を対象物(個体)に印を押します”
“コンソールが現れるので操作してください”
“対象物を範囲1000km=質量1kg 〜 範囲1km=質量1000kgの範囲で転移させることができます”
“その際、対象物は、青白く光りますので確認してください”
“移動先は、人名。住所。あるいは、緯度経度の座標を指定してください”
“なお、対象が向かうだけの空間が存在しない場合、自動でキャンセルされます”
“御自身を移動させたい時は、指輪の紋章をご自分の体に当ててください”
“20分後、1900年に出発しますので、準備してください”
“なお、総質量は、体重込みで120kg以内の手荷物”
“靴。金品類。着替え、その他、1900年代で使えそうなものです”
“総質量をオーバーするとランダムにお荷物が消えますので、お気を付けください”
“クレジットカード。紙幣をお持ちでしたら、当時の消費者物価と換算することができます”
“では、御身内と関係者にお別れを・・・”
“それでは、カウントを開始します・・・”
「あ、ごめん、キャンセルお願いします」
“1200・1199・1198・1197・1196・1195・1194・・・・”
てな感じで、カウントダウンが始まった。
「宅配でもしろって、かよ!」
第00話 1900年 『つか、どうやって生きていこう』
1900年の東京っていうのは、あれだな。
色付き、なんだな。
おれは、雑踏の中で、ぼんやりそう思っていた。
ていうか、東京駅の真ん前じゃねぇか、ふざけんな!
おれ、周りから滅茶苦茶、見られてるわ、
この服、ちょーーーー! 目立つんですけど
おれ、警察に捕まらないように走りました。
ていうか、東京のど真ん中から脱出してどこ行くんねん、みたいな。
どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう
どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう
どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう
どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう
おれは人気のない場所に隠れ、
左手薬指の指輪を見つめる。
金と銀が混ざったような指輪で紋章のようなものがあった。
財布を見ると消費者物価で換算したらしい、むかしのお金が中に入っていた。
なんか、滅茶苦茶少ないんですけど、
地図、地図・・・
つかえねぇ〜!!!!!
そりゃそうだ。
地形が同じでも、街は前全然違うわな、
まず、アジトがなきゃ どうにもならんだろうが、
やべぇ〜 やべぇ〜 やべぇ〜
大事なことなどで、三回、言いました。
いっそ、捕まっちゃったほうがいいかもしれない、
い、いや、特高が怖いしな。
ノートパソコンと歴史の本を取り出すと、この時代のことを調べたよ。
ていうか、未来と繋がってないし、まともな情報がないじゃん、
先立つ金も少ないじゃん、
頼りになるのは、20分くらいで、WEB保存した資源地、工業関係、軍事関係、その他、
ていうか、リアルで着替えて荷物を整理しながら、WEB保存とか、
どんだけのことができるんだよ。
てめぇ ×夜×。お前一回でも試したことあんのか。
ていうか、保存してるHコレクションが役に立たねぇ〜
とにかく、アジトを見つけないと生活できないしな。
この時代の誰かに頼らないと・・・
おれの利権を確保してくれるような・・・・権力闘争の政治家は無理か、
共闘関係を結んでくれるような・・・・上意下達の官僚も駄目だろう。
何の疑いもなく信じてくれるような・・・利益優先の財閥も無理だな。
衣食住を確保できるような・・・・一般人も無理ぽい。
指輪の紋章を自分自身に当てると、周り青白いモヤに包まれていく、
目の前にコンソールが現れ、名前を入れると、転移先の座標を確認できた。
京都府 綾部市まで、412km。
簡単に来れたよ。
いいよね。距離と時間の制約がないのって、
目の前に出口なお。出口 王仁三郎と、出口すみ(澄)
後ろに信徒衆が集まっていた。
突然の出現に、衆徒は、驚くが、
開祖と教祖は、どうやら、冷静を保っているようだ。
「役行者に継る者だけど。あなたたちと、少し話しをしたい」
おれはそう言って、宗徒の間を抜け、会堂を出た。
相手が政治家、官僚、資本家だと “敵” と、認知されるかもしれない、
しかし、宗教組織は、そうもいかない、
一番大事なのは、神懸かりな権威と、人外な力で、宗徒をまとめることで、
おれは、それを宗徒の面前で見せつけた。
出口なおと出口 王仁三郎が権威を保つ道は、二つ、
突然、何もない空間に現れる以上の奇跡を宗徒に見せるか、
宗徒に同等の権威を持つと知らせるため、求めに応じるしかない。
おれ、二人に協力するからと、衣食住を要求した。
上手くいきました。
綾部市の信徒代表の大邸宅に転がり込むことができました。
ちなみに、おれの肩書きは “御使い様” になりましたよ。
取り敢えず、この時代の服に着替えると、
なんとなく、この時代の人っぽくなりました。
なるべく権威を込めて、
家主に新聞を届けて欲しいのと、
自分がいないとき、部屋に入らないよう念を押し、
荷物には触れないように告げました。
そうそう、名前は、宗教家らしく、仙堂蒼紫(せんどう あおし)にしました。
あはははは・・・
おれも中二病だよな。
でも宗教家なのに、どこにでもあるような名前じゃ 馬鹿にされるしな。
取り敢えず、
この時代に来てやらないといけないことを忘れないように箇条書しとかないとな。
の前に・・・
「江戸時代ですか・・・・」 苦笑い
蛍光灯ってさ、どうやって作るんだっけ・・・・
テーブルの上に置いてある灯篭を見て、そう思いました。
電気、水道、水洗、ガス・・・通ってねぇよ。
1900年の生活は、平成より、江戸時代の生活に近い、
蔵を持ち、離れを持つ庄屋の家でさえ、そうなのだから
日本の大半は、戦争どころじゃないってわけ、
×夜×が不戦に走ったのも頷けるわ、
お世話になってるところで、良くしてもらってますけど、
基本、貧しすぎ、遅れ過ぎ、本当に日本なのかと、
まぁ おれって未来から来たから生活習慣が違うし、
非常識というか、奇異な存在に見られてるわ、
といっても、今のところ、おれの基盤は、大本教だけだし、
でも、早く独立しないとな。
さてと、作戦、作戦・・・
ノートパソコンと・・・年表と・・・地図と・・・
この時代の地図じゃないと駄目か、
東京の帝都図書館に転移すると、地図と適当な書籍を集めて、戻ってくる。
カーソルを見ると、今日は、あと一回だけらしい、
しかし、日本をどうしたものか、
そういえば、1904年は日露戦争だっけ、
これをやめさせると、日米通商航海条約(1899年〜)は、そのまんま、だっけ、
日米修好通商条約(1858年〜)。日米通商航海条約(1894年〜)よりマシだけどさ、
まだ、不平等条約に違いないし、嫌だよな。
しかし、日露戦争も気が進まないね。
ていうか、この時代の新聞を見ると、
どうやら、日韓併合派と慎重派に分かれてるようだ。
おれは、パソコンから必要な情報をノートに書き写すと、
蓄電が切れる前にパソコンを切った。
「文明開化が来てないじゃん」
やれやれ・・・・
大本教は、成長傾向にあるし、おれ、それなりに協力するよ
でも、弾圧されるようなことはされたくないし、
大本教内部で、親衛隊を作り始める。
しかし、未来情報がおれの脳内と、パソコンと、
持ってきた荷物と書籍だけとは・・・・
情報不足が痛い、
転移できるのは、大きいけどさ、
楽×天の召喚が使えないのが、こんなに不利とは思わなかったぜ、
つまり、概念とベクトルが正しくても、詳細が全くわからない、
しかも現物さえない、
だから、たぶん、十数年、早く手を打つしかない、
情報不足だから1900年からはじめたってことね。
そうそう、金集め金集め
やっぱし、先立つものは大切だよな。
マジにそう思うよ。
取り敢えず、なにかに印をを押し、転移の準備をすると
目の前に転移に必要なカーソルが出る。
使い方は、パソコンでゲームをしたことがあるなら、なんとなくわかる。
5つのカウンターが並んでいる。
一回、転移すると、24時間のカウンターが回り始める。
そして、もう一回、転移すると、もうひとつのカウンターが24時間といった風に回り始める。
それが5つ並んでるわけで、
24時間。00:00時や12:00に、リセットされる方式でないことがわかる。
多分、転移一回分のエネルギーチャージするのに24時間必要ということだろう。
そうそう、作業中は、何か、フィードに包まれてるようだが、
弾丸を跳ね返せるものなのかは、まだわからない、
おれは、500kgの物を500km先に送り届けられるならって、水力発電と山岳鉄道に目をつけた。
でいうか、電気生活でパソコンを自由に使えるようにしないと、何していいかわからんし、
戦力ダウンだし、
あ、荷物を麓から移動させるとしたら、10kmくらいだから、990kgは、行ける。
1日5回なら山頂に4950kgを転移させられる。
いや、1日4回に制限して、1回は脱出用に残しとくか、
おれは20人くらいの信者を引き連れ
“アマテラス社” って建設会社を立ち上げると、財閥系有力者に会いにいく、
作業小屋の “物” を予定の場所に置いたと、言ったら、びっくりしてたよね。
最初、疑っていた作業責任者も、建設現場に登ると “物” が、あるんだから、
ぶっちゃけた話し、起重機さえ、上げてしまうとあとは、楽なんだよね。
国力になるし、おれの財布も膨らむし、
信徒が増えると喜捨とか献金が増えるし、一石三鳥だな。
なんか、新聞記者がやってきたよ。
おれに、超能力があるんじゃないかって、
おれは、噂を否定した。
「御使い様。いいのですか、超能力がないなどと言って?」
「超能力があるというと、嘘つき扱いされるだけだ」
「超能力など、持っていないといえば、引き下がるしかないわけだ」
「信じる者だけが信じればいい」
「そ、そんなものでしょうか」
「そんなものだよ」
ざまぁみろ
おれ、ほぼ毎日のように山に上がったり降りたりしたよ。
そのうち、大企業から発注が増えてくる。
24時間4950kgくらいの作業で上限があるけどさ、
費用対効果で言うと、アマテラス社に頼む方が圧倒的に割安だからね。
仕事が増えるとさ、割のいい仕事を選択できるから、利潤が大きくなるよ。
お金が貯まると、信者さんたちも土建屋らしい仕事をさせると、効率が良くなったよ。
おれ、そういうの無理だからさ、得意そうな信者に仕切らせたけどね。
時々 出口教祖に頼んで信者さんを引き締めてもらったよ。
おれ、そういう仕切りめいたの苦手だし、
その代わり、弾圧されないよう、天皇持ち上げを忘れないよう、言い含めたけど、
あと、創××会みたく基幹産業に食い込まないとな。
その辺は、どうなんだろうね。
出口は、言うこと聞くのかな。わかんないけど、
なんにしても二人三脚なんだから、御国と事を荒立てないように頼みたいわけよ。
そうそう、なんか、蛇の道は蛇っていうの、
朝鮮半島に “物” を運ぶと高収入な話しがあって、
長い箱物でずっしりしてたけど、なにが入った箱なのか聞かないけどさ、
何回か、送ったら、とんでもない、金を貰ったよ。
こういう非合法はさ、なるべくやめたいけど、とりあえず金がいるわ、
おれ、仙堂蒼紫親衛隊。アマテラス親衛隊を作ってるよ。
おれの命令なら火の中、水の中みたいな。
理論武装とか、人望とか抜きだけど、奇跡だけは、やれるから、
その辺をヨイショしてくれる参謀格の人にやらせてるよ。
こいつマジ扇動家だわ、やばいわ、みたいな。
そうそう、信者さんにジオポリマーの研究をさせています。
成功すれば、コンクリートより強靭な建築材になるかも、
てな感じで、夢中で仕事して稼いでたけど、
気がついたら、
義和団の乱とか、
米比戦争とか、立憲政友会結成とか、イベントが過ぎてたわ (笑
ていうか、現代人のおれが言うんだけど、
1900年の暮らしって、原始的だよね。
電気欲しいよ。
汲み取り式とか肥溜めとか、やめてくださいよ。
ガスとかないと、火とかどうするんだよ。
もう、泣きたくなりますから、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月夜裏 野々香です。
小説は、キャラが命だよ (笑
そんな火葬戦記第2弾です。
登場人物
作者 = 神(笑
主人公 = 仙堂 蒼紫 せんどう あおし : ハンドルネーム 軍ヲタ & アニヲタ
おれ、お前の二人称小説風?
コメント省くことになりそうです (笑
史実 面積42万4249ku 総人口4384万人
第00話 1900年 『つか、どうやって生きていこう』 |
第01話 1901年 『宗教法人は、一石三鳥』 |