月夜裏 野々香 小説の部屋

    

転移系火葬戦記 『縮地の指輪で・・・』

 

 

 

 第11話 1911年 『ドデカネスの戦慄』

 1月

  大審院が大逆事件の裁判で幸徳秋水ら被告全24人に死刑判決を下す。

  24人全員をアメリカに亡命させる。

 

 死刑にしても国民を怯えさせるだけなので、全員をアメリカに亡命させてしまいました。

 アメリカで、素晴らしい民主主義を味わってください、みたいな。

 ていうか、主犯は、お前だろう。みたいな印象を国民に与えたほうがいいような気がしました。

 

 

 

 東京湾

 15842t級装甲巡洋艦ブリュッヒャーが砲艦外交で入港している。

 44口経210mm連装6基を亀甲配置した前ド級時代の装甲巡洋艦だけど、

 ドイツ海軍の軍艦だと、精強に思えるから不思議だ。

 訪問は、膠州湾租借地の青島の存続、

 朝鮮半島の共同租借港の監視と、日本との関係強化らしい、

 やっぱし、中東油田を抑えると、国際的な対応が違うぜ、みたいな。

 ドイツに石油精製所を作ってもらえそうな雰囲気ですよ。

 その代わり、日本は、青島の開発に協力しろよ。みたいな、交換条件が出される。

 青島は、数少ない黒字経営地で、清露戦争で、さらに儲けているらしかった。

 もう一つ、ブリュッヒャーが来たのは、軽井沢にヴィルヘルム2世の荷物を運び込むためで、

 7つ皇領と法領の壁が重複する壁の内側は、スイス銀行より安全と見られたのか、

 皇領預かり資産もあるのか、出入りが増えていた。

 普通の国は、これらの国々全部に戦争を吹っ掛けるような真似はしないからね。

 まぁ おれなら、転移で入れちゃうけどね。

 ちょっと、見たけど、保険とは思えないほど、物凄いお宝の山でした。

 それを皇帝の親族の者たちが守っていました。

 ひょっとしたら皇領銀行なんてことも可能かもしれない、

 ちなみにエチオピア帝国は、日本、ロシア、ドイツ、オーストリア、オスマン、ローマ法王、清国の投資が行われてるのか、

 少しずつ近代化している。

 もちろん、利権で、他国の侵食を抑制するような圧力にもなっていた。

 

 

 おれ、ゲシュム島(1491ku)で山に起重機を上げてるよ。

 起重機さえ上げてしまえば、あとは、建設会社がやってくれる。

 とりあえず50ヶ所くらいで、20日ほどかかりそう。

 

 

 

 

 

 2月

  日米通商航海条約が調印され、日本の関税自主権が回復する。(小村寿太郎)

 

 そうそう、遠洋で作戦しないといけなくなると、10000t級巡洋艦が必要になってくる、

 いちいち、戦艦を出していたら赤字だしね。

 ていうか、まず、バスラ域とゲシュム島を黒字にしないと、巡洋艦すら赤字になりかねない、

 なので、ドイツの工業力は、有用だよ。

 ていうか、未来情報がないから、工業力の伸びが悪過ぎ、

 おれが関わってない分野は、史実とかわらない、

 

 

 

 メキシコとか、コロンビアとか、中南米諸国とか、南米諸国に秘密結社 “青き雷” を組織してるよ。

 軍資金と武器は、アメリカの闇資本だから表に出ないはずだけど、

 なぜかしら、マフィア同士の抗争が増えて、アメリカの治安が荒れてるらしい、

 だけど、いいよね。

 関税とか、国境飛ばして、外国に入国できるの、

 あまり、表立った行動は取れないけどさ、

 重量制限あるけど、密輸やり放題だよ。

 いま、日系人と組んで、利権を形成してるよ。

 表向き “青き雷” とは関係なくて、日用品雑貨を扱う店で、

 日用雑貨を中南米に送ってるんだけど、たまに武器とか軍資金が入ってる、みたいな。

 

 

 いま、北アイルランドにいるよ。

 船が都合のいい海域を航行してると、24時間で北アメリカから欧州入りだよ。

 でもまぁ 見つからないよう。夜に転移を繰り返すけどね。

 しかし、欧米諸国は、白人至上主義者が多いから緊張するね。

 下手に動いたら、面白半分に撃たれそう。

 でも、アマテラス社員が、自動車とか、電化製品とか、ルービックキューブの営業に来て、

 支店と宿舎があるから、足場に困らないけどね。

 北アイルランドは、外患が好まれやすい地域みたい、

 おれ、イギリス軍の武器弾薬をコッソリと、北アイルランドのどこかに隠してますよ。

   リー・エンフィールド小銃3900g 弾薬12g×100発  5100g   170丁

 1回170丁くらいなので、3回で510丁。

 3日ほどかけてると、1530丁くらい隠せる。

 あとは、隠し場所をアイルランド人に教えるだけで、内戦になるかも、

 なんか、イギリス軍で軍法会議が行われたらしい、

 

 

 

 

 3月

  帝国劇場開場(日本初の洋式劇場)

  日本で普通選挙法が衆議院で可決される。

  コルトM1911がアメリカ軍に制式採用される。

 

 中東

  日本、ドイツ、オスマン帝国、ロシア帝国  VS  イギリス、アラブ人

 といった構図ができていた。

 むろん、すぐ、ドンパチに至るわけではないが、

 対立軸は、年々強くなりそうな勢いだ。

 

 おれ、ロシア帝国、オスマン帝国、ドイツ帝国の代理人と食事、

 日本、ロシア、オスマン、ドイツは、封建制の強い国だけど、今のところ深刻な状況でなく、

 あるいは、深刻な状況を回避しつつある。

 「清露戦争は、いつまで続けるので?」

 「ロシアは、黄河北岸で、進軍をやめてるよ。清国軍が攻めてくるだけだ」

 「清国は、山海関だけでも回復したいのでしょう」

 「そんな気がしますね」

 「ロシア軍の消耗も大きいのでは?」

 「いまは、朝鮮人を盾にしてるので、それほどでもないですよ」

 「もうじき、朝鮮人部隊を黄河以南に侵攻させるつもりですよ」

 「それは怖いですな」

 「朝鮮は、今どうなってるのです?」

 「朝鮮は、赤字だよ」

 「傀儡政権を作って、搾取しようとしても、搾取できる量も少ない」

 「それどころか、まともな社会すら構築できていない」

 「おかげで、租借港を維持するための金も作れない。本当に日本と同族なのか」

 「いや、違うでしょう」

 「でしょうな。日本は、驚く程、近代化している」

 「我が国は、日本のおかげで助かってますよ」

 「いや、こちらこそ、オスマンから購入した土地のおかげで、救われてます」

 「中東は、反英にとって、いい情勢ですな」

 「確かに」

 「サウジアラビアも近代化を欲してるので、取引しやすいようです」

 「このまま、アラビア海からイギリスを追い出せれば有利になる」

 「そういえば、ベネゼイラも石油が出るとか」

 「そうですね。あそことも取引できればいいのですが、アメリカが邪魔してますな」

 「アメリカは、大国ですから」

 「技術的には、低いですがね」

 「「「あはははは・・・」」」

 そう言えるのは、ドイツ代表だけだった。

 「ところで、オスマン帝国は、イタリアから攻撃されそうなのでは?」

 「日本艦艇は引渡し途上ですし、戦力化で厳しいですね」

 「いま、日本の海軍将校は、一艦に3、4人ほど残ってるのですか?」

 「ええ、おかげで、なんとか運用と練度は保ってますが、戦争できるほどではない」

 「まぁ 戦争になったら、指揮を頼んでみるのも一計ですよ」

 「引き受けてくれるのでしょうか」

 「表向き、日本海軍将校の指揮は、まずいので、条件によると思いますがね」

 「なるほど」

 

 

 

 4月

  第1回帝国菓子飴大品評会(後の全国菓子大博覧会)開催(東京赤坂)

  清華学堂(現・清華大学)設立。

 

 バスラ油田のせいか、

 ドイツ領東アフリカ、ドイツ領南西アフリカ、ドイツ領西アフリカが潤ってるらしい、

 ドイツがバスラ石油を購入するほど、

 日本は、良質の工作機械が得られ、工業力が増し、

 工業品をオスマン帝国、イラン、清国、ロシア帝国に売却し、さらに資源が得られた。

 アメリカやイギリスに依存しないで済む国際経済は、悪くない、

 とはいえ、経済的な結び付きの強さから、

 第一次世界大戦で、日本がドイツ側に組み込まれる可能性があった。

 それは、面白くない、

 そもそも、第一次世界大戦が起きるのだろうか、

 戦争すれば、国家は疲弊し、国民も損するが、儲かる利権産業もある。

 そして、利権産業は、戦争を望む。

 もちろん、アマテラス社もそうで、戦争すれば、すごく儲かるはず、

 それでもまぁ 日本の敗戦コースだけは、避けたいわけよ。

  

 バスラ域(3000ku)と、ゲシュム島(1491ku)の投資は、進んでるよ。

 大戦になる前にある程度の社会基盤を作って自給自足できないと奪われそうだし、

 

 

 

 5月

  清が幹線鉄道国有化令を発布する。

 

 

 南関東ガス油田は、なるべく、地盤地下を起こさせないようにするつもりだけど、

 それは、関東大震災のあとのことだし、

 いまは、石油が欲しいから30000t級タンカーを建造してるよ。

 採算的には、もっと大型タンカーがいいけどさ、

 イギリスもフランスもがっちり植民地を守る気配が強いし、

 帝国主義的な気運が残ってるし、

 沈められたら泣きたくなるしね。

 

 

 

 ジオポリマーで箱物移動要塞船を建造する研究実験をしてるよ。

 どうやって使うかというと、密閉した箱を海に浮かべて、

 目的の浅海に持って行って、蓋を開けて沈めて、

 器の中に必要なものを詰めていく、

 とりあえず、浅瀬の南沙群礁で試してみるけどさ、

 南沙群礁

 太平島(0.43ku)

 小さな島だが日本と中東を結ぶ中継基地で、港湾と飛行場を建設してる、

 地下をボーリングし、地表と地下の温度差を利用した発電もしている。

 電力で自立すると、飲料水を確保しやすくなるし、自給自足しやすくなった。

 時々 アメリカ艦艇、イギリス艦艇、フランス艦艇が示威行動をとるが、戦闘未満だ。

 中東行きの船が増えると、南沙群礁の重要性が増して、ほかの小さな島に基地を建設している。

 ジオポリマーをドーム状にした建物は、強度を保ちやすく、

 設備が増えると、船舶の立ち寄りも増えた。

 「おや、仙堂氏。いつの間にこられたのですか」

 「ドームの出来が気になりましてね。先ほど、船で」

 「さっきまで、管制塔にいたのですが、船は気づきませんでしたよ」

 「まぁ うっかりは、誰にもありますよ」

 「な、なるほど・・・アマテラス社の投資が大きいのは助かりますよ」

 「南沙群礁は、戦艦より期待してる」

 「というより、政府は、もっと、投資を増やすべきだね」

 「そう言ってもらえると、心強いですよ」

 「地下は、進んでるのですか?」

 「ええ、東西に3本ずつ。完成すれば1個師団を余裕で駐留させられますよ」

 「自給自足の方が優先だけどね」

 「しかし、これほど大規模な飛行場は必要なのでしょうか」

 「航空機は、今後の海戦を決定付けますよ」

 「私には、大砲の方が心強いですけどね」

 そう、50口径356mm連装砲台4基が高台に設置されることになっていた。

 

  

 テスラは、アメリカに排斥された復讐なのか、

 日本で成功させるつもりらしく、研究と開発と建設が進んで、

 全高80mの無線送信塔を建設している、

 おれは、電力で儲けるより、戦争で負けない方を選ぶから、

 無線送信塔の建設をすすめるよ。

 邪魔する奴は、半島に神隠しな。

 完成するとね。

 遠く離れた場所に電力を供給できるから、トンデモ戦記に移行するよ。

 既に転移の指輪がトンデモだから、

 これ以上の下駄履かせは、なにか、ゲームバランスを崩しそうで、気が進まないけど (笑

 って、作者じゃあるまいし、そんなの気にするわけねぇだろう。

 

 

 44式自動騎銃(6.5mm×50)

   重量4000g

   銃身長480mm / 全長955mm / 起剣時1309mm

   銃口初速740m/s  装弾20発/30発   有効射程500m

 気合を入れて作ったら採用されたよ。

 軍上層部は、自動小銃を弾が勿体無いと嫌う傾向があったけど、

 敵から目を逸らして、弾込めする方が勿体無いと言い返したよ。

 

 

 

 6月

  ニューヨーク州でCTR(現・IBM)創業。

  喜界島地震発生、12名が犠牲となる。

 国防省、

 おれは “御使い様” というより、 

 アマテラス社の社長として呼ばれる。

 将校たちは、随伴の士官を連れていている、

 まぁ 少しでも対抗しようという意図があるのかもしれない、

 会議は

  ゲシュム島(1491ku)  第01師団、第02師団、

  バスラ域(3000ku)  第03師団、第04師団、第05師団、第06師団、

 の開発をどうするかで、

 アメリカはフィリピン。イギリスもシンガポールに巡洋艦を配備し、

 日本商船の航路を妨害するなど、反日を強めているらしい、

 「アメリカは、日本の国産エネルギーを持つことを嫌ってるのでしょうし」

 「イギリスは、中東権益に割り込まれることを嫌ってるのでしょう」

 「そんなことはわかってる」

 「問題はどうしたらいいかだ」

 「バスラ域とゲシュム島の自給自足と、日本の社会基盤を強めることでしょう」

 「軍事は?」

 「まぁ 潜水艦と航空機を配備すればいいのでは」

 「戦艦を建造すべきだろう」

 「戦艦で潜水艦を撃沈できるのなら、戦艦建造でもいいかもしれませんが」

 「せ、戦艦なら潜水艦以外の軍艦を撃沈できるし、地上砲撃にも使える」

 「潜水艦は、艦砲射撃できないだろう」

 「いまは、そうかもしれないけど」

 「戦艦を何隻も建造して、バスラ域とゲシュム島の開発が遅れては、本末転倒では」

 「「「「・・・・・」」」」 むっすぅ〜

 「アマテラスは、みすみす儲け話しをフイにすることはなかろう」

 「フイにする気はないのですがね」

 「優先順位で戦艦は、それほど高いものとは言えません」

 「「「「・・・・・」」」」 むっすぅ〜

 

 

  

 7月

  ドイツ帝国軍艦がモロッコのアガディール港に寄港し、フランスを威嚇する(アガディール事件)。

  第3次日英同盟協約締結。

  イェール大学の歴史家ハイラム・ビンガムがマチュ・ピチュ遺跡を発見。

  

 第3次日英同盟は、

 イギリスが、日本がオスマン帝国、イラン、ドイツ帝国、ロシア帝国寄りになることを恐れたからで、

 引き締めだったよ。

 でもまぁ 軍事同盟に関する条項だけで、経済的な交易を制限するものじゃないから

 状況はあまり変わらなかったかな、

  

 地熱発電を利用してプランテーションをしているよ。

 寒冷地に高層ビルを建設して作ってるのは、バナナ。マンゴ。パパイア・・・

 まぁ ほかの作物も生産してるけどさ、

 少ない人数で生産力が高いよ。

 新聞社とか来て、写真を撮ってる、

 散々邪魔していた軍人は面白くなさそうに見てる、

 そりゃ 戦艦を建造できそうな予算をかけて、熱帯作物生産工場を建設したけどさ。

 お前らの食い扶持だろう。

 ていうか、結核患者を、これ以上増やしたら労働集約上不利なことぐらい分かれよな。

 食料自給率は、人口増加につながるし、

 将来的には、兵士を増やせる、

 あと、栄養あるんだから我慢しろよ。みたいな。

 そうそう、養鶏とか、ブロイラーもやるよ。

 おれは、地鶏派だけどさ、

 庶民だって、鶏肉とか、卵を食べたいと思うな。

 ていうか、それでも、軍事費を増やそうと、難癖つけてくるんだよな。

 軍人は、予算のことしかないのか、そんなに戦争したいのかよ。

 戦争する前に自給率を上げないと、お前ら前線で餓死だぜ、

 新聞、雑誌、小説は、主戦派と不戦派に分かれて、抗争中かな。

 因みに朝鮮人は、日本が戦争で勝っても得するし、

 日本が戦争で負けると100倍得するから、軍属と組んでるよ。

 オツムの悪そうな軍属利権が朝鮮人と組んで予算獲得するため攻撃してくるからさ、

 利権のための兵法語りで、兵法知らずというか、

 利権はあるけど、戦略ないというか、笑っちゃうぜ的な。

 しかも、100回言えば本当になる的に嘘を繰り返してくるからさ、

 いや、もう死ねよ的な。

 未来を知ってるおれは、切れまくりだよ。

 ていうか、未来の日本も朝鮮・韓国のために日本を滅ぼそうと働いてる馬鹿がいたし、

 日本人が戦略に目覚めないように。

 バカになるように。

 自信喪失させて欝になるように

 在日プロパガンダ部隊が必死に反日・開戦工作してたっけな、

 あと、殺意のあるようなイジメとかさ、

 在日に迎合して集団で日本人をいじめ殺す日本人の子供たちとかさ、

 戦前も戦後も保身と利権しかないというか、

 基本の社会構造が変わってないっていうか、

 まったく、憂鬱だよ。

 

 

 

 

 8月

  長野県小谷村の稗田山が大崩壊。日本における20世紀最大級の土砂災害となる。

  イギリスで議会法が制定され、下院の優越が法制化される。

  第2次西園寺内閣成立。

 

 

 

 反米を煽る野球有害論が広がってる

 野球は、アメリカにとって数少ない伝統文化。

 意味なく、貶めればアメリカ人は怒るだろう。

 日米戦争のための下準備だろうか、

 この種の印象操作は、日本人の民族主義や国粋主義を利用しつつ、

 示し合わせたように大規模に広がる。

 朝鮮人にすれば、日中戦争、日露戦争、日米戦争こそが朝鮮独立の鍵になるのだろう。

 こういった情報操作にコロリと引っ掛かるのが、日本の右翼と左翼の気質なのかもしれない、

 というより、日本の政策を左右する右翼と左翼の正体こそが朝鮮人な気がする。

 狭心な利権保守は、我田引水で目先の利益を追うため、朝鮮人と加担し、

 日本の政策を歪に捻じ曲げ、与論を歪め、外交選択を狭めさせ、

 日本の総合力を削いでいく、

 

 

 それはそうと大正デモクラシーが少しずつ蔓延してる

 “元始、女性は太陽であった” とか、

 女性参政権の動きが強まってる、

 おれは、そういう時代から来たからさ、抵抗が少ないんだけど、

 おれがいた未来の男は背丈があるけど薄っぺらな感じがするし、

 女は、忍耐心の欠片もなくて、傲慢で、五月蝿いだけ、

 逆に、この時代の男は凛としたものを感じるし、覇気が強い、

 女も、静かなのに芯が強くて、淑やかで綺麗に思えるのだけど、

 そんな感じ、

 なんか、女の味方をしながら誑し込んで、男を弱体化させ

 国を乗っ取ろうとする意図が見え隠れしてる気がしてるわけよ。

 というより、参政権のない時代の紫式部とか、清少納言は、確かに太陽だったかもね。

 

 

 

 9月

  ロシア帝国首相ストルイピンが狙撃される。

  北アフリカのオスマン帝国領を巡り

     イタリア王国がオスマン帝国に宣戦布告する(イタリア・トルコ戦争)

 

 そして、イタリア海軍とオスマン帝国海軍の総力を挙げたドデカネス沖海戦が始まる。

   イタリア海軍 戦艦14隻、装甲巡洋艦10隻、

    13898t級戦艦 イタリア、レパント

    13400t級戦艦 レ・ウンベルト、シチリア、サルデーニャ

    9980t級戦艦 エマニュエレ・フィリベルト、アミラーリオ・ディ・サイント・ボン

    13400t級戦艦 レジーナ・マルゲリータ、ベネデット・ブリン

    12691t級戦艦 レジナ・エレナ、ヴィットリオ・エマニュエレ、ナポリ、ローマ

    4580t級装甲巡洋艦 マルコ・ポーロ

    6720t級装甲巡洋艦 ヴエットール・ピサニ、カルロ・アルベルト

    7350t級装甲巡洋艦 ジュゼッペ・ガリバルディ、ヴァレーゼ、フランチェスコ・フェルッキオ

    9832t級巡洋艦 ピサ、アマルフィ

    9832t級巡洋艦 サン・ジョルジョ、サン・マルコ

 

  オスマン帝国海軍 戦艦7隻、装甲巡洋艦3隻、

    15000t級戦艦 初瀬、三笠。

    12533t級戦艦 富士。

    10000t級戦艦 クルフュルスト・フリードリヒ・ヴィルヘルム、

                 ブランデンブルク、ヴァイセンブルク、ヴェルト

    9695t級装甲巡洋艦 八雲

    9750t級装甲巡洋艦 出雲、磐手。

 

 

 いま、レーダーとか、ソナーとか、コンピューターを研究中だよ。

 おれは、こんなの作ってくれって、抽象的に言うことしかできないわけで、

 まぁ 宗教的なんだわ、

 真空管的なものは、欧米で生産してるからさ、

 日本でも試作生産が進んでる。

 あとは、ゲルマニウム系とか、シリコン系で、トランジスタを作らないとだけど、手古摺ってる。

 まぁ なぜか、金だけはある。

 

 

 

 10月

  清で武昌新軍が蜂起する。

 

 清国で反乱軍が起きたよ。

 どうも、ロシアが背後で動いたらしい、

 と、思ったらイギリスも無縁じゃないよ。みたいな。

 一応、清国の味方してるんだろう、とか思ったけど、

 こいつら、敵味方関係なく、戦争で儲ける主義だったんだよな。

 しかし、清露戦争は長いよね。よく戦い続けられるよね。

 中国人に聞いてみたらさ、

 政敵とか、不穏分子を前線に送り込んで敵に殺させてるらしい、

 だから反乱が起きやすい土壌があったわけなんだろうけどさ、

 国内の政敵を整理して権力基盤を確立するための戦争なのかね。と思ってしまうよ。

 中国は中国で、ドギツイわ。

 まぁ おれもどさくさに紛れて、中国大陸に足場を作ってるけどさ、

 そういえば、ロシア帝国もそんな感じのことをやってる。

 日本人は、偽善者か利敵行為なのか、

 愛国者から金をとって、売国奴にあげちゃうとかね。

 愛国者を徴兵して殺して、売国者を生かして金儲けさせるとか、逆行くからな。

 上層部が偽善者で馬鹿だと下が困るわ。

 

 

 

 新聞にドデカネス沖海戦の記事が載っていた。

 オスマン帝国艦隊の指揮を執ったのは、三笠引渡しの残務整理していた東郷平八郎で、

 4列6隻で進撃するイタリア艦隊に対し、

 三笠を先頭に10隻が単縦陣でイタリア艦隊の前方やや左翼側から突進して、T字戦を仕掛けた。

 イタリア艦隊は、先頭艦が大破し、進路を遮られて隊列を崩し、

 オスマン帝国艦隊は、そのまま、イタリア艦隊の左翼から後方に回り込み、

 時計回りでイタリア艦隊の後方から中央を分断して割り込むと砲撃を継続した。

 オスマン帝国艦隊は、終始単縦陣で機動を続け、

 被弾した艦艇は、戦場に取り残され、集中砲撃を受けた。

 しかし、オスマン艦隊は、常に海戦の主導権を執り続け、数で勝るイタリア艦隊を圧倒し、

 早朝から始まった海戦は、昼ごろまで続き、

   13898t級戦艦 イタリア、レパント

   13400t級戦艦 レ・ウンベルト、シチリア、サルデーニャ

   9980t級戦艦 エマニュエレ・フィリベルトアミラーリオ・ディ・サイント・ボン

   13400t級戦艦 レジーナ・マルゲリータ、ベネデット・ブリン

   12691t級戦艦 レジナ・エレナ、ヴィットリオ・エマニュエレ、ナポリ、ローマ

   4580t級装甲巡洋艦 マルコ・ポーロ

   6720t級装甲巡洋艦 ヴエットール・ピサニ、カルロ・アルベルト

   7350t級装甲巡洋艦 ジュゼッペ・ガリバルディ、ヴァレーゼフランチェスコ・フェルッキオ

   9832t級巡洋艦 ピサ、アマルフィ

   9832t級巡洋艦 サン・ジョルジョ、サン・マルコ

   イタリア海軍 戦艦14隻、装甲巡洋艦10隻、

 

   15000t級戦艦 初瀬、三笠。

   12533t級戦艦 富士

   10000t級戦艦 クルフュルスト・フリードリヒ・ヴィルヘルム

                ブランデンブルク、ヴァイセンブルク、ヴェルト

   9695t級装甲巡洋艦 八雲

   9750t級装甲巡洋艦 出雲、磐手。

  オスマン帝国海軍 戦艦7隻、装甲巡洋艦3隻、

 

 イタリア艦隊は、戦艦6隻、装甲巡洋艦5隻を撃沈され、

 残存艦隊の戦艦8隻、装甲巡洋艦5隻は降伏した。

 オスマン艦隊は、中破した戦艦4隻、装甲巡洋艦2隻しか残っておらず、弾薬が底を付いていた。

 しかし、イタリア残存艦隊は、オスマン艦隊より損害が大きく、洋上で燃え、

 オスマン帝国海軍の装甲艦2隻、防護巡洋艦2隻、駆逐艦3隻が近づくと、

 戦意を喪失させたのだろう、降伏するよりなかったらしい。

 三笠の写真が載っているが、全艦がささくれだち穴が空き、ズタズタになっていた。

 先頭を走る戦艦は、それだけ、攻撃に的になったのかもしれない、

 しかし、ランチェスターの法則は10対24。

 練度の低さを補って、倍以上の艦隊を打ち破るとか、

 海軍将校に聞くと、勝因は、二つ、

 東郷平八郎の戦術的勝利と、

 イギリス製戦艦とドイツ製戦艦がイタリア製戦艦に優ったことらしい、

 とはいえ、伊土戦争でオスマン艦隊が勝ったとなると・・・・

 

 

 

 11月

  モロッコに関する独仏協定が結ばれる。

     モロッコではフランスの権益が認められ、ドイツが仏領コンゴの一部を獲得する。

  外モンゴル(後のモンゴル国)が清から独立宣言

  メキシコ革命で、農民派のサパタが蜂起する。

 

 

 伊土戦争でオスマン帝国海軍の勝利で、イタリア海軍は壊滅し、

 オスマン帝国は国威高揚に成功し、衰退を食い止めようとしている。

 一次、イタリア軍が占領したリビアは、オスマン艦隊が戻ってくると回復し、

 バルカン半島でもオスマン軍は勢力を巻き返している。

 それより大きいのは、イタリアの戦艦6隻と装甲巡洋艦5隻を手に入れ、

  オスマン帝国海軍を戦艦11隻と装甲巡洋艦7隻を有する海軍にしてしまったことにある。

   15000t級戦艦 初瀬、三笠。

   10000t級戦艦 ヴァイセンブルク、ヴェルト

   13898t級戦艦 レパント

   13400t級戦艦 レ・ウンベルト、サルデーニャ

   13400t級戦艦 ベネデット・ブリン

   12691t級戦艦 レジナ・エレナ、ナポリ、ローマ

   9750t級装甲巡洋艦 出雲、磐手。

   4580t級装甲巡洋艦 マルコ・ポーロ

   6720t級装甲巡洋艦 カルロ・アルベルト

   7350t級装甲巡洋艦 ジュゼッペ・ガリバルディ、

   9832t級巡洋艦 ピサ、

   9832t級巡洋艦 サン・マルコ

 それが前ド級型戦艦と装甲巡洋艦とはいえ、侮れない軍艦であることに変わりなく、

 オスマン帝国は、地中海で盛り返したみたいだ。

 さらに追い討ちをかけるがごとく、ドイツが13208t級戦艦カイザー・フリードリヒ3世型戦艦

  カイザー・フリードリヒ3世、カイザー・ヴィルヘルム2世、

     カイザー・ヴィルヘルム・デア・グロッセ、カイザー・カール・デア・グロッセ、

         カイザー・バルバロッサの5隻をオスマン帝国売却を決めたらしい、

 現状、ド級戦艦が海軍の主力になってる状態で、

 いつまでも前ド級艦艇を持ち続けるのが面白くないのかもしれないが、

 オスマン帝国の延命で、国際情勢がどうなるのか、不安だよ。

 でも、オスマン帝国に投資していた日本とドイツは、大儲け、

 イタリアに投資していた幾つかの国と、国際資本は、大損したかも、ざまぁ〜

 

 

 12月

  白瀬矗とロアール・アムンセンが南極点に到達

  第28議会召集

  伊土戦争講和

 

 白瀬とアムンセンは、別方向から進んで、ほぼ同時刻に南極点に到達して、仲良く写真を撮ったそうだ。

 南極開発は、着実に進めば良しで、

 南極点到達は、イベントだけど、歴史に残るし、悪くない気がする。

 

 伊土戦争は、取り敢えず、終わりました。

 イタリアは、侵略に失敗、

 オスマン帝国は、海戦に勝利してリビアを守っても国土を守るだけで精一杯で

 イタリアに侵攻できなかったようです。

 

 

 ユダヤ資本の代理人と昼食

 「ドデカネス沖海戦は、してやられましたよ」

 「イギリスの造船所も残存艦隊の修復で儲けてるのでは?」

 「2、3隻じゃ 大した金額になりませんよ」

 「一番、儲けてるのは、日本とドイツでしょう」

 「しかし、まさか、オスマン帝国が勝つとは思いませんでしたよ」

 「日本は、オスマン帝国に投資していたからね」

 「イタリアが勝ったら、日本の投資分は、根こ削ぎ奪われたかもしれません」

 「日本は、今後、オスマン帝国をどうしたいと、思いで?」

 「さぁ 通常の交易になると、思いますよ」

 「来年、豪華客船タイタニックの処女航海なんですけど、ご招待しますよ」

 「ええ、と・・・豪華棺桶船タイタニックですか?」

 「「「・・・・・」」」

 

 

 

 

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 おれ、 千鶴子(25)   秋斗(5)  裕也(3)  史郎(1)

 

 

 史実  面積67万2100ku  総人口5098万人

 

 戦記  面積42万4249ku  総人口5463万人

  ゲシュム島(1491ku)  第01師団、第02師団、

  バスラ域(3000ku)  第03師団、第04師団、第05師団、第06師団、

  極北(ウランゲル)島(7850ku)

  塞氷(セヴェルナヤ・ゼムリャ)諸島 (37000ku)

    八十一(シュミット)島(467ku)

    八十(コムソモレツ)島(8812ku)

    西七十九(ピオネール)島(1527ku)   東七十九(十月革命)島(14204ku)

    七十八(ボリシェヴィク)島(11206ku)   小七十八(小タイミル)島(232ku)

 

  南基(ブーベ)島(58.5kku)

 

 

 

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第10話 1910年 『オスマン帝国とイランの再興』
第11話 1911年 『ドデカネスの戦慄』
第12話 1912年 『利権戦国時代と、バルカンのさざなみ』