月夜裏 野々香 小説の部屋

    

転移系火葬戦記 『縮地の指輪で・・・』

 

 

 

 第20話 1920年 『世界線の向こうへ』

 西暦1920年、

 世界は、皇朝掲げる皇朝連合国と、自由民主を唱える衆愚連合国にわかれ

 史上初めての世界大戦が行われていた。

 当初、衆愚連合国を支配するユダヤ金融マフィアの思惑通り進んでいた戦況だったものの、

 東アジアの島国の日本は、憲法改正によってユダヤ金融支配を脱し、

 国情と外交戦略を変更させつつユダヤ金融マフィアの思惑を歪めていた。

 銀河×雄伝説かよ (笑

 

 でも、なぜ、戦争するかというと、金融政策とも関連している。

 例えば、唯一の蛇口があって、そこからしか水が出ないといたらどうだろう。

 気前よく、みんなに配っていても面白みがないわけ、

 ではどうすると面白いかというと、気前よく水を配らないいんですよ。

 そうすれば、水が欲しい人たちが土下座してでも水を欲しがるわけです。

 紙幣はずっと残るし、水は消耗する違いがあるんですけど、

 経済規模が成長してるのに紙幣がないと、成長できなくなるので。

 金融も蛇口と似てるわけですよ。

 利権を持つものばかりに紙幣が集まるけど、

 追加の紙幣がないので利権は、貸し渋り貸し剥がしを始める。

 一番の弱者は、紙幣が回りにくくなり壊死するしかなくなる。

 未来じゃ犯罪しないと生きていけない人間が急増してたし、

 3万人から5万人が毎年自殺している。

 そのくらいになると、金融つながりの天下り先は、自由自在で、とっても美味しいわけ、

 そして、企業は、いくら投資しても回収できないので、開発投資する気すら起きなくなるわけ、

 賃金カットすると内部留保が増えるし、

 さらに社会資本の紙幣が減るので、リストラするわけ、

 失業した国民は、犯罪者になったり、自殺したり、

 それでも中央銀行は知ったことかと、美味しい天下り先を物色するわけですよ。

 それがデフレーション金融支配ってやつです。

 しかし、戦争になると、少しばかり違います、

 お金を刷らないと、経済が回らず、戦争に負けちゃう、

 なので、貧困が進むほど、国民は、戦争に追い込まれていくわけで、

 本当は、外国に銃口を向けるんじゃなくて、中央銀行に銃口を向けるべきなんでしょうけど、

 天下り先は、軍隊とか、警察とかも押さえてるし、

 公務員の殆どで官僚天下り支配してる状態で、

 自分の会社さえ安泰ならいいや的な企業は多いし、

 自分さえよければ、他人は負け犬にしていい的な人間も少なくないから、

 各個撃破というか、金融的に切り崩されてしまうわけ、

 それが金融支配ってやつなので、そんなことしても、反乱軍で抹殺みたいな。

 そんな感じなわけですよ。

 日本だけは、個人信用創造が紙幣を印刷させ、法人投資できるので、

 財政投資がなくても社会資本が回るわけ、

 なので、日本国民は、銃弾が飛んでくると危ないし、死ぬの嫌だし、

 戦争なんてしたくないぜ、

 なんだけど、アメリカに宣戦させられちゃしょうがないよね。

 

 

 さてと、戦争なんだけど、1914年からはじめた国は、7年目。

 日本は、1917年9月11日にアメリカに宣戦布告されてから4年目になる。

 あとから参戦した方が余力あるけど、既に大消耗戦、

 大西洋で捕獲した戦略物資を皇朝連合に分配して、戦線を維持してる。

 戦利品の分配は、工作機械とか、資源とか、国債とか、土地に化ける。

 

 そうそう、スペイン風邪は、少しずつ収まりかけている気がする。

 日本は、スペイン風邪発祥のアメリカと戦争してるし、

 交易が少ないので、感染者が、少ないようだ。

 でもまぁ 史実と違って、大戦が続いてるし、油断できないよね。

 

 

 

 

 1月

 アメリカ合衆国で憲法修正第18条(禁酒法)施行

 

 禁酒法か・・・

 法律で我田引水すると、国柄を変えてしまう恐れがある。

 例えば、国民を貧乏にするほど、消費者の購買力が低下し、

 企業収入は、天下り財源に頼らなければならなくなる。

 なぜ、累進性の強い所得税を減らし。逆進性の強い消費税を増やすのか、でもある。

 なぜ、そんな馬鹿な政策を民主主義下の国民が許すのか、

 それは本当に民主主義なのだろうか、というと、国民を扇動する方法があるわけで

 彼らがよくやる手口が

 権威がある教授や著名人が黒いカラスを白いカラスというと、

 マスメディアを使って、一気に国民を扇動してしまう手口だ。

 それが成功すると、面白いようにそちらに転がる。

 マスメディアが基本的に国民を馬鹿だと思っているのは、そのことを実感しているからに過ぎない、

 

 この時代、地租税が累進性の強い直接税で。

 趣向性の強い酒税と、たばこ税が間接税に当たるが、

 新領地が増え、人口がまばらに拡散すると、土地から上がる利益格差も大きくなるし

 所得税も悪くないかもしれない、

 もっとも、個人信用創造で紙幣を作るようになって、

 14歳以上が、法人信用投資することで、毎月紙幣が増えている、

 今年は1ヶ月4900万ほど増えるので、12ヶ月だと5億8800万ほど法人株が増資され、

 雇用、設備投資、生産拡大につながる。

 天下り利権にしたらうまみのない制度だが、

 法人や庶民は、金融天下り官僚に土下座して生きていくよりマシな気がする。

 法人は、増資を得るために国民にサービスする選択をするし、

 収益を得たら還元するだろう。

 

 そういった感じで、法律を考えると、

 アメリカの禁酒法で、だれが得をしたか、となるし、

 だれが禁酒法で損をしたか、となる。

 酒を製造しているのは、農家で、

 大麦は、ビールの原料で、

 大麦、ライ麦、トウモロコシはウィスキーの原料になる、

 まぁ 穀物の価格維持や生産調整のために酒造するのだが、

 禁酒法を施行すると、不作でも穀物価格を維持できて悪くない、

 しかし、豊作になると、穀物が捨て値で売られてしまう。

 禁酒法は、そういった農家の調整力を奪うもので、

 農家を苦しめて得する業界が存在する。

 金融は、農家が価格調整と生産調整で立ち行かなくなったら、農地を抵当に金を貸せる。

 金利で稼ぐこともできるし、駄目なら土地を取り上げる。

 

 法制上、マッチポンプ政策なのだが、よくやる手だし、

 アメリカ合衆国を農業国から工業国にするため、農業人口を減らす目的なら悪くないわけ、

 また、ビール業者で強いのはドイツ系アメリカ人で、彼らに圧力をかける目的も含まれている。

 あと、大規模農業も可能になるかもしれない、

 ユダヤ人にすれば、ドイツ系、ロシア系、アングロサクソン系、ラテン系、スラブ系とも

 仲違いさせて、殺し合わせ、憎しみ合わせながら弱体化させ、

 最終的に滅ぼす気なのだから順番が違うだけなのかもしれない、

 なんにせよ。

 第一次世界大戦で、たくさんの肥えたゴイム(家畜)が死んだほうが彼らの得になるし、

 利権に繋がるわけだ。

 日本が彼らの戦略から生き残るなら、格差を是正しながら国民国家を堅持し、

 資源、食料の時給率を高め、非関税障壁を維持し、

 彼らの金融支配を諦めさせるしかない、

 

 

 

 さてと、アメリカ太平洋艦隊が壊滅して、

 主戦場は、大西洋・欧州戦線に移行している。

 西部戦線は、アメリカ軍が上陸して戦力的に拮抗してるし、

 ロシアは、ロシア帝国白衛軍と、ソビエト赤衛軍に分かれて内戦中

 日本は、意外にフリーハンドなんだけど、

 基本、基礎工業力が低い上に、社会基盤も劣ってる状況で世界大戦なので、

 ジブラルタルの要塞化が、ちょっと大変。

 あと、アメリカ西海岸への清国人の輸送とか、

 メキシコとコロンビアへの武器援助とか、

 そんなことやってる。

 そうそう、ドイツ巡洋艦隊なんだけど、

   26600t級デアフリンガー型巡洋戦艦(50口径305mm連装砲4基。26kt)

      リュッツオウ、デアフリンガー、ヒンデンブルク、

   24594t級巡洋戦艦ザイドリッツ (50口径280mm連装砲5基。26.5kt)

   22979t級巡洋戦艦モルトケ (50口径280mm連装砲5基。25.5kt)

 が冬を利用して、北海から北大西洋を抜けてジブラルタルに入港、

 日本艦隊と合流したらしい、

 おかげで、ジブラルタルは、緊張状態で大変な事になってる。

 ローテーションは、浮きドックがあるからなんとかやれてるけどさ、

 ちょっと苦しいかな。

 たぶん、アメリカ艦隊とイギリス艦隊が有利になっていくかな。

 でも、通商破壊は戦果をあげてるし、ここでやめると、西部戦線は維持できなくなる、

 この辺が正念場かもね。

 

 

 

 アメリカ海軍とイギリス海軍は、必死に対抗しようとしてるけどさ、

 海軍は、皇朝連合海軍が有利な気がするな。

 でも、アメリカが必死に空母を建造してるらしいから、どうなんだろうな。

 今のところ、アメリカ海軍は大西洋をの護衛を優先していて、

 西海岸の清国囚人の上陸を妨害できる艦隊はいない、

 だけど、メキシコ軍相手に航空攻撃の練習をしてるとも聞いてる、

 そうそう、日本側もメキシコとコロンビアに13式戦闘機を輸出して、戦線を支えている、

 

 

 

 

 2月

 ドイツ・オスマン海軍がイタリア沿岸を砲撃し、

 ドイツ・オーストリア=ハンガリー軍100万がイタリア半島を南下しているらしい、

 

 

 鉄道旅団の装甲列車を見ている。

 日本が師団を全部外地に出しても平気なのは、半分コイツのおかげ、

 あと、東京湾海戦でも少し、活躍した。

 と、言っても戦線が外地に広がってるので、日本が脅かされる可能性は低い、

 せいぜい、半島のアメリカ軍が朝鮮人を日本に潜入させようと画策しているくらい、

 軍隊が玄界灘を渡れないなら実質的な脅威が低くて、

 日本海側を警備して見回ることが増えてるらしい、

 そうそう、かなりの頻度で、朝鮮人が侵入して、捕らえられてる、

 こいつらを入国させると、後ろから刺されるというか、殺されかねないから危険、

 捕まえると追い返してる、

 でも、また来るからさ、

 返すときは、最北の新義州市に返してる。

 

 

  

 3月

 なんとか、次期50000t級戦艦建造を廃止させて、空母建造に切り替えさせたぜ、

 戦後とか、戦間期とか、

 航空機開発の進捗度合いからして、もう、戦艦はいらない、

 必要なのは、空母を守る対空・対潜護衛艦だからね。

 てなわけで、

  10000t級青葉型巡洋艦の開発となった。

   全長201.6m×全幅19.4m×吃水6.23m

   100000馬力  32kt   航続距離15000浬/18kt

   50口径155mm3連装砲2基

   75口径40mm機関砲10基

   対潜爆雷2基  対潜迫撃砲

   水上機6機 or ヘリ

 主砲塔2基を艦首に集めてるし、

 艦尾飛行甲板は、それなりに広い、

 ヘリは、いま開発中、

 でもヘリのターボシャフトエンジンとか、どんなんだっけ、作ったことないし、手古摺ってる、

 まぁ 形だけは、なんとなくわかるからさ、その点だけは、有利かもしれないけどね。

 あと、音響魚雷とか、開発しようとしてるけど、暗中模索かな。

 こういう時、資料を買える召喚系が羨ましいわ。マジで、

 でも戦艦18隻もあると、巡洋艦っているのかなって思ってしまうわ。

 とりあえず、設計図だけは、作っとこう、みたいな。

 

 

 イタリアから外交団が来た。

 対フランス、対イギリス、対アメリカ参戦するので、イタリアの独立を堅持させて欲しいそうだ。

 すげぇ〜 さすが、イタリア外交戦略に、ぶれないわ、

 ていうか、平常運転だよ。

 おれの知ってるイタリアで嬉しいよ。マジに、

 ドイツ帝国、オーストリア=ハンガリー帝国、オスマン帝国、日本で4分割案が出てたからさ、

 とりあえず、占領政策とか面倒なんで、ホッとした。

 でもまぁ オーストリアがごねてるから、ヴェネト州はオーストリア領ね。

 あと、イタリアの監視をしなければならないからって、

 15年間、1935年まで、監視行政員と監視部隊を送ることが決まった。

 まぁ 独立してるけど、自力で軍事力を行使できない、未来の日本みたいな感じ、

 日本は、シチリア島、サルジニア島が決まったよ。

 オスマン帝国は、半島の南部。

 オーストリア=ハンガリー帝国は、アドリア海沿岸から中央域、

 ドイツ帝国は、北西域

 

  

4月

  イタリア降伏

  イタリアがアメリカ、イギリス、フランス、ソビエトに宣戦布告

 

 

 空母鳳龍が爆撃機45機で、レパルスとレナウンを爆撃して大破させたらしい、

 よっしゃー! よっしゃー!

 不安材料が消えた。

 これで、イギリスの巡洋戦艦は、壊滅したことになる。

 と、思ったら41000t級巡洋戦艦フッドが就役する。

 どちらにしろ、日独海軍と米英海軍の戦力比は、完全に逆転する。

 

 

 5月

  第14回衆議院議員総選挙

 

 日本の師団数は世界大戦が始まっているというのに13個師団で変わらない、

 秘密は、独立守備隊と、鉄道旅団を増やしているからで、

 仮に日本国内に師団が不在でも防衛力が高いことにある。

 もう一つは、師団付属で半個師団を海外地に派兵させ、

 半年ごとに人員を入れ替えていた。

 この方式なら日本にも拠点があって、

 何ヶ月か一度、外地に出向という形になるので、将兵が楽だからだ。

  近衛師団(東京-ハワイ)

  第01師団(東京-ゲシュム)        第02師団(仙台-インド)  

  第03師団(名古屋-バスラ)        第04師団(大阪-インド) 

  第05師団(広島-スエズ)         第06師団(熊本-コロンボ)

  第07師団(北海道-ジブラルタル)    第08師団(弘前-サルジニア) 

  第09師団(金沢-シチリア)        第10師団(姫路-ハワイ) 

  第11師団(善通寺-ハワイ)        第12師団(久留米-シンガポール)

 もちろん造兵したいという声はあるのだが、

 日本国内の公共投資と設備投資も継続しないと、近代化からずり落ちてしまう、

 まったくもって、富国強兵というのは、富国ならんとすれば軽兵にならざるを得ず、

 強兵ならんとするなら貧国にならざるを得ないという、矛盾しまくりな標語でしかない、

 まぁ 核兵器を開発できるのなら通常戦力を手抜きできて、

 富国強兵になれるのだけどさ、

 核兵器開発が進まねぇ

 クラスター爆弾とか気化爆弾の方がハードルが低いわ。

 

 

 欧州戦線は、ドイツ軍、オーストリア軍、イタリア軍が南フランスから回り込んでる、

 山岳地帯なんで手間取ってるけど、それを超えると、フランスは海軍を失う、

 そして、イタリアは、自治軍を残すため参戦している。

 もう、ほとんど戦意が残っていないらしいけどさ、

 マジで戦わないと、国家解体される、

 なんか、哀れになってきたけどさ、

 ドイツ人と、オーストリア人と、オスマン人は、当然みたいな感覚だ。

 日本は、こういう大陸的な歴史感が薄いからな。

 

 

 

 6月

  第43特別議会召集

 

 日本は戦争で儲かり始めていた。

 まぁ もちろん、ここの作戦で死傷者を出していたけど、

 まだ、10000人を超えていない、

 そして、拿捕した船は、400隻を超えようとしている。

 ほかの国に分配しなければならないけどさ、

 これだけの戦利品があると、ちょっと違うってくらい日本国内の羽振りが良くなっていくよ、

 ていうか、漁師さん、あなたも明日から大型船の船長になりませんか、みたいな。

 国民が戦争儲けに味を締めなきゃいいけどね。

 だから、日本から宣戦布告しないよう、戦場の悲惨な記録映像をたくさん残させて、

 お抱え戦記作家に戦争の悲惨な光景を書き残させている。

 そういえば、主戦派は、おいしい利権があるからか。

 手下の在日は、戦争で死傷者を出した日本人の数を数えて乾杯してるからか。

 格好いい将校やシーンを映し、

 お抱えの戦記作家にかっこいい戦場風景を書かせ、

 次の戦争を煽ろうとしている。

 こういうのに負けちゃダメなんだよね。

 何人か、お祭りしてる奴を半島に神隠ししとくか。

 

 

 

  30000t級ワイオミング型戦艦  讃岐(ワイオミング) 備前(アーカンソー)

     全長210m×全幅31m×吃水8.66m

     100000馬力  29kt  15190海里/12kt

      50口径305mm連装砲4基

      51口径127mm単装速射砲16基

      水上機8機

 就航した戦艦は、余裕で薩摩型戦艦の性能を超えていた。

 装甲の外側に倉庫を作って、

 パイプ状に節目にHEATを配置すると、直径の12倍程の距離をカバーする。

 魚雷が命中して、突き破ると、

 高温のガス・メタルジェットが横合いから弾頭を破壊する。

 装甲の1m手前で魚雷の弾頭が爆発することになるので、最悪の爆発を緩衝できそうだった。

 火砲はそれほどでもないし、

 防御もそれほどでもなく、

 アメリカ海軍と、イギリス海軍の新型戦艦と撃ち合えば負けるのだが、

 最大速度29ktと、航続力を生かした通商破壊に対応できる軍艦が存在しない、

 就役すると、北アメリカ西海岸へ出港していく、

 おれと、軍属

 仲が悪いけど、一緒に仕事しないといけないからさ、一緒にいる。

 「讃岐と備前の作戦は?」

 「ハワイ配備と、輸送船団の護衛と、状況が許せば、第二次パナマ砲撃ですよ」

 「アメリカの対日反撃が怖いな」

 「メキシコとコロンビアの方が、激しい抵抗を見せてますよ」

 「だといいがね」

 「メキシコ戦線は?」

 「メキシコシティは、守れてますが、苦戦してますね」

 「メキシコ戦線と、コロンビア戦線と、欧州西部戦線か。大した国力だな」

 「来年は、イギリスを攻撃できますよ」

 「本当に?」

 「イギリスを降伏させれば、フランスも降伏するでしょうし」

 「イギリスとフランスの植民地を独立させれば、幾つかの拠点は、得られますよ」

 「メキシコが来年まで持てばいいが」

 「アメリカも西海岸に侵入する清国人をなんとかしないといけませんし」

 「西部戦線、メキシコ戦線、コロンビア戦線に集中できないようですからね」

 「来年までは、持つでしょう」

 『メキシコが負けるとまずいからな、いざとなったら、アメリカ軍の弾薬庫を爆破してでも止めるよ・・・』

 

 

 7月

  阪神急行電鉄により、神戸本線・伊丹線開業。

 

 シチリア島にアジトを作ってる。

 15年間の監視だけど、

 それとは関係なく、何か所か、足場がある方がいいからね。

 でもなぁ シチリアマフィアは怖いぜ、ババを引いた気分、

 

 

  

 8月

  アメリカ合衆国憲法修正第19条が発効し女性参政権が認められる。

 

 ツーロン港が落ちた。

  フランス海軍 (戦艦5隻)

    27340t級プロヴァンス型戦艦(45口径340mm連装砲5基。20kt)

      プロヴァンス  ロレーヌ

    18360t級ダントン型戦艦(45口径305mm連装砲2基。19.25kt)

      ダントン  コンドルセ  ディドロ

 

  イタリア海軍 (戦艦2隻)

    22964t級カイオ・ドゥイリオ級戦艦(46口径305mm3連装2基+連装砲2基。21.5kt)

       カイオ・ドゥイリオ  アンドレア・ドーリア

 フランス戦艦5隻と、イタリア戦艦2隻が降伏し、

 日本、ドイツ、オーストリア、オスマンの4カ国で分けることが決まる。

 別段、いらないんだけどね。

 海軍が壊滅したオーストリア=ハンガリーが滅茶苦茶欲しがる。

 あと、新型戦艦を少しでも欲しいオスマンもね。

 ドイツも対イギリス戦で使いたいのか、やはり、熱心だったりする。

 そして、ドイツは、対イギリス戦で艦隊を動かしてくれそうな国は、日本だけと知っていて、

 ドイツと日本で分ける方がいいと思ってるわけ、

 艦隊温存策は立派な戦略だし、オーストリアもオスマンもそうすることは、検討が付いてる、

 そりゃそうだ。なんだけどね。

 そして、なんだかんだで、武器弾薬の対価が大きなオーストリアとオスマンは、手を引いて、

 ドイツがフランス戦艦プロヴァンス、ロレーヌの2隻。

 日本がイタリア戦艦カイオ・ドゥイリオ、アンドレア・ドーリアの2隻。

 オーストリアがフランス戦艦ダントン、コンドルセの2隻

 オスマンがフランス戦艦ディドロの1隻となった。

 ぶっちゃけ、日本は、イタリア戦艦いらないんだけど、まぁ 使い道があるでしょう。

 そんなわけで、新人の海軍将校を振り分けることになったらしい、

 

 

 9月

 中立国オランダ。ユトレヒト州デ・ハール城

 そろそろ、戦争を終わらせたいな。

 そんな風に思って、中立国オランダに講和会議の場が作られ

 交戦国の代理人が集まってるけど、進んでいない、

 苦戦してるのに素知らぬ顔で、ワインを飲んでる交渉人も多い、

 日本人は何をしてるかというと、

 頭でっかちのキャリア上がりが手柄が欲しいのか、

 戦争終結の糸口を探って墓穴を掘ってるらしい。

 こういう時は、腹を据えて、いつまでも戦争できるくらいの胆力を見せとくもんだろう。

 

 

 

 

 

 10月

  日本最初の国勢調査実施

 

 特高向けの装備品を供給しているせいか、情報戦の一部が伝わってくる。

 特権を持つ者ほど、朝鮮人と組みしても利権を維持しようと利益誘導する、

 普通の国民は、よほど困窮しない限り売国から離れていく、

 それでもまぁ この時代の日本は、羨ましい、

 未来の日本人は、日教組により愛国心を持つことに罪悪感を感じるよう教育されている、

 マスメディアは、自己中心と拝金主義を煽り、

 国民を私利私欲と、睡眠欲、食欲、性欲に走らせている。

 少なくない人間が無国籍意識を持ち、愛国心を持っていないことを誇ることさえしている。

 情報漏洩が売国に繋がるという意識すら持っていない、

 そして、常に在日と裏切り者が、国民の言論を監視し、

 日本人の政治結社、歴史観の共有、文化創造、コミュニティの形成を妨害している。

 自分の国が滅ぼされ、泣くのは、自分と、自分の家族なのにな。

 とはいえ、空母のことについて、100人のスパイに1の質問をさせて集計し、

 100の情報を聞き出しているらしい、

 乗員も一つ喋ってもいいだろうみたいな感じなのだが、

 集計してしまえば、100の項目が全て埋まって、空母建造の足がかりにされている、

 このやり方をされると、かなり困るわけで、

 喋った方は、スパイされたことさえ、気づかないため、犯人の特定が難しくなってるらしい、

 

 そうそう、戦争は、戦力があっても、国力がなければ国民を糾合できず戦意を持続できない、

 帰還兵が故郷に戻って、何も変わっていなければ、不安を感じるもので、

 故郷の衣食住が拡大傾向にあり、

 道が舗装され、車が増え、ビルのひとつでも建っていたら安心する。

 幾つもの街で、帰還兵の歓迎会が行われ、休息が取られている。

 帰還が何ヶ月が良いかというローテーションは、確立されていない、

 未来の日本軍は、片道切符で、将兵を戦地に送れても

 アメリカ軍の恐怖を伝染されるとまずいと思ったのか将兵を帰還させられなかった。

 おれ、定期的に将兵を帰還させるよう働きかけていた。

 今のところ、アメリカとイギリスの潜水艦は、それほどでもないからね。

 

 

 11月

  アメリカ合衆国で世界初の本格的な定時ラジオ放送が営業開始

  ジュネーヴで国際連盟の第1回総会開催

 

  40000t級長門型戦艦

    全長240m×全幅34m×吃水9m

    ディーゼル電気推進160000馬力  32kt  16000海里/16kt

    50口径410mm連装砲4基  120mm連装砲12基  40mm機関砲20基

 長門、陸奥が就航した。

 国民は、喜んでるかもしれないけどさ、

 世界最強戦艦が物悲しく感じるよ。

 飛龍と鳳龍だけで、戦艦10隻を撃破している、

 対して、空母2隻は無傷で、艦上機の損失も12機ほどしかない、

 まぁ 戦艦の時代は、終わってるからね。

 誰だって、戦艦より空母を建造するよ。

 

 

 

 

12月

  第44議会召集

 

 国際情勢と、戦況は、悪くない、

 むしろ、通商破壊戦の成功で、好転しつつあるようだ。

 惜しむらくは、通商破壊のローテーションのせいか、

 活動してるのは、通商破壊戦隊が2隊から3隊のみだった。

 これでは、船団攻撃て撃沈し拿捕できる船は限られていく、

 そうそう、白人世界が日本とオスマン帝国を警戒し始めている。

 ドイツ帝国とオーストリア=ハンガリー帝国は、勝ち戦だし、

 一旦、始めた以上、戦争はやめられないけどさ、

 白人世界が結束して、日本とオスマン帝国を打倒しようみたいな動きは、少しづつ増えている。

 ちょっと怖いぜ、戦後処理を考えとかないとな。

 次の大戦は、50年くらい先に伸ばしたいな。

 そのくらいあれば、核兵器をたくさん持てるだろう。

 

 

 

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 おれ、 千鶴子(34)   秋斗(14)  裕也(12)  史郎(10)  由実(8)

 

 

 史実  面積67万5000ku  総人口5723万人

 

 戦記  面積42万4249ku + 4万4908ku  総人口6916万人

  ゲシュム島(1491ku)  第01師団、

  バスラ域(3000ku)  第03師団、

  極北(ウランゲル)島(7850ku)

  塞氷(セヴェルナヤ・ゼムリャ)諸島 (37000ku)

    八十一(シュミット)島(467ku)

    八十(コムソモレツ)島(8812ku)

    西七十九(ピオネール)島(1527ku)   東七十九(十月革命)島(14204ku)

    七十八(ボリシェヴィク)島(11206ku)   小七十八(小タイミル)島(232ku)

 

  南基(ブーベ)島(58.5kku)

 

 

 

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