月夜裏 野々香 小説の部屋

    

転移系火葬戦記 『縮地の指輪で・・・』

 

 

 

 第24話 1924年 『利己主義と拝金主義の果て・・・』

 アメリカ、イギリス、フランスで、全体主義が強まってるよ。

 怖いよ。

 日本の陸海軍にも大義名分というか口実があって、

 縁戚利権の軍需産業が儲かって、自分が軍部で出世できるなら、

 日本が負けよう滅ぼうが、日本人が何万人死のうが自殺しようが、平気な連中がいる、

 未来にもいたでしょ 日銀とか、日銀とか、日銀とか (笑

 原子力命の東電とか、東電とか、東電とか (笑

 あと、TPP押しの経団連とか、経団連とか、経団連とか (笑

 利己主義と拝金主義だけは、輸入しちゃいけない、

 ぶっちゃけ、右翼も左翼もトンデモ勘違いしてるというか。

 国家や国民は、思想に殺されてるんじゃなく、利権に殺されてるんだよね。

 そんな。戦記になってしまいました。

 もう、最悪。

 

 そうそう、アマテラスの事業が大きくなってるので、抱え込んでる魔法使いを増やした。

 魔法使いといっても、検察上がりの弁護士なんだけどね。

 一般人がよくわからない呪文を詠唱すると、政敵が引き下がる。みたいな。

 大財閥は、弁護士事務所をまるごと、

 興信所丸ごと、ヤクザ事務所をまるごと囲ってるって感じなんだけどね。

 アマテラスは、まぁ 新参財閥だけど、そこそこ、抱え込んでる。

 ちなみにおれが、半島送りしてるしてるのがそういう連中なんだけどさ (笑

 最近は、あれだ。

 成田の鳥居みたいなもんで、天罰があるからアマテラスに手を出す筋は少ない、

 せいぜい、大陸とか、半島から来た命知らずくらい、

 失うものがないって怖いよね。

 

 

 

 

 1月

   清浦奎吾内閣成立。

   イギリスでマクドナルド内閣成立(労働党が組織した最初の内閣)

   皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)と良子女王(後の香淳皇后)ご成婚。

   

 領土が大きくなって、また忙しくなってきたよ。

 まぁ 転移能力を使った仕事だけどね。

 でもインドは独立したし、インドシナも独立したからうまみが小さい気がする。

 逆にアフリカ大陸は、少数派の白人が独立を嫌い、

 子分になるからと、そのまま、植民地に移行することが多いようだ。

 信用はできないけど、日本人が手を汚さず資源を得やすい、

 アフリカ大陸は、日独で大陸縦断鉄道と大陸横断鉄道を計画中だけど、

 金がないよな。

 いや、国民信託投資で紙幣を作ればいいんだけど、

 ベーシックインカムと違って、消費者が増えるのでなく、

 国民の企業信託投資なので、地場企業の強靭化やライバルを恐れる利権屋が嫌がる。

 アマテラス社は、少ない予算で、作業効率の高いので人気があるよ。

 

   

 

 2月

 エチオピア帝国

 黒人国家が少しずつ整理されているのか、公共投資が増えている。

 まぁ 理由は、皇朝連合の金庫があるからで、

 大戦中、当時国同士でも皇朝連合の金庫は手を出せず、

 革命を起こしたソビエト赤衛軍でさえ、皇朝連合の金庫に手を出していない、

 皇朝連合保険は、他国にあると思わせるだけでも、有望なクーデター防止策で、

 革命防止策と考えられていたからで、

 ダミーでもエチオピアの金庫に金塊を隠してあると思わせるだけでもよかった。

 そんなわけで、黒人国家が、どの程度のものか、

 列強各国は、眺めている。みたいな。

 

 

 41125t級巡洋戦艦 甲斐 (フッド)

 改装計画が進められていた。

 42口径381mm砲は、日本の砲口規格から外れ、

 かと言って50口径356mm砲にすると弱体化しそうな気がした。

 長門と同じ50口径410mm砲にすると改装が大きくなって費用がかさむ

 おれが、大砲をジャマイカ島に配置して、

 甲斐 (フッド)は、空母に改造しようと、言ったらブツブツ言いながら、賛成してくれたよ。

 まぁ 綺麗な戦艦だから、ブツブツ言う気持ちはわからんでもないけどさ、

 少し揺れるらしいから艦幅を広げるか、

 ジャイロ・スタビライザーを取り付ければなんとかなるでしょう。

 

 

   

 

 3月

 イギリスは、ウィンザー王朝の権威が低下している。

 そりゃ 持ち逃げした隠し金塊でイギリスを再建しなければイギリス国民だって怒るだろう。

 まぁ ウィンザー王朝がイギリスに居残るか。

 イギリス国民を裏切ってカナダにイギリス王朝を移すか、瀬戸際かな。

 下手すると、クーデターとか。共産革命だからな。

 たぶん、対外的な仮想敵を想定して誤魔化すかもしれない、って、皇朝連合のことかよ。

 気にはなるけど、内政干渉しすぎても反発が怖いし、様子見、

 

 フランスも全体主義の強い政党が生まれている。

 フランス国民もなんとなくその気になってるような。

 少ない人口でも結束すると国民のベクトルが定まるし、

 軍需系の生産力が増える、

 これはちょっとヤバいのかね。

 

   

 

 4月

 パナマ運河

 運河が再建すると、太平洋航路が増えた。

 費用は減るし、利益は上がる。

 アメリカがパナマを欲しがるわけだ。

 ちなみにパナマ(7万5416ku)は、大戦中、日本に宣戦布告してるので、交戦国。

 交戦国で植民地がないと、1000分の1が皇朝連合領に割譲される、

 4ヶ国分なので、1000分の4。301kuを日本が統治していた。

 なんか、暴動が増えてる気がする。

 アメリカが支配していた時より、国民所得は大きいはずなんだけどな。

 変だな。

 とりあえず、首脳部の15人ほど、どこかの山奥に転移させてあげました。

 「・・・・・・・」 ため息

 

 

 45000t級客船オリンピック

 日本が拿捕した客船は、戦後、皇朝連合名義で、日本が使っている

 単独だと返したほうがいいかなって気になるけど、名義が皇朝連合だから、

 そういう意識になりにくいわけ、

 世界一周コースは、たくさんの外国人が乗ってるし、

 おれも家族旅行している。

 いま、カリブ海を航行してるけど、

 オーストリアの防護巡洋艦が並走している。

 防護巡洋艦は、吃水線近くの機関部だけを装甲で守ってる巡洋艦で、

 とりあえず、沈まなければいいという発想で建造された艦艇。

 艦全体を装甲で覆うより費用が安く、装甲巡洋艦の3分の1ですむ。

 経験則で廃れていくけど、まだ残っている。

 聞くところによると、

 ドイツとオーストリアが、メキシコ、コロンビア、ベネズエラの投資を増やしているらしい。

 ていうか、少数民族を送り込んでるので、人身売買に近い気がする。

 まぁ 中南米諸国が近代化すれば、アメリカに対する牽制になるのだろう。

 アメリカも工作員を送り込んで、切り崩しに躍起になってるようだ。

 

   

 

 5月

   アムステルダムオリンピック開幕。

   第15回衆議院議員総選挙

    

 オリンピックは、世界大戦で中立国を維持したオランダになった。

 日本もやっつけで代表者を集めて参加できたよ。

 まぁ メダルは、期待していなかったけど、そこそこでした。

 

 

 皇朝連合ドイツ領バミューダ島(53.3ku)は、対米戦の最前線の一つで、

 港湾と、飛行場と、Uボートブンカーが建設されている。

 要塞砲台は、パリ砲2基と、

 45口径381mm連装砲台16基が配置されることになっていて、

 ダニエルズ・プランで建造されるであろう戦艦10隻、巡洋戦艦6隻と撃ち合っても勝てるよう計画されている。

 30000t級戦艦 30000t級戦艦  因幡(ニューヨーク) 艦橋

 おれ、ドイツの最前線基地の視察に来ていた。

 「バハマの要塞化は、さすがドイツと思っていたけど。バミューダー要塞は、最強かな」

 「対米最前線ですからね」

 「ハワイ諸島もこれぐらいの陣容が欲しいかな」

 「西海岸は、清国人が多く。再建は、遅れ気味だそうです」

 「まだ、要塞はいらないって?」

 「優先順位で高くないかと」

 「海軍は、要塞より、軍艦が好きだからな」

 「まぁ そういうわけでもないですがね・・・」

 

 

 日本領ガイアナ(21万4970ku)

 元イギリス領だけど、少しずつ日本人が増えて、西インド諸島を守る牙城っぽくなろうとしている。

 でも、アメリカ軍が本気で上陸してきたら負けそうだし、

 陣地構築は、急務かな。

 でも産業も大事なので綱引き、

 ブラジルが味方してくれるなら戦いやすいけど、あまり期待できないかな。

 せめて、製鉄、工場、武器弾薬の製造くらいは・・・・

 いや、欲を言えば、航空機くらいは・・・

 

 

 6月

   清浦内閣総辞職

   加藤高明内閣成立

   第49特別議会召集

 

 

 グアダルーペ島(253.8ku)は、元々メキシコ領。

 元々メキシコ領に日本軍の基地があるのは、

 米墨戦争でアメリカに奪われ、皇朝連合によって、取り返されたからだ。

 メキシコに返還しても良かったのだが、メキシコとの協議で、そのまま、皇朝連合日本領となった。

 その気になれば、サンディエゴ港、ロスアンゼルス港、サンフランシスコ港を叩きやすい。

 日本が戦艦作りより、要塞作り、

 航空機開発に移行したのも、足場になりそうな前線基地があるからだった。

 32000t級戦艦  扶桑 艦橋

 「断崖絶壁が多いのは、有利だけど。開発が難儀しそうだな」

 「火山性なので、地熱発電でよろしいのでは?」

 「まぁ それはあるかもしれないけどね」

 「しかし、アメリカに爆撃されそうな島だな」

 「アメリカ本土から400km。メキシコ本土からでも260kmは離れてますよ」

 「航空機の発展性からすると、10年以内に航続距離2000kmになると思うよ」

 「まさか」

 「ほんと、ほんと」

 「「「「・・・・・・」」」」

 『おれ、御使い様なんだけど、まだ、信じられてません!』

 『転移より、軍人の膠着した頭を溶かす薬が欲しいわ』

 

  

 

 7月

   日本でメートル法が採用

 

 

 皇朝連合日本領ハワイ諸島

 食料を自給自足できる島は、防衛で楽だ。

 ハワイ開発の青写真はできていて、

 真珠湾に大型ドックを幾つも建設している。

 ドックを建設しないと、艦隊を配備できないからで、

 アメリカが海軍を再建し、西海岸に艦隊を配備したら、日米の争点になるはず。

 もっとも、その前にアメリカが西海岸の軍事施設を大きくするはずだけど、

 清国人が多くて混乱してるせいか、思ったより進んでない感じ、

 まぁ 陸軍基地から武器弾薬を盗んで、清国人に渡してるせいかもしれないし

 東海岸を優先させてるせいかもしれない、

 ぶっちゃけ、国防費なんて増やせるような時期ではないのだけど・・・・

 薩摩 艦橋

 「青写真を見る限り、横須賀並みの港湾を建設することになってますよ」

 「ハコモノは建設できるよ。いまの横須賀よりいいものをね」

 「問題は、練度のある人員と、組織構築かな」

 「よくそんな金があるもので」

 「大陸侵攻で消耗なんてしなければ、なんとかなるだろう」

 「仙堂男爵にかかると、軍は、ただの金食い虫ですね」

 「いやいや、今回は頑張ってくれたよ。感謝している」

 「こちらこそ、癪なことに、戦功一番手の企業は、アマテラス社ですから」

 「あはははは・・・」

 「それにアメリカ大陸で泥沼の戦争にならずに済みましたし」

 「戦争は、適当なところで、妥協すべきだよ」

 「それにアメリカは、ユダヤ風邪真っ盛りだ」

 「ユダヤ風邪が細菌兵器というのは、本当なんですか?」

 「アメリカが、どう反応するか。カマかけだよ」

 「そんなことのために?」

 「それが情報戦だって」

 「なるほど」

 「そういえば、半島人が悪鬼鬼畜みたいな印象操作もアマテラス系マスメディアが中心でしたね」

 「正解だっただろう」

 「アメリカ人とイギリス人は、敗戦が朝鮮人に知れただけで酷い目に遭ってる」

 「その映像を撮ったのもアマテラス系の記者でしたな」

 「あはははは・・・・」

 「そんなに朝鮮と関わるのが嫌なのですか?」

 「民族浸透戦術されて、反日活動されたら面倒ですからね」

 「まぁ 確かに」

 

 

 

 アマテラス電子開発局

 トランジスターの原料は、マグネシウムと、ゲルマニウムの結晶。

 知ってるものと、知らないものとでは、出発点も違うし、

 予算のかけ方も違う。

 大本信者を雇ったり、大卒を雇って、研究させていたら、なんとかなりそうとのこと、

 あとは、まぁ 小型化していけばいいだけ、

 ちなみにテスラーの電気工学は、とても役に立ってるよ。

 あとは、システムとか、プログラムとか、そんな物を作るらないとね。

 これが、たいへん。

 

 

 アメリカ海軍32000t級コロラド型戦艦 コロラド ワシントン ウェストバージニアと、

 軽巡洋艦10隻が朝鮮半島を艦砲射撃し、

 船団20隻からアメリカ軍将兵10万が上陸し、朝鮮人を掃討していく、

 理由は、アメリカ国民とイギリス国民に対する損害賠償請求らしい、

 別に知ったことじゃないし、巡洋艦で監視するだけにとどめた。

 でも朝鮮系日本人がアメリカ戦艦を排除しろと騒いでてけど、知らんぷりしました。

 まぁ アメリカにしたら賠償金より高くつきそうな軍事行動だと思うけどね。

 でもまぁ アメリカは、撤収しなければならないし、

 壊滅した朝鮮人の地所にポーランド人と、ルーマニア人が入植するらしい、

 

 

 

 

 8月

 アメリカの軍需株は、ダニエルズ・プランのおかげで、着実に伸びている。

 アメリカは敗戦したけど、軍縮条約を結ばなかったし、軍拡を止めなかったからね。

 ていうか、そんなの講和条約に盛り込んだら、アメリカは徹底抗戦だし、

 そうなったら、アメリカ大陸で、泥沼の戦争になっていたもの

 そんなわけで、アメリカは、再建のため軍拡が必須、

 当然、敗戦で最安値の時に買ったおれの軍需株は、バブルってるよ。

 あとは、頃合を見て、ユダヤ人より先に売るつもり、

 でも、あいつら、赤狩りとか銘打って、非ユダヤ系資本家を逮捕しまくるから注意しないとな。

 

 

 

 皇朝連合ドイツ領カナダ・ニューファンドランド島アバロン半島(3万9938ku)

 皇朝連合ドイツ領サンピエール島・ミクロン島(242ku)

 ニューファンドランド島の35.8パーセントがドイツ領になっていて、

 ドイツは軍事基地を中心に入植していた。

 原野が多かったけど、いつの間にかゴシック風建築が増え、

 アメリカ系ドイツ人も入植して、欧州風の社会が作られていたよ。

 アメリカを封じ込めるか、不安だけどね。

 

 

 

 

 艦砲から剥がした砲塔やイギリスの工場で捕獲した大砲を使って、

 中南米の領地を強化しようとしていた。

 イギリスの交換砲身の多さは、度肝を抜かれたよ。

 まぁ 艦船の数も多かったんだろうけど。

 役に立ったのは、起重機、土木建設機械、山岳鉄道で、

 重量級のモノを運びあげなければならなかった。

 おれも初期の荷揚げで頑張ったよ。

  カリブ海側

   ホンジュラス(2万2966ku)

      45口径連装砲7基   51口径127mm砲42基  50口径76.2mm砲8基

   ジャマイカ島(1万0991ku)

      42口径381mm連装砲4基  50口径140mm砲12基  50口径76mm砲8基  

   プエルトリコ島(9104ku)

      50口径356mm3連装砲8基  51口径127mm砲28基  50口径76mm砲8基  

   ケイマン諸島(259ku)

      45口径356mm3連装砲8基   51口径127mm砲44基  50口径76.2mm砲8基

   ドミニカ島(754ku)

      45口径356mm3連装砲4基   51口径127mm砲42基  50口径76.2mm砲8基

   マルティニーク島(1128ku)

      45口径356mm3連装砲4基   51口径127mm砲42基  50口径76.2mm砲8基

   ガイアナ(21万4970ku)

      45口径356mm連装砲7基   51口径127mm砲42基  50口径76.2mm砲8基

      

  パナマ運河

      45口径356mm3連装砲8基   51口径127mm砲44基  50口径76.2mm砲8基

      

 

  太平洋側

   グアダルーペ島(253.8ku)

      42口径381mm連装砲4基  50口径140mm砲12基  50口径76mm砲8基

   ココ島(46.6ku)

      42口径381mm連装砲4基  50口径140mm砲12基  50口径76mm砲8基

 下手な大規模な守備隊を配置するより、巨砲を配置し、

 余剰人員で開発する方式だった。

 基地が強いと、移民が増え安く、日本人が少しずつ増えているようだ。

 でもまぁ 対艦ロケットとか、開発しないとね。

 

 

 

 9月

 イギリスは、敗戦により海軍艦艇を失い、

 新たに艦艇を建造しなければならなくなった。

 敗戦により、15年間、空母と潜水艦の建造を禁止されているけど、

 それ以外の艦艇、戦艦とか、自由に建造でき、

 中止していたフッドの同型艦アンソン、ハウ、ロドネーの建造を再開するとともに、

 新規の戦艦と巡洋戦艦の建造も開始する。

  48400t級G3型巡洋戦艦

   全長263×全幅32.3m×吃水9.9m

   160000馬力  31.5kt

   45口径406mm砲3連装3基   152mm連装砲8基  

   119mm対空砲6基  10連装60口径40mm砲4基

   622mm魚雷2基

     セント・アンドリュー  セント・デイヴィッド  セント・ジョージ  セント・パトリック

 

  48000t級N3型戦艦

   全長248.4m×全幅42.7m×吃水10.1m

   56000馬力  23.5kt

   45口径457mm3連装3基  152mm連装砲8基

   119mm対空砲6基  10連装60口径40mm砲4基

     インヴィンシブル  インドミタブル  インフレキシブル  インディファティガブル

 新型戦艦と新型巡洋戦艦は、イギリス海軍の復活を占うもので、

 イギリス国民は、無艦隊時代など許容できるはずもなく、造艦を急いでいる。

 実のところ、これらの戦艦を建造しても、

 維持費は、開戦前の半分以下しかない、

 どんだけ、軍艦を持ってたのやら、

 とはいえ、イギリスに資源があろうはずもなく、カナダから輸入しなければならず。

 さらには、必要な燃料を手に入れるため、

 アメリカに売れるものを売って、外貨を稼がなくてはならないようだ。

 

 

 

 

 10月

 瀕死の病人と呼ばれていたオスマン帝国は、持ち直していた。

 100人近い日本の元海軍将校が、王侯貴族な生活をしている、

 ちなみに一夫多妻制なので、その気になれば5人の妻を得ることも難しくないらしい、

 その伝手で、大型戦艦を建造する乾ドックの建造が急がされていた。

 とはいえ、基礎工業力の足りなさから戦艦建造は、難しく、捕獲艦を参考に駆逐艦の建造を計画している。

 オスマン帝国は近代化は、ゆっくりしているように見えても、油田権益があって、

 日本、ドイツ、オーストリアは、石油を購入するため軍艦を売ることが多かった。

 なにより、バスラとベルリンを結ぶ3B政策鉄道を通過する国で、重要性も高まっている。

 

 

 オーストリア=ハンガリー帝国は、東は、ベラルーシの一部、ルーマニア。

 南は、イタリアのヴェネト州。フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州。セルビアを獲得し、

 最大版図を誇っている。

 もっとも、少数民族の分離運動は、常に行われ

 ドイツ帝国の諜報機関が膠のようにオーストリアの空中分解を食い止めている。

 最近は、日本もオーストリア=ハンガリーの空中分解を助けてるけど、ヤバ目な感じだ。

 とはいえ、ハプスブルグ皇朝は、皇朝連合保険に入っていて、クーデターや革命が起こしにくく、

 セルビア人を中心に少数民族の移民を増やすことで、国内をまとめようとしていた。

 人種問題を緩和できればドナウ帝国も夢じゃないだろうけど、

 もうちょっと、先のことかも、

 そうそう、戦利戦艦の他、24500t級エルザッツ・モナルヒ型戦艦の建造が進んで、海軍を復活させている。

 だけど、陰謀が渦巻いて、なかなか、油断のできない帝国だよ。

 

 

 呉

 オスマン帝国海軍の艦艇を改装していた。

 アメリカ、イギリス、フランスの新型戦艦には及ばないものの

 日独艦隊と米英艦隊の大型戦艦が戦って消耗すれば、オーストリアとオスマン海軍も立つ瀬があったかもしれない。

 「ロシアと清国は、アメリカとイギリスの協力で、軍艦を建造しているらしい」

 「ロシアと清国の矛先を、日本とドイツに向けさせたいのだろう」

 「清露と日独で戦争してくれたら、アメリカ、イギリス、フランスは、万々歳だからな」

 「日独がアフリカ大陸で泥沼でもいいらしいですよ」

 「どっちも嫌だな」

 

 

 

 11月

   孫文が神戸市で大アジア主義講演

 

 そういや、戦後の清国なんだけど、

 日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスとの交易が増えている。

 まぁ 対露開戦に備えてだ。

 ちなみにロシア帝国も日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスとの交易が増えている。

 こっちもまぁ 対清開戦に備えてなので、お互い様だな。

 戦時中も平時中もやることが変わらない、気を許すな、みたいな。

 清国やロシア帝国の資源が欲しくて、交易を増やしてるんだけど、

 これはしょうがないわ。

 特に日本とイギリスとフランスは、資源がないと何もできんし、

 アメリカは、資源があるけど、嫌がらせで資源を高騰させてる。

 高騰させるだけでなく、植民地に武器を流して独立戦争させたりしているよ。

 こいつらは・・・・

 ていうか、アメリカ系清国人を外交パイプにしてるから清米の結びつきは強いよ。

 ちょっとヤバイ気もするけど。

 アメリカ全体の治安や国力の足を引っ張ってくれるのなら、

 トータル的にいいや、みたいな。

 

 

 南関東ガス油田の採掘を開始するよ。

 まぁ 北樺太の石油も開発するけどさ、

 なんにしても中東油田だけでなく、

 日本本土のエネルギー供給で余裕があるのが嬉しい、

 採掘は、急がないから地盤沈下を防げるかもしれないけどね。

 これで、日本の発電は、大丈夫かな。

 

 

 アマテラス社の幹部宅を巡って、農家に立ち寄った。

 地道な労使交流は大事だよね。

 「あ、そうだ。親父さん。カリカリ梅作ってくれない?」

 おれは、梅農家と気づいて、社員の親父さんに頼んでみた。

 そういや、この時代なかったな。みたいな。

 「おれ、責任もって全部引き取るし、売るよ」

 「カリカリ・・・梅ですか?」

 「そうそう。味は梅干みたいなんだけど、カリカリなやつ」

 「まぁ やっては、みますよ」

 こういう、ちょっとした思い出しで産業とか起こして、利益を上げてる。

 

 

 アメリカ艦隊とアメリカ軍は、気が済んだのか朝鮮から撤収していく、

 朝鮮人が何人死んだのかわからないけどさ、毒ガスを使ったという噂も流れてる。

 あと、アメリカ国内で工作員訓練していた朝鮮人もいなくなってしまったようだ。

 たぶん、戦争に負けても譲れない相手がいるんだろうな。

 一応、現地の代理人に映像を撮らせていたよ。

 朝鮮民族は、この事件で5分の1が減少したらしい、

 そして、穴埋めで、ルーマニア人とポーランド人が入植・・・・

 

 

 34000t級戦艦  和泉 (ヴァリアント)   琉球 (クイーン・エリザベス)

  全長240m×全幅32m×吃水8.8m

  100000馬力  28kt   14500t海里/14kt

  50口径356mm3連装砲3基  50口径120mm砲16基  45口径76mm10基

  水上機5機

 主砲を381mm連装砲から356mm3連装砲3基に換装し、第3砲塔を剥がして、

 重油燃焼機関をディーゼル機関と換装している。

 新型艦さえ建造していないけど、改装だけで、予算が跳ね上がる。

 でもまぁ 一から建造するより鋼材が社会に回りやすいし、高騰しにくいから、いいかも。

 

 

 

 

 12月

   第50議会召集

 

 議会では、アフリカの武装蜂起と暴動が話題になっていた。

 当然といえば当然で、アメリカ、イギリス、フランスが現地民に武器を渡して反乱を起こさせている。

 植民地経営を任せてる白人権力者の二律背反でもあるしね、

 このへん、性急にことを運ぶと、軍隊を投入しなければならず、国力を消耗させられる。

 「今のうちに軍を投入して反乱を鎮圧すべきではないのか」

 「いまは、面より点だろう」

 「10年かけて、100万城塞都市を作って、自立させ、その後、対処するのがよろしかろう」

 「100万城塞都市か。港港に建設するとしたら50個を超えて、5000万人になるぞ」

 「まぁ とりあえず中南米だけなので、500万ほどでしょう。残りは先の話しですよ」

 「ところで、中南米は、アメリカから守れるのだろうな」

 「最低限の港湾設備、発電所、製鉄所、鉄道などの基幹産業を建設し」

 「要塞砲を配備して。航空機、潜水艦、戦隊を配備するのがよろしかろう」

 「アメリカと清国の接近は、危惧したいところですな」

 「清国は、資源取引だけでいいでしょう」

 「例え、資源が買えなくなっても、友好国や植民地から得ればいい」

 「あと、オランダ領インドネシアの要塞強化も気になるところです」

 「日本の公共投資と設備投資の方が早いですよ」

 「だといいですが、アメリカ、イギリス、フランスの報復があるというのに。楽観的すぎませんか?」

 「アメリカが戦争に移行するには、手順がありますからね」

 「それさえ、押さえておけば、準備できますよ」

 「だといいのですが・・・」

 

 

 そうそう、国民金融投資が話題になってる。

 金の流れが広域大企業から、地元企業が増えてるからだ。

 誰だって、金がどこに行くかわからない広域企業より、

 顔見知りの企業投資が安心みたいな。

 一緒に酒飲んで、次は頼むよとか言われたら、そっちに行くのだろう。

 まぁ その月、その月で、広域大企業に流れたり、地元主義に走ったりするのだろう。

 しかし、見込みで使えると思っていた株増額が減ると困るのが経営者で、

 優先順位を落としたり、計画を下方修正したりだ。

 地元が発展するのだから、それはそれとしていいが、

 国家事業で回すはずの資金が減って、労力、資材が高騰してしまうと、ちょっと困る。

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 おれ、 千鶴子(38)   秋斗(18)  裕也(16)  史郎(14)  由実(12)

 

 

 史実  面積67万5000ku  総人口5923万人

 

 戦記  面積50万0649ku + 4万4908ku  総人口7782万人

  皇朝連合領(4282万1628ku)

  ゲシュム島(1491ku)  第01師団、

  バスラ域(3000ku)  第03師団、

  極北(ウランゲル)島(7850ku)

  塞氷(セヴェルナヤ・ゼムリャ)諸島 (37000ku)

    八十一(シュミット)島(467ku)

    八十(コムソモレツ)島(8812ku)

    西七十九(ピオネール)島(1527ku)   東七十九(十月革命)島(14204ku)

    七十八(ボリシェヴィク)島(11206ku)   小七十八(小タイミル)島(232ku)

 

  南基(ブーベ)島(58.5kku)

 

 

 

 楽天市場

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第23話 1923年 『植民地が多すぎて、もう、大変』
第24話 1924年 『利己主義と拝金主義の果て・・・』