Music Review 002

Chick Corea 『Solo Piano Part One - Originals』

<Jazz>

2000/6/16 \2,420-
Stretch Records (MVCL-24023)

Produced by Chick Corea
Recorded at Live 1999/11/10〜30, Denmark, Sweden, Norway, Switzerland, Japan

Chick Corea : Piano

1  Brazilia
(Chick Corea)
2  Yellow Nimbus
(Chick Corea)
3  Prelude #4, Opus 11
(Alexander Scriabin)
4  Prelude #2, Opus 11
(Alexander Scriabin)
5  Children's Song #6
(Chick Corea)
6  Children's Song #10
(Chick Corea)
7  Armando's Rhumba
(Chick Corea)
8  April Snow
(Chick Corea)
9  The Chase
(Chick Corea)
10 The Falcon
(Chick Corea)
11 Swedish Landscape
(Chick Corea)
12 Spain
(Chick Corea)
13 What Game Shall We Play Today
(Chick Corea)
14 Children's Song #12
(Chick Corea)
 1994年『星影のステラ』から6年ぶりとなる、チック・コリアのピアノ・ソロ・アルバム。ホーンセクションを含む自身のグループ"Origin"のライブと平行して開催されたステージにてライブ録音されたものである。これらのステージは全てチック自身のオリジナル曲を扱ったパートとスタンダードを演奏したパートの二部構成になっており、アルバムもそれに倣い「Originals」「Standards」の二枚が同時発売された。これはその一枚目にあたる。

Chick Corea 『Solo Piano Part Two - Standards』

<Jazz>

2000/6/16 \2,420-
Stretch Records (MVCL-24024)

Produced by Chick Corea
Recorded at Live 1999/11/10〜30, Denmark, Sweden, Norway, Switzerland, Japan

Chick Corea : Piano

1  Monk's Dream
(Thelonious Sphere Monk)
2  But Beautiful
(Johnny Burke - Jimmy Van Heusen)
3  Blue Monk
(Thelonious Sphere Monk)
4  Ask Me Now
(Thelonious Sphere Monk)
5  Thinking Of You
(Paul Ash - Walter Donaldson)
6  Yesterdays
(Jerome Kern - Otto Herbach)
7  Dusk In Sandi
(Earl Rudolph Powell)
8  It Could Happen To You
(Johnny Burke - Jimmy Van Heusen)
9  'Round Midnight
(Thelonious Sphere Monk - Charles Melvin "Cootie" Williams - Bernard Hanighen)
10 So In Love
(Cole Porter)
11 How Deep Is The Ocean
(Irving Berlin)
12 Oblivion
(Earl Rudolph Powell)
13 Brazil
(S. K. Russel - Arl Evangelista Barroso)
14 Trinkle Tinkle
(Thelonious Sphere Monk)
 1994年『星影のステラ』から6年ぶりとなる、チック・コリアのピアノ・ソロ・アルバム。ホーンセクションを含む自身のグループ"Origin"のライブと平行して開催されたステージにてライブ録音されたものである。これらのステージは全てチック自身のオリジナル曲を扱ったパートとスタンダードを演奏したパートの二部構成になっており、アルバムもそれに倣い「Originals」「Standards」の二枚が同時発売された。これはその二枚目にあたる。

矢野顕子 『TWILIGHT 〜the best "LIVE" of Akiko Yano〜』

<Pops>

2000/6/21 \2913-
Epic Records (ESCB 2139)

Produced & Arranged by Akiko Yano
Recorded at NHK hall, Tokyo, Japan 1996-1999

Akiko Yano : Vocal, Piano, Hammond Organ & Keyboards
Anthony Jackson : Bass [tracks-1〜12]
Cliff Almond : Drums [tracks-1〜12]
Wayne Johnson : Guiter [tracks-3, 5, 9 & 10]
Carol Steele : Percussion & Background Vocal [tracks-7, 8 & 12]

1  愛がなくちゃね。
(作詞:矢野顕子、ピーター・バラカン/作曲:矢野顕子)
2  クリームシチュー [The Stew]
(作詞:糸井重里/作曲:矢野顕子)
3  いいこ いいこ [Good Girl]
(作詞:糸井重里/作曲:矢野顕子)
4  ラーメンたべたい
(作詞・作曲:矢野顕子)
5  Girlfriends Forever
(作詞・作曲:矢野顕子)
6  虹がでたなら
(作詞・作曲:宮沢和史)
7  また会おね
(作詞・作曲:矢野顕子)
8  Okinawa
(原曲:ちんぬくじゅうしい[作詞:朝 比呂志/作曲:三田信一]/安里屋ゆんた[沖縄民謡]/てぃんさぐの花[沖縄民謡])
9  ひとりぼっちはやめた [Quit Being Alone]
(作詞・作曲:矢野顕子)
10 にぎりめしとえりまき [The Riceball And The Muffler]
(作詞:糸井重里/作曲:矢野顕子)
11 ちいさい秋みつけた
(作詞:サトウハチロー/作曲:中田喜直)
12 電話線
(作詞・作曲:矢野顕子)
13 David
(作詞・作曲:矢野顕子)
 近年のライブ音源から厳選された演奏を収めた、ライブ・ベスト・アルバム。一部収録曲の異なる映像版(Video・DVD)も同時に発売されている。

 矢野顕子のキャリアの始まりは、実はジャズにある。ファンにとっては周知の事実だが、YMOとの共演、ヒット曲『春咲子紅』や『ラーメンたべたい』の曲想からのみしか彼女を知らない向きには意外かも知れない。休業からの復帰第一作『Welcome Back』においてパット・メセニー、チャーリー・ヘイデン、ピーター・アースキンというジャズ界の綺羅星と共に「ジャズ・セッション」として売り出してもおかしくないような演奏をしてみせ、一時はこのままジャズに傾いていくのでは、と思わせたこともあった。だがそこは一筋縄でいかない矢野のこと、ジェフ・ボーヴァというパートナーを得て、また違ったカラーでのアルバム制作を行っていた。
 ライブをあまり見に行かない不精者のリスナーは、だから矢野顕子はライブでもポップスタイルで演奏しているのだろう、と漠然と思っていた。このアルバムを購入したときも、シンセサイザーや楽器数の多い作り込んだセッションを期待していたのである。
 見事に裏切られた。これは、ピアノ・トリオを軸にしたジャズアルバムと言ってもおかしくない。少数編成のバンドに合わせて、或いは矢野顕子が屡々行うという「演奏する上での緊張感と新鮮味を損なわないため、コード進行を変える」手法によって、大半の楽曲はオリジナルと趣を違えている。音数は少ないのに厚みがあり、ただ聞き流せばあったかく、しかし細部は非常にテクニカル。その編曲ぶりもさることながら、各奏者のアドリブを交えた間奏部分の躍動感と緊張感など、完璧に「ジャズ」なのだ。
 ハイライトは、楽曲の完成度の高さにレギュラーメンバーの見せ所まである10、定番とも言える名曲12、そしてピアノソロによる13だろう。Okinawaは……正直に言おう、訳解らん。編成の都合上、オリジナルではコーラスが入る箇所も大半は矢野顕子の表現力で補っているのだが、数曲のみ女性のコーラスが加わっている。そのぎこちない日本語に妙な味わいがあるのだった。

(2000/6/24)

Jesse van Ruller 『herbs, fruits, balms and Spices (邦題:モーニング・フルーツ)』

<Jazz>

2000/6/24 \2,427-
Blue Music (PHCF-3530)

Produced by Jesse van Ruller
Track 1, 2, 4, 6, 8 recorded at Le Roy, November 1997
Track 3, 5, 7, 9 recorded at Dudok Studio, November 1997
Track 10 recorded and produced by Tjeerd van Zanen at Bullet sound, February 1998

Jesse van Ruller : Electric & Acoustic Guiter

Frans van Geest : Bass [Track 1〜4, 6, 8 & 10]
Frans-Jan van der Hoeven : Bass [Track 5 & 9]
Martin Vink : Drums [Track 1〜6, 8〜10]
Jan Menu : Tenor Sax [Track 4], Sax [Track 6 & 8]
Angelo Verploegen : Trumpet [Track 4]
Dick van der Harst : Bandoneon [Track 5 & 9]
Bart Fermie : Udu [Track 7]
Jos de Hass : Bata [Track 9]
Stefan Kruger : Bata [Track 9]
Frank van Dok : Bata [Track 9]
Karel Boehlee : Fender Rhodes, Hammond [Track 10]

1  Where Herbs Are Used
(Jesse van Ruller)
2  Love For Sale
(Cole Porter)
3  Goodbye
(Gordon Jenkins)
4  Morning Fruits
(Jesse van Ruller)
5  Touch Her Soft Lips And Parts
(William Walton)
6  Estate Bottled
(Jesse van Ruller)
7  Uduo
(Jesse van Ruller)
8  Collyolly
(Jesse van Ruller)
9  Balms And Spices
(Jesse van Ruller)
10 Albatross ('98)
(P. Green)
 1995年、セロニアス・モンク・コンペティションで初めて開催されたギター・コンテストにて、ジム・ホール、パット・メセニー、ジョン・スコフィールドらから絶賛されて優勝を得、一躍ジャズシーンの超新星として注目を浴びたジェシ・ヴァン・ルーラーが98年にヨーロッパなどで発売したセカンド・ソロ・アルバムである。日本では2000年2月に初めてファーストアルバム『ヨーロピアン・クインテット』の国内盤が発売されており、それから僅か4ヶ月という立て続けのリリースとなった。

 的確、沈着。この世代では圧倒的なテクニックを誇るジェシ・ヴァン・ルーラーにはこれらの固いフレーズが似つかわしい。正確なフレージングと趣向を凝らした曲調。次世代を担うに相応しく頼もしい演奏を聴かせてくれる……の、だが。
 惜しむらくは、オリジナルの楽曲を演奏するときに華が足りない。その技巧でもってそつなく丁寧に聴かせるものの、大半の曲が盛り下げも燃せず盛り上げもせず平坦なままで終わってしまうために、技術以外を聴こうとすると倦む。前作を聴いた人間や、ジャズを聞き慣れた人間にはまだ様々な聴き方があるが、ジャズというジャンルの束縛から離れて聴いた場合、正直あまり味気ないアルバムと言うしかなかった。表現力がない訳ではないはずなのだ。ただ、それが2や10といったカバー曲か他人のプロデュースした楽曲でしか表面化しないのは、まだその作曲能力やプロデューサーとしての手腕が未熟だという証拠だろう。
 駄作ではない。が、これからジャズを聴こうとしている人や、演奏技術以外の面でジャズを愛する向きにはお勧めしない。或いはこれから間違いなくジャズシーンの一翼を担うであろう才能を今からチェックしておきたい、という方のみ要注意とするべきか。

(2000/6/24)