cinema / 『コレリ大尉のマンドリン』

『映画館(仮)』トップページに戻る
『若おやじの殿堂』トップページに戻る


コレリ大尉のマンドリン
原題:Captain Corelli's Mandlin / 原作:ルイ・ド・ベルニエール / 監督:ジョン・マッデン / 脚本:ショーン・スロボ / 音楽:スティーヴン・ウォーベック / 出演:ニコラス・ケイジ、ペネロペ・クルス、ジョン・ハート、クリスチャン・ベール / 配給:ブエナビスタインターナショナル(ジャパン)、松竹
公式サイト:http://www.movies.co.jp/corellis/
2001年9月22日日本公開
2002年05月15日DVD日本版発売 [amazon]
2004年03月19日DVD最新版発売 [amazon]

[粗筋]
 1940年、ギリシア・ケファロニア島。イギリスの支配からギリシアに返還され、牧歌的な空気に包まれた島。ペラギア(ペネロペ・クルス)はただひとりの肉親・イアンニス(ジョン・ハート)に憧れこの地で医師になることを夢みていた。漁師の青年・マンドラス(クリスチャン・ベール)との婚約も成立し、穏やかながら幸福な暮らしを送っていたが、この平和な島も世界を覆い始めた戦火を免れることは出来なかった。マンドラスは婚約間もなく戦地に赴き、ペラギアは毎日飽くことなく手紙を送り続けたが返事は戻らない。やがて、ギリシア軍はひとたび劣勢からイタリア軍を退ける快挙を成し遂げるが、それがイタリアの同盟国・ドイツの怒りを買い、ギリシア本土は空爆に晒されドイツ・イタリア両国に占領されることとなった。ケファロニア島もまた例外ではなく、イタリアを中心とした進駐軍が派遣されて来た。イアンニスの家には、自宅を将校の宿泊所として提供せよ、という要求が来るが、イアンニスは訪れる兵士に医療物資を持たせることを交換条件として承諾する。そうしてイアンニスとペラギア、二人だけの家庭に紛れ込んだのは、銃剣の代わりにマンドリンを背負った風変わりな大尉、アントニオ・コレリ(ニコラス・ケイジ)だった。
 部隊内部にオペラ愛好会を結成し、敵味方の分け隔てなく歌声を聴かせ踊りに誘う彼らの姿に、いつしか島の人々も頑なさを失っていく。ペラギアもまた、戦地から帰還したもののイタリア・ドイツへの憎しみに凝り固まったマンドラスとの関係に倦み、対照的に陽気さを失わないコレリ大尉にはじめこそ反感を抱いていたものの、ふとした契機から互いの誤解を知り、惹かれ合うようになっていく。その一方、マンドラスはレジスタンス活動に没頭していき、間もなくイタリア軍はムッソリーニの失脚に次いで降伏の道を選ぶことになる。だが、この出来事がペラギアとコレリ大尉の恋に暗雲を齎すのだった……

[感想]
 何と言いましょうか、非常に普通にいい映画。何気ない導入に日常描写、戦争により次第に不穏な空気を纏う推移、突然介入してきた余所者に紛れた一風変わった雰囲気の人物、敵意から好意、そして愛情へと流れていく感情描写に至るまで展開が綺麗で無駄がない。言い換えると作品としての凹凸に欠け、良作なのだが傑作と呼ぶには躊躇いが生じる出来になってしまっている。悪い作品ではないし、役者の演技も――ニコラス・ケイジのマンドリン演奏まで含めて――絶品なのだが、これといって薦めたくなるポイントがないのが事実なのだ。
 その代わり、というかこれだけ基本とツボとを忠実に押さえているのだから当然なのだが、見ている間、見終わったあとの安心感は完璧。普通にいい映画が観たい、と思って劇場に足を運ぶ、ビデオを借りる・買うときに選択肢のひとつにして損をすることはないだろう。
 聞く話によると、原作はこれより質量共にヴォリュームがあるそうで、映画はその恋愛部分に焦点を絞ってしまったためかなり軽くなっている模様だが、まだ原作に触れていない身にはこれで充分。取り敢えず、機会を見て原作も読んでみたいとは思うのだが……厚いし高いし……

(2001/9/24・2004/06/16追記)


『映画館(仮)』トップページに戻る
『若おやじの殿堂』トップページに戻る