cinema / 『Tomb Raider』

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Tomb Raider
原作:サラ・B・クーパー、マイク・ウェッブ、マイケル・コレリー / 監督:サイモン・ウエスト / 脚本:パトリック・マセット、ジョン・ジンマン / 音楽:グラエム・ラヴェル 音楽スーパーバイザー:ピーター・アフターマン / 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・ボイト、イアン・グレン、ノア・テイラー、ダニエル・クレイグ / 配給:東宝東和
2001年10月6日日本公開
2002年03月22日DVD日本版発売 [amazon|限定版:amazon]
2003年09月05日DVD最新版発売 [amazon]
公式サイト : http://tombraider.eigafan.com/

[粗筋]
 ララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)――イギリス貴族の令嬢にして報道写真家、だが彼女には非公式なもう一つの顔があった。遺跡に侵入しその絡繰りの奥に隠された宝を奪取する、トゥーム・レイダー。同じく優れたトゥーム・レイダーであり、20年前に失踪した父・クロフト卿(ジョン・ボイト)から継いだ豪壮な屋敷の内部に、訓練のために遺跡を模した設備を作り、そこにロボティックスの専門家でありララの片腕でもあるプライス(ノア・テイラー)の制作したロボットを放し、日々研鑽を欠かさない。
 惑星直列の訪れたその日、ララは屋敷の中にある聞き慣れない音に気づき、階段下に隠された時計を発見する。アンティーク時計にカモフラージュされたそれは、クロフト卿が幼いララに語り聞かせた、数千年前に滅びた都市が秘めていた禁断の力を解き放つ鍵のひとつだった。間もなく禁断の力によって覇権を目論む秘密結社・イルミナーティの構成員・パウエル(イアン・グレン)によって屋敷が襲撃され、執事のヒラリー(クリス・バリー)までが武装しての抵抗も虚しく時計は奪われる。翌日、まるで期を見計らったかのように届いた、父が生前に託していた手紙をヒントにララはカンボジアに飛んだ。そこには、現地の人々を駆り出して遺跡の入口をこじ開けにかかるパウエルと、ララと同じトゥーム・レイダーであるアレックス(ダニエル・クレイグ)の姿もあった――

[感想]
 正調冒険活劇。遺跡とそこに秘められた宝物の謎を解き、世界を危機から守る。正しくそれしかない映画であり、だからこそもーただ単純に面白い、の一言で済ませてしまっても構わない、というか本当は贅言など無用なのだ、と思わせてくれる良質のエンタテインメント。
 で済ませるのもあれなのでちょっと語ってみる。本編が珍重された理由は二つ、原典が世界中で大ヒットし現在までに五作を数えるゲームであること、アクション映画としては例のない万能のヒロインを据えていること。オリジナルがゲームであるから、初めからそのファンが見に来ることをも考えてのことだろう、筋は遺跡の謎解き――と言っても、ロジカルなそれではなく、ゲームでよく見られる時間制限を設けつつプレイヤーの裏を掻く、あれだ――が基本となっており、その所為もあって古風な冒険物語をなぞるような筋書きに仕上がっている。従ってそれだけなら確たる個性が出ないところに、その一連の冒険で主役を務めるのが、イギリス貴族の令嬢という肩書を併せ持つ万能の女性である、という一事が作品に華と魅力とを添えている訳だ。このヒロインに、既に演技力で定評のあるアンジェリーナ・ジョリーを宛ったことが作品の骨格を強めている。これだけ条件が揃えば、基本的にハズレ気分を味わわされることはない――物語や表現に深みを求めなければ、だが。
 欲を言えば、古代都市の設定と登場人物の行動の強引さだけは何とかするべきだったと思うが、アクションと謎解きをすっきりさせるためにはこのくらい平明なのが適当だという考え方も出来る訳で。そういう部分で不快を訴えるような向きは予め避けてください。
 余談だが、ララ・クロフト役のアンジェリーナ・ジョリーとララの父・クロフト卿役のジョン・ボイトは本当の親子である。

(2001/10/20・2004/06/18追記)


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