/ 『スクービー・ドゥー』
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『light as a feather』トップページに戻るスクービー・ドゥー
原題:Scooby-Doo / ハンナ=バーベラ・プロダクション製作のキャラクターに基づく / 監督:ラジャ・ゴズネル / 脚本・ジェイムズ・ガン / 原案:クレイグ・ティトリー、ジェイムズ・ガン / 製作:チャールズ・ローヴン、リチャード・サックル / 製作総指揮:ロバート・エンゲルマン、アンドリュー・メイソン、ケリー・スミス=ウェイト、ウィリアム・ハンナ&ジョセフ・バーバラ / 撮影:デイヴィッド・エグビー,A.C.S. / 美術:ビル・ボエズ / 編集:ケント・ベイダ,A.C.E. / 音楽:デイヴィッド・ニューマン / 音楽監修:ローラ・Z・ワサーマン / 衣装:リーサ・エヴァンス / 視覚効果監修:ピーター・クロスマン / 出演:フレディ・プリンズ,Jr.、サラ・ミシェル・ゲラー、マシュー・リラード、リンダ・カーデリーニ、ローワン・アトキンソン、アイラ・フィッシャー 声の出演:ニール・ファニング、スコット・イニス、J・P・マヌー / 制作:モザイク・メディア・グループ / 配給:Warner Bros.
2002年アメリカ作品 / 上映時間:1時間27分 / 字幕:伊原奈津子
日本語吹き替え版出演:子安武人、園崎未恵、藤原啓治、渕崎ゆり子、岩崎ひろし、湯屋敦子、伊藤健太郎、廣田行生、長島雄一、岡野浩介
公式サイト : http://www.scoobydoo.jp/
2002年08月17日日本公開
2003年03月07日DVD日本版発売 [amazon]
2004年06月18日DVD最新版発売 [amazon]
劇場にて初見(2002/08/17)[粗筋]
アメリカのとある工場を夜毎に徘徊する白い影――それを追うは、アメリカ中にその名の知られた迷探偵・ミステリー社の面々。ナルシストの気が強い美男子フレッド(フレディ・プリンズ,Jr./子安武人)、常に囚われのお姫さまとなる不運な美女ダフネ(サラ・ミシェル・ゲラー/園崎未恵)、食欲中心で怖いもの嫌いのシャギー(マシュー・リラード/藤原啓治)、ミステリー社の頭脳を務めるメガネっ娘ヴェルマ(リンダ・カーデリーニ/渕崎ゆり子)の四人に、人語を話し直立歩行も出来るグレート・デーンでシャギーの大親友でもあるスクービー・ドゥー(ニール・ファニング/長島雄一)の一匹で構成されるミステリー社のチームワークは確かなはずだった――が、その夜の捕物のちょっとした失敗から起きた諍いが原因で、彼らはあっという間に解散してしまった。シャギーとスクービーふたりだけを残して……。
……それから二年後。残党のふたり(ひとりと一匹)は度重なる冒険と恐怖にすっかり嫌気が差して、ミステリー社は開店休業時様態となっていた。そんな彼らの元に、テーマパーク“スプーキー・アイランド”からの依頼が届く。臆病の虫に取り憑かれたふたり(ひ……面倒なので以下略)は必死に拒むが、一万ドルの報酬、よりも食べ放題の言葉に惹かれて依頼を受ける。空港に出向いてみると、なんとそこにはかつての仲間たちの姿もあった。ミステリー社再結成だ、と浮かれるシャギーとスクービーだが、フレッドたちは乗り気でない。ヴェルマはひとり、どうして解散したミステリー社の面々をわざわざ全員呼び寄せたのか、依頼主――テーマパークの経営者・モンダヴェリアス(ローワン・アトキンソン/岩崎ひろし)の目的に疑問を抱く。
“スプーキー・アイランド”は訪れる若者たちを恐怖に陥れる新感覚のテーマパーク。だが最近、来るまでは陽気だった若者が、テーマパークを出るときには陰険な性格に変わってしまうという奇妙な現象が起きていた。モンダヴェリアスはそれを何かの呪いではないかと疑い、元ミステリー社の面々に調査を依頼したという。フレッド、ダフネ、ヴェルマは各人で調査に乗り出すが、シャギーは飛行機の中で出逢った女の子メアリー・ジェイン(アイラ・フィッシャー/湯屋敦子)に一目惚れしてやにさがりっぱなし。
一方その頃、ひとりで食欲を満たしていたスクービーは、「森の中にハンバーガーがある」というあからさまに怪しげな誘いにひっかかり、森の中でモンスターと遭遇する。ひとまず辛くも逃れきったスクービーだったが、戻ったテーマパークのレストランでふたたびモンスターの襲撃に遭う――[感想]
簡単でいい。
日本では初登場に等しいこの作品だが、アメリカでは30年近く放映され続けている有名なアニメーションに基づいているのだという。手垢がついた説明だが、日本でいうなら『ドラえもん』の実写化に匹敵する代物だったりする。
つまりベースは子供向けのストーリーと偉大なるマンネリズムであり、物語にも人物構成にも新味はない。いちおうミステリー仕立てだが平然と超常現象は起こるし、肝心の謎もあまりに取って付けたように挟まれたエピソードで早いうちから底が割れてしまう。
あまりに有り体な展開の所為のみならず、演出も前半は緩急の差がなかったりやたらに大物アーティストの音楽を流し続けたために、平板でやや眠気を誘う。
その代わりに、リズムに乗った後半は一気呵成の展開で、全くひねりはないが結構楽しめてしまう。そして、スタイルが決まっているからこそ随所におかれた些細なギャグがツボに嵌ったりする。こういうリラックスした笑いは、一から立ち上げたコメディやアクション映画などのスラップスティックではまず得られない。
余分な新しさやひねりを一切排除した作りはそれ故にかなり好き嫌いが分かれるが、子供向けのコメディに限らず笑いの種類を割り切った上で楽しめる方ならけっこー満足できるでしょう。
余談その一。
作中、登場人物のひとりが沿岸警備隊に電話で助けを求める場面があるが、その際彼らが浮かべた笑みの意味がまったく解りません。照明まで使って盛り上げてたのに、スタッフロールが終わるまで待っても回収してくれませんでした。何かのパロディだったのか? 御存知の方教えてプリーズ。
余談その二。
私としては非常に珍しく日本語吹き替え版での鑑賞であった。看板に書かれている文句や社名をいちいちナレーションで読み上げるのは却って混乱を招くのではなかろうかとか、本編がこれだけ破天荒なんだから役者ももう少し弾けてくれてもいいんじゃなかろうか、とか各種嫌味は多々あるがとりあえず脇に置こう。それよりも不思議でならないのは、渕崎ゆり子の起用である。いや、演技などに不満はない――寧ろ一番嵌っていたと思うのだが、科学マニア(ミステリー社を離れたあとはNASAにいたという設定)でメガネっ娘、というキャラクターに彼女を起用したのはいったいどういう層を狙ってのことなのか。本来のターゲットがその意味を理解するとは到底思えないのだが――という私の読みそのものが単なる勘繰りなんだろーけどさっ。(2002/08/17・2004/06/23追記)