退院後の日々〜これからの思い〜


術後なのでムリは利かないが、円切のあとよりはまだ動けたほうだと思う。下腹部に力が入らないため、重たいものは持てないが、縫っている分出血の心配はあまりない。帰宅後3日目ぐらいから散歩程度の外出をしていた。その週末には栄養指導にクリニックに出向いたほどだ。

入院中にも考えていたことだが、2度の入院を経て自分のことを見つめ返した。
小さいときから「男の子に負けるな!」と両親に育てられてきたので、自立ばかりを考えていた。なんでも自分ですることを一番に思い、がむしゃらに仕事をしてきた。そのため結婚も遅かった。しかし悔いはなかった。そのときそのときを一生懸命頑張ってきたから。

男の子に負けまいと、女の子と比較されることを嫌い、「女のくせに・・・」といわれながらも自分が思うことを主張してきた。生意気な女だっただろう。自分でも男に生まれてくればよかったと思うぐらい男性的な性格だと思う。でも病気になってふと思った。「頑張り」すぎてたのでは?負けたくないという気持ちが自分を奮い立てていたのだけど、やはりムリがあったのでは?
入院中何度も目にした「自然体」「頑張らない生活」じゃあ頑張り過ぎない生活ってナニ?見栄を張ってるつもりはないが、頑張りすぎるってことは一種の見栄張り?
そんな思いが膨らむ中、じゃあ私はこれからどうすればいいの?何がしたいの?ということを考えるようになった。初期ではあれガンと宣告され、一瞬でも余命を考えたとき、じゃあこれからの人生どう生きていけばいいのということを考えていた。

漠然としかなかった思いが日に日に強くなっていく。休職が長くなっていたので、復帰への不安がなかったわけではない。でも、ほんとに私のしたいことって?いまの職場にそれがある?

家に居ると色々なことを考える。それだけ自分の時間が持てるから。だからこそ本当にいまナニがしたいかを考えることが出来た。私のしたいことって・・・?
会社を辞める決心がついた。

主人に会社を辞めることを伝えると「資格があるのにもったいない」といった。
そうじゃない、資格があるからこそ、それを最大に生かして伝えていきたいの。
たから仕事を辞めるんじゃない、会社を辞めるだけ。

会社を辞めることに関して、職場の人も「ガンでやめるの?」「治ったなら、働けるでしょ?」と言ってくる。確かに見た目はふつうでも、入院前の私と気持ちが違う。もっと他に違うことがしたくなったの。でも残念ながらホントのきもちを理解してはもらえなかった・・・。所詮うわべだけの付き合いだったのかと思うとすこし残念に思った。でもそれ以上言ったってわからない人にはいくら言ってもわからない。
そんな人は自分から遠ざかっていった。

いま新たな目標に向けて歩みだしたとこです。来るべき次の10年に向けて、一度失いかけた人生をもっともっと輝かせていきたいから・・・。


      2004年12月27日 (記):卒業まであと4年と298日です