セカンド ラウンド

平成13年12月2日

昨夕から今朝にかけて三崎港でエギングに励みシャクリにシャクリまくったけれども、徹底的にして完全な敗北をきしヨロヨロと10時頃江戸川の棲家に帰りついた。爆釣とはいかないまでも、満月の夜だったのでせめて1杯くらいは何とかなるだろうと甘い考えでいたのでガックリである。

そこで、この沈んだ気持を打ち払うべく、なけなしの若さと体力を総動員して旧江戸川スポーツランド対岸へのシーバス狙いを強行する事にした。午後から上げ潮になるので厳しいかとも思ったが、まあ何とかなるでしょう。それに下げ潮まで待つには体力的にキツイし、また荒川河口付近だとチョット遠くてこれまたキツイ。と、言う訳でポイントを近場に決めた。幸い朝方三崎で吹きまくっていた強風はどこへやら、実に穏やかで良い天気だ。ポカポカと小春日和のお日様のもと、ノンビリやりますがな。

12時過ぎに釣り場に到着。準備をしていると堤防のてっぺんの向うにルアーロッドの先っぽがチラチラ見える。前にも書いたけれども、この場所でルアーマンの先行者が居るのは珍しい。もしやと思って階段の上に登と案の定知った顔がそこには在った。

この人は3年ほど前に此処で爆釣が有った時に知り合った親子ルアーマンのお父さんの方である。何だか知らないけれども釣り人では無い人と話し込んでいる。

お久しぶりの挨拶をして、釣四郎はラパラを改造した佐野ルアーのリップ調整に入った。夜釣りばっかりやっているものだから、なかなかチャンスが無かったのだ。

ルアー調整中に相手の人が帰って、改めて挨拶を交わして思い出話しや、最近の情報なんかを交換した。この夏釣四郎はあまりパッとしなかったけれども、お父さんは大いにエンジョイされたようだ。うーん羨ましい。しかしながら、流石にもう魚が出なくなり此処へ来てみたそうだ。

でもお父さん、此処も厳しいのですけれど・・・。そこは百戦錬磨のお父さん、既に十分把握されていて傍らに置いて有った物干し竿のようなぶっといロッドを手にギャング針でレンギョなんかを狙い出した。上げ潮に変わってしばらくこれで遊んでいたとの話しだ。

釣四郎もルアーのリップ調整を終えると、バイブレーションに交換して下流のテトラ帯を狙う。もちろんシーバス狙いだよ。その一投目。グッと何かが来た、かと思うとギヤアアアアアアーーーーーッとドラグが悲鳴を上げてラインが一気に走った。レンギョである。ヒー勘弁してくれー!。やっとの事で猛ダッシュは止まったが、ここから力まかせの綱引きが始まった。向うからお父さんがタモを持って来てくれたが、その時フッと軽くなりバレた。レンギョの群れはこちらに逃げて来たのかも知れない。

中一投空けて第三投目。ガツン!、グイイイイイインンンーーーーンンン。まただよ!!ヒイイーーッ!。

これまた途中でフックが外れたけれども、その直前にチラリと大きな尻尾が見えた。今度はコイだった。どうやらコイツ等はテトラのエッジについているようだ。

更に釣四郎はテトラを下る。ルアーもバイブから佐野ルアーに替えて、ガンガン潜らせて引きまくる。一度ガツンとテトラとの接触では無いだろうと思われる明確なアタリが有った。その場所を重点的に攻めてはみたけれども、二度目のバイトは訪れなかった。

流石に疲れているらしく、何度も休憩を取りつつ釣四郎はルアーを投げまくり引きたおした。頭上の堤防からは投げ釣り竿が何本も出ている。ハゼ狙いの人達だ。するとシーバスもハゼをメインに捕食しているのかな。そう思ってカウントダウンミノーを思いっきり沈めて引いて来る。もちろんテトラの前でリフトして根掛りを避けながら。数日前の夜釣りの要領だ。

カツンともコツンともグインとも、なーんにも来ない。ノーバイト。再び上流へ移動する。頭上にはドンドン投げ釣り竿が立って行きテトラ帯での釣り場が無くなって来た。

お父さんと再び世間話なんかをして、今度は船溜り水門脇に入った。たまーに例のショートバイトは有るものの、フッキングにつながるバイトは無かった。陽は沈み急に寒くなって来た。お父さんと供にストップフィッシングである。シーバスからはソッポを向かれたけれども、懐かしい顔に会って和やかで楽しい日中釣りだった。お父さんに別れを告げて帰路についた釣四郎の心は、ノーフィッシュにも関わらずすこぶる穏やかであった。