東京迷路

平成13年6月23日

 

 金曜の夜と土曜の昼間、いつもの旧江戸川スポーツランド対岸へ行ったけれども、全然釣れる気配が無かった。そこで釣四郎はシーバスを求めて海へ行く事にした。

 今夜の目的地は辰巳の埠頭だったけれども、夜スクーターで行くと守衛のオッチャンが職務をバッチリ遂行していた。こりゃいけねえと急遽目的地を再検討。今夜は大潮だから運河の奥のほうだって大丈夫だろうと思い、豊洲貯木場へ行ってみる事にした。

実は釣四郎、この場所へは行った事が無い。うろ覚えの地図が頭の中にあるだけだが、まあ何とかなるでしょう。

いい加減な事この上ないが、とりあえず新目的地へ向かってスクーターを飛ばした。そして暫く経って道に迷っている自分に気が付いた。そう、釣四郎はひどい方向オンチなのだった。ここで素直に元来た道を引き返せば良いものを、野生のカンを信じ、あっちへウロウロ、こっちへウロウロと門前仲町あたりをさ迷い続けた。恐らく明るい時間だったらこんな事にはならなかっただろうけど、結局2時間あまりを費やしてしまった。

やっと見つけた豊洲貯木場。ところが、水辺へ降りる方法が判らない。釣四郎は以前雑誌かなにかで、高い堤防の内側に細い道があり、ゴロタへ降りる事の出来る階段も有ると書いてあったのを覚えているのだけれども、その堤防の内側へ降りる道が何処にあるかが判らない。 犬のように辺りをウロウロしたけれども、高いフェンスとコンクリート壁が邪魔をしている。まさかこれを登る訳でもないだろうし、どうやら明るい時間に一度下見に来なければいけないようだ。

豊洲貯木場を諦めた釣四郎は海へ向かう事にした。だけれども、まーた迷った。道路標識には、やれ「東京駅」だの「押上げ」だのが出て来る。勘弁してくれー。

ようやく一番最初に迷い込んでしまった交差点に出て海へ向かう事が出来た。まったく何時になったら釣りが出来ることやら。しかし大収穫もあった。今まで知らなかった釣り場を2つも発見してしまった。その一つでは、スーツ姿のお兄ちゃんがチャリンコでやって来て橋の上からバイブレーションで釣っていた。釣四郎はヘッドライトを首から下げて、別にミニ懐中電灯を胸からぶら下げ、フィッシングジャケットのポッケにはプライヤーとルアー各種と言ういでたちなのに、なんちゅうお気軽フィッシングスタイルなんだろう。まいっちゃうね。

釣れたらどうするのだろうかと思って話しを聞いてみると、ロッドを垂直に下げて巻き上げるそうな。アベレージが40センチくらいなので問題無いとの事だった。しかし、釣られたシーバスはその後地獄のリリースを体験する事になるだろう。だって磯ダモでも届かない高さなんだもん。

この場所は干潮時にゴロタが現れる。そしてそこへ降りるハシゴもある。橋からハシゴまでの2メートルほどがちょっと大変だけれども、降りてしまえば楽しい釣りが出来そうだ。

また、埋め立て工事中の有明貯木場の近くも通った。此処は湾奥シーバスマンにとってパラダイスだったらしい。暗い夜空に向かって土木重機の黒い陰が不気味に林立し威圧感たっぷりで、なにやら薄ら寒くなるのを覚えた。

 さて海に向かった釣四郎。各埠頭を探索するも、どうやら正攻法で入る事は出来ない所がほとんどのようだ。つまり侵入、若しくは潜入しなくてはならない感じだった。と言っても、雑誌等で堂々と紹介されていたりするのだから問題は無い、或いは広い心で黙認してくれている場所なのだろうが。

さらに進んだ釣四郎は東京ビッグサイト横の埠頭公園までやって来た。此処は昼間は若い兄ちゃん姉ちゃんがたむろし、夕暮れにはカップルが雰囲気に負けて愛なんぞを語ってしまう憩いの場だけれども、午前0時をとうに過ぎたこの時間は釣り人がチラホラ居る程度だ。

やっとタックルをセットする事が出来た釣四郎。ラパラを岸壁から数投した後、あんまり好きではないがテクトロに移った。バイブレーションに替えて2往復目くらいにグングングンとハデにヒット。チョット慎重にあげた魚は40センチ弱のチビッコシーバスだった。だけれども、約一月ぶりのシーバスだ、嬉しかったね。

このチビッコに続けとルアーを落とすけれども芳しくない。しかも、風向きのせいかやったらとゴミが多い。チョイト沖には現在埋め立て中のゴミの島が在るのだから仕方無いのだろうが、だんだんイライラして来たので再び移動する事にした。

 新目標は新末広橋。今は上げ潮だから、線路側の橋脚が良いだろうと思った。線路側を狙うには、橋のちょっと手前からガードレールをまたいで入る事が出来るのだが、釣四郎が橋を越えた時、そのガードレールを越える二人組みが見えた。ちょっと遅かったね。

 ガソリンを入れて、さてどうしようかと考えた。曙運河を夢の島公園で挟んだ対岸に海浜公園が在る。ここを調査してみたくなった。電車から見えるこの場所は良さげに見えていた。が、実際行ってみると大した事はなかった。沢山ある桟橋の先端まで行ければ話しは別だが、桟橋の入口の柱に小さなボックスが取付けてある。きっとあそこを人が通過すると非常ベルが鳴るのだと思う。確かめてはみなかったが、土曜の夜、大潮なのに桟橋に人が居ないのがそれを証明しているように思えた。

また、ここには貯木場でお馴染みのパイル(筏を係留する為の桟橋)が在るので、コイツに渡れれば良いけれども、陸から2メートルほど離れているのが悔しいね。そんな訳で此処でもロッドを出す事が出来なかった。

 新木場方面へ移動。南千石橋でスクーターを降りて1時間ほど狙ってみたけれども気配は無かった。最近此処に船着き場が出来たのだが、その桟橋には何時も強力な明かりが有り、係留してある船の下にシーバスが付いていると言う。しかし、超すれっからしで一筋縄では行かないらしい。

 そろそろ夜明けが近い。ならば若洲の先端に行こうと思ったが、しかし途中の道が通行止め。6時AMにならないと開かないらしい。しょうが無いので、途中まで戻り、お馴染みの砂町南運河へ出る。

潮は満潮に近い。足元の駆け上がりを移動しながら攻めるけれども、これまた反応が無い。随分疲れが出て来た。空は明るくなり始め、鵜がV字編隊で空を渡る。

 明るくなりきって暫くした頃、雨が降って来た。雨は降ったり止んだりではっきりしない。避難場所の橋がある荒川よりで釣っている時、この運河の入口付近の荒川を奇妙な船がゆっくり上がってゆく。暫くすると、極岸近くを今度はゆっくりと下って来た。最初は良く解らなかったけれども、船が2隻重なるように動いていたのだ。しかも網を入れながら。こいつは参ったね。荒川から入って来る群れに期待しているのに、その入口に網を入れてゴッソリ持って行こうと言うのだ。一気にテンションダウン。

 帰りに途中の夢の島公園をチェックしたけれどもアタリ無し。マリーナから流れ出しているガソリンが気分を悪くした。ついでに曙運河側も調べてみたけれども、水辺へ出るルートは規制が厳しくなっているようだった。曙水門には簡単に行けそうだったけれども、どっと疲れが出て来て、ここでリタイヤ。

 釣っている時間よりもウロウロしている時間のほうが遥かに長い夜でした。でも期待出来る釣り場の発見もあったので良しとしましょう。

しかし、帰りに前回同様またまた雨に降られた。どうして荒川・砂町南運河に行くと帰りに降られるかなー。おかげで日曜日は夜中まで頭ガンガンの風邪引きヤローでした。