湾奥名物に遭遇
平成13年6月3日
釣四郎が過去にイカを釣ったのは何れも明るい時間であった。「なんだ日中でも大丈夫ジャン!」と土曜の夜に考えて、ドタバタと準備を整えて日曜の朝に出撃。日中エギングってやつだ。前回ロッドが折れてしまいションボリと撤退したので、とりあえずシーバスロッドも予備として持って行く事にした。健康的に朝からエギングだ。場所はトーゼン三浦半島三崎港。さて、今回の三崎は釣四郎に微笑んでくれるでしょうか。
午前10時過ぎ、いつもの低温魚市場冷蔵庫裏の岸壁に行くとラッキーにも先端が空いていた。迷わずキープして「はてさて今日の海の色はどんなもんかいな?」と覗き込んで驚いた。
赤い泡の様な、垢のような、そんな物が沢山塊となって浮いている。改めて海を見ると、赤い帯状のモノが浮いている。水の色も何だか暗くて赤っぽい。まさか、こっ、これは東京湾湾奥名物の赤潮ではないですか!!。でも此処は三浦半島先端の三崎港だぞ、すぐ横はもう相模湾だ。夏には黒潮分流が入って来てカツオやシイラがウジャウジャ泳ぐ海だ。そんでもって、家族連れや兄ちゃん姉ちゃん達が海水浴に来る海だ。そんな海で赤潮!?。ビックリ仰天、まさかこんな所でお会い出来るとは、にわかに信じられない釣四郎だ。
画像で見るよりもっと赤黒かった
しかし良く見てみるとイワシだろうか、無数のベイトが泳いでいる。おお、これならイケるかも知れないと、とりあえずエギングの準備を開始。せっかく此処までやって来て何もせずに帰る訳には行きませんがな。
一般的に東京湾などの赤潮は赤いと言うよりも赤茶色だ。このタイプは緊急に魚に脅威を与える事は無いけれども、さりとて何時もは奇麗な三崎の海だ、居心地が良いとは思えない。
そこで釣四郎は底中心に狙う事にした。昨夜寝る前に考えた計画では、
@中層ズル引き
A一般的なシャクリ
B底ズル引き
C底近くでのズル引き+シャクリ
をワンセットとして探って行くと言う作戦だった。しかし今の状況で中層を狙っても無駄だろう。AとBで攻める事にした。つまり、本日のアオリはスローな状態だと考えた訳だ。
良い天気だ。風も無く、夏を思わせる太陽の光を浴びて釣四郎はシャクリに励んだ。隣ではカワハギ狙いのオッチャンが、釣れてくるネンブツダイに向かって何かブツブツ文句を言っている。空ではトンビが時々追っかけっこなどしていて、ホントにノンビリとした感じだ。
お昼を前にして横の生け簀で出荷作業が始まった。例によってタイやイナダ(ハマチ?)が次々と生け簀から掬い上げられて〆られた後、箱詰めにされトラックに積み込まれてゆく。その全工程がベルトコンベアを利用した流れ作業式になっていて、確かに漁師仕事なのだけれども、なにか違った職業のようでもあります。
まな板の上のハマチ
ひたすらキャストし続けたけれども、アタリの「ア」の字も無いまま夕方になって来た。釣四郎の脇に中年夫婦が入った。オカアチャンがトリック仕掛けで子魚を釣り、オトウチャンがそれを餌にイカを狙っている。
オカアチャンの仕掛けには時折マメアジが掛るけれども、ホントにマメである。アオリ狙い用と言うよりもマルイカ,ムギイカ狙い専用と言った感じだ。
オトウチャンにはアタリが全然来ないので一度場所換えしたけれども、暫くしてまた戻って来た。本日この堤防で何かしら釣れているのは、このオカアチャンとその向こうのネンブツダイのオッチャンだけのようだ。
再び生け簀からの出荷作業で周りが騒がしくなった後、ネンブツダイのオッチャンは道具を片付けて居無くなってしまい、イカ夫婦も白灯の方へ移動して行った。
そこへ登場したのが不思議な仕掛けを装備した一見若そうなオッサンだ。この人の仕掛けは極小餌木ニ連装で餌木と餌木の間は5センチくらい。その5センチの部分にシンカーが装着されており、これをビュンとキャストするのだ。ロッドは明らかに先調子のロッドで繊細なアタリに対応している。マルイカ,ムギイカ狙いのようだ。
キャスト後すぐに巻きはじめ、沈めて底を取る事はして居なかった。
ふと気付くと釣四郎の後ろにネンブツダイのオッチャンが再登場。今度は長めの竿の先にスッテを装備して生け簀と岸壁の間に糸を垂らしている。こちらもカマルイカ,ムギイカ狙だ。この生け簀には暗くなると明かりが灯るのだ。しかし、そんなにマルイカ,ムギイカが居るのだろうか。
さて、釣四郎の正面で真っ赤な夕日が富士山を微かなシルエットとして浮かび上がらせて沈んでゆく。同時に餌木マン達がゾロゾロと登場して来た。夕方から強くなった風と、早い潮の流れに苦戦しながら皆キャストに励んでいる。もちろん釣四郎もだ。
隣の極小餌木のオッサンも居無くなり代りに若い餌木マンのグループが入った。このチームは白灯やその他に別れて広くチェックを入れている様子だ。
だいぶ暗くなって来た。ゴールデンウィークの頃故障していた街灯は未だに点灯していない。
お姉ちゃん二人が毛布に何か抱えてやって来た。赤ん坊だろうか。向うのお兄ちゃんと何か話している。そして今度は隣のお兄ちゃんの所にやって来て話しをしている。お兄ちゃんは毛布の中に手を伸ばし何かに触っている。何かな?、と思っていると二人のお姉ちゃんは釣四郎の方へ進んで来た。何だろう、何だろう。「私の赤ちゃん見てください。可愛いでしょう!?。撫でてあげて下さいな。」などと言う頭のイカレタお姉ちゃん達ではあるまいか!?。どひー、ちょいと気色が悪いではないか!。
「小猫飼ってくれませんか?。あっちの方でダンボールに捨てられていたんです。」
へっ、小猫?。毛布の中には3匹の小猫がうずくまっていた。釣四郎は猫好きだけれども集合住宅住まいなので家族にしてやる事が出来ない。気の毒とは思うけれども、お断りするしか無かった。
お姉ちゃんたちは端から声を掛けて回っているけれども良い返事は無かったようだ。
本日の予定は19:30分まで。時計を見ると、あと30分しか無い。気合を入れてキャストし続けたけれども遂にアタリは訪れなかった。帰り支度をしながら後ろでイカを狙っているネンブツダイのオッチャンに話しを聞いて見ると、赤潮は昨日の方が酷かったらしい。また、マルイカ(オッチャンはメトと呼んでいたので地元の人だろう)は昨日昼間に2杯釣ったそうである。
赤潮は回復傾向にあるようだ。来週あたりには良くなっているかも知れない。けれどもお天気が怪しいんだよなー。ま、お天気次第でリベンジを考えましょう。
帰路に付く釣四郎の頭上には半月から満月へ向かうお月様が輝いておりました。
追記
ずーっと西を向いて朝から釣っていたので顔の左半分が日焼けしてしまいました。帽子はかぶっていたのですがねえ。カッコ悪いよー。