三崎でイナダのボイルに出会う

平成13年10月20日

 

 さあ、いよいよプロ野球は日本シリーズ突入だ。いったいどうなるんだろう。頑張れイチロー!。そりゃダイリーグたっちゅうの。だって釣四郎はプロ野球にあんまり興味ないもん。ダイリーグにばっかり気をとられているスキにペナントはいつの間にか終わっていたのだ。

そんな訳で、全国のプロ野球ファンの方々が一喜一憂している間に釣四郎は神奈川県三浦半島の先端三崎港へ向かった。

と言っても、我が家の亀の世話やら何やらで出撃が遅れてしまい、現地に到着したのは19時半、夕陽のかけらも残っていない時間だった。

 久しぶりの三崎港。実に三ヶ月ぶりだ。このホームページでリンクをさせて頂いている烏賊おやじさんのホームページによると、そろそろ三崎港でもエギングが出来るまでに成長したアオリイカが釣れ出しているらしい。期待でパンパンになった胸を押さえてこの岸壁に立った釣四郎だ。

 釣り座を求めて、まずは超低温冷凍庫裏へ。ここを覗いた後に白灯突堤へ行くのがいつものコースなのだが、なんと生簀の所の角が空いている。即決定!!。此処は今年の春に釣四郎が始めてアオリイカを釣った記念すべき場所だ。今シーズンの幕開けにピッタシだ。

支度をしながら海面を観察すると、実に穏やかな水面の其処此処に小さく妖しいざわつきが幾つもあった。おそらくイワシではあるまいか。去年も沢山のイワシが居たし、この春にも夜光虫を身に纏って大群で泳いでいた。イワシの産卵時期など知らないけれども、春のモノに比べるとずっと小さい。春だか夏だかに生まれたのだろう。今年生まれのアオリイカにとっては正にちょうど良いエサに違いない。

 釣四郎は現在歯医者に通っているのだけれども、その歯医者の近くに上○屋が在るのだが、それとは別に中古タックルなどを取り扱う店もあるのだ。話はそれるけれども、中古タックルのお店は実に面白い。そこはルアー釣り関連の商品が殆どだけれども、中古のルアーなんか、見たことも無いようなドマイナーな物やら、明らかに改造したルアーやら、いったい誰が作ったんじゃいと言いたくなるハンドメイドなどが売られている。また、ナイショの仕入れルートが在るのか無いのか、某有名餌木なども新品なのに格安だ(新型は無いけれど)。で、その中に、有名なのかどうかは知らないけれども、超格安の3号餌木を釣四郎は発見した。値段は伏せておくが、仕入れ値はタダなんじゃないかと、又はお金を払うから引き取ってくれないかと言われたのではないかとも思えるような値段だった。今の時期、アオリイカはまだチビッコイので3号餌木は持って居て損は無い。そんな訳でつい購入してしまった(全く釣れない餌木でも損した気分にならないし)。

 で、まずは、その捨て値餌木をセットして今期の第一投目はスタートした。この場所は、コの字型になっていて、奥はドン詰まり。釣四郎はその出口(入り口?)に立っている。潮は奥から払い出している格好で、水面は極穏やかだけれどもけっこうな速さで流れ出している。3号餌木を使うのは初めてだけれどもどんどん流されて着底が全然判らない。

ならば、上層を狙おう。イカのご飯がこんなに沢山浮いているのだから、イカだって浮いているのではないかと勝手に思ったのだった。

カウントを5数えてスローに引きながら、途中で軽くアクションを付けたり、止めたり、軽いシャクリを入れたりしながら変化を付けてみる。ピックアップしてまたキャスト。次はカウント10で引き初め、その次はカウント15でと、こんな感じで表層から中層を繰り返し引いてみたけれども反応は全く無かった。

 時々イワシがパシャパシャッと水面を乱舞する。何かに驚いた感じで、追われている風には見えなかった。1匹がイレギュラーな動きをすると、隣が驚いて逃げ出し、それが全体に伝染しているような感じだった。

 生け簀の横ではオッチャン達がアジ釣りをやっている。時々釣れるアジを見せてもらうと、先週横浜の釣り場で見たアジより一回りも大きい。一体この違いは何なのだろうか。

 向うで餌木を投げていたお兄さんのロッドが曲がった。釣四郎は見物も兼ねてタモを持って駆けつけたが、それより一歩早くご自分で掬い上げた。が、残念ながら獲物はゴミだった。

 さて、だいぶ潮も緩んで来たので、カウントを45くらい数えてゆっくりと引いてみる。12ポンドのナイロンラインを通して僅かに底の様子が伝わって来た。ちゃんと底まで沈んでいるようだ。底の確認が取れた所でシャクリを入れる。やっぱり釣四郎的にはこっちの方が好きだね。エギングって感じがするもん。

 何度目かのキャストの後、例によってビュッとシャクッた時グンと止められた。「おっ!?」そのまま巻に入る。ズウウンと重い。「おおおお!?」と思った瞬間フッと軽くなってしまった。「カーッ、しまったあ!。」久しぶりで、何の慎重さも無くリールを早巻きしてしまったあ。くっそー。回収した餌木を見ると、カンナの所に僅かに透明な白さのお肉が付いていた。

 どこからか爺様がやって来た。話しによると昨夜8時ごろ2杯のアオリが此処で上がったらしい。するとさっきのもアオリの可能性大だ!!。むちゃんこ悔しい釣四郎だ。

 夜もだいぶ遅くなって来た。表層や中層の攻めを織り交ぜつつ、底中心にシャクリ続けていた。

ズン!

おおおおおっ!!

今度は慎重にリーリング。グウウウウウンと言った感じの独特の引きが伝わって来た。

ふふふふ、イカに間違い無いぜ!。ようやく水面まで浮かんで来たイカはブシュウッと潮を吐きつつ、それでも底へ逃げようとする。慎重にタモに納めたイカは甲イカ(模様がはっきりしていないのでスミかモンゴウかよく判らない)だった。

アオリイカで無くて残念だけれども、昨年エギングを始めたころの連戦連敗、撃滅に次ぐ撃滅に比べれば諸手を挙げて喜びたい好戦果だ。

写真で見ると特徴的な模様が判る。500gオーバーのモンゴウイカ

 幾ばくも経たないうちにまたまた何かが乗った。今度はかなり小ぶりなようだ。慎重に掬ったタモの中で身体をクネらせていたのはイイダコ君であった。以前初アオリをゲットした時もタコが釣れたけれど、これは良い啓示と勝手に思ってリリース。水底へすっ飛んで行った。

 そして、これまた幾ばくも経たない午前0時前、ズン!と来た。

おおおお!!。今度は間違い無い。グウウウン グウウウンと引いている。慎重に寄せて来て無事にゲットしたのはこれまた甲イカ。タモの中で例によってブジュジュジュウウウウッとスミの大量発射が始まった。餌木がすぐ脇に有るのに。おかげで餌木が真っ黒になってしまった。海水に漬けてチャポチャポ洗ったけれども奇麗に落す事は出来なかった。

これまた500gオーバーのモンゴウイカ

 イカはスミが付いた餌木を嫌うと言う。ではと取出したのは烏賊おやじさん製キットの自作餌木(烏賊おやじの隠れ家参照)。これは、作る時にどんな模様に塗ろうか悩みまくった挙げ句、遂に思い浮かばなくって、頭の先っぽを黄色に、残りはただの薄いピンクにしただけの何の工夫も無いヤツである。

 お隣のロッドが曲がった。「おっ」と思っているとタモも使わずにそのまま抜き上げる。見物に行くとやっぱり甲イカだった。この海の底は今や甲イカだらけになってしまったのだろうか。

 キャストした後、着底を待ってシャクリを繰り返し、あと1回のシャクリでピックアップと言うところ。着底を待っている間の事だ。

コツン

!?

まるで渋い時のシーバスのようなアタリが有った。イカ??。とりあえず一呼吸おいて合わせる。

ズン!

おお乗ったぜ!!。グウウウンンと例の引きが伝わって来る。「ふっふっふっふっ」と内心笑っているとフッと軽くなった。バラシてしまったのだ。「しまったあ!」でも居るぞ居るぞとアタリのあった場所を中心に餌木をほおり込むけれども再度の乗りは無かった。そんなに甘くは無いか。

 しばらくやった後、アタリが遠いので餌木を定番のアオリーQに替えてみるが、こちらの方は全く全然カスリもしない。再び自作餌木に取り替えてキャストを繰り返す。

ズン!

おおおおっ!。来たあ!!。

引きを楽しみながら慎重にリーリングするとブシュウと水鉄砲を発射しながら黒々としたイカが浮かんで来た。脱出を試みるイカの胴体側からタモを入れて無事にゲット。引き上げて見ると正しくアオリイカであった!。

おお、やったね。今期初釣行にして初ゲットのアオリイカ。非常に嬉しい。型は小ぶりだけれども、今の時期としてはまあ普通でしょう。いや良かった良かった。それに自作の餌木にも自信が持てるようになった。時計は3時20分であった。

今期初のアオリイカ。200gだった。怒って真っ黒になっている。

 この後は中々イカからのラブコールは来ない時間が続いた。

 ザワザワザワッ、バシャバシャバシャッ、散発的にイワシの群れが水面で踊っていたけれども、此処へ来て本格的に逃げ惑い出した。水面を扇方にジャンプしながら逃げるイワシの群れのすぐ後ろでボシュッツボシュッツと何かが捕食している。イナダ!?。予備に持って来たシーバスロッドに目が行く。目の前でボイルが起こった。コイツはルアーを投げなければならないシュチュエーションである!。いそいそと準備する。その間も其処此処で激しいボイル。焦ってルアーに中々ラインを結べない。

ようやく準備完了。メタルジグを投げ込む。しかしながら短い時合いを逃してしまったらしく、あの狂ったような水面は静けさを取り戻しつつあった。時々何処かで小さなボイルは有るけれども、それも何時の間にか無くなってしまった。これは常にルアーをセットしたタックルを横に置いておいて、ボイルが起こったら即対応出来るようにしておかなければ間に合わない事が分かった。

 再びエギングに戻るけれども、釣四郎はリールを1台しか持ってきて居なかったので(だって重いんだもん)、再びセットし直すのも面倒だし、もしかしてまたボイルが起こったらと思い、このロッドでエギングを試みた。

 例のピンクの自作餌木をセットする。シャクッた感じは、ロッドへの餌木の乗りが硬いかなーと言った感じはあるけれども、その他は問題無さそうだ。また、あの柔らかーい専用ロッドに比べると当然だけれどもキャストしやすい。で、イケルと判ったのでそのままエギング続行だ。

ズン!

おおおおっ!来たああああ!!

即リーリングに移るとグイイイインンと引く引く。ドキドキワクワクしながら寄せて来る。無事にタモに治まったイカを確認すると、嬉しい事に今度もアオリイカであった。「ふっふっふっふっ、今夜はいったいどうしたんだい。」と胸の内で呟いた。時間を確認すると4時45分だった。

サイズは小さく見えたけれど重さは200gだった。

 そろそろ空が明るくなり始めたかなあと言う時間になったころ

ズン!

再び足元で来た!。が、すぐにバラしてしまった。くっそー。

で、暫くたった後再び

ズン!!

おおおお!。慎重にリーリング。ブシュッと潮を吹きながら薄暗い水面に姿を現した。タモで掬う時にイボイボの沢山付いたぶっとい足が見えた。引き上げるとやっぱりタコだった。前にも書いたけれども釣四郎はタコにはいたって寛大であるから当然リリース。転がるように岸壁からおっこちて行った。

この岸壁の先端で釣れました。

 周囲が随分明るくなって来た。再びイワシが騒ぎ出した。時々逃げ惑うイワシの後ろに緑がかった魚の背中が見える。イナダだ!。騒ぎはあっと言う間に終わってしまいルアーをセットする時間も無かった。

 自転車でやって来たじいさんが釣四郎に近づいて来てイナダが随分と湾内に入っていると言っていた。

 夜が明けて大量のトンビが空を舞いカモメがウジャウジャ沸いて来た。と、突然前方に鳥山が出現。どこからともなく無数のカモメが水面に殺到している。まるでお寺のハトのようである。あの下ではイワシの群れが下から上からの猛攻に逃げ場を失い悲鳴を上げているのだ。鳥山は直ぐに消えてしまい何事も無かったような水面に戻るけれども、もう別の場所で別の鳥山が出現している。凄い凄い、全く凄い港だ。こんなに凄いのにどうしてルアーマンが少ないのだろうか。

 6時30分。投げ釣りの人が増えてきてやり辛くなって来た。今期初釣行でイカを4杯も釣る事が出来たので大満足、ストップフィッシングだ。気分上々で三崎港を後にした釣四郎だった。

今回のヒット餌木