夜霧よ今夜も有難う

平成14年3月26日

 

最近、お家に帰って晩ご飯をタラフク食べると強力な睡魔に襲われる。まるでツエツエバエに刺されたアフリカ探検隊のように。そんな訳で夜明け前まで暴睡状態になり朝風呂の毎日だった。

イカン!。これではイカンとロッドを手にして出撃だ。釣りモードに入ってしまえば眠気どころでは無い釣四郎。フィッシングジャケットのファスナーを閉めて、スクーターを飛ばして旧江戸川スポーツランド対岸へ向かった。

今日の昼間は雨が降っており北風だった。寒くて空気は湿気をタップリと含んで重い。スクーターのライトに霧が流れる。

旧江戸川の流れの止まった川面にも霧が微かだけれども漂って居た。なにやら妖しげな雰囲気で、釣れそうとか、その類の雰囲気ではないけれど気持ちがワクワクして来てしまった。この時点で今夜の出撃目的は100%達成された気がする。

20時30分、タックルをセットし何時もの船溜り水門脇からキャストを開始。

下流へ向けて岸と平行ぎみにリトリーブしていると

ガツッ!

っとアタリが有った。アワセをいれたけでどもフッキングしない。くっそー。

でも居るぞ居るぞと再度同じコースをトレース。

カツッ!

こんなショートバイトではフッキング出来ない!。

暫く正面を攻めて、その後ルアーをラパラCD9蛍光黄色からレッドヘッドに取り替え、再び先ほどのコースを攻めてみる。

グンッ!!。

ビシイッ!!

グググググッ!!

ルアーが押さえ込まれるようなアタリにフッキングがバッチリ決まった。この場所にはブイが浮かんでいるので、そのロープへ絡み込んだら大変だ。大急ぎで強引に巻き寄せる。

下へ何度も突っ込まれたけれども無事ランディングに成功。時計は21時5分であった。

幸先良い銀ピカの70センチ。

おお、今日は幸先が良いぜ!、と思ったけれども後が全然続かない。そこで下流の沈みテトラへ移動。

ところが、暗い水面に見えて来た物は無数のテトラの頭だった。引ききった水面にボコボコドカドカとテトラが現れていた。

大潮では無いのにこんなに潮が引いているとは。やっぱり春だなあ。

関心ばかりはしていられない。うーん釣り辛い。テトラの向こうへルアーを投げ込んでゆっくりと引いて来る。そしてテトラの手前でゆっくり大きくロッドを持ち上げてリフトアップして誘う。アタリが無ければそのまま水面までルアーを持って来て急いで回収。

これを繰り返しながらテトラ帯を攻めるけれどもノーバイトが続く。で、ハタと気が付いた。もし釣れちゃったら取り込みは、このボコボコに頭を出したテトラの脇で行う事になる。水面直下にも無数の沈みテトラが見えている。魚は当然無茶苦茶に抵抗するだろうから、これらのテトラに激突して傷付く。ラインだって傷付いて最悪の場合ラインブレイクしてしまうかも知れない。

沈みテトラ帯での釣りは中止である。再び船溜り水門脇にやって来た。

キャストを繰り返しているとポケットの携帯が釣四郎を呼んだ。かみさんからだ。

かみさん「明日の事だけど・・・。」

釣四郎「???」

!。ドヒー!!、忘れていたぜー!!。

釣四郎は明日、姪っ子達を連れて東京ディズニー・リゾートへ遊びに行く予定になっていたのだ。だが待てよ、既に会社は休みを取っている。と、言う事は・・・。

何時もだと23時でロッドを仕舞うのだけれども、明日の仕事の心配をしなくても良い事に気が付いた。

ふっふっふっ、今夜は頑張らせてもらうぜ。電話を切って釣四郎は更に燃え上がってしまった(仕事よりもTDRの方が間違いなく疲れるって!)。

こんな訳で釣四郎のナイトフィッシングは続く。

だいぶ潮が上げて来たので先ほどの沈みテトラへ移動する。ほとんどのテトラは水底へ消えていた。通常時の干潮の感じだ。

釣四郎はガンガン投げながらテトラ帯を移動する。下流にH鋼が川の中に突き刺さった場所があるけれども、ここいらで沈みテトラは終わる。ここからまたキャストしながら引き返すのだ。

足場が一段変わる所までやって来た。この場所は期待が持てる。昨シーズンは魚が良く居た場所だ。それに先日釣祐さんと攻めた時にもバイトが有った。

そんな場所だから丹念に攻める。

コン!

ビシッ!!

グングングン!

やったぜ、ヒットオ!!

力強い引きが楽しい。鰓洗いが楽しい。ガンガンガンと首を振りロッドが大きく振られるのが楽しい。うーん、これこれ!。これこそシーバスフィッシング!。

大いに楽しませてくれたシーバスをタモに収めると、こいつも銀ピカだった。ルアーもガッチリ咥えている。食い気満々、やる気満々のシーバスだ。

先ほど迂闊にもメジャーを川に落としてしまったので計測は出来ないけれども目測で60センチと言ったところだろう。

ヒットルアーはラパラCD9蛍光黄色

リリースして時計を見ると1時過ぎだった。

まだまだ居るはずだと思い、この場所でかなり粘ったけれども結局アタリは無かった。

最初の船溜り水門脇で数投して2時過ぎにストップフィッシング、夜霧にうっすらと霞む旧江戸川を後にした。