1キロ堤防

アオリイカ エギング 長崎

2005年5月8日

 

実は先々週も堤防釣りに行ったのだけれども、迂闊にも釣四郎は時合いに津波の如く押し寄せる睡魔に抗する事が出来ず、グースカピーと居眠りをこいてしまって丸ボウズを食らってしまった。

今回も仲間と堤防でサンデーお気楽フィッシング。釣四郎はまたまたアオリを狙う。夕べも寝たのは04:00くらいだったぞ。大丈夫か釣四郎!?。

 

1キロ堤防。それは道路脇に鉄壁の壁として存在していた。この壁の向こうに数メートル下がった足場が有る筈だ。この数メートルの段差を克服する為に我々は長尺の脚立を用意して来ていた。

さて壁の向こうはどんなモンかいなと釣四郎は道の反対側から勢いを付け、若干斜めになっている壁の継ぎ目の凸凹を足掛かりに一気に登った。

最近お腹の辺りがとってもふくよかになった釣四郎は、壁の一番上にやっと手をかけガシガシジャリジャリとまるで神経痛に苦しむスパイダーマンのような格好で何とかかんとか壁の上に這いずり上がった。

「うっわ、たっけーーーー!!」

我々お気楽隊は1キロ堤防を甘く見ていた。脚立を伸ばしてハシゴにしても全く下まで届かない。

釣四郎達は堤防のど真ん中から下へ降りる予定だったけれども仕方が無い、堤防の端っこへ戻る事にした。既に車から降ろしていた大量の荷物を再び荷台に押し込んで車をUターンさせる。

端っこは階段や小さなハシゴが掛けてあったりですんなり堤防の海側に入る事が出来た。がしかしそこから20メートルほど歩いたところに大きな溝がありこれ以上進めない事が判った。

またまた仕方が無いので反対側の端へ車を飛ばす。

こちらは階段があってすんなりと内側へ入る事が出来た。当然先客も多い。なるほど沢山車が止まっていた訳だ。

この1キロ堤防はその名の通り約1キロにわたってながーい堤防が続いている。場所は長崎港の出口付近。先の「聖母の情け」に登場した神ノ島の漁港のちょうど裏側だ。

1キロ堤防

 

さてお気楽隊は二手に分かれ、浮きフカセチームは堤防付け根のテトラへ、そして釣四郎を含む他の者は堤防へと移動した。

本日は大潮、間も無く満潮と言う時間に我々は釣りを開始した。

空は薄く曇り、潮はなにやら陰鬱に暗い。それが影響しているのかしていないのか定かでは無いけれど餌さ釣り組はキンギョ(ネンブツダイ)の猛攻に苦しんでいた。

キンギョ(ネンブツダイ)の猛攻に苦しむ餌さ釣り組

 

向こうでエギを投げている人が居たので状況を確認するとどうにもイカンらしい。ちょっとテンションを下げつつ釣四郎もエギングを開始した。

着水からエギ着低までのカウントは90。かなり深い。

シャクってはカウントを取り、投げてはカウントをとって行く釣四郎。暫く経つと向こうで一人、こちらで一人と釣り人が去ってゆく。我々同様釣果がパッとしないようだ。

そんな時、ちょっと向こうで生餌でイカを狙っていたオッサンにアオリが来た。遠目で1キロ位だろうか。それを見た釣四郎、いきなりやる気が出た。シャクリに一段とリキが入る。

がしかし、気合のキャストを続けるのかと思えばそうではなかった。釣四郎は一旦ロッドを置いて取り出した本日の秘密兵器は、昨日買ったロッドとリールのセットで1500円と言う激超格安なブツ。そうして更にクーラーから取り出したモノはスーパーで3匹178円の20センチ位のアジ。

尻尾の付け根にラインを結んで「あらよっ」っと投げ込む。ヤエン仕掛けだ。本来は生餌でやるのだけれども、その生餌が・・・。

着低まで随分時間がかかるだろうからラインを適当に出しておいてドラグをユルユルのズルズルにしておく。ドラグと言っても、そこは流石にセットで1500円。半回転位でユルユルになっちゃう・・・と言うよりもスプールがグラグラになっちゃう。ドラグじゃなくてスプールを固定しているだけのモノのようだ。

で、エギング開始。

おっさんは生餌の浮き仕掛けでゲットした。と、言う事はアオリは中層に居る。

釣四郎はカウント50〜60位でシャクリ始めた。

暫くたった頃、ちょいと置き竿にしていた「セットで1500円」を見るとなにやらラインがゆっくり張ってゆく。

?????。

回りを見るけれどもオマツリしている気配無し。

「おおおおおおおっ、来た!!」

リールのベールを起こしてラインを出るがままにドンドン出して行く。

しかしその方向がマズイ!。

お隣さんの浮きに向かって伸びて行く。

そのうちラインが止まった。けれどもお隣に引っかかっちゃった。なんなくラインは外れたけれども仕方が無い。

もう5分か10分位待ちたかったけれども、そおーーーーっとイかを寄せることにした。

この釣りはカマキリやクモの交尾に似ている。彼等は雌雄の体格差が非常に大きい。勿論カカア天下でメスの方が圧倒的に大きくて強いんだ。そんなメスと交尾するオスは大げさでなく命がけ。メスが獲物を捕らえ食事に没頭しているあいだにソオーーーーーッと近づき、これまた気付かれないようコッソリとやっちゃう。もし気付かれでもしたらドエライ事になっちゃう。捕らえられ食べられちゃうからね。何て悲しい話しなんだ!。

で、これを読んでいるお若い貴方。笑って他人・・・他虫事と笑っていられるのも今のうちでっせ・・・・。あ、いや、これ以上は止めておこう。自分の身の為に・・・。

つまりは、イカが食事に没頭している間に近くに寄せて「ヤエン」と呼ばれる掛け針を道糸に通し、イカの所まで滑り落として掛けちまおうって釣りなんだ。

釣四郎はリールを巻いた。ゆっくりゆっくりカタツムリのようにナマコのようにジワリジワリとイカに悟られないよう慎重に・・・・。

フウッ

「あっ!、ああっ!!

放れてしまった!

くうーーーーーーっ、残念無念!。

回収したアジは背中の肉が大きく無くなっており背骨が露出していた。

しかし今のスペースではヤエンに向かない事が判り釣四郎はエギングに集中した。

キャスト!、キャスト!!、キャスト!!!。

黙々とカウントを取りつづける。クーラーまでお茶を取りに歩いて行く時でさえ気が付けばカウントしている始末だ。

ずどん!!

来た、来た!、遂に来た!!

ロッドが重く曲がりラインがズルズル出て行く。

仲間にガッツポーズを見せてゆっくりとリールを巻く。

時々大きな引きが訪れスプールが逆転してラインが出て行くけれど、その引きを楽しみつつハラハラしながら一定のスピードでリールを巻き続ける。

やっと水面に姿が現れた。

タモ入れを仲間にお願いするけれども足場が高いので「アッチだコッチだ」とちょっと大変。イカも此処が最後の正念場とスミを撒き散らす。

やっとタモに収まり無事陸に上がったアオリイカ。

デカイ!

長崎のアオリは総じてデカイぞお!!。

関東では1キロを越えると諸手を上げて神様仏様キリスト様に地蔵様、それに忘れた神様はもう居ないかと回りをキョロキョロ見渡して、そうして天を仰いで感謝しなければならないのに、長崎では1キロなんざあ簡単にぶっちぎっちまう。

此処はアオリ天国か!?

ゴキゲンの釣四郎

後ろにしっかり映り込んだのはSU氏

 

写真を撮ったりして再び釣りに戻ると生餌浮き釣り師の浮きが再び沈んで行くのが目に入った。師はじっくりと頃合を見計らいロッドを煽った。

取り込まれたのはチョット小さ目のアオリ。たぶん500gくらい。500gが物凄くチビイカに見えてしまった。

お隣さんが帰ったのでスペースが空いた。ヤエン仕掛け投入。

頼むぞ「セットで1500円」!!。

 

お昼

例によって釣ったアオリをさばいておサシミにして皆で食べた。美味かった。甘かった。柔らかかった。エンペラはコリコリとしゲソは口の中で吸い付いてきた。

今回のイカはチョット大きかったので7人でも食べきれなかった。たぶん2キロくらいあったのではないんかなあ。余った分は、さばいてくれたSA氏に持って帰ってもらい晩にお酒のツマにしてもらう事にした。

さて再び釣り開始。

潮はかなり引いている。

仲間がひいきにしているスナックの姉ちゃんやガキンチョなんかの乱入があって賑やかになったけれどもイカの気配はさっぱり無くなってしまった。爆発を期待した必殺の「セットで1500円」も沈黙しっぱなし。餌釣り組もすっかり気合が抜けてしまっている様子。

ストップフィッシング。

日曜日のお気楽フィッシング。沢山は釣れなかったけれども楽しめた。幸福な疲労感を背中に背負って我らお気楽隊は1キロ堤防を後にした。

我らお気楽隊

 

追記

餌さ釣り組が妙な生物を釣り上げた。一体全体何だろう。海毛虫と言いたくなる風体だけれども・・・・・。

 

今回のヒットエギ

ヤマシタ エギ王Q 4.0号 GBRK

 

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