猛攻! 木っ端太刀
長崎 ルアー シーバス
2005年7月24日
強力な夏がやって来た!。長崎は爆烈な日差しと猛烈な湿度でサウナ地獄へと突入しまった。朝からクマゼミが鳴き騒ぎ、夜には両生類が太古の記憶を唄にする。
最近ハタとこの不思議に気が付いた。
カエルやヤモリは鳴くけれどもトカゲやカメは鳴かない。ワニも鳴かない。何故だろう?。
水辺から内陸へと生活範囲を拡大した行動パターンが何か関係するのだろうか?。両生類は主に夜型だけれども爬虫類だって夜型は多い。音は大変重要なコミュニケーションの手段だと思うのだけれどもこれは不思議だ・・・。
両生類から進化した爬虫類は何故に「声」を無くしてしまったのだろう?。きっと正当で深遠な理由があるはずだけれども、それが判らない釣四郎であり、そんなどうでもいい事に頭を悩ます釣四郎だった。
さて、久しぶりに土日が休みとなり釣り三昧と行きたいところだけれども、激務に身も心もヘロヘロヨレヨレとなっていた釣四郎はすっかりパワーダウン。土曜を一日中グータラに過ごし日曜もその勢いでダラダラと部屋でパソコンに向かっていたのだけれども、これではイカンと指の先から髪の毛の先まで僅かに残った元気と気力を探し出しかき集め、シーバスとのファイトを想像し、それを触媒にして何とかかんとかパワーを盛り上げいざ出陣!。
目指したのは江之浦漁港。
無茶苦茶暑い日が続いているのでシーバスは河絡みが良いだろうと思案してこの場所にしてみた。
この港は江之浦川の河口にあるけれども、現地に到着してみたら思っていたよりも河の規模が小さくてちょっとガッカリ。
しかしながら堤防では老若男女おっさんおばちゃんチビッコを問わず竿を出している。覗いて見ると皆さんカタクチイワシをサビキで狙っており沢山釣れていた。
「ベイトが来ている。こりゃあ期待が持てるぜ、当然それを追ってシーバスも!」。
そう思うと先の不安も何処へやら、にんまりと細く微笑む釣四郎だった。
まずは港の偵察。防波堤がそのまま駐車スペースになっているけれども、足元はけっこう深そうだ。外海に面したところは遠浅のゴロタ。目の前に島があるけれども、島との間は人工の狭い水路になっており船が出入りしていた。河口の沖には防波堤があり、それを支える橋脚部分はなんともそそられる。穴撃ちしたらシーバスが2,3本出そうだけれども、そこへ行く道がようわからん。
島との間にある水路から河口へ向かって外海の水が流れ込んでおり、川の水とぶつかり美味しそうなヨレが出来ていた。まずはココを狙おう。
この堤防の先っちょに水路がある。
タックルをセットしイワシカラーでスタートフィッシング。暫く投げたけれども全く反応なし。
水路なものだから船が出入りする。そのたびにしばしの休憩を取り釣りを再開する。水が落ち着いたかなあと思った頃にまた船が通る。で、また休憩。
こんな調子なものだからいまひとつ集中出来ない。
魚は底に沈んでいるのかなあとバイブレーションやメタルジグを試してみるけれどもやっぱり反応無し。
もうだいぶ夕暮れが迫って来たころだし、先のイワシ釣りの人達もボチボチ帰るだろうと元の場所へ戻ってみる。
おお、スミ跡発見。甲イカのモノらしい。
と、様子が変わっていた。サビキ釣りの人はおらず皆さんイワシをハリに刺し投げ込んでいる。浮き釣り仕掛けにイワシ餌さの人もいる。
近くのオッサンに「何狙いですか?。」と尋ねるとタチウオだと答えてくれた。
別のポイントにタチウオが来ているのは知っていたけれども、ここにも来ていたとは・・・。
オッサンは釣四郎に「何を狙っているの?。」と聞くものだから「スズキです。」と答えると、「うーん、タチウオが来ているから難しいかも知れないねえ。」とおっしゃる。
えええええっ、そ、そうなの!?。
半信半疑でキャストを開始。
ガンガンガン!!。
腕が覚えている独特のアタリかた。間違い無い。太刀魚。イッパツでヒットした。
あがって来たのは40センチくらいのミニサイズ。即リリース。
次のキャスト。
ガンガンガン!!。
「また来ちゃったよ。」
今度はサイズアップの60センチくらい。
釣四郎が前の魚をリリースしているのを見ていたオッサンが「要らないの?。」と聞いてきたのでオッサンに進呈。
それからはワンキャストワンヒット。釣四郎は何とかタチウオの攻撃をかわそうと色々試した。
水面直下のミノー。タチウオヒット。
バイブの速引き。タチウオヒット。
メタルジグで底狙い。タチウオヒット。
岸壁ジギング。タチウオヒット。
何をどうやってもタチウオがヒットする。そのたびにオッサンのバケツにほおり込んだ。
この漁港は今やタチウオに占領され、水面下には幽霊魚のチビッコどもがウヨウヨワサワサと鋭い歯を夕日にギラつかせて居るに違い無い。
いや参った!、参りました!!。
ふと沖を見た時だ。水面がなにやらザワザワしている。そのザワついた水面からタチウオがニョキニョキと身体半分位を突き出しては引っ込め突き出しては引っ込めていた。タチウオのボイル!!。噂には聞いていたけれども初めて見た。全くもって異様な光景だった。
ルアーにアタックして来る瞬間も見た。真下から垂直に攻撃して来て、ミスバイトするとそのままスゴスゴとゆっくり垂直に沈んで行った。これにはチョット笑ってしまったよ。
ところが、釣四郎がこれほどタチウオの猛攻に苦しんでいる最中、エサ釣り組は大いに苦戦していた。
浮きの動きを見ていると、なにやらピクピクモゾモゾと動いたかなと思っていると、もうそれっきり。それでエサのイワシは綺麗に無くなっている。全てそのパターン。
船釣りと同じで、恐らく絶妙な誘いで一気に食い込ませなければならないのではないかと思った。さもなければ生餌を使う手だろう。ガバッと一気に食わなければ逃げられちゃうもんね。ルアーに果敢にアタックして来る理由もその辺りだろう。
暗くなってからはルアーへの反応は無くなったけれどもまだまだタチウオは居るようで、時々電気浮きの人に釣れていた。びっくりしたのは強力な懐中電灯で直接浮きを照らしている人にも釣れていた事だ。繊細なんだか細かい事には無頓着なんだかよく判らない不思議な魚だ。
しかし、これほどタチウオが居るのではシーバスは無理だろう。
ストップフィッシング。川絡みのポイントが潰れているとなると来週からどないしましょ。頭を抱える釣四郎だった。
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