聖母のお情け

アオリイカ エギング 長崎

2005年4月17日

 

もんのすごーく久しぶりのエギング。

日曜日に仲間と堤防でのんびりとお気楽フィッシングを楽しむ事になった。

長崎シーバスを未だにゲット出来ていない釣四郎はイカの前にシーバスを手にしたかったのだけれども、なにせお日様の下での堤防シーバスはチト不利な条件なのでアオリを狙う事にした(なんでもデカイのが居るとか・・・)。

はてさて長崎のアオリを無事手に出来るのか釣四郎!?。

 

長崎に来て以来、慢性的な睡眠不足に陥っている釣四郎。この日もあんまり眠れずに朝を迎えた。集合時間も決まっていなかった(この辺が気合不足)にも関わらず釣四郎を含めた5人のメンバーは無事集合を終え目的地へと向かった。

場所は「神ノ島」と言うところ。長崎湾の入口付近だ。

 

ポイントに向かう途中は某造船所の超大型クレーンが林立していてそりゃあ凄い光景だった。そう言えば、チョイト昔に建造途中の超豪華客船が火事になっちゃったのはこの辺りじゃあなかったかしら。更にもおーーーっと昔に戦艦武蔵を造ったのも長崎だったから、もしかしたらこの辺りだったのかもしれない。

小さな釣具屋に寄ってコマセなんかを仕入れる。釣四郎はついルアーを買っちゃった。

ポイントに到着すると、そこは小さな港だった。

神ノ島には小さな教会がある。なんでも上原謙(加山雄三のおとーちゃん)が結婚式をあげた場所らしい。

 

 

と、そこで釣りをしている人を観るとエギを投げている。うーん、釣れるから投げているのだろうなあ。期待がムクムクと込み上げてくる。

港のチョイ先に沖に向かって伸びている堤防があり、我々はそこへ向かう。

この堤防の付け根は小山になっていて、その頂上には白くてデカイマリア様の像が立っていた。「マリア観音」と言うのだそうだ。

長崎港の海守マリア観音。釣四郎の釣果に情けをかけてちょーだい!。

 

聖母マリアを観音と呼ぶところがキリシタンの歴史を感じるね。ちなみに、マリア観音へ昇る入口には鳥居があった。キリスト教・仏教・神道入り乱れての和洋折衷何でもアリのありがたさだ。是非ともあやかりたい釣四郎だった。

堤防に到着して釣り支度。なにげに堤防を観察してみるけれどもスミ跡が無い!。「うむむむむ、こいつはマズイかもしれないなー。」と思いながらタックルをセットする。

一縷の望みは堤防付近に群れているベイト。これを追ってイカが来ていると信じたい釣四郎だ。

タックルはシーバス用をそのまんま使用。まずは緑系4号をセットする。

「そりゃーっ」っと投げた第一投。着水と同時にカウントをとってゆく。風が無いので助かる。カウント49で着底。で、久しぶりのシャクリ。ロッドを下に向け「オリャア」っと真上まで一気にシャクリあげる。かるく糸フケをとり着低を待つ。カウント12で着低。

着水から着低までカウント49。シャクッて再着低までカウント12。今後これが基本になる。

何故こんなカウントをとる作業をするかと言うと、エギを投げ込んでカウント30位でラインが止まったとしよう。こいつは怪しい!。イカが沈んでゆくエギに抱きついてステイしている可能性が大きい。またカウント49を過ぎてもラインが出続けるのも怪しい。エギに抱きついたイカが泳ぎ続けている可能性があるからだ。またシャクッてからのカウントも同じ事が言える。そんな訳でこのカウントをとる事はエギングの基本的作業なんだ。

「エギング中は常にカウントをとる!」。これ極意ね。

初魚はMA氏                     続いてMI氏

さて、開始してからどれ位たった頃だろうか、シャクッたロッドにズンと衝撃が走った。ロッドが曲がりPEラインを通じて生物感が伝わる。

「やっりー!!」

と喜んだ次の瞬間にフッと軽くなった。

「どひいいいいいいいいい!」

「バ、バレちゃったーああああ!!!!」

ショック!。

愕然と座り込む釣四郎。

喜びのあまりにリーリングの開始が遅くなったのが原因だろうか・・・?。

「くっそー!!!」

しかしながらイカが居る事は判った。モリモリやる気が沸いてくる。シャクリに気合が入ってゆく。

 

暫くたった頃、最後のシャクリを終え回収の為巻いていた。

それは突然だった。

いきなり何かにエギを引っ手繰られた。ロッドは大きく曲がり、ドラグを鳴らしてラインがドンドンドンドン出てゆく。その時釣四郎の脳裏に浮かんだ光景は、旧江戸川でレンギョをスレで掛けちゃった時のものだった。

「やっちまったのか!?」。

「もしかしたらチヌ(黒鯛)か何かを掛けちゃったのか!?!?!?」。

そうとう走られてラインの出が緩やかになったのを見計らいリーリングを開始する。

物凄く重い!。

取り込みの事もあるので仲間に声をかける。

暫くの間は回収するラインと出てゆくラインが同じ位だったけれども、しだいにこちらが優勢になって来た。

この頃から、「この直線的な引きはもしかしたら・・・。」と思い始めた。

そうして遂にそいつは水面に姿を現した。

イカじゃあ!!。しかもとてつもなくデカい!!。

まわりからも声があがる。

足元まで寄せたけれども、ここからがまた大変だった。

タモ入れに一苦労。

やっとの事でタモに収まったそいつは今までに見たことも無い大物だった。

堤防にズッシリと置かれた大アオリイカ!。

やったぜ釣四郎!。

記念写真を撮ってもらってから気が付いた。

「このイカを何に入れよう?。」

大型クーラーにはビールが山と入っている。

釣四郎はジッパー付きのビニールを持って来ていたけれども入る訳がなかった。幸い磯釣り師がスカリを持って来ていたのでそれに入れる事にした。

やっと入る大きさ。スカリの中で泳ぐなんて事は絶対無理。スカリが小さいのではなくてイカがデカ過ぎる。

うーーーん、日ごろの釣四郎のおこないをマリア観音は御見過ごしでなかったのね。大満足の釣四郎だった!!。

目測約3kのアオリに喜ぶ。マリア様ありがとう。

 

さて、1パイ捕って余裕の釣四郎。エギを「ナマズ皮使用」ってヤツに代えてみた。

暫くやっていると「トン」と言った感じのアタリ。

アワセを入れるけれども乗らない。そのままスウーッと引くとグングングと乗って来た。

ロッドを立てて「よっしゃあ!」と思った瞬間バレちゃった。

「しまったあ!」と思い急いでエギを回収。すぐさまアタリがあった近辺にほおり込んでシャクリを入れるけれどもアタリは消えてしまった。

前の大物もそうだったけれども、今回のアタリも堤防に近い場所でアタッた。

「近くに来ている。」

そう思った釣四郎はエギ回収ポイントを足元まで持ってきた。堤防の直ぐ近くは色々な物が沈んでいて、過去の経験からも根掛かりでエギをロストする確率か高い。そんな訳で、堤防から比較的遠い位置で回収を開始していたのだけれども、シャクリ1回分近くまで持って来る事にした。

ズン!

ドラグの悲鳴と共にロッドが曲がった。

やっりー!!!

と、思ったけれども根掛かり。

くーっ!、やっぱり最後のシャクリで根掛かった。

色々試したけれども遂に外れずロスト。悲しいなー!。

さらばナマズ皮。テカリ具合が良かったのに。

 

オレンジのエギにチェンジ。

「頼むぞオレンジ、イカをみんごと騙くらかしてくれ!!。」

投げてはカウントを取り、シャクッてはカウントを取る作業が続いた。

30、31、32・・・・・40、41、42、43、44・・・・・50、51・・・・。

???????

「怪しい!!、ムチャンコ怪しい!!!!」

そおーっとロッドを煽ってきいてみた。

・・・重い・・・

「居る!!!」

かるく送って一気にアワセた!。

ズン!!

乗ったあ!!。

釣四郎の硬いシーバスロッドが大きく曲がりドラグが鳴る。ラインがズルズルと出てゆく。こいつもデカそうだ!。

ゆっくり慎重に巻いてくる。

グーーーーン、グウーーーーーンと言うイカ特有の引きが楽しい。

水面に姿を現したイカ。やっぱりデカかった。

仲間にタモを入れてもらう。

「頭からだ、胴からだ」と騒ぎつつ無事陸に上がったアオリは目測1キロは軽くオーバーしていたけれども、しかしながらさっきのが大きすぎて小ぶりに見えちゃった。

どう少なめにみてもキロオーバーのアオリ

 

回りを見るとチビッコからオッサンまで皆一斉にエギを投げ始めた。

しかし、暫くすると飽きたのか一人、また一人と餌釣りに戻ってゆく。

彼等は知らない。エギングの奥義を。

釣四郎が始めてアオリを手にした時は、夕方からシャクリ初めて次の日のお昼近くにやっと乗って来たのだ。そうして悟った奥義とは、

「エギは1万回シャクれ!、それでも乗らなければもう1万回シャクれ!!」

飽きたらアカン。やめたらイカン。継続こそ力なり。

釣りを楽しむSA氏

この日のイカは底に居らず、やや浮いている感じだった。事実、アタリの殆どは巻き上げ途中、又はフォール中にあった。

そこでエギが着低した後大きくシャクって底より上のタナを集中的に攻めてみたけれどもアタリは来なかった。

どうやら斜め上に逃げてゆくエギとフリーフォール中のエギに良く反応している感じだ。知らない間にエギに歯形が付くのでアタリの取りやすいカーブフォールにしてみたのだけれども反応は無かった。

 

エギをボロボロにされたので別のオレンジに代えてみた。

堤防の手前でまたアタリが有った。ロストが怖かったけれども手前までキッチリ着低させシャクル。

ガシッ!!

ロッドが曲がったけれども生物感無し。

くうーーーっ!、やっぱし根掛りしちまったい!!。

結局ロスト。どうやらロープか何かが沈んでいるような感じだった。危険だと判ってはいたんだけれどもなー。

カヤックがのんびりと走る海

 

お昼ご飯。

仲間の一人がイカをさばいて刺身にしてくれた。用意万端、包丁からワサビまで用意してくれていたんだ。なんて素晴らしいんだ!!。

うっ、美味い!!。生きているヤツをさばいただけあって、軟らかいくせにしっかりとコリコリ感がある!。甘い!。ゲソにいたっては口の中で吸い付く吸い付く、もう最高のお昼ご飯を満喫しちゃった。

この昼食は美味かった。既に眠そうなSU氏(左)。

準備万端でイカをさばいてくれたのはSA氏(左から2番目)。

 

お昼を過ぎて潮が引きに変わった。それと同時にイカの反応も無くなって来た。

餌釣りチームは二枚潮に苦戦しながらもアラカブ(カサゴ)やメバルやイワシをあげていた。すぐ近くを走る観光船から聞こえて来るアナウンス。波の無い穏やかな海。のんびりとした雰囲気。陽気のせいかビールのせいか堤防でイビキをかく仲間。これぞ典型的なお気楽サンデーフィッシング。

結局午後は超チビッコイカ(ヒイカ?)をゲットしてこの日の釣りを終えた。

エギより小さいヒイカ(?)が釣れた。当然リリース。

MA氏にも来た。勿論リリース。

楽しい釣りだった。このポイントをチョイスしてくれたメンバーのMA氏に感謝。大イカゲットを共に喜んでくれたメンバーに感謝。堤防の付け根でやさしく見守るマリア様のお情けをバッチリ頂いて単独ナイトゲームには無い雰囲気を満喫した釣四郎でした。

 

追記

大アオリはすし屋に持ち込んで皆で食べたけれども、これが美味かった!!。デカイから大味かと思いきやとんでもない。

刺身は勿論、にぎりも美味かったし、エンペラのにぎりなんかコリコリとした感じがたまらんかったよ。ゲソブツのバター焼きは軟らかくて甘くて言う事無し!。昼間のワイルドな味とはまた違ったプロの味を堪能させていただきました。

これじゃあまた行きたくなるわね。

 

当日のヒットエギ

ヤマシタ エギ王Q光宮4号 OLF 大物ゲット 

 

ヤマシタ エギ゙王Q4号 ZOKP キロオーバーゲット アタリ多数

 

魚皮エギ4号天然ナマズ皮仕様 アタリ有り ロスト

 

帆柱興産 侍4号オレンジ アタリ有り ロスト

 

ちなみにピンク系はアキマヘンでした。

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