千々町の地磯

長崎 シーバス

2006/3/12

 

 「本当にこの道でいいのか?」。釣四郎は山のような不安を抱えて夜道を走っていた。片道2車線の立派な造りだった主要道路34号線は山道となり中央線は無くなり、既に農道との区別がなくなって、しかもウネウネクネクネと曲がりまくっている。こんな道幅では対向車とすれ違うには、お互いダットサンクラスでないと無理じゃあ無いのかと思われるくらいだ。

目的地は長崎県千々町。航空写真で長崎の釣り場を紹介しているガイドブックがあるのだけれども、それによるとマルスズキやヒラスズキが釣れると書いてあった。しかも春先は70センチ級のヒラスズキが出るとある。長崎に居る間に是非ヒラスズキを釣ってみたいと思っていた釣四郎は今回のポイントを此処に決めた。

釣四郎の住む諫早市からは遠いけれどもほぼ一本道に近い。迷うはずが無いハズだったのだけれども、しかしながら既に2回ほどウロウログルグルしてしまっている。ほんまに大丈夫なんかいな。

そうしてやっと辿り付いた千々町。看板を見つけた時はホント嬉しかったね。

海岸に出て海沿いの道を右に進みすぐの処に目的の磯がある。磯のまん前に駐車スペースが在るのでそこで車を止め朝を待った。

段々明るくなって来て判った。ベタ凪。サラシのサの字もありゃしない。しかしながら味方も有る。諫早を出た時には既に小雨が降っていたのだけれども、その雨は相変わらず今も降り続いている。そのおかげで若干だが水面がささくれ、おまけに雨雲が太陽を隠してマズメが長い。

僅かだけれどもチャンスはあるかも知れない。それに期待する事にしよう。

準備を済ませて磯に下りる。ここには海岸から沖に向かってチョイト張り出した岩が三つあるのだけれども、釣四郎はそのうちのまんなかの岩に陣取った。

キャスト開始。扇状に投げてゆく。しかし反応が無い。

ルアーをコモモにチェンジ。

ググン。

おお、来た来た来たあ!、来ちゃったぞおおおお!!!。

フッキングの直後にジャーンプ!。

シーバスだ!!。

ヒラか?。ヒラスズキなのか!?。一気にテンションがブチ上がる!。

ジャンプの時に見えた魚体は大きくなかったけれども力強く走る走る、ムチャンコ楽しいぞ!。

寄せて来ると必死に抵抗している姿が水面下にギラリギラリと光って見える。デイゲームはこれがあるからなお楽しい。

足元の根に潜り込もうとする突込みをロッドを立てて堪えてようやく浮かせ無事ゲット!。

そのお姿は!?。

ありゃりゃ、お馴染みのマルスズキちゃん。

チョット残念だけれども、しかしながらグッドコンディションのシーバス。先日八郎川で釣ったシーバスはゲッソリと痩せていたけれども、コイツは魚体に生気と活力がみなぎっている。この時期磯の方が川よりもベイトが豊富なのかな?。

リリースすると深みに向かって元気にすっ飛んで帰って行った。

おーし、次だ、次はヒラスズキを狙うぞ!!。

ところがドッコイ、釣四郎の炎の決意とは裏腹に全く同じ場所でヒットしたのもマルスズキ。しかも、「君、さっき僕に釣られなかったかい?。」と、言いたくなるくらい同じサイズ、同じコンディション。このサイズのグループが回遊しているのかも知れない。

この後ルアーをチェンジしながら一生懸命キャストを繰り返すもシーバスからは音信不通のノーバイト。

隣の岩に移動したけれども更なるヒットは遂に訪れなかった。

午前9時過ぎ。

夜明けに潮止まりだったけれども未だに潮の動きが悪い。

ストップフッシング。くっそー、次の機会には捕っちゃるぞおおお、まっちょれよヒラスズキ!。

ヒラスズキゲットの期待に胸を膨らませた釣四郎だったけれども残念。けれども久々のデイゲ−ムを満喫して大満足で帰路についた。

 

磯の裏手の崖に根を張った木。すんごいね、たくましいね。

追記

流石に帰りはチョット大回りだけれども茂木から長崎市方面へ走り高速を利用しましたぜ。

 

今回のヒットルアー

アイマ:komomo SF−125 RHカットホロ

 

マリアオフィス:チェイス BW 125 MIOH

 

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