花見シーバスT
旧江戸川スポーツランド対岸
2004年4月1日
出張から帰ると東京は桜が丁度見頃を迎えていた。釣四郎は仙台へ行っていたけれど、あっちの桜はやっと蕾が膨らんだくらいだった。日本列島狭いようで広いよ。
突然見頃の桜に遭遇すると感動するね。やっぱり日本人だねえ。それに何より稚アユがやって来ているはず!。素晴らしい!。当然シーバスも稚アユを追って来ているだろう。しかも銀ピカのヤツがね。
日中、釣四郎はルンルン気分でスポーツランド対岸へスクーターを飛ばした。途中の篠崎水門は桜がちょうど良い感じに咲いている。様子をうかがうと、思った通り水門からは稚アユが釣れていた。
嬉しいじゃあないの。こんな汚れた旧江戸川をしっかり元気に清流の女王達が昇って来るのだから。
ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ。やおら期待が膨らむ釣四郎だった。

春の篠崎水門
釣り場に着いて気が付いたのだけれども、ふと上流に目をやって眺めた篠崎水門は扉全開状態。おまけに中ノ島を挟んで東京側にある船専用水門まで開いている。過去に何度も書いたけれども、ここは全開はあまり良くないのよ。引き潮の時間帯に、水門の五つ有る扉のうち三つが開いているのが普通で、これが全開もしくは全閉は芳しくない。もちろん船用の水門は閉状態ね。経験上そんな気がしている。
と、扉が閉まりだした。ありゃりゃりゃっ!?。みんな閉まっちゃうのかなと思っていたら、ノーマル状態の三つの扉が開いた状態になった。ラッキー。
よしよし、ちゃんと解っているじゃんと心で呟きながらスタートフィッシング。
まずは船溜まり水門の脇あたりから攻めてみる。けれどもノーバイト。このあたりで、逆巻く水門の渦にモミクチャにされヨレヨレになった稚アユが流されて来るのを、シーバスが待ち構えていると思ったのだけれどもね。
ならば下流の沈みテトラへ移動しよう。
いつものように足場が下がった場所から始める。ここは非常に期待できるポイントで、沈んでいるテトラの形状がこの地点から変わるんだ。過去に何度も良い思いをさせてもらった。
だがしかし、ここもノーバイト。
ルアーを色々換えてやってみるけれどもやっぱりバイトが無い。
おっかしーなー。居るハズなんだけれどもなー。
少しずつ下流へ移動しながらキャストを繰り返す。
ゴソッ
??。
グググッ。
魚!。
ビシッとフッキングをかますと相手が走った。そうして一瞬水面直下を矢のようにかすめ下へ下へと潜る。強力に潜る。
ジジジジジーッとラインが出てゆく。巻いても巻いてもそも分出てゆく。釣四郎の硬いロッドが思いっきり曲がる。
手首が辛い。その重さと言ったら。
こっ、このパワーはレンギョではないのか?。
いやしかし、先ほど水面下を走った魚影はレンギョや鯉ではなかった。明らかにもっと細身の魚だった。
ボラ?。
ならば歳知らずのトドクラス。勘弁してくれ。
それとも巨大ニゴイか?。まさか!?。
いやいやまてまてそうじゃない。いやしかし・・・。
正体が知りたくなった釣四郎はロッドを水面近くまで寝かせる。思った通り魚が徐々に浮いてきた。そうして見えて来た魚体は。
おおお、シーバス!。
ゲゲッ、スレじゃん!!。
急いでランディング体勢に入る。ダメージは出来るだけ軽くしてやらねば!。
フックがオシリの近くに皮一枚刺さっていた。魚が十分浮いたところでロッドを高く揚げる。
水中で魚が頭を下に垂直状態になる。真下へのダッシュが始まる前にザッとタモを入れる。
無事成功。
キズも大した事なく取り込めた。
銀ピカの綺麗な魚体。稚アユを追って海から来たばっかりのヤツだ。やっぱり来ていた。
リリースして時計を見ると丁度16時だった。

67センチ(スレだけどもね)
さあ次だ次!。今度はちゃんと食って来たヤツをゲットせねば!!。
キャストを繰り返しつつ釣り下るけれどもバイトは無い。
すっかり夜になっちゃった。
陽が落ちるとまだまだ寒い。おまけに風までありやがる。
なんのこれしき。
若い釣四郎は頑張った。上流側をウロウロし、下流側をウロウロし、そんでもってまた上流側をウロウロ。
しかしノーバイト。魚は居るのに食ってこない。なんでじゃろう。そーとーセレクティブになって居るのだろう。
ヒットパターンが全然判らん。
あれこれ悩んでいるうちに遥か下流の方からドドーン、ドドーンと大音響の爆発音が聞こえて来た。東京ディズニーランドの花火だ。風向きのせいか良く聞こえる。と言う事は20時半。
ストップフィッシング。
?????ばっかりの花見シーバスだった。明日の夜はチトパターンを変えて臨んでみるぞ。
決意を胸に釣り場を去った釣四郎だった。

スレルアー:佐野ルアー(釣四郎作)