二兎を追うものは・・・

 

2000年9月15日

  さあて、いよいよ巨魚バラマンディのいるオーストラリアでシドニーオリンピックが始まった。釣四郎も華々しい開催式をテレビ中継で見ているかと思えばどっこい、三崎港白灯突堤にやって来ていた。さあ今夜はどうなりますか。

 

 こんな夜に釣り竿かついで港にやって来るような酔狂な釣り人はそういないだろうと思っていたら、意外にもいつものように釣り場は混んでいた。みなさーん、20世紀最後のオリンピックですよー。いいんですか?釣りなんかしていて。

 この日釣四郎は日没直前に港に着いたので、明るいうちに新しく作った餌木の浮力調整をした。前回作った時よりシンカーの付け根部分を5ミリほど削って、シンカー全体をその分後ろにずらしてある。沈み加減といい、姿勢といいバッチリである。さらに削る必要はなさそうである。うーん満足。

 突堤の城ヶ島に向かって右側は人でいっぱいなので、まず左側に陣取った。感じとしては右側の先端付近が良さそうなので、そこいらが空いたら移動する予定。風は南風。右斜め前方より吹いてくる。新作のお気に入り餌木を結んでエイッと投げるが、あんまり飛ばないうえ、風にラインがなびいて着低が確認しづらいのなんの。取り合えずカウントダウン40でシャクリとズル引きのミックスを行う。

 暫くして右側が空いたのでそちらに移動するが、直ぐに先端付近の釣り人が帰ったのでまたまた移動。 これで希望の場所を確保出来た。こちら側は風に乗って餌木が良く飛ぶ。やっぱり気持ちがいいね。

 キャストを繰り返していると、足元にイワシが廻って来た。ヒョイと見ると、イワシの群れの真ん中あたりで何かがひらひらユラユラ動いている。おおイカではないだろうかと思い餌木を大急ぎで回収。イカの目の前を通そうと思い、構えながらよっく見るとでっかいワタリガニであった。思わず玉網ですくっちゃった。お味噌汁にすると旨そうだ。

 アタリが無いまま夜が更けてゆく。0時を過ぎて、いつもなら混んで来る時間だけど流石に今夜は人がまばらだ。やっぱりそうだよな、オリンピックだもんね。 さきほどカニを捕獲した辺りでバシャバシャッと音がした。見ると40センチくらいの魚のライズ。本当に足元だ。シーバスだと思う。ルアーに手が行きそうになるが、そこをグッと堪えて餌木を投げ続ける。潮が物凄く速くなって来た。突堤の先端では、まるで川のように海水が波立ちながら流れてゆく。その分流が、突堤右側の沖30メートルくらいで右へ向かって走り、餌木が着底する間に大きく流され大変やりにくい。

 突堤の先端部分にカップルのルアーマンが入った。あっとゆう間にお兄さんにヒット。イナダだ。到着早々すぎて玉網も準備していない様子。オイラが玉網を持って行ってアシスト。40センチくらいだろうか。初めてイナダを見てルアーマンの血が燃え上がった。イナダは群れで行動している。お姉ちゃんがスッポンポンでベッドの上から手招きしているようなもんだ。もう辛抱たまらん。バイブレーションルアーをセットして流れに向かってキャスト。表層、中層とスピ ードを変え引いて来るがバイトが無い。またまお兄さんにヒット。これは惜しくもバラシてしまった様子。ますます燃え上がるオイラの血潮。沸騰寸前。ルアーの色を替えてみる。メタルジグも投げてみる。底も引いてみる。投げに投げ、引きに引く。が、アタリは無い。潮もだいぶ緩みカップルルアーマンも移動していった。オイラも暫く続けたが遂にイナダからのラブコールは無かった。

 このルアーマンの釣り方は、ジグヘッドにソフトルアーをセットしカウントダウン3から4くらい沈め、大きくシャクリ上げ、また沈めシャクリ上げるといった釣り方だった。皆様参考にされたし。

 お熱もさめて再びアオリイカを狙う。時折おやっと思う事があるが、たいてい海藻だったりする。その中で、ムムッ と思ったモノがあった。手前10メートルくらいの所で外れてしまったが、もしかしたら・・・。夜明けを意識しだしたころ、突堤の真ん中辺りで釣っていたお兄さんがアオリを上げた。もちろんオイラは見に行って話しを聞いてみる。釣られたアオリイカは掌よりやや小さいくらいの大きさ。話しによると、ここのところ、突堤の半分より付け根側にアオリが寄っているとの事。なんと先端に移動したオイラの判断は大失敗とゆう事か。当然オイラは付け根側へ移動。キャストを繰り返す。お兄さんが今度は大分小ぶりのアオリを釣り上げた。がぜん気合が入るが時既に遅し、夜明けである。さっきイカを釣り上げたお兄さんは帰っていった。デジカメで写真をとっていたので、もしかしたら自前のホームページをお持ちなのかもしれない。聞いてみれば良かった。ちょっと残念。

 暗いうちから西の空が時折光っていたけれど、お日様が顔を出した頃段々本格的になって来た。朝の空気を揺るがし大音響の稲妻が轟いた。沖の生け簀で休んでいたカモメが驚いて一斉に飛び立つ。遠くで雨でも降っているのだろうか、虹がアーチを描いている。さあて、おいらも帰る時間だ。本日の獲物はカニ一杯だけだけれども、ここで釣四郎はハタと思った。仮にもオイラはフィッシャーマンじゃあないか。餌木にしがみついて来たのならともかく、泳いでいるカニを捕まえて持って帰るわけにはいかない。そこで一晩ご一緒したお隣さんにカニを進呈して三崎港を後にした。バスに乗った直後どしゃ降りの雨。きっと突堤の上では大騒ぎになっている事だろう。さて、本日は具体的なポイントを知る事が出来た。来週には状況が変化しているかも知れない。となれば今夜再び出動だ。今夜ならば必ずアオリイカを手中に出来そうである。

 目が覚めた。外はどんより曇り空。インターネットで三崎港の天気を調べると、雨は降るようだが一晩中と言うわけではなさそうである。よーし行けるぞと、いそいそと準備。そこへTVのニュース速報。小田原−横浜間で豪雨の為運転を見合わせていた新幹線は運転を再開しました 。なに豪雨?。ま、一時的かつ局地的なものであろう。準備を済ませ、出動予定の午後5時を迎えた。さあ行こう。いや待てよ、念のため電話で天気予報を聞いて見る。神奈川県全域に大雨注意報 。なんだって? インターネットで見てみる。数時間前とはうって変わって雨マークがズラリと並んでいる。こりゃダメだ。出動直前に中止決定。くやしいけれどお天気にはかないませんがな。残念。でも、だんだんアオリに近づいて来た気がする。次回こそは・・・。

  追記

 アオリイカを釣り上げていたお兄さんの釣り方は、ビシッとゆう鋭いしゃくり一辺倒だった。ロッドは、もしかしたらバスロッドかもしれないと思うほど短めの物を使用し、餌木はオレン ジ。やっぱりしゃくった方が良いのかな。

 釣りの途中何度かイナダが走るのを見た。また、平たい魚がくねるように泳ぐのも見た。もしかしたらシイラではあるまいか。ウーン凄い港だ。こんなにルアータ−ゲットが居るのにルアーマンを殆ど見かけないのが不思議でしょうがない。みんなお日様の下でやっているのだろうか 。

すごいラーメン屋を見つけた。いったいどんな・・・。
案内板がマンボウになっていました。
しぶいっス。