やっぱり巻き物が好き

2000年10月22日

 

 先日実家の親父様が心臓を悪くして倒れてしまった。そこで釣四郎は急きょ九州の実家へ帰る事となったのだけれども、その時かみさんに、「せっかく九州へ帰るのだから釣り竿を持って行ってはダメかなあ?」と言ったら一言、「人でなしになりたくなかったらやめておきなさい。」と叱られてしまいました。釣四郎はこんな釣神に魂を奪われている男です。幸い親父様の命に別状はなかったので、とっとと東京へ戻って来てもう釣りに出かけてしまうありさまです。

 さて、今回は印旛沼のブラックバスだ。京成電鉄臼井駅から2、30分ほど田んぼを見ながら歩くと船戸大橋に出るけれど、その橋のたもとに、いつもお世話になっているアサヒナボートがある。

 レンタルボートは一日借りて2000円。安い!。釣四郎はもうずいぶんとここに通っているけれども、ずーっとこの値段のままなのだ。素晴らしい。拍手ものだと釣四郎は思っております。

 いつもはエレキをボートの後ろに取り付けるのだけれども、今日はちょっと寝坊しちゃって到着が遅くなってしまったものだから、エレキ後部取り付け可のボートが全て出払ってしまっていて、しょうがないので前に取り付ける事となった。

 さて、ここで賢明な読者諸君は、電車小僧の釣四郎が何故エレキを使うのか不思議に思っているかも知れない。お答えしよう。釣四郎はエレキを担いでやって来ているのである。もちろんハンドエレキでバッテリーはレンタルだ。こんなヤツは釣四郎も他に見た事はない。おかげでボート屋さんにも直ぐに名前を覚えてもらえた。

 準備も出来て釣四郎はおっとり刀で出撃。担いで来たジョンソン(エレキ)は心地よい振動を手に伝えながら快調にボートを進める。

 印旛沼のポイントは延々と続くアシとガマ、それに点在する杭廻りだ。ヒシモも良いけれども、大分枯れて来ていて水質が悪そうなので本日はパスする事とした。

 まず船戸大橋付近をジグヘッドで攻めるが全くアタリ無し。そのまま岸に沿ってスピナーベイトを撃って行くけれども、バスからのお返事は全然無い。ま、いつもの事さね。

 本日は風がやや有るので、このまま風裏となる新川を攻める事にする。新川は印幡沼本湖と船戸大橋を隔てて北西に伸びる川で大変広い。両側はアシとガマがびっしりと茂り、夏になるとその緑の壁の向こうからウシガエルのあの重低音や水鳥の声などが聞こえて来る。所々に生け簀跡と思われる杭が、特に船戸大橋付近には多数あり、ここを行くバスボートは良く解っていないとペラを引っ掛けてしまうのではないかと釣四郎はいつも思っている。実際釣四郎はある時、妙にエレキのパワーが無くなったので、おそらくバッテリーがヘロヘロになったのだろうと思っていたら何と、エレキのペラが片方無くなっていた事があった。それでもちゃんとボートは進みました。スゴイね

 

こんな感じでアシやガマがずーっと続いています。

 杭廻りを狙ってクランキングをやっているバサーがいた。ここでは大変珍しい。大抵はジグヘッドやワームでシコシコやるのが当地のスタイルなので暫く眺めていたけどアタ リは無い様子。

 釣四郎はスピナーベイトをアシ際に投げながら釣り上がって行く。途中杭が多数顔を出している所で、ワームをほおり込む。水中にも見えない杭が多数有る事を知っているので広く探っていると、コトッと小さなアタリ。一呼吸置いてちょっとオーバーなフッキング。ロッドがグインと曲がりフィッシュオン!。グングングンとバスの必死の抵抗を伝え右へ左へと走る走る。時折ドラグを鳴らし、ささやかだけれどもジャンプしてようやく上がって来たバスは35センチ。傷の無い奇麗な魚体だ。満足である。満足であるけれど、出来ればスピナベやバイブといった巻き物系で釣りたい釣四郎。再びアシ際へ目標を移す。

健康そうなバス

 延々と続くアシやガマへ向かってスピナーベイトを投げ、普通に引く。スローに引く。昨年霞ヶ浦で覚えた超スロー引きもやる。バイブレーションを投げ普通に引く。サスペンドさせてみる。ストップアンドゴーで引く。時にはミノーを投げる。普通に引き、イレギュラーに引き、止めてもみる。投げに投げ引きに引く。全然、全くのノーバイト。たまにルアーがアシに掛り、取外しの為アシ原へボートを寄せると、せっかくだからとジグヘッドやワームを落としてみるけれど、直ぐに飽きちゃう。やっぱりブンブン投げて引きたい釣四郎だ。

 印旛沼のアシは白い穂を出し、ガマの葉は先っぽが枯れ始めており、すっかり秋の景色となっていた。エレキを最高速度にすると風を受けてかなり寒い。昨日の天気予報では午後から晴れる予定だったけれど空は今にも泣き出しそうである。

 さっき釣ったバスは本当にシブイアタリであった。今日のバスはあんまり食い気がないようだ。やはりワームのほうが良さそうなのだけれども、ついついハードルアーに手が伸びてしまう。

 こんな調子で午後もロッドを振り回したのだが、結局午前中に釣った1ピキに終わってしまった。そろそろ帰る時間である。次はいつ来れるだろう。その時はもっと沢山の元気なバスが水面を割って出来てほしいものである。もちろんハードルアーで。

 追記

 印旛沼の横に水路がある。そこでは水生植物を使って水を浄化する試みが始まっていた。大変素晴らしい事だ。なにせ水質の悪さでは全国第2位だったと記憶している。是非成果をあげてもらいたいと期待する釣四郎であります。看板のうたい文句は、「印旛沼を泳げる沼に」だったかな。あんまりクリアレイクになるとキャストのヘタクソな釣四郎は苦戦しそうであります。