対象OS
Windows XP Home Edition
Windows XP Professional
(Windows 2000 や他の Windows でも可能と思いますが試していません)
はじめに
LAN を使ってフォルダの共有や VNC にて LAN 先の PC を操作するように、インターネットでつながっている外部の PC にも同じことができればと考えている人は多いと思う。
でも、そのためには使用ポートを調べて、ファイヤウォールにてポートを開いたり、アドレス変換を適宜設定したりと、LAN での設定に比べてはるかに大変。それだけではなく、セキュリティの面でも大変な問題になる。インターネット上に流れるデータは基本的に誰でも覗き見ることができる。それにポートを空けることは、外部からの侵入の危険が付きまとう。
そこで出てきたのがバーチャル・プライベート・ネットワーク (Virtual Private Network = VPN) という技術。これは、インターネットを介して接続する PC 同士の通信を暗号化し、第三者に覗き見されてもデータの解読をさせないようにする。
VPN を行うソフトはいくつかあるけれど、その中でもここでは SoftEther (ソフトイーサ) を取り上げる。SoftEther を使う理由は下記の通り。
- VPN を行うネットワークを、仮想の LAN カードを使って行うため、ネットワークを設定するのと同じ感覚で VPN が使える。
- SoftEther 用のポートさえ正しく設定すれば、その中を流れる通信のポート開閉やアドレス変換などを一切考える必要がない。
- デフォルト使用ポートがウェブアクセスに使用する 8888 なので、たいていの場合簡単に外部との接続が確立できる。
- 仮想 LAN カードの概念のおかげで、ブリッジ接続など OS がネットワークに提供している機能をそのまま使うことができる。
ただ、あまりにも簡単に VPN が構築できるので、使用には個人の責任を十分考えて行う必要がある。これが何をいっているのかわからない人には、SoftEther の使用は一切お勧めしない。SoftEther 使用に関する警告は、SoftEther サイトのトップページにもあるので、必ず目を通しておこう。
SoftEther には v1.0 と v2.0 があるが、ここでは新しい v2.0 (SoftEther VPN 2.0 Beta 3) を使用する。
ネットワーク構成

設定に当たっては、上のネットワーク接続を前提にする。(きっと、基本的なネットワーク設定だと思う)
上の章で書いたように、SoftEther では仮想の LAN カードを使って VPN を構築する。なので、仮想 LAN カードは SoftEther を使いたい PC それぞれにインストールする。仮想 LAN カード同士は SoftEther VPN サーバに接続する。(SoftEther 1.0 ではこれを「仮想 HUB」と呼んでいた。)
上記より、ここでは下記のように設定する。
- PC A, PC B 共に仮想 LAN カードをインストールする。
- PC A にて SoftEther VPN サーバを稼動させる。
ソフトのダウンロード
SoftEther VPN 2.0 は下記の URL からダウンロードする。
SoftEther VPN Server と SoftEther VPN Client 両方をダウンロードする。
VPN サーバのインストールと設定
※これは PC A に対して行う。
インストール
下記のように、PC A に先ほどダウンロードした SoftEther VPN Server 2.0 をインストールする。

- SoftEther VPN Server 2.0 (vpnserver-XXXX.zip) を解凍する。
- 中の setup.exe をダブルクリックする。
- すると、左の画面になるので、[すべて] を選択して [次へ] をクリックする。
- 後は特に選択に悩むところはないので、[次へ] をクリックしていってインストールを完了させる。
設定

- 先ほどインストールした"SoftEther VPN 2.0 サーバ・マネージャ"を起動する。
- すると左の画面が表示されるので、[新しい接続設定] をクリックする。

ここで設定必要なのは下記の項目。(その他は環境とお好みに合わせて適宜変えてね。ほとんどの場合はデフォルトのままでよいと思う)
| 項目名 | 設定内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 接続設定名 | SEホスト | この設定の名前 |
| このコンピュータ (localhost) に接続 | チェックを入れる |
設定が終わったら、[OK] を押す。
管理用パスワードの設定 2005.7.18追記

- 先ほど作成した接続設定をダブルクリック (または選択して [接続] をクリック) する。

- [管理者パスワードの変更] をクリックする。

- パスワードを設定する。
- 設定したら [OK] をクリックして前の画面に戻る。
接続ユーザーの作成
- 引き続き、接続ユーザーを作成する。
- すると、左のウィンドウが表示されるので、作成した接続にて使用する 仮想 HUB をダブルクリック (または選択して [仮想 HUB の管理] をクリック) する。

- すると左のウィンドウが表示される。そこで [ユーザーの管理] をクリックする。

- そこで表示される画面にて、左のように [新規作成] をクリックする。

すると上記の画面が表示されるので、下記のように設定する。
- ログインユーザー名を入力する。
- [パスワード認証] を選択する。
- [パスワード] 及び [パスワードの確認入力] にパスワードを入力する。
完了したら [OK] をクリックしていき、SoftEther VPN 2.0 サーバマネージャを終了させる。
VPN クライアントのインストールと設定
※これは PC A と PC B の両方に対して行う。
インストール
下記のように、先ほどダウンロードした SoftEther VPN Client 2.0 を PC A と PC Bの両方にインストールする。

- SoftEther VPN Client 2.0 (vpnclient-XXXX.zip)を解凍する。
- 中の setup.exe をダブルクリックする。
- すると、左の画面が表示されるので、[すべて] を選択して [次へ] をクリックする。
- 後は流れに沿ってインストールを完了させる。
設定

- 先ほどインストールした"SoftEther VPN 2.0 接続マネージャ"を起動する。
- ツールバーから [音声ガイド] - [音声ガイド OFF] を選択して、音声ガイドを OFF にしておく。(間違っても [楽しい音声ガイド] を選んじゃだめ!!)

- [ツール] - [オプション設定] にて インターネット接続の維持機能 の欄より [インターネット接続の維持機能を使用する] のチェックを OFF にする。

- 次に、左の図のように [新しい接続設定の作成] をダブルクリックする。

- すると、初めて設定する場合、左のようにメッセージが表示されるので、[Yes] をクリックする。
- 次に、仮想 LAN カードの名称を聞いてくるので入力する。ここでは SE1 とした。

- すると、左のように警告画面が表示させるが、気にせず [続ける] をクリックする。(画面は英語版 Windows XP でのものなので表示が英語になってます。ボタンの位置を確認してクリックしてね)

ここの設定内容は PC A と PC B では若干違うので注意すること。設定内容は下記の通り。
| No. | PC A | PC B | 備考 |
|---|---|---|---|
| 8 | 接続テスト | 左に同じ | 何でもよい |
| 9 | localhost | A.A.A.A | PC B には PC A のグローバル IP アドレスが入る |
| 10 | user 名とパスワード | 左に同じ | あらかじめ作成した接続に使用するユーザー名とパスワード |
- すべて設定が終わったら [高度な通信設定] をクリック。
- すると下の画面が現れるので、画面の通りに設定する。(この設定は PC A と PC B で共通。

設定が終わったら、[OK] にて画面を閉じる。
仮想 LAN カードの設定
※これは PC A と PC B の両方に対して行う。

- [マイ ネットワーク] アイコンを右クリックして [プロパティ] を選択。

- SoftEther クライアントを設定した際に作成した仮想 LAN カードを右クリックし、[プロパティ] を選択。

- [インターネット プロトコル (TCP/IP)] を選択して、[プロパティ] をクリック。

- [次の IP アドレスを使う] にチェックを入れる。
- PC A、PC B それぞれに SoftEther ネットワーク環境内で使用する IP アドレスを入力する。
今回の例の場合は、PC A が 192.168.100.10、PC B が 192.168.100.20 となる。
ルーターの設定
ルーターの機種によって設定方法は異なるので、しなければいけないことのみを書く。
今回の接続の場合、PC B からの SoftEther 接続要求が正しく PC A に届けられなければならない。接続には TCP 8888 を使用するので、ルーターにて TCP 8888 の外部からのアクセスは PC A (192.168.1.10) に送られるようにポート・フォワーディングを設定しておこう。
使い方

設定が正しくできたら、後は SoftEther VPN 2.0 接続マネージャ を開いて、作成した接続 (ここでは「接続テスト」)をダブルクリックすれば OK。PC A, PC B 共に接続しなければならないことに注意すること。
両方の PC がちゃんと接続できたら、これで 2 つの PC はあたかも LAN にいるように使える。例えば PC 内のフォルダを共有可能にしておけば、ちゃんと [マイ ネットワーク] からそのフォルダが見えるようになる。
参考までに…
SoftEther がいくら簡単といっても、ネットワークや VPN についての基本的な知識がないと使うのは難しいと思う。SoftEther を初歩から学びたい人や、さらに進んだ使い方を知りたい人は、下記の本をどうぞ。