荒野の果てに
山下雄三 １９７２年発売 ￥５００ （徳間音工：現徳間ジャパン）
説明不要の名曲。ボーカルは聞いたことなくても、この曲自体は「必殺」のあらゆるところで使われているのでそのメロディに聞き覚えがあるはず。もちろん作曲：平尾昌晃＆編曲：竜崎孝路のコンビです。番組初期ではエンディング曲として使われていなかったり、中期以降では本編中でも使われたことがあるような（２３話とか）。ジャケットを見ただけで、山下雄三の熱いボーカルと梅安先生（もちろん緒形拳の）の勇姿が甦って来ます。長らく絶版になっていて中古市場では高値を呼んでいましたが、１９８４年にアポロン音楽工業から他作品の主題歌・BGMと合わせて編成され発売されたカセットテープ「必殺！」に収録。その後キングより１９９６年に発売された「必殺オリジナルサウンドトラック全集」（ＣＤ）の「①必殺仕掛人」に収録、その後も、話題になった時代劇主題歌集「ちょんまげ天国」等に収録され、普通に入手できるようになりました。
やがて愛の日が
三井由美子 １９７３年発売 ￥５００ （ビクター）
「荒野の果てに」とは一変、マイナー調の演歌風メロディです。芥川隆行のＥＤナレーションに続き、赤い夕日をバックにイントロが流れるエンディングは何ともいえない雰囲気があります。「仕置人」主題歌としての使用の他に、スペシャル「恐怖の大仕事」他のスペシャルや、映画「必殺Ⅲ裏か表か」の主題歌としても使われていました。ジャケットの渋さから人気を呼び一時期は入手難でしたが、「必殺オリジナルサウンドトラック全集」への収録により、割と簡単に聞くことができるようになりました。ジャケット写真は上段左から中村主水（藤田まこと）、念仏の鉄（山崎努）、中段真ん中が棺桶の錠（沖雅也）、下段左から天神の小六（高松英郎）、鉄砲玉のおきん（野川由美子）、おひろめの半次（秋野太作）。「暗闇仕留人」第１話で、主水が、おきん・半次と再会するシーンにこの曲が流れた時には思わず胸が熱くなりました。
望郷の旅
森本太郎とスーパースター １９７３年発売 ￥５００ （日本コロムビア）
元ザ・タイガースの森本太郎が当時結成していたバンドによります。「荒野の果てに」に負けず劣らず熱い曲ですが、仕置人終盤に起きた「必殺殺人事件」に絡み、歌詞の「汗と涙と血がまた騒ぐ」の部分が、テレビでは「熱い明日の風が呼んでる」に変更されたのは有名な話です（最終回のみレコードと同じオリジナル歌詞バージョンが流れました！）。１９８５年頃、地元のデパートで開かれた古レコード市で偶然発見！！ＣＤ化されるまでは、これも入手が難しい曲でした。イントロ部分が編集されて殺しのテーマのイントロとしても使われたことは有名です。作品自体がマイナーなため、一般レベルでの認知度が低いのが残念な名曲です。
旅愁
西崎みどり １９７４年発売 ￥５００ （徳間音工：現徳間ジャパン）
必殺の主題歌としては、当事大ヒットを記録。後に後期シリーズで必殺レギュラーとなる西崎みどりは、当時まだ１４歳でした。「旅愁」のヒットを受けて、後の必殺仕業人の「さざなみ」、新・必殺仕舞人の「流星」、必殺橋掛人の「もどり道」（挿入歌）も歌っています。作品的にも、仕置人の「動」に対して仕留人は「静」といった趣で、幕末動乱に乗じて人知れず悪を働く者どもを闇に葬る、といった雰囲気が良かったです。主題歌アレンジのバラード調の殺しのテーマも、影の主役・糸井貢（石坂浩二）の雰囲気に非常に合っていました。
瞬間（ひととき）の愛
中村雅俊 １９８３年発売 ￥７００ （日本コロムビア）
後期１クール（１３話）シリーズの中でも人気が高い中村雅俊主演の「必殺渡し人」の主題歌。これに関しては権利関係の問題か「必殺オリジナルサウンドトラック全集」には収録されませんでした（中村雅俊のベスト選集とかシングルコレクションには収録されているんでしょうか？）。作曲は平尾昌晃ですが、この曲を中村啓二郎がアレンジした殺しのテーマが絶品だったのですが、なぜか途中で「荒野の果てに」に変えられてしまいました！！色々問題があったらしいのですが、当事ファンからはこの変更は不評だったようです。
誓いの夜明け
山下雄三 ￥５００ （徳間音工：現徳間ジャパン）
必殺とは関係ないのですが、同じ作曲：平尾昌晃＆編曲：竜崎孝路のコンビによる曲です。が、Ｂ面の曲「白夜」がアレンジされて、仕掛人のＢＧＭに使われているんです（ＢＧＭナンバー失念）。良くあることとはいえ、最初は驚きました。「仕事屋家業」のように、Ａ面主題歌、Ｂ面殺しのテーマという例もありましたが．．．．．。比較的入手しやすいと思われますので、安く手に入るようであれば聴いてみてください。