模型趣味に必須な事項はやはり”塗装”。自分はあまり得意でなかったりしますが...ここでは現行の模型用塗料と、「懐かしの塗料」を紹介します。
現在、模型用塗料として流通しているのは主として3種類の系列。同じ種類の商品でも性質が微妙に異なるので、使用の際は注意が必要です。各説明は、あくまでも「自分で使ってみた感想」(使ってないものもあり・・・・苦笑)なので、人によっては異論もあると思いますし、こちらの使い方が間違っているということもあるかもしれないので「あくまで参考までに」ということでお願いします。
通常“ラッカー系”と呼ばれるが、実際のラッカー系塗料とは別物で、正確には“油性アクリル樹脂塗料”である(油性ペンキ等、いわゆる実際のラッカー塗料は、プラスチックを溶かす程の強い溶剤が使われている)。乾燥が早く塗膜も頑丈、湿度の高い日本の気候と合っているせいか昔から使われている種類である。乾燥が早い為に筆塗りの際は薄めて何層にも塗らないと筆ムラが出やすいが、重ね塗りは一層目がちゃんと乾燥してからでないと筆ムラが出る。また乾燥後も溶剤で溶けるので、下地を出さないように筆塗りするのは難しい。均一に塗る為にはエアブラシでの使用が最も適している。溶剤臭が強く使用されている有機溶剤も有害な為、使用の際には換気が必須。また、エアブラシ使用の際にはツール洗浄の為に多量の溶剤が必要となるのが難点。異なるメーカー製でも混色が可能な場合が多いが、中には不可能なものもあり、混ぜると凝固して使えなくなる場合もあるので、この辺は少量で試してみるなど経験を積むことが必要。
日本では古くからあり、60年代のマルサンカラー、70年代のレベルカラーやモノグラムカラー(バンダイ扱い)、Mr.カラーの他、近年になって新興メーカーから販売されている塗料もこのラッカー系が多い。基本的に溶剤の揮発だけで乾燥するため、乾燥後も溶剤で塗膜を除去することが可能。揮発により塗料が瓶の中で固まっても、溶剤で溶かしての再使用が可能である(顔料や成分により不可能なものもあるが)。長期保存でも変質しにくく、30年前のレベルカラー特定色をいまだにストックし使用し続けるオールドモデラーもいる(らしい)。有機溶剤の有害性から近年では世界的に水性塗料が主流になりつつあるが、日本ではまだまだラッカー系が主流である。
ラッカー系塗料 | |
Mr.カラー 株式会社GSIクレオス(旧:グンゼ産業)が発売する、業界で最もポピュラーかつ、入手が容易な塗料。定価は通常色126円(税込み)、特色157円(税込み)、他にホワイト・シルバー・クリヤー等は40mlの徳用もある。日本のラッカー系塗料の代表で、現在のものが発売されたのは1981年だが、社名変更等も含めて2度ほどデザインが変わっている。一番最初のものが左、その次が中央、左は現在のものと同じだが、社名変更により左上のメーカーロゴが“MR HOBBY”と変わっている。他に、グンゼ産業時代は蓋に“GUNZE SANGYO”のモールドがあったが、社名変更後は消えている。発色・性能等、発売当時のものと較べると現在のものは大幅に改良され、昔の塗料の常識だった「塗料成分が底に沈殿」があまりなくなり、攪拌しやすい性質になっている(粒子も昔と較べ細かくなっているようだ)。現在の塗料の中で最も色数(150色以上)が多いが、一部特色は生産中止になっている。 GSIクレオス内でも、ホビー関連は“MR.HOBBY”のブランドで展開されており、様々な模型関連マテリアルが販売されている。 メーカー公式サイトはこちら→http://www.mr-hobby.com/ |
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ガイアカラー 2004年4月創立の新興メーカー・ガイアノーツの販売するラッカー系塗料で、15ml入179円(税込)。2005年秋から販売開始され、当初は基本色10色からスタートしたが徐々に色数が増えつつある。同社のメイン商品は、各社カラーと互換性のある溶剤“G−color”シリーズ(ラッカー、水性アクリル、エナメル計と揃っており、それぞれのメインメーカー品よりも割安)だが、塗料のガイアカラーも、発色が良くて隠蔽力が強いことから、徐々に愛用者を増やしつつある。量販店や専門店ではほぼ扱っているので入手も容易である。クレオスの独占状態にある一般向けラッカー系塗料市場に突如参入する形になったが、塗料自体は競合せず共存する形となる為、今後の動向が注目される。Mr.カラーとの混色は可能。 メーカー公式サイトはこちら→http://www.gaianotes.com/ |
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NO PHOTO | フィニッシャーズカラー カーモデルショップの“ホビーショップGT(Auto Modeli G.T) ”が販売するカーモデル用塗料。粒子が細かく、各車用に微妙な色合いを再現していて、マニアには愛用者も多い。乾燥がやや早めなのでエアブラシ向きかも。容量は20mlで、通常色367円(税込)、限定色や特殊色は473円〜525円とやや高めの値段設定。同社は他にもフィニッシャーズブランドで、様々なツールや塗装用品を発売している。Mr.カラーとの混色は可能。 メーカー公式サイトはこちら→http://vfkfcgt.hp.infoseek.co.jp/index.html |
NO PHOTO | モデラーズカラー モデラーズが販売する主としてカーモデル向けの塗料。40mlで定価294円(税込)。乾燥が遅く、筆塗りの際にムラが出にくい・・・というメーカーの宣伝文句だが、実は使ったことがない(笑)。実際にカーモデルを筆塗りする人はあまりいないと思うので、この辺はどうなのか?色々な人のレビューを見ると、隠ぺい力と発色は良いけれど、乾燥の遅さと塗膜の弱さがネックとなっているようである。問題は、取扱店が少ないことと、メーカーの事情により欠品になると再生産に時間がかかったりすることなど。顔料・溶剤等の成分が異なるらしく、Mr.カラーとの混色は不可である。 |
他にも近年では色々なものが出ている。艦船用にピットロードが発売している「ピットロードカラー」などがあるが、専用色で価格が高いのでここでは除外。近年の一時期、SDEというメーカーが出した「ソリッドカラー」というものもあったが、生産中止になったようだ。また、鉄道模型用のものも色々あるようだが、その道はあまり詳しくないので... |
油性エナメルを使用した塗料で、タミヤ、ハンブロールが有名(「エナメル」というのも色々な意味があり、塗料名称としては正しくないらしいのだが・・・)。溶剤の揮発に加えて化学変化で固化する為、乾燥には時間がかかるが、その際の表面張力で筆ムラが出にくいという利点がある。化学変化で固化する為、完全乾燥した後は溶剤では落とせない(が、タミヤカラーは落とせる場合が多い)。ラッカー系塗料の塗面を侵さない為、基本塗装をラッカーで行った後の、細部塗装・マーキング、ウェザリング、墨入れ等に適しているが、溶剤はスチロール樹脂を侵して劣化させる為、プラモデルでの墨入れの際は、薄めた塗料が細部に染み込まないよう注意が必要。乾燥が遅い為、エアブラシには向かないといわれているがそうでもなく、エアモデルのスモーク入れやグラデーション塗装にはエナメル系を使う人も多い。同じエナメル系でも、タミヤとハンブロールでは特性が大幅に異なり、タミヤでも、旧パクトラ製と現行品では微妙に異なる為、使用の際は注意が必要。
エナメル系塗料 | |
タミヤカラー(エナメル) 日本の代表的エナメル塗料で10mlで126円(税込)。タミヤはかつて米国パクトラ社との提携でパクトラタミヤというエナメル塗料を販売していた為、いまだにこの塗料を「パクトラタミヤ」と呼ぶ人がいる。1984年、パクトラ社との提携解消により、新たに国産エナメル塗料として発売され、容量がパクトラ時代の7mlから10mlへと増量され、「固まると空けにくい」と不評だった金属製のフタがプラスチック製へと変更された。カラーナンバーはパクトラ時代と同じだが、色あいがかなり変わったものもあり、発売当初、店頭在庫のパクトラタミヤと併売されていた時は結構混乱があったようだ。乾燥時間は若干早くなったが、正直、発色はパクトラより劣った感がある。特に金属色はかつての金属感が無くなった為に、未だにパクトラ時代を懐かしむ声もある。 |
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ハンブロールカラー 昔から愛用者の多い、英国製のエナメル塗料。14ml入りで、国内価格は231円(税込)。以前(20数年前)は朝日通商が輸入販売を行っていて、少し大きめの模型店では容易に入手出来たが、その後インポーターが扱いを中止したのか、しばらく国内市場から消えていた(25年位前の資料を見ると「グリーンマックス・不二商」扱いになっているものも・・・何度か業者が変わったのだろうか?)。 発色に優れる反面、日本の気候と相性が悪いようで、乾燥時間が極度に遅く、色によっては数日から数週間(場合によってはいつまでも・・・)かかるものもあったが、最近日本市場に再登場した際に、この辺の問題点が大分改良された(現在の取り扱いは、海外のAFV系パーツ等を輸入している潟rーバーコーポレーション)。ただし、グロス(艶あり)カラーや金属色は未だに時間がかかる。また、溶剤が125mlで630円と高いのが難点。独特の光沢やつや消し感が出る為、、筆塗り愛好者に愛用者が多い。現在では取扱店が少なく、一部のマニアックな模型店で探すしかない(大手では、絶版模型扱いのチェーン店として有名なレオナルドで扱っている)。 |
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缶ラベルは共通で、蓋に色が表示されているので購入時は注意が必要。缶の横に基本的な使用法が図入りで説明されているが、実際の使用にはこの塗料ならではの様々な注意点があり、缶に直接溶剤を入れての希釈は厳禁、完全密閉保存要等、独特の決まり事がある。また、同じエナメル系でもタミヤの溶剤は使用できない(使えないことは無いが大幅に性能が劣化する)。 |
正式には水溶性アクリル樹脂塗料。登場は30年ほど前? 入門用として古くからあったレペなどが有名だったが、性能が低く、本格的に普及したのは80年代にタミヤアクリルカラーと、グンゼ水性ホビーカラーが発売されてからである(模型用ではないが、タミヤがRCカーボディ用に70年代から販売しているポリカーボネイト塗料も水性塗料である)。水性ではあるが、実際にはアルコール系溶剤が使われており、溶剤に水を使うと性能が低下する。水性ゆえ乾燥時間は遅いが(数日かかることも・・・)、完全乾燥すると化学変化により水には溶けなくなる。よって筆塗りの際の重ね塗りなどには重宝する。しかし、乾くと耐水性になるといっても完全ではなく、塗膜はラッカー、エナメルに較べて弱く、湿度の多い季節には吸湿で塗装表面が劣化することもある。登場当時と較べると現在では性能が大幅に改良され、現在も日々改良されているようである。発色はおおむね良好だが、金属色では粒子の粗さもあり金属感が出難い(ラメ入り塗装のようになってしまう)という欠点もある。また、タミヤとクレオスでは性質が異なるので、用途・好みに合わせて選ぶと良いだろう。
水性塗料 | |
水性ホビーカラー 株式会社GSIクレオスが発売する水性塗料で、定価は126円(税込み)。1982年の発売で、容量・価格は油性のMr.カラーと同じとなった(発売当時100円)。性能は旧ホッペより大幅に改善され、発色・塗りやすさ等かなり使いやすくなったようだが、乾燥の遅さ(特につや有り)は相変わらずだった。専用溶剤がつい最近まで発売されず、「水で希釈が可能」と説明にはあったが、水で薄めると性能が大幅に低下するため、この塗料を愛用するモデラーは皆、タミヤアクリルカラー用の溶剤を使用していた。この塗料が発売された同時期に、タカラも対抗して同様の「タカラ水性カラー」を発売していた。この当時、模型メーカー側も有機溶剤の有害性を問題と感じたせいか、ガンダムを始めとするキャラクターモデルの塗装指定では水性塗料の使用を推奨するようになっていた。溶剤臭が無く、筆塗りにちょうど良い濃度に調整されており、乾燥前なら筆や用具が水で洗浄出来る為、初心者の入門用には良いと思われる。現在のものは、当初のものと比べると性能が大幅に改善されているようだ。 |
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タミヤアクリルカラー 1981年に発売された水性アクリル塗料。初期のものは泡立ち易いという欠点があったようだが徐々に改良されたようだ。発色が素晴らしく色数も豊富だが、プラへの食いつきが今ひとつで、また湿気に弱く塗膜も余り丈夫ではないという欠点がある。また塗料の粒子が粗く溶剤成分と分離しやい性質があり、筆塗りにはあまり向いていないようだ。隠ぺい力も今一つのようなので、明色での下地塗りは必須である。使用の際はエアブラシ推奨。エアブラシ使用の場合だと乾燥時間は結構早いが、筆塗りの場合はやはり時間がかかるので、完全乾燥前にうっかり触ったりしないよう注意が必要。初期は23mlで150円(後に180円に値上げ)だったが、数年前に小瓶(写真左)の10mlタイプが登場(126円・税込)。入れ替わるように大瓶は店頭から消えたが、タミヤのWebカタログ上ではまだ健在である(が、既に生産はされていないようである)。 |
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ここからは「懐かしの塗料」を紹介します。創生期の1960年代にも当然プラモデル用塗料はありましたが、種類も色数も少なく本格的な塗装を行うのは大変だったようです。聞いた事しかない「プラカラー」や、写真でしか見たことのない「マルサンカラー」とか色々あったようですが、当時のプラモデルの中には専用の塗料を3色程度小量同梱したものも多数ありました。1969年にレベルカラー、1971年にパクトラタミヤが発売されるまでは色々大変だったようです。そんな中から、70年代以降の製品で、手元に現存するものを紹介します。
懐かしの塗料いろいろ | |
ラッカー系塗料 | |
(旧)Mr.カラー これが初代Mr.カラー。購入したのは確か1978年頃。多くの現存品がそうであるように、まだ使用可能(現在のものと比べると、若干クリヤー分が多いように思う)。製造元は、現在と同じ藤倉化成株式会社となっている。 郡是産業(旧グンゼ産業、現:GSIクレオス)は、かつては米レベル社の日本国内代理店で、1969年よりレベルブランドのラッカー塗料“レベルカラー”を国内販売していた(実際は国産で、商標使用のみのライセンス生産だったと聞いた・・・が詳細不明。レベルカラー時代にはラベルに「正規代理店:郡是産業」の表記がある)。だが1970年代半ばに提携が解消されたために“レベル”の商標が使えなくなり、デザインはほぼ同じままで、新たに“Mr.カラー”として販売を開始した経緯があった。残念ながら筆者はレベルカラーの現物は既に持っていないが、ラベルのデザイン上の違いは、カラー番号右の“GUNZE SANGYO”のメーカーロゴが“Revell”になっている程度。発売当初からラベルは何度かのマイナーチェンジがあったようだが、基本デザインは同じだった模様。なお、あまり売れない模型店では古い在庫が残っていたりして、デザインも同じことからレベルカラーとMr.カラーが混在して売られていた記憶がある。 |
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レベルカラー(タカラ版) グンゼとの提携解消後、1970年代後半頃にレベル社は新たにタカラと提携。レベルカラーはラベルを変えて、新たタカラから発売となった。色ナンバーはMr.カラーと同じであり、1981年にMr.カラーの容量が10mlになった後も18mlのまま同じ値段で販売されていて、Mr.カラーとの混色も可能だったため、モデラーには重宝されていたようだ(しかし同じ色でも色合いや使用感(溶剤臭も)が微妙に異なり、塗料としての品質は新Mr.カラーよりは若干落ちる感じ、との評価が多かった。が、製造元はMr.カラーと同じ藤倉化成だという話を聞いたこともあり、どうなんでしょう?)。1984年頃、タカラはキャラクタープラモデルの不振により模型業界から撤退し、それと共に消滅した。 |
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他に70年代に一般流通していたものだと、モノグラムとの提携時にバンダイが発売していたモノグラムカラー等があった。こちらは缶入りで、70年代後期のバンダイ製品はモノグラムカラーを指定色にしていたものも多かったようである。80〜81年頃までは販売されていたようだが、提携解消と共に店頭から消えた。なお、この時期の標準だった18ml瓶は、最近になって新ガンダムカラーで復活している。あと、レベルカラーは蓋にもバリエーションがあり、蓋の上部が凹んでいて塗料皿として使えるタイプもあった(このバージョンはタカラ版でも見た記憶がある)。 | |
キャラクター用塗料 | |
ガンダムカラー(初代) グンゼ産業とバンダイの共同商品で、「機動戦士ガンダム」シリーズに合わせて発売され、業界初のキャラクター専用指定色塗料として1981年頃に発売。それぞれのMS・メカに合わせた基本色を7ml×3色セットとし、24種類発売された。価格は250円で、容量は少なかったが、塗料品質に関しては評判が良かったようだ。ガンダムブーム時の1982年頃まで発売されていて、当時のガンダムキットはこのカラーを推奨していたが、劇場3部作公開終了とブーム沈静化に伴い“ガンプラ”もピークは過ぎ、それと共に生産中止となった。当時、ガンプラブームは色々な社会問題を引き起こしていたが、低年齢層が有機溶剤を扱うことへの懸念か、83年頃から業界的に水性塗料使用推奨の気運が高まっていて、このカラーが販売中止後のガンプラの塗装指定には、安全な水性塗料の使用が推奨されていた(それから約20年後に新たに復活するとは当時は考えもしなかったが・・・こちらの旧版も、限定パックとして特定5セットで一時復活した)。 |
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7mlビンが3本入っており、ラベルシールは別紙で添付されていて、購入者自身が自分で貼付するようになっていた。パッケージ裏には塗装指示図が写真で印刷されていた。当初は先のラインナップが読めなかったせいか「ムサイ艦用」なんてのもあった(笑)。使用されている瓶は、当時グンゼが販売していた入門用の多色セット用と同じもののようだ。 | |
他に、同時期に、タカラは自社で模型化していた「太陽の牙ダグラム」用の「ダグラムカラー」(単品で7色)を発売し、グンゼもその後、今井・アリイが出していた「超時空要塞マクロス」キット用のマクロスカラー、グンゼ自身がキット化していた「特捜機兵ドルバック」用のドルバックカラーを出していた(こちらはガンダムカラーと同じ3色セット)。ガンダムカラー・ダグラムカラーはラッカー系、マクロスカラー・ドルバックカラーは水性である。こういったキャラクターモデル専用色は、アニメブームの沈静化、キャラクタープラモデルの斜陽化により消えていったが、近年“平成版”ガンダムカラーや、バンダイ系旧作リニューアル模型化等で復活の兆しがある。 | |
エナメル系塗料 | |
パクトラタミヤ 1971年11月発売。米国パクトラ社との提携により、米国製パクトラカラーを、田宮が共同ブランドで販売していたエナメル塗料。当初は特定モデル用のセットで販売されていて、パクトラマークの涙滴が刻印された複雑なモールドの瓶で、ラベルの代わりに瓶の周りが四角い紙枠で覆われたものだった。その後、通常のシンプルな瓶となりラベルも紙枠からシールに変わったが、旧タイプのモールド入り瓶も混在しており、またXF−51カーキドラブ等の一部色はなぜか紙枠ラベル(しかも初期の紙枠とは違うデザイン)のまま販売されていた。これは何かの理由があったのか、それとも売れない色が長期在庫となっていたためなのかは不明。溶剤臭が後のタミヤカラーと違い「スッとするいい匂い」で、塗装作業があまり苦にならなかったのを記憶している。1984年に田宮とパクトラの提携が解消された為、タミヤは国産に切り替え、独自の「タミヤエナメルカラー」の販売を開始する。パクトラ社はその後テスター社に吸収され、現在ではテスターブランドの水性塗料を生産しているが、RC用のポリカーボネイト用カラーなどは日本にも輸入されているようだ。 |
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通常瓶との旧タイプ瓶の比較(写真左)。過渡期に存在したは「涙滴モールドビン+通常のラベル」のもので、おそらくアメリカからの出荷時にこの辺が統一されていなかったものと思われる。写真のものは1980年頃の購入なので、かなり後までこのタイプのビンは存在していたようだ。オールドモデラーならいまだに持っている人も多いと思われるが、今となっては結構貴重品らしい。 写真右は現行のタミヤカラーとの比較。容量が増えた分だけ背が高くなっている。なお、タミヤカラーの瓶がガラス製なのに対し、パクトラタミヤの瓶はプラスチック製である。 |
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レペ&ホッペ 古いムックからの抜き焼きの為、白黒写真(泣)。初期の水性ホビーカラーで、発売は1970年代中盤頃と思われる。容量が少なかったが、価格は70円と油性塗料のレベルカラー(当時100円)より安かった。レペとはRevell Paintの略で、タカラからの発売、ホッペ(Hobby Paintの略)はグンゼからの発売だった(当初レペはグンゼの販売だったが、レベルカラーと同じく提携解消の煽りを受けてホッペに移行したようだ。中身はほぼ同じものと思われる)。塗料としての性能は良くなく、当時の評判を見ても「泡立ちやすい」「プラへの食いつきが悪い」と散々だったようだ(筆者は結局使ったことないです)。1982年頃には新水性塗料への移行のため消滅した。 |
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