秋田書店サンデーコミックス

スペクトルマン・全7巻



 ヒーロー作品のコミカライズ名作として名高い一峰大二氏の「スペクトルマン」。1971〜72年まで「週刊少年チャンピオン」「冒険王」で連載された。状態はそれなりだが全巻初版(当時定価250円)。初版は昭和46年6月5日というから、すでに30年前の代物である。内容は「名作」として知られながら長らく絶版となっていたため、一時は法外な値段が付いていました(全巻セットで10万円とか)。近年描き下ろしを加え角川書店から復刻されました。
「目」のある独特の顔は、恐らくテレビ版のAタイプマスクを基にしたものと思われます。20年ほど前に地元の古本屋で発見したのですが、他のコミックと同じ半額で売られていたため全部で875円!で購入。一時期ほどではないにしろ今もプレミアは変わらず、ヤフオク等で相変わらず高値で取引されています。実はこの写真は、金に困った時に放出しようと思い、撮ったものです(笑)。
写真でわかると思いますが、単行本タイトルはテレビタイトルに合わせて変更され、1巻が「宇宙猿人ゴリ」、2〜3巻が「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」、4巻以降が「スペクトルマン」になっています。一峰大二氏は、この後も「電人ザボーガー」までピープロ作品のコミカライズを担当し、その卓越した内容は今もって高く評価されています。特にムーンサンダー編の、スペクトルマンの死、そして復活、それに絡む怪獣Gメン設立エピソードは、今読んでも見劣りしません(5巻に収録)。アオシマからプラモが発売されたGメンの怪獣攻撃砲「ストロンガー」は、テレビではミニチュアが製作されたにもかかわらず結局使用されず、登場はこのコミック版のみです。

↑(上)5巻より、怪獣Gメン初出動のシーン。前回、スペクトルマンはムーンサンダーと一緒に火山の噴火口に消え、爆発により死んだと思われていたのだ。そして倉田室長はスペクトルマン亡き後の日本を守るため、公害Gメンを怪獣Gメンに組織改変した!テレビ同様、中盤の見せ場だ。

←(左)カバー内側折込部より、うしおそうじこと鷺巣社長の御言葉。そうですか、「キングコング」ですか。円谷英二もレイ・ハリーハウゼンもみんな原体験は「キングコング」でしたね。いかにあの作品が偉大であったか、と共に特撮者の「越えるべき壁」であったかということですね。円谷英二氏などは、「キングコング」をフィルムが擦り切れるまで何度も見たといわれてます。そういや同じコンビによる同じサンデーコミックスの「快傑ライオン丸」では「ライオン丸のモチーフは歌舞伎の『鏡獅子』である」とおっしゃられていました。うしお氏は現役漫画家時代に時代劇を得意とされていたらしいので「ライオン丸」は、その自分なりのイメージ昇華だったんでしょうね。ちなみに「快傑ライオン丸」の単行本カバーは、絵ではなく写真(つまりテレビ版)が使われています。


←表紙アップ。テレビ版よりスタイルはいいです(笑)。そういや、TAKIコーポレーションから発売されたLDボックスのジャケットも一峰大二氏の描き下ろしでした。筋骨隆々たる躍動感溢れる姿は、テレビ版の頼りなさと好対照ですね。
後々のこと考えると、結局手放したら二度と手に入らないだろうから、簡単に売ることは出来ないなあ.......












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