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ゴンドール王国主催一部マーク王国提供
第一回オスギリアス往復マラソン大会 T ファラミア「ここのところ少々お疲れのようですが」 アラゴルン「ファラミア・・・。そう見えるかな?」 ファラ「ええ。ゴンドールが復興するにつれ陛下の政務も増えますし・・・。王よ。如何でしょう、ここらで何か催しを開いてみては?」 アラ「・・・催し?」 ファラ「そうです。イベントを開催して国民の心を盛り上げ、未だ癒えぬ日々の苦しみを忘れさせることは悪いことではありません」 アラ「ふむ・・・」 ファラ「やるのだとしたらとりたてて用意する備品が特にないものが宜しいですねぇ・・・。・・・長距離走などいかがでしょう?これならば身ひとつで誰もが参加できますから」 アラ「おいおい、本気でやるつもりなのかね?だいいち少し急やしないか?まだ何の目処もたっていないんだぞ」 ファラ「ならば目処がたてば宜しいのですね。わかりました!」 アラ「・・・・・・。まぁた流されてるなぁ、私・・・」 二週間後。 ミナス・ティリスの白い塔から魔法使いの花火が打ち上げられていました。 アラ「まさか本当にやるとは・・・汗」 ファラ「私はやると言ったからには本当にやる男です」 ボロミア「王よ。民はすっかり熱狂していますぞ!我が弟ながらなんとも画期的なアイデアでしたな!」 アラ「ああ、私もあんたの弟君の有能さにはいつも驚かされるよ。・・ところでボロミア。」 ボロ「何だアラゴルン!」 イムラヒル「ボロミア!陛下に向かって何という物言いか!」 アラ「よいのだイムラヒル殿。それよりボロミア」 ボロ「だから何だアラゴルン?」 アラ「何故あんたまで頭にハチマキ巻いてストレッチなんぞしとるんだ?」 ボロ「ハッハッハッ!なに、簡単なことだ!私も出場するってだけだから!」 アラ「・・・・・。いいのかファラミア」 ファラ「ああ、王にはまだお話していませんでしたね。では今から放送しますからどうぞ王もご拝聴ください」 アラ「・・・ほうそう?」 ファラ『ぅ・げっほん!あぁ〜、マイクテス・マイクテス!』 アラ「・・・・・・。」 イム「ああ、殿。あれは古のエルダールの技術で代々ドル・アムロス大公家に伝えられていたものです。先日いらしたミスランディアが上空を飾る花火と共に製作なさったので、即席ではありますがそれでも素晴らしい技術なのですよ!遠き第一紀の彼のシンゴル王も、この方法でドリアス杯を開いたそうな!ああそうだ、説明が遅れましたな。まず甥が持っているあのマイクですが、あれを媒介に私たちの隣にあるスピーカーで音を何倍にもして発信するという・・」 ファラ「・・進めさせて頂いても宜しいでしょうか叔父上。エルダールの血を引く大公家にかような技術が残っていることは素晴らしいのですが、進行が遅れては残念でしょう」 イム「ああ私としたことが!これも話し好きなエルダールの血の成せる業なのか!」 ボロ「・・・続けろファラミア」 ファラ「はい兄上!」 アラ「・・まぁある意味エルフってそーだけどな」 ファラ『えぇ〜、ごふん!レッデティース・エェ〜ンド・ジェントーメーン!!待ってましたか国民よ!はい、いぃち!にーぃ!さーん!ダーーーーッ!!』 ダーーーーーーーーッ!!←国民 アラ「な、な、な、なんだこの妙なの!!なんか違う!世界違う!!」 ボロ「平和になったのだよアラゴルン」 イム「若者は騒いでナンボです」 ファラ『ありがとう!本日はみな楽しんでもらいたい!ここでルール説明をします!耳かっぽじって聞きなさい諸君!』 アラ「ファ、ファラミアまでなんか違くないか?」 ボロ「弟もはしゃいでいるのだ」 イム「あんな楽しそうなファラミアはほんに久しぶりじゃあ」 ファラ『イベント種目は簡潔にいえばただの長距離走です!が、今回出場者が豪華ですよ!聞いて驚くなかれ!エントリーナンバー1!ゴンドールが誇る白の総大将、我が最愛なる兄ボロミア!!』 ワアァァアァァッ!! ボロ「よっしゃー!」 アラ「凄い人気だな」 イム「なんてったって我が甥ですからな!」 ファラ『エントリーナンバー2!我らがお慕い申しあげる王の、数少ないご血縁とはぶっちゃけとても思えない!結局アンタいくつなの?元北の野伏副頭領ハルバラドー!』 ワアァァアァァッ!! ハルバラド「そこはかとない悪意を感じる紹介だ・・」 アラ「頑張れよーハルバラド!」 ボロ「!!やいっ!貴様だけには負けぬぞ王への忠心にかけてな!」 ハル「(「やいっ」って・・) ふん、それはこっちの台詞だ若造!野伏の脚力と持久力を知らぬとは言わせぬぞ!」 アラ「・・なんだ?二人は仲悪かったのか?」 イム「・・私が言っていいものか迷いドコロですな」 ファラ『エントリーナンバー3!アンタ国はどうしたんだーてゆーかイノシシなアンタがよくも今まで名乗りもあげず黙ってましたね私の義兄隣国王エオメルーー!』 エオメル「わははは!お久しぶりですエレスサール王ー!」 えぇえええぇぇぇっ!? アラ「エオメル殿!?何故あなたがゴンドールに!今頃ローハンは収穫祭のはずでは!?」 エオ「速攻フケて参りました!私も参加させて頂きますぞ!」 ボロ「お久しぶりですなエオメル殿!しかし私は貴方にも勝ちを譲る気など毛頭ござらん!覚悟されよ!」 エオ「望むところです!若い力をご覧あれ!」 ハル「若いってだけじゃ勝てねーこともあるぞ若造ドモ!俺の駿足に腰抜かせ!ねー、アラゴルン〜俺、速かったですよね!」 アラ「そうだな、昔はかったときはハルバラドは私の次に足が速かったな」 ボロ「貴様!ちょっとくらいアラゴルンとの付き合いが長いからといって思い出自慢か!羨ましいぞ畜生!」 エオ「挑発されて本音吐いてどーすんですかボロミア殿!」 イム「私もあと二十年若ければ参加してたんですがねー」 ファラ『ごほん!大会本部静かに!エントリーナンバーファイナル!ヴァラールの奇跡か何の因果か正体不明、謎の鉄仮面D!解っちゃう人には解っちゃう人選です!因みに私はやっぱり解っちゃってます!』 アラ「D・・・?ゴンドール国民か?」 ボロ「仮面被ったまま走る気か?身の程知らずな!」 エオ「真剣勝負に喧嘩打ってるんでしょーか!?」 ハル「・・どこかで見たことあるような容姿だな」 イム「私もハッキリ見覚えが・・・汗」 ファラ『なお、彼の正体がわかっても決して口にしないことを誓ってもらいます!破ったら罰ゲーム+罰金ですよ!』 アラ「なんじゃそら・・」 ファラ『聴衆側の罰則は他にもあります。好き好みで各選手の妨害をしてはなりません問答無用で罰金です。山車で買って食べたゴミはきちんとごみ箱へ!マナーが悪かった場合、第二回が開催される可能性は薄いと考えてくださいね!』 アラ「ほんとーにお祭り気分だな」 ファラ『ルール説明も一段落したところで、ゴンドール王国主催一部マーク王国提供による、第一回オスギリアス往復マラソン大会を開催致します!さぁ、わざわざホビット庄からいらした、ミスランディア指名のメリアドクくん!』 花火係メリー「はい!」 ひゅるるるる・・ バーン・バーン!←花火音 U エオ「絶対絶対優勝してみせますからねアラゴルン殿!」 アラ「ああ。きっと貴方も、貴方の国のメアラスのように立派な走りを見せてくれるのだと信じているよ。頑張ってくれエオメル殿。」 エオ「感激です!では行ってきます!」 ハル「じゃあ俺も行きます。俺が負けるわけないけど、どうか祈っていてください」 アラ「ああ。あの日の駿足を楽しみにしているよハルバラド。頑張れよ」 ハル「はい!では!」 ボロ「・・・アラゴルン」 アラ「ボロミア。あんたに、白の木の恵みがありますように(にっこり)」 ボロ「(ブハッ!!←鼻血)・・・大いなる祝福、感謝致します」 ファラ「・・陛下は何とも解りやすい方ですね」 イム「先の二人とは明らかに気持ちの込め方が変わりましたな」 ガンダルフ「そりゃそーともう始めやせんか。こちらの準備は整っとるのだ」 ファラ「ああミスランディア、わざわざお越しくださって感謝申し上げます。 『みなさん!ご紹介しましょう!中継係の白の魔法使い、この道具の設置者でもあるミスランディアと、北の故国よりわざわざおいでになったペリアンのペレグリン・トゥックくんです!』 ピピン「やぁやぁお招きにあがり光栄です!今日は偉大な四方の走りを中継させてもらいます!余談ですが何故か僕、Dさん見ると歌わなくちゃならんような気分になっちゃう!どーしてだろー?」 ガン「罰金請求されそうな発言はやめぃトゥックのアホ息子めが!こたびは新しく刻まれた歴史に招かれ参じた者じゃ!このホビットがヘマをやらかさぬよう気をもんではおるがこの大任は全うするで安心されるがよかろう!」 ファラ『お二人とも常時専用マイク仕様だからといって比較的長いコメントでした〜!さて!最後に締めの挨拶として王にお一言頂きましょう!陛下、どうぞ!』 アラ「え?私か!? 『・・えー、栄えある祭りの日に晴れ晴れしい晴天に恵まれ、まず何より・・』 イム「お約束ですな(親指立て)!!」 アラ『・・このように皆が揃って心の底から笑い、楽しんだ記憶は、久しくなかっただろうと思われる。長い間、力ある英雄が東の大地に向かって走ることは、常に悲しみをはらんだものだった。しかしいまは違うのだ。我らはいま、花にそそぐ光りの上を、どこまでも走ることができる。そのことを忘れないでほしい。そして今日は楽しもう!』 ・・・ワアァァアァァッ!! ピ「うんうん!馳夫さんはやっぱり馳夫さんだね!」 メリ「ガンダルフ!素晴らしいお言葉にもう一つ花火あげちゃいますよ!」 ガン「好きなだけあげよ!輝かしい時じゃからな!」 エオ「アラゴルン殿・・・(ぽー」 ハル「・・・っ!(号泣」 ボロ「・・・王よ・・・」 D「ふん・・・」 イム「義兄上・・・。素直に王に何か告げた方が宜しいのでは?」 D「余計な世話をするなイムラヒル」 ファラ「陛下!」 アラ「ん?・・・泣くなファラミア・・・」 ファラ「いいえ!やはり私めは王に相応しくない執政であることを再確認しました!どうか私をお許しください!」 アラ「何を突然・・・。貴方は私には勿体ないほどの優秀な方ではないか。許すも何もないよ」 ファラ「いいえ陛下、実は今回のイベント、レースなんです!」 アラ「・・・は?」 ファラ「賭け札一口銀貨一枚!十二口同時購入ならば金貨一枚計算でちょっとお得です!賭けによる乱闘の罰則は遠征班強制行き!イカサマ行為は都二年間追放・執行猶予あり!ちなみに三十六口同時購入者には王の五枚ワンセットブロマイドがついてきます!これがまた大反響を呼びました!」 イム「はっはっはっ!我が甥ながら抜かりがありませんな!」 アラ「・・・・・・・・・それで。どーするんだ。」 ファラ「まぁもう決めてしまったことなので、どうしよーもないんですがね(サラリ)。お金徴収しちゃいましたし。あ、放送し忘れてていたことがまだございました!」 アラ「・・今度は何よ(泣)」 ファラ『皆さん!実はこの祭り、優勝者にはそれ相応、いえ、思いもしなかった破格の賞品が贈呈されます!』 ピ「へぇ!マッシュルーム食べ放題ツアーかなぁ」 メリ「違うだろピピン!一年分の最高級マッシュルームだろうさ!」 ガン「いやおそらく長窪葉10`じゃろ」 ハル「ホビットと重喫煙者の価値観ではからんでください!」 ファラ『贈呈賞品はなんと!!エレスサール王と二人で行く遊覧船ツアーです!!』 アラ「えぇぇええぇぇっ!?」 ファラ『・・そんな国民の誰より速く驚愕の声あげないでください』 アラ「だ、だ、」 エオ「ツアー内容説明お願いします!」 ファラ『はい!まず優勝者は前日の昼から王と共にドル・アムロス領お隣のベルファラス湾に向かって頂き、その日は大公家の居城にてお休み頂きます』 イム『王の護衛はここで任を解かれます。その後、昼食をすませてからキアダン殿が手配してくださったエルフの船(白鳥型のアレ)で遊覧時間です。この間、完全に二人きりのお時間をご提供します』 ファラ『ちなみにミナス・ティリス帰途後の二日間もお時間をとってありますので、ここも自由時間となります』 アラ「・・・(真っ白)」 ボロ「な、なんと危険な!ファラミア!こんな危険かつオイシイ企画を、当人の許可も得ず実行にうつすとは・・!」 ハル「アンタさりげに本音でてるぜ・・」 ファラ「ご心配なく兄上。私はあなたが優勝すると確信しています。・・あのクソ親父が参戦しだしてそれも危ういかと一瞬思いましたが、あの鬼畜も兄上には甘いので頑張れば大丈夫でしょう・・」 D「何をブツブツ言っておるのだ?」 ファラ「いえ!ともかく兄上。私はあなたが優勝することを前提にこのツアーを組んだのです」 ボロ「・・というと?」 ファラ「あの戦が終わったというのに、王はちっとも休みを取られず、働き詰めです。最近は無理にでも休みをとって貰わねばならないところまできていました」 ボロ「私もそれは解っていた。しかしあいつも頑固だからな、ちっとも聞いてくれなかったのだ」 ファラ「ええ。力に訴えようかとも思いましたが、それも少々酷な話です」 ボロ「ちからってお前、なにしようと ファラ「そこで!私は思い至りました!王も大イベントの結果からの休息ならばしぶしぶでもお休みになられるのではと!」 ボロ「なるほど・・。だから妙に片寄ったメンバーなのだな」 ファラ「(兄上敗退時の保険かけてるなんて今更言えないな・・)・・このメンバーで唯一のヤバい点はDです。流石に出るなとは言えませんでした」 ボロ「・・お前が恐れるほどの人物なのか」 ファラ「・・・・・・(まだ気付かないんか)。 あと兄上。これは私の考えなのですが、・・エルフの方々の助けは、借りてはいけないと思うのです。たとえ、王がそれを切望していても」 ボロ「・・辛いな。だが、わかるぞ。我々人間の王はアラゴルンだということがな。我々は彼を失えない」 ファラ「・・・・・・。」 V ファラ『さて、それでは選手の方々へのルール説明を行います。聞き逃して違反なんかしても容赦なく切り捨てますのでご注意ください』 エオ「・・・こういうトコやたらと厳しいですよね、ゴンドール」 ファラ『まずここ、王の館におわす白の木の庭園から、第一層の正面城門まで全力疾走して頂きます!その際にどのようなルートを辿ろうと自由です』 ハル「えー!おかしいよズルっけぇ!」 イム「ふむ。そうなると裏道をろくに知らず、普段大通りしか行かぬ婿殿とハルバラド殿には少々痛手かもしれませんなぁ」 アラ「しかしハルバラドは四十年前に出入りをしていたからある程度は解ると思うぞ」 イム「悲鳴あげてましたがね」 ファラ『城門を出たら後はオスギリアス目指して走ってください。ペレンノールの大地ではメアラスに乗ったミスランディアとペレグリン君が、我々に生中継してくれます!』 ボロ「お、オスギリアスまで走るのか!?」 ファラ『はい。これを制覇すればエオメル殿曰く「翼ある足」を名乗れましょう。頑張ってくださいね!』 エオ「違う!それはアラゴルン殿専用の御名であるからして・・・!」 ハル「アラゴルンと同じ名なんて我々には勿体ないよなー」 D「・・・そなた達、王を甘やかしすぎなのではないか」 ボロ「む。どこのどいつとも知れぬ、顔も見せぬような輩に王への忠心を批難されたくはないわ!」 D「ボロミアそなた父に向かって・・・!」 ファラ『Dさん!それ以上言ったら罰金ですよ!』 D「・・・っ。」 アラ「・・父??(いやしかし、お亡くなりになられたはず・・・。第一デネソールは今年89歳・・・。彼にしちゃ若すぎる。あれではまるで四十年前の彼ではないか)」 イム(しっかしあの人ほんとにヴァラールの許しを得て復活したということか?あのベレンと同じ扱いなのか?有りえんと思いたいことだが・・・) ファラ『・・・皆さん聞いてますかー?ごほん。ペレンノールの大地を横断し、オスギリアスの折り返し地点では妻が立ってますから彼女にハチマキを貰い、引き返して来て下さい。後はこの王旗に最も速く触れた方を優勝者とします。ご理解頂けましたか?』 エオ「ちょ、ちょっと待ってください・・?あの、今の説明だと、・・・妹が中継地点で待ち構えてるということですか?」 ファラ『ええ。その通りです』 エオ「ギャーー!鬼が!鬼が私を優勝から遠ざけるー!」 イム「そんな、言っちゃならん本音を・・・」 ファラ『ああ、言い忘れてましたが。ゴール要因である王旗は神聖なものであるからして』 ハル「私が旗持ちだー!」 ファラ『・・・五月蝿いですよそこの野伏。話が逸れましたが、神聖なる王旗をゴールにし、尚且つこのメンバーの突進を考慮に入れるからにはそれ相応の方が持たなければなりません。ご紹介しましょう。今大会で王旗を手に持つは、この方です!!』 アルウェン「この度はこのような大任をお預かりし、女の身なれど精一杯励ませて頂きます。何と言っても、我が最愛の殿の三日間を託すイベントですもの!生半可な方にはお任せできませんわ」 アラ「アルウェン!今朝から姿が見えないと思ったらあんなトコに!」 エオ「・・・アラゴルン殿には奥方様の戦装束仕様がお見えにならないのでしょうか」 ボロ「・・・王妃はただの旗持ちの筈なのに、何故武装なんぞしとるんだ?」 ハル「あのお姫さんにはティヌヴィエルの血が疑いようもなく流れてるねぇ・・・(ほろり)」 D「・・・何だあの女は?」 ファラ『一イベントにアルウェン様までもがご参加なさる!我らはなんと果報者なのでしょうな!さぁ!それでは選手の皆さん!ミスランディアの飛蔭がベストコンディションを保っているいま、メアラスよりも素晴らしい走りを披露してやりましょうぞ!』 アラ「ようやく始まるなぁ」 イム「しかし終わるのは早く見積もっても夕刻でしょうな。オスギリアス往復は流石に辛かったやもしれません」 アラ「楽しいことが長く続くことは喜ばしいことだよ」 イム「殿。当事者でないとなるとえらく気楽ですな〜」 アラ「はっはっはっ。しかし人事でもないのだよ私ゃ(泣)」 ボロ「王の余暇は私との思い出作りにさせてもらう」 エオ「いいえ。貴方方が相手とはいえ、私も譲れぬものがありますから!」 ハル「宮廷暮らしの坊ちゃん達には味わえない敗北を喫してやるよ」 D「・・・若輩者どもめ」 ファラ『さぁ皆さんスタートラインに並んでください!こほん、位置についてー!ようい!』 ぷぉぉおおおっ!←角笛 ピピ『さぁ!今幕を切って落とされましたゴンドール杯ペレンノール横断オスギリアス往復レース!現在は都を自由に駆け巡るため、各人の姿は残念ながら確認できません!一体誰が最も速くに我々が今いる城門へとたどり着くのでしょうか!王政復古した新世代ゴンドール創設の一大イベントとなりましたこのレースですが、解説・実況のガンダルフさん、どう見ますか?』 ガン『ふむ。各々強靭な肉体を持ちそれに相成る精神力を兼ね備える素晴らしい戦士達じゃ。しかしこの中でまず賭けといて正解なのはハルバラドじゃろうて。足の速さで野伏に勝る者などそうそうおらん。他の三人は体力勝負にかけるしかないの』 ピピ『なんの捻りもない解説有難うございました〜。さて!本部のファラミアさ〜ん?そちらの予想はどうなってるんでしょう?』 ファラ『こちら大会本部〜。お言葉ですがミスランディア!マラソンとは古来より何が起きるかわからぬもの!これほどの手練が揃った時は尚更です!正論だけを並べると痛い目にあいますよ!特に私の兄の頑張り屋さん度は驚愕の域に入りますぞ!』 ガン『それこそ心外じゃがなファラミア。あんたのブラコン魂に付き合わねばならんという契約はしとらん。それにあんたの兄はちと減量した方がよかったと思うぞ』 ファラ『そっ・・』 アラ『そんなことはありませんぞガンダルフ!ボロミアはぷっくらしていてこそボロミアなのだ!』 ピピ『わぁ!ファラミア様のマイクぶん捕ってまでボロミアさんを語る馳夫さんてば、ほんとに愛に生きる人だね!』 アル『余計な解説はやめて下さいまし!』 メリ『そうだよピピン!僕花火上げてる以外仕事ないんだお前ばっか目立ってズルいよ!』 イム『皆さん、この度はレース観戦なはずであって・・・汗。・・あッ!誰か城門に辿り着いたようですぞ!』 ピピ『え!あぁ!皆さん!現在、一位はガンダルフの予想通り野伏のハルバラドさんです!素晴らしいスピードで城門をくぐって行かれました!彼には都の入り組んだ小道もささいなものだったようです!』 ファラ「うぅむ、腐ってもやはり野伏か・・・」 アラ「ハルバラド、また足が速くなったんじゃないかな」 イム「ボロミアや義兄上はまだなのか?」 ピピ『あ!来ました!来ましたよ第二走者!これは予想外の展開です!第二位はローハン国王エオメル様です!長い髪を振り乱して鼻息荒く走っております!先程のハルバラドさんが精悍に走っていたのとは違い、エオメル様はイノシシそのものです!』 アラ「酷い言いようだなピピン・・」 W ガン「おや、第三走者も見えたようだ」 ピピ『はい!第三走者は・・・なんと!ボロミアさんとDさん、同時に城門へ走っています!走り方も一緒ですよ!』 ファラ「やはり血の成せる技なのでしょうか。妙なところで似てる人達ですから」 アラ「やっぱあれはデネソール公なのか・・・。」 イム「解ってやって下さい王よ。なにぶん素直になれない男ですから」 アラ「別に咎める気もないが、ヴァラールも相変わらず掴めない方々だな」 ピピ「というか、この場合誰が殿の正体バラしたことになるんですか?問答無用で罰金請求するんじゃないんですか?」 ガン「ふむ。この場合やはりファラミアじゃろうな」 ファラ「は!?ミスランディア何をおっしゃるので!?」 ガン「おぬしが決定打を出してアラゴルンが感づいたのじゃろうが。よって、おぬしが罰金じゃな」 ファラ「そ、そんな!ヒドい!」 アル「いえミスランディア。彼は今大会の幹事を務めておりますわ。ならばお金の絡むことではなく、罰ゲームの方にした方が宜しいのではないでしょうか」 ファラ「は!?」 アラ「確かにな。何か問題事が後で起きたとき、これもそれも貴方の仕業、で片付けられたくはないだろうファラミア?」 ファラ「私の徴収方法に不備が出るとでもおっしゃるのですか陛下ぁ!!」 アラ「ヒッ!いや、決してそういうことでは・・・!」 イム「いい加減にせぬかファラミア!王に無礼であるぞ!そもそもお前がルールを決めたのだからそれに従うは当然の理だろう!」 アラ「いや、イムラヒル殿、そこまで言わずとも・・・」 ファラ「・・・わかりました。確かに私に非がありました」 アラ「ファラミア・・・・・・(ハラハラ)」 ファラ「せっかくのお言葉に無礼を働き、誠に申し訳ありませぬ王后陛下」 アル「いえ、お気になさらずに」 アラ(・・・・・・。私に謝るんじゃないのね) ガン「しかし罰ゲームと言われたが、一体どのような・・?」 アル「それはもう考えてありますわ。ファラミア卿、この紙に書かれていることを最大音量マイクで、皆に聞こえるように、叫んでくださいな(二つ折りの紙を渡す)」 アラ「なんだそんなことかアルウェン?」 アル「はい。簡単なことでございましょう?」 ファラ「はぁ。王妃のお慈悲に感謝致します。では失礼して・・・(紙を開く)。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 アラ「なんだ?何が書かれていたんだファラミア?」 イム「誰かの悪口か?それとも去年のリストラ名簿か?」 アル「まぁ、わたくしはそのようなことを強制しませんわ」 アラ「そうだぞイムラヒル殿。アルウェンはそのような酷いことをさせる女性ではない」 イム「あ!それもそうでしたな!」 メリ「・・凄い和やかムードの中で、ファラミアさまだけが死んでますね」 ガン「あのような巨大な暗雲を背負って、肩が痛まないものじゃろうかのぅ?四十肩にならねばよいが」 ピピ『ちょっと皆さん!パランティア通信も結構ですが、ちっとは真面目にレース観戦してくださいよ!働いてるの、僕だけじゃないですかっ!』 ガン『おおとそうじゃった!飛蔭に任せながらパランティアをも使いこなす白の乗り手、素敵じゃと思わぬか諸君!』 アラ『ぶっちゃけどーだっていいです・・。選手の様子はどうですか!?』 ガン「チッ、アラゴルンめ。『順位に変動は見られぬ!一位ハルバラドは驚異の速さでオスギリアスに近づいておる!五分後には着くじゃろうて!二位はローハン王エオメル!こちらも驚異のスタミナで頑張っておるが、配分をまったく無視しているような走りじゃな・・一位との差は約5分か・・。更に5分違いでボロミア&Dといったところじゃ!この二人の呼吸法、ペース配分、走りのフォームはまったく同じに見えるわい。・・凄まじい』 ハル「よし、あとちょっとで折り返し地点だー!」 エオ「ふひーっ、ふひーっ」 ピピ『メリー、君の殿様は物凄い形相をしているよ・・・。髪くらい結んどきゃ良かったのにね』 エオ「余計な世話だよペレグリンくん!」 ガン『それはそうとそろそろ一位が折り返し地点に到着するな。執政家はここらでペースをあげるつもりなんじゃろうか?』 ボロ(・・・たしか一位は貧乏野伏男。二位のエオメル殿はそのうちバテるだろうな。しっかし想像以上にキツいなコレ) D(・・・ボロミアは辛そうだな、ただでさえこういうものは苦手だというに。ファラミアめ、当てずっぽな企画を組みおって。しかし優勝したらあやつと小旅行か。・・・にやり) イム『どうなされました王よ。そんな小刻みに震えて!』 アラ『な、なんかD氏あたりがとても口には出せない不穏なことを考えているような気が・・・!』 アル『すっごく興味深いですわねぇ・・・(目が輝いてる)』 ボロ「!おい貴様!王に危害を加えてみよ!刀の錆にしてくれるぞ!」 D「何をいまさら・・・。そなたらの母が誰か教えてやろうか」 ボロ「はぁ?何をたわけたことを!イムラヒル叔父の姉フィンドゥイラス母上に決まっているだろうが!」 D「いや実は、かの王権盗っ人なのだ。ほら、あそこにおる−−−」 アラ『ちがーーうっ!!何を言っとるのですか!だいいち私は男だッ!!』 D「ああは言っておるがなボロミア。王の血を引くものは妊娠するなどわけないのだ」 ボロ「なっ、なっ!?」 アラ『自然の摂理を捩曲げるな!信じるなよボロミアーー(泣)!』 イム『義兄上・・・。終わったら姉上の墓に土座して頂きます』 アル『私もお話を伺いたいわ、是非是非に(参考までに)』 ピピ『皆さん長距離走真っ最中だってのに中々余裕だね!どうでもいいけどファラミア様が未だに沈んでるから的確なツッコミ役がいないよ!どうしよう!』 ガン『いや、ぬしら一体・・・。おっと!皆の者集中じゃ!いつのまにやらハルバラドがかの婦人と対峙しとるぞ!』 ピピ『おぉ!では皆さん!偉大なる白の乗り手のお力で完成した、パランティアによる巨大映写中継画面をごらんください!』 アル「ハイテクですわね〜」 アラ「下手したらフェアノールの技術を超えとるんじゃないだろうか」 イム『ハイテク機材の解説はお任せあれ!まずですな、飛蔭の頭に設置されたパランティリからミスランディアに頑張って頂き、王のお隣りに設置されたパランティアに転送映写する仕組みで、正直私にもよく解らんハイテクっぷり!でもとにかく凄いってことはお分かりになりましょう!ちなみに王のパランティアはデネソール公の黒い手が写るヤツです!』 アラ『のっ、呪われてるんじゃん!!』 アル『なぜ城に天幕が張られているのかと思っていたら、スクリーン代わりだったのですね』 アラ「あ。写った・・」 エオ妹「・・・あちらは盛り上がってますわね。私もあちらに居たかったわ」 ハル「ならお姫さん、さっさとハチマキを渡して頂きたい。そんでアンタはあっち戻ってなよ」 エオ妹「そうもいきません。何より我が王の安眠がかかっておりますもの。生半可な気持ちで挑む方には勿体ない景品ですわ」 ハル「生半可な度胸だったらそもそもこんな長距離走参加しねーよ!」 エオ「そうだエオウィン!兄の幸せを願うは妹の責務!さっさとハチマキ渡せ!」 ハル「うぅ、お姫さんが渋ってるからイノシシ王が来ちまったじゃねぇか・・・」 エオ妹「・・・エオメル。私がそういう論理展開を最も嫌うと知っての発言なのかしら?こうなったらボロミア様と義父上様がいらっしゃるまで待ちましょう」 ハル「何それひでぇ!!俺の努力を粉々にしてくつもりかー!」 X アラ「たしかにちょっと可哀相だなハルバラド・・・。あんなに頑張ったのに・・」 イム「しかし現場は姫に一任してありますからなぁ。何とも言えませぬ。」 エオ妹「これもアラゴルン殿のため。どのような批難も甘んじて受けましょう・・」 エオ「エオウィン!そなた未だにアラゴルン殿狙いか!ファラミア殿はどーした!」 エオ妹「もちろん我が夫は同志ですから、何ら問題はございませんわ」 ハル「いま、聞いちゃいけないこと聞いた気がする・・・」 アラ「?つまりどういうことだ?」 アル「さぁ。私には解りませんわ」 ガン『おや、後方二者も追い付いたようじゃ!心してかかれよ!』 ボロ「・・・なんだ?何故こんなとこで立ち往生しておられるのだ?」 エオ妹「お待ちしておりましたお二方。今からクイズを出します。正解した方からハチマキをお渡しますわ」 ハル「クイズなら得意だ!」 エオ「まぁ、それなりに・・・。」 ボロ「まぁ、私も・・・。」 D「私は万能型だ(きっぱり)」 エオ妹『第一問!LOTR第二部二つの塔で、白いガンダルフ様の顔を見たときの、アラゴルン殿の第一声は!?』 アラ「・・・へ?」 エオ「てゆーか、その場面は旅のお仲間しかいなかったはずだろ!?」 D『「そんな・・落ちたのに!」などという謎な訳だった!!』 皆『 !! (訳って・・・!?)』 エオ妹「せいかいっっ!!D様、合格ですわ!これがハチマキです、さぁお急ぎになって!」 D「忝ない!ではな皆の者!」 ボロ「ちょ、ちょっと待て!何であんたそんなこと知ってるんだ!?」 D「ふ、簡単だ。私にはパランティア鑑賞という高尚な趣味があったからな!」 ガン『国を大混乱に陥れた原因じゃろうが。』 ボロ「な!なれば、もしや貴方は・・・!?」 D「ボロミア。そなたは愛しい我が子だが、いかにそなたが大事であろうとも優先順位を決めさせてもらえばあやつとの小旅行がトップにくるのだ!ではさらば!」 ファラ『兄上〜!どうか頑張ってくださいー!ファラミアは、ファラミアはデネアラなんて断じて認めません〜!』 イム「お。マイク掴んで、久しぶりじゃなファラミア。しかしそんなにお父上がお嫌いか」 アラ「デネアラって何かなアルウェン」 アル「知ったらきっと殿は泣きますわよ」 ボロ「なんと・・・。あの仮面男が父上であったとは」 ハル「アンタ遅いよ・・・」 エオ妹『さて、第二問ですわ!アラゴルン殿の祖父殿のお名前はー!?』 エオ「し、知らんわー!」 ボロ「え、えと、たしか・・・」 ハル「はいはいはいっ!父方がアラドール様、母方がディアハイル様!何を隠そう俺様の叔父貴殿ー!」 エオ妹「はい正解ですわー!アラゴルン殿のお身内には楽な問題でしたわねー」 ハル「やったぜ!じゃあお先にな!」 ボロ「ちょっと待て、なんか卑怯じゃないか!?」 エオ「そうだ!ハルバラド殿にあまりに有利だろう!?」 エオ妹「しかしこの問題を作ったのはレゴラス様ですわよ。私に文句言われても困りますわ」 ボロ「あぁんの、腹黒エルフめぇ!今回妙に大人しいと思ったら、肝心なとこで嫌がらせかぁ!!」 エオ「あの二人を優先させるなんて、自分で自分の首しめてますよ!」 ピピ『う〜ん。何やらそれぞれの思惑が妙な具合に交錯しているようですねガンダルフ!』 ガン『そうじゃな。しかしみな同様に読みが甘く、完成されることがないのが悲しいところじゃな』 アラ「いま一位はデネソール殿なのか?・・・どうしよう」 アル「殿もD様が苦手なので?」 アラ「いや・・・昔、ちょっと・・・」 ボロ「く!姫!早く次の問題を!」 エオ妹『ちょっとお話を詳しく聞いていたい気もしますが、進めることに致しましょう。第三問!アラゴルン殿が入浴の際、一番最初に洗うのは!?』 アラ「・・・・・レゴラス(泣)」 エオ「え、えぇ(真っ赤)!!?か、髪!!」 ボロ「いや、きったない野伏服だ!!あいつは風呂であの泥だらけの服を洗い、ついでで体を洗うのだ!!」 エオ妹『ボロミア様っ!!おめでとうございます、正解ですわ〜!!』 ボロ「よぉっしゃああぁー!!」 エオ妹『ちなみに、体で真っ先に洗うのは左腕だそうですわ。残念でしたわねエオメル』 エオ「ぐっ!レゴラス殿は何故そんなことまで知っておるのだぁ!」 ボロ「ではお先になエオメル殿!せいぜい頑張られよ!」 エオ「ああああ!みんな酷いー!」 エオ妹「さぁ、次の問題いきますわよ兄上!」 アラ「・・・にしても、各選手の間が広いな・・・。『ピピン!いまD殿はどの辺におられるのかな?』」 ピピ『はい!でもハルバラドさんも例の速さで追い上げてきてますよ!彼らはいま、ミナス・ティリス城門まであと200メートルといったところです!』 アル「あらもうそんなところまで・・・。では私も準備致します」 アラ「アルウェン、どうか無理はしないでおくれ。貴女に何かあったら、私は休暇どころではないよ・・・」 アル「殿。なんと嬉しいお言葉を下さるのでしょう。しかしご安心なさって。私は強いですから」 イム「・・・いやぁ、まっこと心強いですなぁ」 ファラ「夕星妃。この際ハルバラド卿が王とランデブーするのは許しましょう断腸の思いでっ!!しかし、父だけはっ!!父だけは、断固阻止して頂きたいっ!」 アル「・・・ファラミア様。貴方、罰ゲームは如何なされました」 アラ「あ。そういえば」 イム「ファラミア、夕星王妃のご機嫌は損ねぬが吉だぞ」 ファラ「・・・・・・。マイクをお貸し願えますか!」 ガン「お。とうとう罰ゲーム公開かな」 ピピ『結局何が書かれていたんでしょうね』 アル「くれぐれも大声でどうぞ、大声で」 ファラ『・・・・・・。私はっ、王を愛しているーーーーーーーーーっ!!!』 ひゅるるるる・・・バ〜〜〜ンッ! ピピ『・・・なに花火上げてんのメリー!?』 メリ「え。ちょっと影薄くなってきちゃったしね〜あはは」 D「なにぃっ!?」 ハル「・・・公共電波で何言っとんじゃあの男!?」 ボロ「ファラミア・・・お前もなのか!?」 ピピ「あぁ、選手方は罰ゲームだって気付いてないんですかね。皆さんマイク使ってなかったし」 ガン「うむ。しかし面白そうじゃから黙っておこう」 ピピ「そうですね!」 アル「・・・よくできましたファラミア様。男気を見ましたわ」 アラ「・・・え?あの?」 イム「・・・これが罰ゲームなんですか??」 アル「はい。確かに私が指定したお題でしたわ」 アラ「・・・もしや、私はファラミアに猛烈に嫌われているということか・・・?←ものごっつショックげ」 ファラ「・・・っ、さぁ!試練をクリアしましたとも!お願いしますよ王妃!」 アル「お任せになって。というか、私の目的はD様に留まりません」 アラ「・・・へ?」 ピピ『みなさんッ!!とうとうD様が城門に辿りつきました!ハルバラドさんより約200メートルリード!』 D「ほぉ。相変わらず小生意気な男だな」 ハル「やっろぉ〜!奴ぁあのムカつく執政かー!ボコったる!とにかくボコッてノしててやる!四十年来の怨みを晴らしてやるー!」 ガン『おお!野伏が凄まじい勢いで追い上げをしているぞ!・・何やら私怨に動かされてるようじゃが』 ボロ「はぁっ、父上もハルバラド卿も、なんて走り方してるんだ化け物か・・・」 Y イム『さぁ、遂にD氏が広場にやって参りますぞ!』 ファラ『観客は最上層への入場口から離れてください!』 アラ「ああ、とうとうこの時がきたか・・・」 ファラ「ご安心ください王よ。・・・いざとなったら私が刺し違えてでも人非人を止めます・・」 イム「だいぶ回復したようだなファラミア・・」 ピピ『ふぅ!いよいよボロミアさんも城門に到着しましたよ!僕たちもミナス・ティリス入城です!』 ボロ「うおぉぉっ!待っていろアラゴルーンっ!」 ガン『ふむ、凄まじい気迫じゃ!上の実況は大会本部に一任するぞ!』 ファラ『お任せを!・・・あ!来ました!いま、D氏が猛然と走って参りました!』 アラ「・・・ふくざつ。」 イム「でしょうな!あ!ハルバラド殿も到着しましたぞ!」 D「ふぅ、ようやく着いたな。後は王旗に触れるだけか」 ハル「あぁ〜・・。だけどそれが一番難関・・・」 アル「・・・よくいらっしゃいました殿原方。我が殿のために奮闘してくださったことは誠に感謝致しますわ。しかし軽々とあの方に近づく、それは逃れえぬ大罪!ここはわたくしを倒して、正統なる権利を勝ち得てくださいな」 D「・・・そなた、何者だ?ただの乙女ではあるまい」 ハル「あっ、バカ!」 アル「・・・そういえばご貴台とは初見でしたわね。お初にお目にかかります。わたくしはイムラドリスの主エルロンドの娘。エレスサール王の后、アルウェン・ウンドミエルですわ」 D「ほう・・・。エルフの姫を娶ったのか。奴も中々やるものだな」 アル「先程から失礼な発言ばかり耳にしますが、貴方の方こそ顔を見せて名乗りをあげてはどうですか」 D「・・・ふむ。確かにな。令婦人殿、無礼を許されよ。私も気付かずうちの焦りが理性を減じさせていたようだ」 ファラ「・・・なぁにが婦人だ。あれは腹のうちじゃアバズレ女めとか思ってる顔ですよ」 アラ「・・・ファラミア。エルフは耳もいいんだからな」 D「では。(ベリッ)私はエクセリオンの息子デネソール。ゴンドール王国第26代執政を務めた者です」 ハル「・・・・(忘れもしねぇ顔だな!大衆の目がなけりゃ殴りかかっとるわ!」 アル「・・・しかと。ではお二方。どこからでもどうぞ」 D「待たれよ。いくら目の前に大きな目的があるとはいえ、貴婦人を男二人がかりで相手にするのは・・・」 ハル「アンタ、そんな紳士的なこと言ってられなくなるぜ・・・」 アラ『えぇと、デネソール殿。・・・その、お久しぶりです。』 D「何だソロンギル。何か言いたいことでもあるのか」 アラ『はい・・・。アルウェンは、王妃は夫の私が言うのも何だがかなりの強者ですぞ。なめてかかると、命を落とします。冗談ではなく。』 ファラ「もう死んでるんだから良いではありませんか。」 アラ「!ファラミア!いくらなんでも、なんてことを言うのか!」 D「・・・・・・(ソロンギルが私を庇ってる・・・←ちょっと嬉しい)。とりあえず、可愛くない息子は後回しじゃ。婦人。貴女の獲物は?」 アル「薙刀ですわ。貴方は剣ですのね。そちらのハルバラド様は、いつもの長槍ですか?」 ハル「はい・・・。王妃には申し訳ないが、勝たせて頂きます」 アル「できるものならばどうぞ。勿論、デネソール様も。言って置きますが、私の目標はあなた方の全滅です」 D「・・・ならば。遠慮なく」 アル「はい(ニッコリ)」 五分後。 ボロ「はぁ、はぁ、・・あれ・・。」 ピピ『・・・たどり着いてみたら、一位・二位の選手が倒れておりました〜なんて夢をみました〜』 ガン『いや、これは現実じゃぞ』 アラ「大丈夫かハルバラド・・・。アルウェン、ここまでこの子を傷つけずともいいだろうに」 ハル「・・・・・・(気絶中)」 アル「(相変わらずハルバラド様には甘いんだから)でも殿。悪い虫は早めに追い払うに越したことはありませんわ。それに、私は彼をD様と均等に叩きました。気絶したのはハルバラド様だけでしたけど」 アラ「それにしたって、こんなに打ち身だらけになるまで・・・。」 アル「・・・出すぎた真似をしたとおっしゃるならば、謝ります・・・」 アラ「・・・すまない、言い過ぎた。心優しい貴女に辛い仕事を頼んですまなかった・・・」 イム「・・・またそうやってラブラブになる」 D「あ、あの男、身内だからといってソロンギルに膝枕・・・っ!ぁだだだっ!」 ファラ「大人しくしてください!薬が塗れませんよ五分で王妃に敗れた若作り父上!」 D「・・・先から黙って聞いておれば、そなたも随分言うようになったなファラミア!」 ファラ「ふんだ。私だって出来ることなら父上を介抱したくなんてありませんでしたよ情けない」 D「・・自分で手を出せずに最も身近な他人に想い人を委ねる変態的趣向なあげく、罰ゲームでしか本音を言えないような男が偉そうなものだな」 ファラ「っ!父上だって、未だに『ソロンギル』とは。未練たらしいことこの上ない!面と向かって真の思いを伝えられずに体ばっかり繋げてるお人が大きな態度に出れますか!」 D「そなた、尊属に対する敬意というものがないのか!?」 ファラ「親にもよりますよ!」 イム「落ち着いて下され二人とも!願ってもない再会だというのに、何なんじゃ!そこまで通じ合っておきながら、喧嘩することもないでしょうに!」 ボロ「あの・・・。」 アラ「あ。気がついたかハルバラド!」 ハル「うぅ・・?・・アラゴル・・・ッギャーー!」 アル「まぁ。いきなり悲鳴を上げるなんて、それでもヌメノールの血深きドゥナダンですか」 ハル「ハッ!お、俺は負けたのか!?」 アラ「ああ、二分でな」 ハル「グハァッ!そんな、アラゴルン、満面笑顔で酷なことを・・・!」 アル「そう言われても真実ですからね」 ボロ「・・・ピピン。マイクを貸して貰えるかな?」 ピピ「はいどうぞ!」 ファラ「ほら父上!そんな見栄はった外見で出て来て、イムラヒル叔父上が呆れるも当然ですよ!」 D「そなたのねじ曲がった愛情に嫌気がさしたのだろうよ」 イム「義兄上、ずいぶん性格変わりましたな・・・。ファラミア、そなたはわりと的確・・・」 ボロ『取りましたぞーーーっ!!』 皆「・・・?」 ファラ『え?・・・あ!あ!ぅおおぉぉおっ!!みなさん!ゴンドールが誇る大将ボロミア!その栄光ある右手に握られた王旗をご覧下さい!あれぞ、あれぞ白の木の王の印!王妃が丹精込めて織り成した旗に相応しき武将が、この日再び生まれ落ちたのです!っつーわけで!!』 ピピ『優勝者・ボロミアーーーーっっ!!!』 Z ハル「・・・うそ・・・」 D「ボロミア・・・」 アラ「ボロミア!ボロミアよくやってくれた!」 ハル「ああ!宮崎アニメ抱き(泣)!←ヒロインが抱き着いてクルクル回転するやつ」 ボロ「王よ!これも王のご加護ゆえあってのこと!感謝申し上げる!」 アラ「いや!全部あんたの力だとも!あんたは自分の力であの並み居る強豪たちのなか戦い抜き、優勝したのだ!私も嬉しいよボロミア!」 ボロ「なんとありがたきお言葉でしょう陛下・・・。いや、アラゴルン。私は貴方を勝ち得たのだな!私は貴方を放しはしまい!」 アラ「ボロミア・・・(涙目)」 ファラ『ああ!なんて感動的な光景なのでしょうか!みなさん!盛大なる拍手を!』 D「・・・おのれソロンギル!余のボロミアと抱擁を交わすなどと・・・!ボロミアめ、あまりその男に触れるでないそれは父のだ!」 イム「義兄上が錯乱しておられる・・・(遠い目)」 ハル「てゆーか全部姫が気ぃ抜いてたのが悪いじゃないスか!酷いッスよ!」 アル「ま!介抱して差し上げたというのに何ですか。殿が喜んでらっしゃるから、これで良いのです」 ハル「よくねぇーー(泣)!」 ファラ『やかましいそこの元野伏!いま兄上と王が感動場面を展開しとるんです!黙って!去って!』 アラ「・・・私も元野伏なんだけどな」 ボロ「アンタはいいんだあんな小僧とは天と地の差があるんだから」 アラ「・・・ハルバラドはお前よりも年食ってるんだけどな」 ピピ「おめでとうございますボロミアさん!」 ボロ「ピピン!ありがとう、とても嬉しいよ!」 ガン「誠に喜ばしい限りじゃ、デネソールの息子よ!まさかそなたが優勝するとは思わなんだ!・・・おかげでわしの賭口は全滅じゃ。あとでシメねばな!あのクソ野伏。」 アラ「歯に衣着せぬ言い方ですなガンダルフ」 ピピ「ねぇねぇボロミアさん!僕はボロミアさんに有り金全部賭けたよ!勿論メリーもね!ボロミアさん人気者だってのに何故か倍率はビリだったんです!だから僕たち大儲けですよ!」 ボロ「はっはっはっ、有難うなピピン〜☆」 ピピ「うふふ!・・・って、イタい!!ボロミアさん何で撫でる仕種で僕の頭をワシ掴んでるの!?」 ボロ「はっはっはっ。不可思議なことを言うなよピピン〜」 メリ「は、馳夫さん馳夫さん!ボロミアさんを止めて!ピピンの頭が砕かれるよ!」 アラ「何を言うんだいメリー。あれは遊んでるだけで本気じゃあないよ」 メリ「んな悠長な!」 ファラ『えぇ、只今午後三時。各選手が鬼のような走りを披露して下さったおかげで予定より大分早い時刻に終了式を迎えられることになりました。これからすぐに終了式と授賞式を行います。一時間後には配当金を配分しますので、賭けに参加した人は広場に集まってください』 アル「さぁ殿。式にそのままではなりませんから、こちらの衣と王冠をお召しになってくださいまし」 アラ「うん、わかった。じゃあボロミア、また」 ボロ「あぁ、ああ」 アル「ボロミア様。この度はおめでとうございます」 ボロ「あ。あぁ、光栄な限りです王妃。そのお言葉だけでも走った甲斐があるというものです」 アル「小旅行、楽しいものになることを願っております」 ボロ「それは保障致しますとも。何せアラゴルンと行く旅行ですから!」 アル「うふふ。あの方をよろしくお願いしますわ。あの人のいない日は、たとえ二日間でも淋しいものです。・・・泣かせたら、シバきますわ」 ボロ「・・・はい。肝に命じます」 D「ボロミアの笑顔はあんなにも朗らかで可愛いというのに、何故にそなたはこうなのだろうな」 ファラ「聞こえませんよ。『さぁみなさん!授賞式を始めます!!』 イム「何だかんだいって、ハッピーエンドなイベントに終わってよかったなぁ。」 ハル「全然ハッピーエンドじゃないってば!!」 メリ「あ〜。僕なんか花火上げてたら煤だらけになっちゃいましたよ〜!皆さん頑張りましたね!・・・あれ?エオメル様はどこですか?」 イム「ムコどの?・・・ッアーーーーー!!」 その頃。 エオ妹「まだわかりませんの兄様〜?」 エオ「まだって、だっておまえ、FOTRでアラゴルン殿が何度Aの発音したかなんて、解らないっつーの(泣)」 エオ妹「エルフの方々は既にリサーチ済みだそうですわ。兄上も気張らなければアラゴルン殿のファンは名乗れませんわよ!」 エオ「んなこと言われてもだな、兄は情熱に生きているのであってこういった細々とした作業は苦手・・・」 エオ妹「そんなだから我が国が体力勝負の馬バカ集団とか言われるんです!収穫祭抜けて来たなんて、信じられないことするわねまったく!さぁ早く答えなさいな!」 エオ「う、うぅうーー!(泣)」 平和になったっていいことだ。 おわり。 |
すっげぇ見にくいことこの上ねぇな。 何か急展開謎なまま終了したこの話ですが、時間があったら小旅行と薮蛇連中の話を書こうと思いますだ。 でもその前にろくに見直してないから後で修正してると思う・・。 今回書きたかったもの @馳夫の分かってないっぷり。 A膝枕。 Bデネさんとイムラヒルさん。 Cウチのデネが壊れるとどんなか。 D親子喧嘩。 E最強夕星。 あとパッと見て思ったこと。 @馳夫キモい。 A馳夫はハルバラドのオカンか? Bやっぱり馳夫キモい。 C馳夫ボロミアに盲目すぎ。 Dこの話の馳夫は嫌だ。 Eエオメルの扱いが酷すぎる。 ・・・書いてるうちに自分でも何が何やらよう分からん話になってもうたんす。 ありえない話だということを前提にみてください。 例の如くツッコミ満載ですから。 まず皆の走りは飛蔭を越えるからな。 あんなデネ嫌だとかあんなハルバラド嫌だとか何々が嫌だって苦情を待ってます。 |