太陽の時代、第一紀。
世界は未だ生まれて間もなく、平和に包まれていました。悲しみも苦しみも、私たちの知る時代ほど大きくも無かった時代です。
時の館から旅立った彼らアイヌアは、ヴァラールを中心にこのアルダを育み、また破壊もしていました。
ある者が創造すれば破壊し、ある者が再生させればまた壊し、そのような日々が続いていたのです。

これはそんな時代の、ほんのささやかなお話です。




今は昔。







「おや、アルタノ殿」
彼がそこを通りかかったのは、偶然でありました。
オローリンは、緑豊かなローリエンの庭の一角の木陰で休んでいました。
彼はいつものように灰色の長い髪を纏め同色の灰色衣を纏い、とねりこの木によく似た素材で作られた杖を草の上に放り出して寝転んでいました。
久々に大した命も出ておらず、せっかくだからのんびり寛ごうとこの美しさ溢れる庭の中でも極上の昼寝場所を確保して、眠りかけたときでした。
見るも美しい緑の中に、黒い影が横切ったのです。
眼を閉じていても分かる、その存在の力に身を起こして、オローリンはその蒼灰色の目を見開きました。何故かといえば、彼らマイアールの中でも飛びぬけて美しい横顔が、そこに立っていたからです。
その髪はアルダを越えた、広くも冷たい、エアの空気のように黒く、艶やかに光っています。纏う衣も漆のような黒で、その者が歩く度に僅かに擦れた音が響くのですが、それはとても重い素材なのでした。肌は透けるように白く、その表情が大きく変化することは稀であり、常に憂いを帯びたように僅かに眉を顰めているのが彼でした。
これこそ匠の神アウレの第一の使い、私たちの時代から遠く離れた、アンナタアルであり、ゴルサウアであり、アルタノ・アウレンディルと呼ばれたサウロンの姿でした。
その姿はアラタアルに仕える者にふさわしく、多くの者から憧れの眼差しを持ってみられたのです。


その彼を見つけたオローリンが、何とはなしに声をかけたのです。
自分の名を聞いたマイアは涼しげな表情のまま顔をそちらに向けました。
「・・・灰色殿か」
低い声をオローリンが聞いたとき、相変わらず暗い御仁だなぁ〜などと思ったことは秘密です。
彼は立ち上がって愛想良く手を振りながら近づきました。

「あなたがイルモ様の力の及ぶこの土地にいらっしゃるなんて珍しいですね」
「あぁ、アウレ様がな。お前は顔色が悪すぎる、少し療養してこい。・・・とおっしゃったので・・」
珍しく自分から会話を延長させる返事をしたアルタノに、オローリンは片眉をあげて笑いました。
しかし内心ではまた暗い人以下略・・・などと考えています。

「へ〜。超エリートのあなたに休暇を与えるなんて、アウレ様もイキですね」
「いや、我がいると気分が悪くなるらしい、あの方は・・」
(そう言いながらまた暗くなる・・)
実際、彼は周囲に人魂を数個飛ばし、顔には縦線が刻まれ始めています。
オローリンは気まぐれで彼に声をかけた自分を心の中で罵りました。ついでにこういう暗い人を知り合いに持つのって正直しんどい、などと中々薄情なことを考えていたのですがそんなことは露程にも外に出しません。

「え、えーと、アウレ様もメルコール様の我が儘に付き合うので、忙しいんですよ!」
「・・・メルコールさま・・・」
「はい?」
妙な食いつきにオローリンは愛想笑いを浮かべながらも?マークを宙に飛ばします。
するとアルタノは先ほどまでの根暗で投げやりな表情をこれ以上ないといった真剣なものに変え、物凄い力でオローリンの肩を鷲掴みにしました。
「!?」
「灰色殿はお目にかなったことがあるか?あのお姿に・・」
「え?そりゃ〜・・しかし何というかアレは・・」
もしや、主君の妨害者の名を出したのはマズかったかと焦るオローリンに、アルタノは極上の笑みを向けて叫びました。



「神々しい頭で在らせられるよな!」
「・・・・・・え?」
予想しなかった言葉に固まるオローリン。
「偉大なりしエルの主題に見た、イルーヴァタアルの子らの中にも似たようなものがあったのだ!確か、『すきんへっど』とかいう・・・・・・」
「・・・・・・。」
「あらゆる光を反射するあの御頭!メルコール様のあのお美しい御姿は子らの及ぶところではないものがあるではないか!ああ、あの御姿を垣間見た我はなんと果報者だ!」

違う意味で予想外の台詞の連発に気が遠くなりかけましたが、こんな所で倒れては後々大変な噂もでると何とか踏みとどまって頭を抱えました。
しかしその脳内では嵐が到来していたのです。
(こ、この人こんなに明るかったっけ??つか、本気で言ってるの?マジで?)
そんなオローリンの様子に気づいてくれていないアルタノは、冬に輝く星々のような瞳で遠くを見つめて呟きました。

「・・・そうだ。我もこのような長い髪は無くして、御方と同じ髪形にしようか・・・」

なにやらとんでもない台詞を聞いたような気がしてオローリンは慌てて叫びました。
長い両腕をスクリューのように回しながら、

「ダッ、ダメー!そんなのぜっったいダメです!!」
「む。何故だ?」
いきなり完全否定されて少々機嫌の悪くなった黒髪の美形に睨まれ、オローリンは自分の軽率な発言にいまさら気づきました。
相手が相手なだけに、普段冷静な頭も回転が鈍くなっているようです。
「な、何故て・・・!あなた方アウレ様の関係者はただでさえ髪が綺麗なんですから!!<例:クルモ、ガラドリエル←まだ存在しないけど>そんなことはエルへの冒涜です!」
とりあえず無難な答えを返すとアルタノも一応は納得したらしく表情を幾分か和らげました。しかし髪型を変えることはまだ諦めていないらしく、悲しそうに眉をハの字にして少し年下のマイアを見下ろしました。
「しかし灰色殿・・・。なればかのイカす髪形は、我には永遠に出来ぬではないか・・・」
「むしろしなくて宜しいかと思われます!気を確かに!!」
叫びながら最近の身の回りのことを回想し、なんか毎回言ってんなコレと少々欝になったオローリンでした。














「と、いうわけなのです」
それまでの経緯を全て話し終えたオローリンは酷く憂鬱な表情でため息を一つ吐き出し、その後に目の前に置かれていたハーブティーを口に運びました。さすがは大地の女王が育てたハーブなだけあって、やわらかい香りは優しく鼻腔を刺激し、疲れを知らぬはずの身体に癒しをもたらすようでした。
しかし同室にいた人物は目を閉じたまま片眉をピクピクと痙攣させています。
彼のテーブル向かいに座っていたその人物はもともと彼のものであったハーブティ(オローリンの分はありませんでした)を奪い返す気力もなくただ一言呟きました。
「だからお前は何故私のところへ来る?」

オローリンが訪れたのは、広いヴァリノールの中でも特に人為的に手が加えられている館でした。
それもそのはずです。
この広大な館の主は、工の神であるアウレその人でしたから。

そのアウレの眷属の中でも、高貴な地位に座す彼はクルモと呼ばれる匠の者でした。
実はオローリンが密かに尊敬している人物でもあるのですが、オローリンがそんな態度をとることはほぼないのでクルモはまたもやイジられるのかと顔を歪ませていました。よく他の三人とつるんでクルモの元へ押しかけるオローリンは、心外だと思いながらも笑顔で対しています。
しかしクルモの顔には確かな怒りと共に諦めがみられました。
オローリンはきょとんとした顔で陶器越しに伝わるハーブティの暖かさをかみ締めながら言いました。

「・・・だって、アウレンディル殿は貴方の兄貴分みたいなものでしょう」
「!!失敬なっ!あんなのを兄と慕うようになったらオシマイだ!」
「ヒドいことおっしゃいますね〜!」
そうは言っているもののオローリンは内心では「そりゃそうだ〜」などと酷いことを考えていました。


そんな(一応)友人の様子にクルモはいからせていた肩をストンと落として大きなソファにうな垂れました。
「・・・しかしまさか、奴がメルコール様を憧願していたとは」
待ってましたの先輩の台詞にオローリンは笑顔で頷きました。
「ほんとびっくりしましたよ。ヴァララウカアル族以外に、あんなハ・・げふ、ごふん!」
うっかり不穏な発言をしそうになったオローリンは一人咳き込んで顔をカメラから(←何のだ)背けています。

一方クルモは悩ましげに右手を美しい顔にやりながら、
「私に負けず劣らずの美しい髪を持つ者が、あんな
ハゲにいれこむとは・・・鬱だ。」
「ちょっとクルモ!ダメですよそんなこと言っちゃ!いつ何処で仕返しがくるか・・・!」

きっぱりと真実を言い切ったクルモに、内心ガッツポーズをしながらもオローリンは一応窘める形をとりました。
どんなに性格悪くても力バカでもハゲでもジャイ○ンでも、相手は一応ヴァラの地位にいるのです。奴を謀反人としなけりゃ誰を謀反人と呼ぶのかと言われそうでも、審判にかけられるような発言は控えたほうが賢明でしょう。

しかしクルモは解っているだろうに平然と返してきました。
「我らが工人の一族は今現在の状況で充分嫌がらせを受けている。大したことではない」
あまりの堂々とした態度にオローリンもそれ以上煩く言わずに上目遣いでクルモを見ました。
「・・・まぁその辺のことは同情します。でもほら、貴方も貴方の族にあんな
ハゲ爺を敬うのがいたら気分悪いでしょう?悪いと思うのなら説得してらっしゃいよ!」
「・・・貴様の方がよほど酷いと思う私は間違っているか?」
「えぇ!勘違いです!さぁ行きましょうそうしましょう」
彼はそう言って立ち上がり、クルモの腕をとって出かけようとしました。

「・・・お前、暇なんだな?」
「いいえ!!忙しいもんです!」
普段なら厄介ごとに関わることを回避しまくるはずのオローリンの行動にクルモは心底疲れたようにため息をつきました。アウトドア派な後輩に妙な気迫で引っ張られ、ドアは既に目の前です。
世界が始まって間もないというのに全てに疲れてきていたクルモは、引っ張られながらも一応の抵抗を示しました。
「私はお前と違って忙しいんだ。行くならあの鳥好きにでも頼め」
「彼を連れてくとややこしくなるし。悪い奴じゃないんですがね〜」
その頃、彼らよりも年少の、幼い顔立ちのマイアは、鳥に囲まれながらくしゃみをひとつしていました。

オローリンの言葉にクルモは再びため息をひとつ落として遠くを見上げました。
「・・・私はいつもお前に振り回されている気がする」
「・・・・・・あは!」
ごまかすように笑った灰色衣の後輩を、酷く恨めしく思ったのは否定できない事実でした。












「なんだ、声の魔術使殿ではないか。創世以来か?久しぶりだな」
あのあとローリエンの庭を訪れた二人は、オローリンがその姿を見た場所と大差ない木漏れ日の下にアルタノを見つけました。
あまりに暢気な第一声に拍子抜かれたものの、クルモは苦笑いに似た精一杯の愛想笑いを浮かべましたが、オローリンの方は呆れたといった表情でクルモを見上げました。
「信じられない・・・。そんな長期間会ってなかったんですか?」
「・・・・・・・・・。どうやらお互いご健在のようで何よりですな、アルタノ殿。しかし貴殿についてあまり感心せぬ噂をお聞きしましたぞ」
「なに。誰から」
『・・・アイウェンディルからです』


二人は突然の問いに条件反射のように返しました。
即答されたアルタノは首をかしげながらアイウェンディルの顔を思い出そうと唸っています。

「?ヤヴァンナ様の、鳥の名を持つ者か?・・・我はその者とは面識がないのだが・・・」
「彼のことはどうでもいいんです!クルモ」
アルタノの思考を遮ってオローリンはクルモに話の展開を促しました。
すべて他人任せと言えなくもないその態度に、クルモはため息をつきながらアルタノと正面から向かい合いました。


「アルタノ殿。我らアウレの眷属が迷惑を被っているかのヴァラのことを、貴方がたいそう気にかけてらっしゃるとの話を聞きました。・・・誠ですか?」
しかし話し始めれば流石なもので、その美しい声と真剣な表情にアルタノもマジメな表情を取り戻して答えました。
「む。少し気恥ずかしいが、確かにそうなのだ。あの、他にはない特別な魅力が我のツボにきているのでなぁ・・・」
際立って美しい顔をほんのり赤く染めながらうっとりと呟くアルタノに、オローリンは「これで中身も見た目通りだったらなぁ・・」と遠い目をして呟いていたとかいないとか・・・。


「貴殿は間違っておりますアルタノ殿。」
しかしクルモはオローリンよりかは長い付き合いで、アルタノの言葉を否定しました。
その言葉にアルタノは無表情にクルモの目を覗き込み、次の言葉を待ちます。
クルモはそれを好機ととったのか、自分だけがもつ特称な能力を発揮させました。

「よいですか。アレはスペシャルなのではなく、アブノーマルなのですっ!それに惹かれてはなりませぬ!!」
(・・・あ。声の魔術全開だ。つか凄い論説。)
クルモが力を使ったことに気づいたオローリンは、一人で彼の台詞につっこんであげていました。

「し、しかし、我は・・・あの方の外見であの方に憧れているわけではなく・・・・・・」
極めて珍しくしどろもどろに返すアルタノに、クルモの瞳がキラリと輝きました。
もう一押しでオトせると確信した彼はより一層声に力を込めて大音声でのたまいました。
「いいえ、いけませんな!忘れなさい!それが貴方の為です!!」
「そんな・・・・っ」
(あ、傷ついてる)
クルモの言葉にアルタノは涙を両目にためて悲痛な声をあげました。
その様子にクルモは驚き動揺し、僅かなりとも後ずさりました。
オローリンといえばアルタノの涙には動揺せずに淡白な感想を抱いただけでした。


「だ、だから・・・、かの者に羨望の目を送るのはおやめなさい。貴方ほどの方ならより素晴らしい方が現れるでしょう」
何だかんだといいながら同胞である彼の涙を見て罪悪感が涌いたのか、クルモの声に力が失せました。思わず多少の慰めも入ります。
すると反対に威勢を取り戻したアルタノは、頭をブンブンと振って力説しました。
「・・・いいや、あの方以上の素敵な方はエアの中にも外にもいらっしゃらぬ!・・・何故貴方方はそのようなことをおっしゃるのか?」

『え゛?』


最もな問いかけに、今度は二人が詰まりました。
その反応が益々妙だと感じたアルタノは胡散臭げに二人を見て言いました。
「我が、力にて立つ方を羨望して何か都合の悪い事でも?」
「いや、ただあまりにも気分がわるく・・・グハァっ!?」

クルモが突然悲鳴をあげて悶り打ち、その場に倒れました。
クルモの後ろに立つ者がいたならば見えたでしょう。
アルタノの死角でオローリンの裏拳がクルモの腹にキマっているのを。

「?なんじゃ?クルモ殿どうされた?」
「お気になさらずに。持病である腹部抉れ症が疼いたのだそうです。すぐに治まります」
その手馴れた言葉に、地に這いつくばって身悶えているクルモは本気で殺意を覚えました。


そんなクルモを見もせずに、オローリンは僅かに涙を目にためて頷きました。
「わかりました、アルタノ殿。貴方のお気持ちは充分私たちに伝わりました。正直、私は感動いたしました。貴方の気持ちは本物ととって宜しいと思います。クルモもそう頷いています」
「え?」
突然話をふられ、オローリンに首根っこを掴まれて無理やり立たされたクルモはきょとんとアルタノを見ました。
アルタノもクルモを見て嬉しそうに笑みを浮かべます。

「そうか。わかってくれるか。アウレ様の眷属である、同族の貴方に解って頂けると、我も心が軽くなる・・・」
(む。)
しかしクルモはその言葉に眉間に皺を寄せて厳しい目でアルタノを見ました。
それぞれに譲れないものはあるものですが、クルモにとってのそれがこの言葉で触れたのです。
クルモはアルタノと真正面に向かい合い、それまでの妙な話し合いにはない気迫で言葉をつむぎました。

「アウレンディル殿。これだけは言わせて頂く。貴殿が件の神を好くのは勝手であるが、工みの神への尊心を怠ることは決してなきよう!我らはあくまでもアウレの眷属なのだから!」
「クルモ・・・」
その言葉は彼の心を形に成したものであり、山深い滝のように力強く、それを構成する水のように澄んだものでした。
瞳には彼の仕える神が創り上げる焔が見て取れ、アルタノは改めて目の前の青年が同族であることを悟ったのです。

「・・・承知した。我は工の神の家内である。主への忠誠は変わらぬ」
「・・・よろしい。では、邪魔をした。ここらでお暇しましょう」
当たり前のはずの言葉が、ここでは神聖な宣誓でした。
この地は、かつての永遠の館とは違うのです。
クルモは浅く頭を下げるとアルタノに背を向けて歩き始めました。

それにすぐに続くかと思われたオローリンは、軽く会釈をしたあと思い出したように念を押しました。
「最後にいらぬお節介かもしれませんが、どうかその髪をかのヴァラのようにすることだけはお控えください!」
「?何故だ?」
やっぱり解っていなかったアルタノの言葉に、オローリンは言ってよかったと心の中で涙を流しました。
「おそらく全アイヌアの見解です。貴方のその髪が失われることは、メルコール様とて嘆かれるはず・・・」
メルコールの名を出すと、アルタノの表情は変わりました。
オローリンはやはり心の中でガッツポーズをとりました。
「そうか・・・。承知した。わざわざ悪かったな、御二方」
「いいえ!では!!」









それから二日後のことです。
「ですから、サウロン殿の話を聞いていたら、私たちは完全に薮蛇ではないかと思ったんですよ!」
「薮蛇は貴様だけだ!なぁにが我々は貴方の気持ちを理解しましただ!私はそんなことまったく思っとらんわ!!」
「あー、はいはい。私が悪かったですよー。今度遠征したら珍しい鉱石でもお土産にしますから、機嫌直してくださいよー」
「そぉいう問題かっっ!?貴重な時間を割かれてしまった!どうしてくれる・・・」
「二人とも・・・・・・」
罵り合いに突然割って入った陰気な声に二人そろって振り向くと、そこにはボロボロになった茶色のローブを纏った、これまたボロボロな顔の少年がこちらを見ていました。

『・・・アイウェンディル??』

そう、そこには彼らの旧友である「鳥の友」と名のアイウェンディルが立っていました。
いつも元気で幼さの抜けないアイウェンディルは、しかし今回ばかりは異様な暗雲を背中に背負ってこちらを見ていました。
そのままヨヨヨヨヨ、と効果音のつきそうな仕草で二人の傍によると、頭を両手でグシャグシャにかき回しながら絶叫します。

「聞いてくれよ!二日前からアルタノが恐い顔で僕を追いかけ回すんだ!貴様はメルコール様が好きなのかとか、何企んでるとか言って!僕にはさっぱり解らない!あんっましつっこいから、メルコールなんか好きになったらオシマイだよ!って言ったら彼すごい勢いでブチ切れたんだ!このままじゃ僕は殺される!!お願いだよ、匿っておくれ!」
『・・・・・・あ。』

アルタノに聞かれてアイウェンディルに濡れ衣を着せたことをすっかり忘れていたお二人でした。




  おしまい。





なしてこの時代にローリエンの庭があるのかとか、なしてこの時代にヴァリノール?とか、クルモは黒髪だろ?とか、アウレの館って・・・とか、てゆーかアルタノって・・・とか、そういったことは一切無視の方向で(死)!!