|
2 クルモ「で、私に何をしろと?」 アイウェンディル「なんでもいいんだ!一番有り難いのは、君が僕の茨そっくりの物を造ることだけど」 オローリン「・・・凄いこと頼むもんだなぁ。言うなれば、二人のどちらが認められるか、って話になる」 アラタール「奴らの力量関係なんかハッキリしてると俺は思うけど?」 オ「いや、物事には元々それぞれ各々の分野と領分がある。アイウェンディルの要求はそれを越えている気がするんだ」 アイ「・・・賢明な人が頭を回転しだしたよ(悪いけどちょっとウザいなぁ←酷)」 ク「珍しい←酷」 アラ「んじゃあ、お前はどーゆーつもりでクルモなんかに頼んだよ」 オ「私は彼がバイオ関係の技術でもって茨のクローンを生成すれば、二人の分野も領分も損なわずに大団円だと思ったんだ」 アイ「それは・・・倫理的にどうなの」 ク「そうだ。それに我が殿でさえ御手を付けてはならぬ秘法を、私が使ってよいとは思えぬ」 オ「そうですか。では私には何も言えませんね。アイウェンディル、頑張れ」 アイ「うぅ!・・・クルモぉ!なんとかならないのかい!?僕の子供達も同然なんだよ〜。僕が大切に育てたんだ〜(大泣き)」 ク「・・・わかったから泣くな。出来る限りのことはしよう」 アイ「!ほんとかい!?」 ク「私とて、自らの手で世に出したものへの愛情はあるからな」 アイ「!クルモ!ありがとうっ!!(再びダイブ)」 アラ「・・・何だかんだ言って、結局は手伝っちまうんだよなぁクルモあんちゃんは」 オ「・・・自分でも気付いてないとこで面倒見がいいんですよね」 ク「うるさいぞ。・・・さて。要するに被写体の複製を造ればいいのだな」 オ「簡単なことじゃありませんよ。メルコールの頭に置く茨の木です。大地の女王が求めるものでもありますし」 ク「ふむ・・・しかし、我が殿の安眠を妨げるような真似はしたくはな・・」 アウレ「うぅシクシク・・・クルモご飯〜!もう卵かけ御飯でいいから用意して・・・・・・て、あれ? (シャキーン) お前達。来てたのか」 アラ「・・・親っさんも相当なアホキャラだな」 オ「あれで三大ヴァラールのお一人なんだよ。まったくボケボケだよ」 アイ「だけどおっかさんはとっても怖い御人なんだよ」 ク「誰が誰だっ!!アウレ様!卵かけ御飯じゃないでしょう!いつも貴方が召し上がってらっしゃるのは、刺身定食です!」 ア「え〜。でも卵かけが好きなんだ〜」 オ「庶民派なのですね匠の殿。ところで殿にお頼み申し上げたいつてがございます」 ク「オローリン!約束を違える気か!?」 オ「申し訳ありませんが、いま貴方が頭の中で思い描いておられるような約束はしておりませんね←ニッコリ」 ク「っ!(やはり策士!?)」 アイ「殿!我が主にして貴殿の奥方であらせられる、大地の女王についてご進言させて頂きとうございます!」 ア「なんだアイウェンディル。そんな切羽詰まって」 アラ「小鳥ちゃんにもあんな語り口調が出来たんだなぁ意外。」 オ「やっぱナメちゃいけないんだね」 ク「外野はうるさいぞ・・・(ぎろり)」 アラ「っはー!外野には誰かさんも含まれてると自覚なさってんのかね〜。今のうちに卵でも用意したらいかが?」 ク「・・・殺す。」 アラ「喧嘩上等。」 オ「大人げない真似はやめてくださいよ二人とも!クルモも騒がさない方がいいですよ!あぁもう!知りませんからね!」 白さんが青さんと死闘を繰り広げるなか、アイウェンディルは巧の神に進言を済ませました。 アイ「・・・と、いうわけなのです」 ア「ふむ・・・ヤヴァンナも、無邪気に酷なことをする女だからなぁ」 アラ「そんなトコだけは似てんなぁ←ボロボロ」 アイ「恐ろしいこと言わないでおくれよ!アウレ様!どうか、どうかお力を!」 ア「ふぅむ。そうだなぁ。お前にはクルモが世話になっているしなぁ」 ク「アウレ様!私はこいつらのバカ騒ぎに巻き込まれているだけです!世話になどは断じて!」 オ「まぁまぁクルモ。そう余計なことは言わずに!」 ク「余計だと!?おま・・」 アラ「はい!ちと黙っとけ〜(瞬速手刀)」 ク「ぐっ!・・・!」 アラ「わりぃなぁクルモ。せっかくの美声なんだけどよ。強めにやったし、明日まで声出ないから・・・ギャッ!」 ク「!!」 アイウェンディルと真面目な話をしていたアウレでしたが、有無を言わさずにアラタールを力いっぱい殴りました。 ア「ウチの子に何をする怒!」 オ「うわ〜、よりによって、アウレ様の前で。殴られただけですんだのは幸運だと思いなよ」 アラ「フ、フォローになってない・・・(半死)」 アイ「アウレ様ァ!私の件はどうなるのですか!?」 ア「あ、ああ、そうだった。よし。力を貸そう、我が妃の下部よ!」 アイ「ああ!有難うございます!」 ア「しかし、私にヤヴァンナの意思を曲げることは出来ぬし(ヘタレ)、複製などは邪道だ」 オ「・・・では、一体どのような手が?」 ア「ふむ。そなたらの頭の中には、狭い定義しか描かれておらん様だ。アイウェンディルよ。そなたの茨とやら、見せてもらおうか」 アイ「え?でも・・・ヤヴァンナ様の牧草地ですよ」 ア「ふむ!!わかった。では最もシンプルかつ一瞬で片付く方にしよう。それならばここから動かずとも事は足りる。」 アイ「そのような方法があるのですか!是非お願いします!」 ア「うむ!クルモ。お前にも教えておこう。お前がこれを使うべきと思った時分に、解らず後で後悔しても困るからな」 クルモは素直に頷きました。 3 アウレ「よし。まず必要なのは鉄の大筒だ。出来る限りでかいやつを用意するのだぞ」 オローリン「大筒・・・。いきなり私には何をするのか見当もつきませんね」 アラタール「やっぱプロフェッショナーは違うちゅーことやろ。ほれ、大筒」 クルモ(なんだ、その言語は・・・) アイウェンディル「心の中でツッコミ入れてるのは想像つくけどね、クルモ。生憎なんと言ってるのかサッパリだよ」 ア「ほらほら若造ども!さっさとセッティングせぬか!さて、次はこれを使う」 オ「?何でしょうこの黒い物体は・・・」 ア「おぉと!他の奴らが触ってもオローリン、お前はこれに触れるのを控えろ」 オ「えぇ〜・・!何故に?いつもマンウェ様に叱られている腹いせですか?」 ア「ちゃうわいドアホぅ!見せ場を残しといてやるから我慢しろ!」 アラ「しかし何故ですかな?普段は私に絶対触らせないでしょう(壊すから)」 ア「そのような自覚がある輩は普段の百倍は気を使え。さて、これを大筒に入れて・・さぁ、完成だ!」 アイ「うわぁ!なんか見るからに凄そうな装置ですね!私の為に、有難うございます!」 ア「なになに、今や虚空におわす我らの素晴らしい創造主よりの贈り物と見なすがよい」 アラ「ひゃー。でっかいなぁ」 ク(・・・・・・これは・・・・) オ「何ボーッと突っ立ってるんですクルモ」 ア「さてさて、これをヤヴァンナの牧場に向けて、と。よし!さぁオローリンよ。そなたの任、今や至れり!そこの縄に神秘の火を点すのだ!!」 ク(!!) オ「解りました。では、」 ク「や゛、め゛ろ゛ー!!」 オ「ナウア アン エドライス アムメン!・・・は?」 シュボッ。 次の瞬間、遥か彼方の南西に、爆発の華が咲きました。 『・・・・・・・・・・・・・・・・・。』 ア「我らアイヌアが争わなくてはならぬような厄災は、滅びるが吉なのだ。しかしこれでまた平和な大地が傷ついてしまった・・。どうかこのようなことが以後起こらぬよう、我らが主に祈るのみ・・」 アイ「なっ、なっ、何やってんだこの大ボケヴァラがー!僕の茨がーっ!!」 ア「む。そなたが珍しく嘆願する故に、諸悪の根源イバラとやらを一掃してやったのだぞ。・・ヴァラに向かってボケとは何事じゃコラー!」 アラ「だーはははははっ!!すげぇ!お前の殿様は究極のバカだぜクルモー!」 ク(反論出来ん・・・涙) オ「ヤ、ヤヤヤ、ヤヴァンナ様に殺される・・・!」 アラ「やべぇ!マジウケる!ぎゃはははは!」 アイ「喧しい!バカがバカ笑いして笑ってんじゃない!」 アラ「・・・なんだと鳥ー!」 ア「待てアラタール!そいつはマンドスのリングにかけてもまだ足りぬ暴言を吐いたのだ!私の獲物だ八つ裂きだ!!」 アイ「審判の輪にはアンタがかけられるに一万レンバス!」 ア「マンドス並の予言をするなー!」 オ「ヤヴァンナ様をキレさせる=愛人のマンウェ様(え)キレる=ヴァルダ様キレる=メルコールほくそ笑む・・ぶつぶつ」 ク(・・・こんな日常、忘れてしまいたい・・・泣) その後はまさに、地獄絵図そのものでした。 ヴァラールの、ヴァラールによる、ヴァラールの為だけの殴り合いです(この格言は何万年か経た後、あるアタニに引用された、哀しくも由緒在る言葉です)。 特に何千回目かになるアウレとヤヴァンナの夫婦ゲンカは、壮絶なものがありました。しかし結局はヤヴァンナが勝利を収めたのです(ちゃぶ台返しを武器としたアウレでしたが、ヤヴァンナの画鋲仕込みの平手打ちには敵いませんでした)。 それはマンドスの砦に幽閉されている暗黒の王の耳にも入りましたが、「なーんでこんな奴らと真面目に喧嘩なんかしてんだろわし」と屈辱的な感情を持たせ、精神的ダメージを与えたものです。 が、誰も冥王に逆ギレ出来ぬ、悲しいお話なのでした。 「・・・それで怒りの戦いのとき、モルゴスは去ったと思ったら、今度はサウロンのバカが調子に乗り出しておるという。あの生活に心底嫌気がさしていたわしは自ら立候補して中つ国行きを決めたのじゃ。したらなんということか!青の奴も来るという。マンウェは灰の姿をいちいち探させて命令しよるし、ヤヴァンナは茶を同行させよなどと言ってくる・・。当時はそれこそ御心と自分に言い聞かせておったが、多彩なりし今は解る。あれは職権濫用というものだ」 「はぁ・・随分とご苦労なさったのですねぇ」 「誠難儀した。その時のことを先日ふと思い出してのぅ。アウレの大砲とは行かずとも、素晴らしい調合であった爆弾に関わらず、ウルク=ハイどもは失敗しよった!ローハン側にフオルン達がいただけに、口惜しいことじゃ!」 「あれはバクダンと名のつくものなのですか。人の子の身でこれを知れたことは、わたくしだけの栄誉でしょうなぁ・・←汁けたっぷりにウットリ」 「まったく、二百年かけて造った杖は折られるし、容赦ない水責めにはあうし!わしがいったい何をしたと言うんじゃけしからん!蛇!もっとワインをもて!」 「お体に障りますよ殿・・・」 「えぇい、やかましいわボケっ!!」 これは赤表紙本にも載っていないほんのささいなお話です。真実かどうかは、今や誰にも解りません。 完 |
| 会話文のみ!!こういうのだったら非常に楽でかつ楽しくていいのになー。 アイヌア勢は完全なる妄想像なので信じちゃいけません〜。 |