ATOMIC-BOM Messenger Girl (自転車編その2)

駆動系編

オリジナルの駆動系

オリジナルの駆動系は写真の様に、クランクからチェーンホイール、スプロケットからディレイラーに至るまで1パーツ成型。
特にスプロケットからディレイラーに至る部分は、NC加工で無ければ再現不可能ではないかと。

ガレキで量産する事を考えると、全て1ピースで表現するのは現実的な構成なのですが、残念な事に当方のパーツは気泡が集中しておりまして(泣)、修正して使うにも無理が有りました。
よって、今回は手加工でNC加工に挑む事となったのでした・・・。


クランク切り離し

気泡の偏在している部分は修正を諦め、思い切って置き換える事としました。
まずは、チェーンホイールと一体成型されているクランク部分をカッターで丁寧に切り離します。

幸いにもこの部分は気泡が殆ど無いので、このまま使う事とします。


スプロケットの置き換え

一番気泡の集中していた、スプロケット部分は全面置き換え。
0.4mm真鍮板にディバイダーとケガキ針で直接作図し、各種工具を駆使してギアを削り出します。

写真は一通り加工が終わった状態。
この後、バフ掛けして黒色ニッケルメッキします。

当初は自作6段+ローギアにエッチングを流用して7段ギアにする予定でしたが、スイングアームが広がりすぎる事から5段に変更。
よって、トップ側のギア2枚は折角作ったもののボツの憂き目に・・・。


チェーンホイールとクランクの結合

フロント側のチェーンホイールも、スプロケット同様に0.4mm真鍮板から切り出します。
こちらはなかなか苦戦しまして、写真の形になるまで5回位作り直したりして・・・。

クランクとの結合は、0.7mmの極細ボルト&ナットを使用。

極細とは言えステンレス製なので、完成させると結構な強度になります。
その代わりバカ高ですが・・・。


Top Studio製チェーン

さて、チェーンですが、こればかりは自作不可能なので何か探さないといけません。
当初はタミヤのRC166用チェーンを候補に挙げていたのですが、それを凌ぐ製品が何と香港から出ていたので試しに購入してみました。

それがこのTop Studio製チェーン。
数種類が販売されていましたが、金色で見た目がゴージャス?なRC211V用を今回はチョイスしました。

説明書が中国語メインなのがアレですが、まぁ想像力を駆使して組んで見ましょうか。


試しに組んでみた

タミヤもTopStudioも、エッチング製リンクプレートをステンレス製ピンで繋げると言う基本構造に変わりはありません。
しかし、タミヤと違い、TopStudioはピンの頭をハンマーでぶっ叩いてカシメるので強度が断然違います。
仮組み等後々の事を考えると強度があるに越した事は無いので、ここはTopStudio製をチョイスする事としました。

写真は1セクション組み立てた状態。
組み立ては精神修養に近いモノがありますが、完成すると感動モノですよ、コレは。


意地の集大成、ディレイラー

ディレイラーは当初、キットパーツを流用するつもりでしたが、チェーンを張る事を考えた結果、コレも自作する羽目に。

ハンガーにぶら下げる部分は0.4mm真鍮板に真鍮パイプ、無鉛ハンダの盛り合わせから削り出してメッキ加工。
パンタグラフ部分はアルミ厚板から削り出し、プーリー部分はmotoGP用エッチングパーツを小加工して流用します。

チェーンの張力を考え、組み立てはステンレス線と極細ボルト&ナットで行います。


駆動系の完成

スプロケットを組み込んだリアホイール&タイアを装着後、チェーンホイールを接着。
ハンガーにディレイラーを吊ったら長さを調整したチェーンを張り(これが高難度)、ディレイラーにシフトケーブルを配索して駆動系は完成です。
ちなみに、駆動系で塗装したのはクランクとペダルだけだったりして・・・。

ディレイラーなんかは構造を考えるだけで2ヶ月近く掛かりましたが、何だかんだ考えるより手を動かすのが完成への近道でしたな。


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