エッセー
第10回
<献眼登録にご協力をお願いいたします>

 私は現在、角膜移植術の待期患者の一人です。
 これまでの幾度もの手術によって、角膜に疾患が及びました。
 成功の可能性としては低く、成功したとしても、どれぐらい視機能が回復するかは分からないとの医師の話ですが、若干でも可能性として残されているのは、この角膜移植しかないことも事実です。
 妻や子供たちの顔を人目見たい、そんな思いから思い切って、提供待ちの登録を今年の春に行いました。
 当初、4ヶ月以内にはなんとかなるのではと言われていましたが、現在(本文執筆時)8ヶ月が経過しようとしていますが、未だ連絡はありません。

 日本アイバンク協会が中心となって、角膜移植と献眼登録の啓発が行われています。現在の角膜移植の待期者数は、約3千人超です。角膜が透明で、特定の感染症などがなければ、年齢に関係なく、どなたでも献眼ができます。
 しかし、国内の献眼の登録者数は必要数を大幅に下回り、不足分の一部は海外からの輸入に頼っているのが現状です。

 アイバンク発表の平成19年度のデータは次のようになっています。(日本全国)
献眼登録者数:16,007人
献眼完了者数:995人、うち移植眼数:1,542(両眼、または片眼)
待機患者数:3,011人(両眼、または片眼)
です。

 私は、現在他臓器のドナー登録も行っていないので、大変勝手でこんな文章を書くこと自体も憚れますが、今後ドナー登録を積極的にしていこうという気持ちになりました。

心情的なものに加え、宗教的な思想もこれらの考え方を大きく左右するものになっているのでしょう。
 他者への貢献意識や死後の肉体に対する考え方など、欧米の方々との認識の相違は大きいと感じています。
 こういった分野でも、海外からの輸入に頼り、恩恵を受けているのです。
 人のために自分は何ができるのだろう。社会にどうやって貢献していこうなどと真剣に考えておられる方々に学び、私もそのような行動に積極的に携わっていきたいと思っています。

 私の移植手術が完了し、拒絶反応も抑制できて、視機能が少しでも回復した暁には、そのレポートをまた、こちらに書かせていただこうと思っております。いつ報告できるかは今は全く分かりませんが。

*第11回目以降は、随時、テーマがある時に書かせていただこうと思います。また、皆様からのご意見、ご感想、ご質問、ご要望なども引き続き楽しみにお待ちしておりますので、下記アドレスまでお寄せください。
7.17-osaka@mbe.nifty.com
 お互いに思いやれる、明るい社会の構築のため、心を合わせて共々に尽力していきましょう。

文章提供:中島敏明